新刊紹介:「前衛」2月号

 「前衛」2月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
外国人労働者使い捨て促進の改定出入国管理法:国会論戦で浮き彫りになった欠陥、人権無視(藤野保史
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
入管法改定案 仁比議員の反対討論、参院本会議
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-09/2018120905_02_1.html
■主張『「入管法」成立強行:「使い捨て」を許さぬ声さらに』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-09/2018120902_01_1.html
外国人労働者 違法の通報 機能せず、倉林氏「安い労働力使用だ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-12/2018121205_01_1.html
外国人労働者 建設業の実態 黒塗り、山添氏「都合が悪いと隠す」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-12/2018121205_02_1.html
■真冬に不審な「溺死」 薬品プールに転落、外国人実習生の死亡事例、野党が資料開示要求、合同ヒアリング
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-14/2018121402_03_1.html
■シャープ・外国人派遣元転々、厚労省「派遣法に違反」、小池氏に回答
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-20/2018122002_03_1.html
■外国人就労 最大34万人超、拙速な施行やめよ、政府・基本方針 小池書記局長が批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-26/2018122601_01_1.html
■主張『外国人就労方針:これで見切り発車は許されぬ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-27/2018122701_05_1.html


特集「消費税増税を止める」
■日本経済に破局的影響もたらす「消費税10%増税」の中止を(垣内亮*1
■日本を消費税増税とばらまき「対策」が壊す(湯浅和己)
(内容紹介)
 消費税10%増税は消費意欲を冷え込ませ、景気に悪影響を与えるとともに、貧困者の生活をさらに苦しいものにするとして、中止を求めている。

赤旗
■「消費税10%」増税宣言、安倍首相 来年10月強行、経済全体に破局的影響
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-16/2018101601_01_1.html
増税しないことが「万全の対策」、小池書記局長が批判
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-16/2018101601_02_1.html
■主張『消費税10%の増税:集め方も使い方も格差拡大だ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-30/2018103001_05_1.html
■主張『与党の消費税対策:増税の混乱を広げるばかりだ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-25/2018112502_01_1.html
■主張『政府の消費税対策:中小業者を苦しめるばかりだ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-29/2018112901_05_1.html
■消費税10%増税“対策”「混乱と不公平生む愚策」、小池書記局長 「中止の一点で力合わせる」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-18/2018121802_01_1.html


■取り残された植民地支配の被害と向き合うとき(内海愛子*2
■「徴用工」判決にどう向き合うか:日韓請求権協定の経緯と日本の植民地支配責任(吉澤文寿*3
(内容紹介)
 細部はともかく、「新日鐵住金は元徴用工と話し合い和解すべきだ。けんか腰の安倍政権の態度など論外だ」つう大筋では、内海論文、吉沢論文とも、以前の拙記事(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20181218/5421309876)で紹介した『重大な人権侵害・元徴用工問題の解決の道筋を考える』(川上詩朗論文)と同じです。なお、無能のため、詳細の説明は省略します。
 まあそれはある意味当たり前です。そうした「大きな方向性」においては、共産党、川上氏、内海氏、吉沢氏は共通しているからです。


■安倍政権の別動隊=「維新政治」を打ち破る:大阪のたたかい(中村正男
(内容紹介)
 まずは維新が画策する「大阪都構想復活」「カジノ実施」を阻止すること、それが大事でしょう。
 もちろん今年は「統一地方選(任期満了による大阪府・市長選)」「参院選」の年でもあるのでそこで維新にどう勝利していくかという問題もあります。
 維新一派が「話題作りのために府知事、市長ダブル選挙を仕掛けてくる」つう話も出ていますので、そこでどう迎え撃つか。正直、在阪マスコミの維新へのこびぶりや「大阪府民、市民の馬鹿さ加減」を考えると過剰な期待も出来ませんが「府知事選、市長選で維新が敗れれば」それで話は終わるわけです。


■JCPサポーター制度の新しい挑戦:連続選挙勝利をめざして(田中悠)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。なお、現時点では「始めたばかり」なので、おそらく「目に見える成果(選挙での得票数、赤旗の購読部数など)を云々するわけにも行かない」のでしょうがこうした新しい試みは大いに進めてほしいと思いますね。

