「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/18日分:高英起の巻)

金正恩がナイショで乗っていた「密輸レクサス」と危ない話(高英起) - 個人 - Yahoo!ニュース
 正直こういう記事を読むと「制裁など意味があるのか」と思いますね。むしろ太陽政策を進めるべきじゃないか。

 調達はロシアの会社を通じて行われたとされ、日本車の内訳は高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタ車が211台、日産が43台、三菱自動車が2台となっている。

 「レクサスを含む」ですから大半は日本でいう大衆車でしょう。高級車を211台も輸入するとは思えませんので(勿論北朝鮮では日本の大衆車でも車自体が贅沢品でしょうが)。
 どうでもいい話ですが、「トヨタ、日産」に次ぐ大手「ホンダ」が出てこないのは、購入してないからなのか、はたまた「ロシアの会社」とは別ルートで購入してるのか。

 韓国の情報機関・国家情報院は2017年6月、金正恩氏が米韓による襲撃を恐れて自身の専用車であるベンツを使わず、部下に贈ったレクサスに乗って移動していると国会情報委員会の委員らに報告している。

 「米韓の襲撃」云々が事実なら「米朝交渉も多難」とは思います。北朝鮮が本心では全く米国を信用していないと言うことですから。「2017年6月以降」そうした「米韓への不信」が変わったのなら嬉しいですが。

 こうした北朝鮮のぜいたく品調達の実態は、具体的な事実が明らかになる度に(ボーガス注:話題性もあって、制裁のわかりやすい抜け穴として)メディアの注目を集める。しかし、これはそれほどの大事なのだろうか。
 考えても見てほしい。仮に、北朝鮮に大量の高級時計が輸出されたとして、それで周辺国への軍事的脅威が増したり、北朝鮮の国力が強まったりするのだろうか。金正恩氏が、たとえ最高級スポーツカーを100台揃えてみても、それで米韓連合軍に対抗できるわけではないのだ。
 そして、金正恩氏がぜいたく品に金を使うほどに、北朝鮮は貴重な外貨を失って制裁への抵抗力を弱める結果につながるのである。

 苦しい言い訳ですね。本気で高がそう思うのなら彼は安保理制裁でアレ、日本の独自制裁でアレ、「軍事的緊張を高める軍事物資以外は制裁対象から外していい」「むしろ贅沢品なんか外してかまわない。北朝鮮トヨタ車を100台買いたいなら勝手に買わせればいい」「贅沢品輸入規制のための監視をその分、軍事物資輸入規制に回せる」というべきでしょうが、そうは言わないわけです。
 結局、アンチ北朝鮮分子として「北朝鮮が贅沢品輸入しようが痛くもかゆくもねえんだよ、制裁は間違ってない」といいたいだけでしょう。

 それよりも、よほど「危ない話」はほかにある。北朝鮮は5月、2回にわたり「戦術誘導兵器」の発射訓練を行った。この兵器の正体は短距離弾道ミサイルで、外観も飛行特性もロシア製弾道ミサイル「イスカンデル」と酷似しているとされる。

 それが事実として「ロシアミサイルのコピー」なんでしょうね(高が言うほどこのミサイル開発が「危ないかどうか」はともかく。当たり前ですが、北朝鮮の国力を考えれば彼らから開戦することはまずあり得ません)。
 つまりはロシアは北朝鮮を支援してるわけです(ロシアからの技術協力なしにはコピーは困難でしょう。ロシアの技術者が協力するほど深入りしてるかはどうかはともかく、少なくともミサイルがロシアから北朝鮮に提供されたことは確かでしょう)。少なくともロシアは北朝鮮体制打倒論にはたっていない。
 それで北朝鮮が打倒できるのか。今更言うまでもないでしょう。中国も北朝鮮を支援していますし。
 そこで「中露ごと打倒する」つうのは現実的ではない。
 なお「イスカンデル発射実験」は
1)「北朝鮮は外交交渉を希望している」が米日韓の態度によっては、いざとなったら軍事的対応もあり得る、軍事的対応を完全に捨てたわけではないと言うアピール(ただし長距離ではなく、短距離ミサイルにとどめ、米日韓の必要以上の反発をかわない)
2)ロシア製ミサイルのコピーということで「ロシアとの友好」をアピール
でしょうね。
 たぶん事前にロシアにもある程度、話はしてるんじゃないか。
 ロシアの同意もなしに「ロシアミサイルのコピー」を発射したらロシアから「ウチが米国から非難されるじゃないか!」と抗議されかねませんからね。
 とにかく北朝鮮は彼らなりに計算してるわけで、無神経にミサイル発射してるわけではないでしょう。