赤旗
■「JCPサポーター」 ネットで反響
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-13/2018021304_01_1.html
■語った 踊った つながった、「ちょっと」を集めて政治変えよう、初のJCPサポーターまつり開く 5千人が交流
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102901_01_1.html
■JCPサポーターまつり、What's JCP 志位さんに聞いてみた、「猫派?犬派?」から共産主義まで、市民と双方向です
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102903_01_1.html
■JCPサポーターまつり、“声上げないと”“共産党に注目していた”、首都圏の議員・予定候補が参加者と交流/東京・千葉・神奈川・埼玉・茨城
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102914_01_0.html
■JCPサポーターまつり、会場は笑顔でいっぱい、「来てよかった」「ノリ最高」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102915_01_1.html
■JCPサポーターまつり、猫や人にやさしい社会に、テーマ別に市民が交流
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102915_02_1.html
■JCPサポーターまつり、「赤旗」電子版の体験ブース 使いやすい
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-29/2018102915_03_1.html


安倍内閣と財界の「Society5.0」の空疎な中身:AIによる「未来社会論」批判(友寄英隆*4
(内容紹介)
 「Society5.0」とは何かというと、内閣府曰く

https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
 狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

だそうです。まあ、「俺が理解した限りでは」友寄氏の批判は、俺が思うに「Society5.0の中身が抽象的すぎて具体性がなく何がやりたいのか分からない」「単にAIや情報化社会をバラ色に描き出してそうした方向に政府予算をつけたいだけじゃないのか、結論ありきじゃないのか。結論を正当化するために誰からも受け入れられそうなバラ色の夢を描いただけじゃないのか?」つう事だろうかと思います。

 
■軍事で国はまもれない:神奈川県基地シンポジウムから(孫崎享*5笠井亮*6
(内容紹介)
 すでに
日本共産党逗子市議団『日本共産党主催の神奈川基地シンポジウム、米軍基地の機能強化と実態明らか!』
http://www.jcp-zushi.jp/archives/13312
日本共産党横浜市議団『武力・軍事で国は守れない 基地シンポに400人』
http://www.jcp-yokohama.com/archives/20464
などで紹介されているシンポジウムをより詳しく紹介した記事です。
 記事を読めば分かりますが「軍事では国は守れない」ですが、これはもちろん「軍隊がいらない=非武装中立」を必ずしも意味しません。
 そういうことではなく
1)本当に北朝鮮が日本めがけてミサイルを撃ってきたら、「100発100中で迎撃できる保証なんかない」。むしろすべきことは「そういう事態が起きないようにする外交」だ
2)軍隊で国を守れるのは「外国の侵略」だけだ。「災害から国民を守る(防災)」「貧困から国民を守る(社会保障など)」なんてことには軍隊は全く役立たない(自衛隊の災害支援はそもそも軍隊の本来任務ではありませんし、今問題になってる「大量の武器購入」は災害支援のためのものでもありません。もちろん貧困から国民を守ることには何ら軍隊は役立ちません)
 そして「むしろあり得る国民の危機」は「外国の侵略」ではなく「貧困や災害」ではないのか。そして軍事に金をつぎ込むことは「貧困や災害から国民を守ること」を困難にする
 軍事費に多額の税金をつぎ込み、福祉面で問題がある米国などその典型ではないのか。
3)自衛隊はともかくそもそも日米安保は「日本防衛のためにあるわけではない」
4)戦前日本や戦後米国、旧ソ連が典型的だが「軍隊を強くすれば」防衛力がアップすると思うのは単純だ。逆に「武力で外交問題を解決しよう」とする「侵略力」がアップして、かえって平和が脅かされる恐れがある。また、沖縄戦においては日本軍は県民を守るどころか自決の強要すらした。軍事力は「可能限り小さくすべきだ」
つうようなことです。
 もちろん「基地シンポ」ですので「仮に安保条約や米軍基地が必要だとしても、それと『思いやり予算』『オスプレイ配備』『日米地位協定』などといった安保や基地の『現状の運用』が適切かは別問題だ。そうした運用の問題については安保条約賛成派、基地賛成派とも可能な限り共闘していきたい。それが例えば安保条約容認派で、元自民党沖縄県議である翁長沖縄県知事(故人)擁立だったと思ってる」などの指摘もされています。
 なお、孫崎氏が「高世仁らの米軍引き取り運動」について「砂川闘争、内灘闘争などで米軍を本土から一部*7撤退させた過去をどう思ってるのか?。あれらは『沖縄への基地集中を助長する間違った行為だった』のか?」「むしろ今我々がすべきことは、時代背景が違い単純比較できないとはいえ砂川や内灘で過去に出来たことがなぜ沖縄で出来ないのか、ということではないのか?」(俺の要約)としているのには全く同感です。


シリーズ「赤旗」記者取材ノート
■好評シリーズ「お役立ちトク報」に込めた思い(藤川良太)
(内容紹介)
 赤旗日曜版コラム「お役立ちトク報」を単行本化した『お役立ちトク本:知っておきたい社会保障活用術』(2015年、新日本出版社)、 『新・お役立ちトク本:すぐに使える社会保障活用術』(2018年、新日本出版社)の紹介記事です。単行本の副題から「お役立ちトク報」がどういう記事かは想像がつくかと思います。
 悪名高い「生活保護の受給抑制」が特に有名でしょうが、日本では役所は必ずしも「社会保障受給」に好意的ではないわけです。そこでまあ、別に赤旗日曜版の「お役立ちトク報」でなくても何でもいいですが、「受給したい側が理論武装しないといけない」という現状にあるわけです。そういう現状はもちろんよくない。
 本来、行政が自分から「困ってることはないか」と働きかけるようでないといけないですが、現実はそうなってないわけです。


■論点『異常な早さで進んだアセス 横須賀石炭火力発電所』(鈴木陸郎)
(内容紹介)
 東電が横須賀市に計画している石炭火力発電を経産省が認可した事への批判(もちろん温室効果ガス排出に対する批判)。


■暮らしの焦点『職業がんの正しい認識と労災認定・予防の対策を』(堀谷昌彦)
(内容紹介)
 職業がんというのは「石綿アスベスト)による建設作業員の肺がん」「有機溶剤による印刷労働者の胆管がん*8」「放射線被爆による原発労働者の発がん」など職業病としてのがんです。
 問題はこれを「どうなくしていくか」つう話ですが、「発がん原因は分かってる」わけですから、職場環境を改善するという話になるわけです*9。もちろん問題は「そのために行政や企業、労働組合はどう動くべきか」つうことですが。

赤旗
■「職業がん」防止せよ、小池氏 実態調査し制度厳格に
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-23/2016052304_06_1.html
■ぼうこうがんを労災認定、化学物質扱う労働者7人、福井労基署 小池議員の質問実る
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-23/2016122308_01_1.html
■ぼうこうがん労災認定、新日本理化徳島工場の元労働者、小池議員が尽力
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-23/2018082315_01_1.html


メディア時評
■NHKのネット常時同時配信(沢木啓三)
(内容紹介)
 NHKが目指すネット常時同時配信について「テレビを見ないことが多い若い世代からも受信料を取るための布石としてのネット常時同時配信にすぎないのではないか」、つまり「同時常時配信してるのだからインターネットを利用できる環境にあれば受信料を取って何が悪いと言いたいだけではないのか?(常時同時配信でないと、つまり現状のNHKオンデマンドだとそのように主張しづらいから)」と批判。
 現在のNHKオンデマンドで不満がある視聴者がいるのかと指摘している。


文化の話題
■演劇『日本国憲法を作り出した人たちの思い:劇団民藝『グレイクリスマス』』(水村武)
(内容紹介)
 劇団民藝の公演『グレイクリスマス』の紹介。

http://www.gekidanmingei.co.jp/performance/2018_graychristmas/
■あらすじ
 敗戦の年のクリスマス。進駐軍の将校クラブに母屋を接収され、離れに追いやられた五條伯爵家。天皇は人間になり、華族制度は廃止。路頭に迷って自殺を図る生活力のない当主の五條(千葉茂則)、戦犯裁判にかけられる弟(本廣真吾)、ヒロポン中毒の息子(岩谷優志)らの中で女たちはたくましく、後妻の華子(中地美佐子)と弟の妻・慶子(吉田陽子)は、将校クラブのホステスを引きうけた。不穏な動きを見せる闇屋の権堂(岡本健一・客演)や、日系二世の軍人ジョージ・イトウ(塩田泰久)が出入りする離れではにぎやかな宴が始まっている。
 ジョージの説くデモクラシーの理想に胸をときめかし、愛をふくらませてゆく華子。娘・雅子(神保有輝美)は、なぜか権堂に魅かれてゆく。やがてアメリカの占領政策がかわり、朝鮮戦争がはじまる。(ボーガス注:朝鮮戦争による)特需景気で旧勢力が息をふきかえし、五條の弟は政界に復帰、息子は警察予備隊に。そして翌年、(ボーガス注:朝鮮戦争で?)戦死したジョージから、思い出のオルゴールが華子のもとに届くのだった……。

 「戦犯裁判にかけられるが政界に復帰」つうのは実際の人間だと「賀屋興宣*10」「重光葵*11」がいますね。
 また「戦犯容疑者」も含めれば「岸信介*12」がいるわけです。

https://natalie.mu/stage/news/311327
■丹野郁弓コメント
 平和憲法が揺らぐいまだからこそ、心に響く台詞がたくさんあります。まさにタイムリーな芝居だと思いますね。敗戦後の混乱期を象徴するかのような様ざまな階層の人物が登場するのですが……アメリカ人、朝鮮人日系人、戦争成金、華族、庶民……いずれの役も作者、齊藤憐さんの深い愛情が注がれ生き生きと魅力的です。物語を縦横無尽に牽引する権堂役には、岡本健一さんを客演でお迎えし、より厚味のある群像劇に仕上がった感触があります。どうぞご期待ください。

https://mainichi.jp/articles/20181129/dde/018/200/007000c
毎日新聞劇団民芸「グレイクリスマス」上演 敗戦後の女性描く』
 劇団民芸は12月7日から、旧伯爵家を舞台に第二次世界大戦後の日本の5年間を描いた「グレイクリスマス」(斎藤憐作、丹野郁弓演出)を上演する。1992〜99年に奈良岡朋子*13主演で上演された名作が、東京・日本橋三越劇場で19年ぶりによみがえる。

https://mainichi.jp/articles/20181224/ddm/001/070/154000c
 大きく価値観が揺らいだといえば、敗戦後の日本。1945年から朝鮮戦争が始まった50年まで5年間のクリスマスを軸に、戦後民主主義とは何だったのかを問うのが斎藤憐(れん)の戯曲「グレイクリスマス」だ。今月、劇団民芸が約20年ぶりに上演した
▲タイトルは雪のないクリスマスを指す。こんなセリフがある。
<雪は、ゴミ溜(た)めも焼け跡も、汚いものをみんな隠してくれます><雪、降らないかしら。明日になればとけてしまって、いろんな汚いものが見えてもかまわない>
▲憧れのホワイトクリスマスならぬ灰色の世界は、うやむやのまま幕引きされた官僚のセクハラ疑惑や課題を積み残したままの外国人労働者受け入れ拡大、改憲の動きなど、どんよりとした今の日本の空気を思わせる
▲芝居は雪の降る中、主人公が憲法を読むシーンで幕となる。
<この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない>。
 世につれ、変わるものがある。そして、変えてはいけないものもある。


■映画『第31回東京国際映画祭から:「アマンダ」、「半世界」、イスラエルの秀作など』(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 第31回東京国際映画祭の紹介。副題から分かるように「アマンダ」、「半世界」、イスラエル映画を中心に紹介されています。

https://eiga.com/news/20181102/19/
■第31回東京国際映画祭、グランプリはフランス映画「アマンダ」 稲垣吾郎主演「半世界」は観客賞に
 第31回東京国際映画祭のアウォード・セレモニーが11月2日、東京・六本木のEXシアターで行われ、各賞が発表された。最高賞にあたる東京グランプリは、フランスの感動作「アマンダ(原題)」が受賞。最優秀脚本賞 Presented by WOWOWにも輝き、2冠を達成した。
 メガホンをとったミカエル・アース監督はすでに帰国していたため、ビデオメッセージが寄せられた。「受賞に慣れていないのに2つも受賞、しかもひとつはグランプリ。非常に幸せです」と喜びをにじませ、「作品上映後に、観客と素晴らしい議論が交わせました。地球の反対側でも映画が人々を感動させる、ということを知る以上のご褒美はありません」と目を細める。来年初夏の日本公開が決まっているだけに、再来日を誓っていた。
 同作はパリで暮らす青年ダヴィッドがある日、テロで姉を失い、残された姪(めい)のアマンダの養育者となる姿を描いた、家族の愛と再生の物語。審査委員長のブリランテ・メンドーサ*14は「単純に見えるものの、単純ではない。登場人物たちは見る者の心を惹きつけ、複雑な人間の感情を経験させてくれた」と講評を述べる。代理で麒麟像を受け取ったローラン・ピック駐日フランス大使は、「アース監督は、フランスの若手監督のなかで『最も日本人らしい』と言われています」としたうえで、「日本の映画ファンの胸を打つ作品であるよう、多くの人々の感動を呼び起こす作品であるよう祈念します」と思いを込めた。
 そして、稲垣吾郎が主演した「半世界」は観客賞を受賞。阪本順治*15監督は、手渡された法被を羽織り「これはちょっと不意打ちで……。親父の遺言で『スピーチは短めに』」と笑わせ、「映画を見て伝わった人も、伝わらなかった人も、見てくれたことに感謝します。(キャスト・スタッフ)みんなでお祝いします」と控えめに語った。
 今年のコンペ部門には109の国と地域から1829本が応募され、16作品が正式出品。妊娠した娼婦を主人公に据えたイタリア映画「堕ちた希望」で最優秀監督賞に輝いたエドアルド・デ・アンジェリス監督は、背筋をピンと伸ばし「この映画では、生と死を見つめています。自分が幸せになれないかと思ったとき、また新たな人生が見えてくるという物語。皆様にこの映画を愛していただくのが、一番素晴らしい賞だと思います」と言葉を紡ぐ。またアンジェリス監督の妻ピーナ・トゥルコが同作に主演し、最優秀女優賞を獲得。同監督は夫婦で2冠という記録を打ち立てたことに、「なんて素晴らしい映画祭! 素晴らしいハッピーエンドです。彼女がいたおかげで、宝物を発掘することができた」と充実感をのぞかせた。
 さらに「007 スペクター」などの名優イェスパー・クリステンセンが主演した「氷の季節」は、最優秀男優賞と審査員特別賞に輝き、こちらも2冠を達成。マイケル・ノアー監督は、穏やかなほほ笑みを湛えながら「今回の脚本は、クリステンセンさんのためにアテ書きされたもの。同時に、私の父が4カ月前に亡くなった。この作品を見ずして亡くなったが、父から多くを学んだ。自分が父となったとき、映画の登場人物よりは良い父親になろうと思っています。(クリステンセンには)私の父をモデルにしていると一度も言ったことがないので、それを伝えたい」といい、「彼は偉大な役者だけでなく、私の親友。人生で最も重要な人物を描いてくれた」「東京は魔法のような街。魔法のような時をありがとう」と感謝を示した。
 また、アジアの未来部門の作品賞は、新疆ウイグル自治区から届いた「はじめての別れ」の手に。発表の瞬間、関係者が座る客席から爆発的な歓声が沸き起こった。リナ・ワン監督は、「この映画が本映画祭で初めて上映されたとき、主演の女の子から電話がありました。『リレーで速く走ったけど、賞がとれなかった』と嘆いていた。今回、これが彼女に与えられる賞だと思います」と明かし、「スタッフの皆さん、プロデューサー、脚本、音楽、手伝ってくれた皆さんに感謝します。あなた方がいなければ、この映画はできなかった」と声を詰まらせていた。

 全受賞結果は以下の通り。
 コンペティション部門
 ▼観客賞:「半世界」(阪本順治監督)
 ▼最優秀脚本賞:「アマンダ(原題)」(脚本:ミカエル・アース、モード・アメリーヌ)
 ▼最優秀芸術貢献賞:「ホワイト・クロウ(原題)」(レイフ・ファインズ監督)
 ▼最優秀男優賞:イェスパー・クリステンセン(「氷の季節」)
 ▼最優秀女優賞:ピーナ・トゥルコ(「堕ちた希望」)
 ▼最優秀監督賞:エドアルド・デ・アンジェリス監督(「堕ちた希望」)
 ▼審査員特別賞:「氷の季節」(マイケル・ノアー監督)
 ▼東京グランプリ:「アマンダ(原題)」(ミカエル・アース監督)

 日本映画スプラッシュ部門
 ▼作品賞:「鈴木家の嘘」(野尻克己監督)
 ▼監督賞:武正晴(「銃」)、田中征爾(「メランコリック」)

 アジアの未来部門
 ▼国際交流基金アジアセンター特別賞:ホアン・ホアン監督(「武術の孤児」)
 ▼作品賞:「はじめての別れ」(リナ・ワン監督)

 東京ジェムストーン賞
 ▼木竜麻生(「菊とギロチン」「鈴木家の嘘」)
  リエン・ビン・ファット(「ソン・ランの響き」)
  カレル・トレンブレイ(「蛍はいなくなった」)
  村上虹郎(「銃」)

 稲垣が今もジャニーズ所属なら、稲垣主演映画の受賞がもっと騒がれたのだろうと思うと複雑な気持ちになります。

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12119-6156510/
東京国際映画祭、東京グランプリと最優秀脚本賞『アマンダと僕』が6月公開へ
 第31回東京国際映画祭コンペティション部門で東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞したフランス映画『AMANDA(原題)』が、邦題を『アマンダと僕』として2019年6月に公開されることが決定した。
 本作は、第75回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門でマジックランタン賞を受賞したヒューマンドラマ。美しいパリの街を舞台に、悲しみから立ち直ろうとする青年と少女の心の機微、そして2人の再生を穏やかな筆致で描いていく。
 自由に生きる青年ダヴィッドは、パリに出て来たばかりのレナに出会い、恋に落ちる。しかし突然の姉の死によって彼のおだやかな日常は壊れていく。悲しみに暮れるダヴィッドだったが、ひとりぼっちになった姪のアマンダの世話を始めたことから、彼は次第に自分を取り戻していく…。
 主人公の青年ダヴィッドを演じるのは、フランスで主演映画が立て続けに公開されている注目の若手俳優ヴァンサン・ラコスト。恋人レナ役には『グッバイ・ゴダール!*16』のステイシー・マーティン。そして一人ぼっちになってしまうダヴィッドの姪アマンダ役を、演技未経験ながら抜てきされたイゾール・ミュルトリエが務める。
 また日本公開決定と併せて本作のティザービジュアルが解禁。夏のパリの空を思わせる鮮やかなブルーを基調に、自転車を押す少女アマンダのあどけない横顔が印象的なデザインに仕上がっている。

http://www.1242.com/lf/articles/138423/?cat=entertainment&feat=cinema
■楽しみ方は“映画”だけではない! 第31回東京国際映画祭レポート
 「第31回東京国際映画祭」で個人的に注目していた特集が、「イスラエル映画の現在2018」。近年、秀作が数多く見られるイスラエル映画にフォーカスし、その複雑で多様なイスラエルという国を映し出す5作品が上映されました。
 なかでも印象的だったのが『ワーキング・ウーマン』。雇い主からの執拗なセクハラ&パワハラを受けるヒロインの姿を描いた女性映画で、「#MeToo」というワードが世界中でトレンドとなっている昨今、とてもタイムリーな1作です。それだけに上映後のQ&Aは、「雇い主に対する主人公の反撃が手緩いのではないか…」「主人公の旦那もだらしない!!」といった歯に衣着せぬ様々な意見が飛び交い、白熱した場に。
 ゲストで脚本家のシャロン・エヤールと共に、1本の映画を会場にいる全員でディスカッションする。お互いに意見交換をすることは、それぞれの国や文化を知るきっかけにもなります。これぞ、国際映画祭の意義だと思える、大変貴重な場面でした。
 狂言師野村万作野村萬斎、野村裕基の親子3世代が今年9月にパリのピエール・カルダン劇場で、究極の舞「三番叟(さんばそう)」を披露する。その舞台に密着したドキュメンタリー『野村家三代 パリに舞う〜万作・萬斎・裕基、未来へ』の上映に、野村萬斎がゲスト出演しました。
 狂言の魅力や父・万作、そして息子・裕基への思い、さらには、自らが開閉会式の演出を統括する2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについても言及。「失ってはいけないものは精神性」と話す萬斎さんに、伝統を継承し未来へとつなげていく立場を担う人だからこその重みを感じずにはいられませんでした。
 若い映画ファンや次世代を担う若手映画作家に向けたセミナー形式のイベント、TIFFマスタークラス。そのなかで今年初の試みとなった、イランの名匠アミール・ナデリ*17監督による「演劇論と俳優ワークショップ」に私も参加させていただきました。
 約3時間、熱弁をふるい続けるナデリ監督。そのパワフルさに、まるでナデリ監督に“演出”されているような錯覚を覚えることも。黒澤明*18監督や今村昌平*19監督、相米慎二*20監督たちが手がけた日本映画の名作を細やかに解説しながら、俳優としての“覚悟”を説く。熱量あふれるワークショップでした。
 毎年楽しみにしているのが、映画祭会期中、六本木ヒルズアリーナに出現するキッチンカー。今年は『FOOD TRAVEL〜日本の「観光」×「食」を世界へ笑顔の連鎖!〜』と題して、おいしいメニューが勢揃い。ふだんはキッチンカーでは展開していない人気店のメニューを気軽に楽しめます。
 また六本木ヒルズアリーナでは、毎年、無料野外上映を開催。今年はスポーツ映画の名作が上映され、多くのお客様がキッチンカーのメニューとともに映画を楽しんでいらっしゃいました。こうした映画体験が、コンペ作品や特別上映作品にも興味を持つきっかけになるといいですね。
 東京国際映画祭はハロウィンの季節に開催されるため、ハロウィンを意識した演出がされることも。特別招待作品『Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男』日本語吹き替え版プレミアに、スクルージクリストファー・プラマー*21)の声を務めた市村正親が登壇しました。
 170年以上にもわたり愛されてきたイギリスの文豪チャールズ・ディケンズの不朽の名作「クリスマス・キャロル」の誕生秘話をファンタジックに描いた本作。
 ミュージカル「スクルージ」や「クリスマス・キャロル」で24年にもわたってスクルージ役を演じて来ている市村さん。「クリストファー・プラマーさんはほとんどノーメイクでスクルージを演じたと聞いています。僕もノーメイクでできるくらいまで頑張りたい」と抱負を語って下さいました。
 本作が上映されたのがハロウィン当日ということもあり、この日は私も、魔女のコスプレで司会を務めることに。クリスマスのお話だけどハロウィンムードも楽しめる、一挙両得な舞台挨拶となりました。
 会場のひとつとして、“映画・演劇の街”日比谷が新たに会場に加わった「第31回東京国際映画祭」。東京ミッドタウン日比谷 ステップ広場に、高画質・高音質の本格的な屋外シアターを設置。六本木ヒルズアリーナのレッドカーペットを特設大型ビジョンで生中継したり、ビデオメーカー各社の提供による「今、ビデオで見るべき話題作」を上映したりと、こちらも大盛り上がりでした。
 「映画を観る喜びの共有」「映画人たちの交流の促進」「映画の未来の開拓」をテーマに、多彩なラインナップとなった「第31回東京国際映画祭」。2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開催を見据えて、スポーツやオリンピックに関連した作品の上映が目立ったのも、今年の映画祭の特徴だったのではないでしょうか。
 日本唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、アジア最大級の映画の祭典が、今後もますます映画文化の発展を担うことを願っています。

http://j.people.com.cn/n3/2018/1105/c206603-9515166.html
■人民日報『第31回東京国際映画祭で中国映画2作品が受賞』
 第31回東京国際映画祭の授賞式が2日、東京で開催され、中国映画「はじめての別れ」が「アジアの未来」部門作品賞、「武術の孤児」が国際交流基金アジアセンター特別賞をそれぞれ受賞した。新華社が報じた。
 「はじめての別れ」は、新疆維吾爾(ウイグル自治区沙雅(シャヤール)県に暮らす少数民族の子供の視点で、別れに直面した子供の友情や母子の愛を描いた作品。審査員は、「詩のように美しく、シンプルで率直なスタイルで、シビアかつ複雑なテーマを表現しており、観客は魔法にかかったように物語の中に引き込まれた」と評価した。
 新鋭の黄■(■は王へんに黄、ホアン・ホアン)監督がメガホンを取った「武術の孤児」は、1990年代の中国のある武術学校を舞台にした作品。審査員は同作の映像や叙述スタイルの巧みさを称賛し、物語のテーマと多彩な表現方法が印象深いと評価した。
 「アジアの未来」部門は、アジアの新鋭監督の作品を選出・評価し、文化の違いを超えて国際的な舞台で活躍していくことが期待される監督には、「国際交流基金アジアセンター特別賞」が贈られる。


■スポーツ最前線『スポーツ界の再生どう図るのか 団体の自主性を生かしてこそ』(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■きょうの潮流
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-16/2018121601_05_0.html
■主張『スポーツ界の1年、相次ぐ不祥事は変革への萌芽』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-30/2018123002_01_1.html

*1:著書『消費税が日本をダメにする』(2012年、新日本出版社

*2:著書『朝鮮人皇軍」兵士たちの戦争』(1991年、岩波ブックレット)、『戦後補償から考える日本とアジア』(2002年、山川出版社日本史リブレット)、『スガモプリズン:戦犯たちの平和運動』(2004年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『日本軍の捕虜政策』(2005年、青木書店)、『キムはなぜ裁かれたのか:朝鮮人BC級戦犯の軌跡』(2008年、朝日選書)、『朝鮮人BC級戦犯の記録』(2015年、岩波現代文庫)など

*3:著書『(新装新版)戦後日韓関係:国交正常化交渉をめぐって』(2015年、クレイン)、『日韓会談1965』(2015年、高文研)など

*4:著書『「新自由主義」とは何か』(2006年、新日本出版社)、『「国際競争力」とは何か』(2011年、かもがわ出版)、『大震災後の日本経済、何をなすべきか』(2011年、学習の友社)、『「アベノミクス」の陥穽』(2013年、かもがわ出版)、『アベノミクスと日本資本主義』(2014年、新日本出版社)、『「一億総活躍社会」とはなにか』(2016年、かもがわ出版)、『「人口減少社会」とは何か:人口問題を考える12章』(2017年、学習の友社)など

*5:ウズベキスタン大使、外務省国際情報局長、イラン大使等歴任。著書『日本外交 現場からの証言』(1993年、中公新書)、『日米同盟の正体:迷走する安全保障』(2009年、講談社現代新書)、『日本人のための戦略的思考入門:日米同盟を超えて』(2010年、祥伝社新書)、『日本の国境問題:尖閣竹島北方領土』(2011年、ちくま新書)、『不愉快な現実:中国の大国化、米国の戦略転換』(2012年、講談社現代新書)、『日本の「情報と外交」』(2013年、PHP新書)、『カナダの教訓:超大国に屈しない外交』(2013年、PHP文庫)、『これから世界はどうなるか:米国衰退と日本』(2013年、ちくま新書)など

*6:日本共産党政策委員長、衆院議員

*7:横田や岩国に米軍基地があるので「全部」ではありません。

*8:これについては、例えば、NHKクローズアップ現代『知らされなかった危険:胆管がん 相次ぐ死亡報告』(http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3252/1.html)参照。

*9:まあ原発の場合だけは解決策は「脱原発」になるのでしょうが。

*10:第1次近衛、東条内閣で蔵相。戦後、戦犯裁判で終身刑判決を受けるがいわゆる逆コースで仮釈放。公職追放も解除され政界に復帰。池田内閣法相、自民党政調会長(池田総裁時代)、日本遺族会会長など歴任。

*11:東条、小磯内閣で外相。戦後、戦犯裁判で禁錮7年。いわゆる逆コースにより公職追放が解除され政界に復帰。鳩山一郎内閣で外相

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*13:現在の劇団民芸代表。劇団民芸創立メンバーの一人。

*14:フィリピンの映画監督。2009年の第62回カンヌ国際映画祭で『キナタイ:マニラ・アンダーグラウンド』により監督賞を受賞

*15:1989年、赤井英和主演の『どついたるねん』にて監督デビューを果たし、芸術選奨文部大臣新人賞、日本映画監督協会新人賞、ブルーリボン賞作品賞を受賞

*16:2017年のフランスのコメディドラマ・伝記映画。1960年代後半のパリを舞台に、映画監督ジャン=リュック・ゴダールとその当時の妻である女優アンヌ・ヴィアゼムスキーの日々が描かれる。原作は、ヴィアゼムスキーの自伝的小説『彼女のひたむきな12カ月』の1年後が描かれた『それからの彼女』。

*17:1986年に『駆ける少年』で、1989年に『水、風、砂』で、ナント三大陸映画祭グランプリを受賞

*18:1910〜1998年。1951年(昭和26年)に『羅生門』で、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞とアカデミー賞名誉賞を受賞。「世界のクロサワ」と呼ばれるきっかけとなった。1952年(昭和27年)、『生きる』を発表し、ベルリン国際映画祭上院特別賞を受賞した。1954年(昭和29年)、大型時代劇『七人の侍』を発表。作品は大ヒットし、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞した。また、文化勲章(1985年)、アカデミー名誉賞(1990年)、国民栄誉賞(死後追贈、1998年)も受賞。

*19:1926〜2006年。1983年に『楢山節考』で、1997年に『うなぎ』でカンヌ国際映画祭の最高賞(パルム・ドール)を受賞。

*20:1948〜2001年。1993年の『お引越し』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。1998年の『あ、春』は1999年度キネマ旬報ベストテンの第1位に選出されたほか、第49回ベルリン国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞した。

*21:2011年に映画『人生はビギナーズ』で第84回アカデミー賞助演男優賞を受賞。82歳での受賞は、演技部門の受賞者の中では最高齢である。日本ではジュリー・アンドリュースと共演したミュージカル映画サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)のトラップ大佐役や『スタートレックVI 未知の世界』(1991年)でチャン将軍を演じたことで知られている。