新刊紹介:「前衛」11月号

「前衛」11月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。興味のある内容だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/


■今月のグラビア『日本人がめざした地:インパール』(武馬怜子)
参考

http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000307/20150811-OYT1T50104.html
■読売新聞『元日本軍兵士2人、悲惨なインパール作戦語る』
 BS日テレの「深層NEWS」に11日、元日本軍兵士の黒部邦夫さんと今里淑郎さんが出演し、戦後70年を機に戦争体験を語った。
 2人は、1944年に始まったインド・インパールの攻略戦に参加した。作戦は、補給を軽視したため、数万人が死亡したとされる。
 補給部隊に所属した黒部さんは「後方から食糧が届かず、兵士は住民のものを略奪した」と無謀な作戦の様子を証言。救援部隊に加わった今里さんも、飢えや病気に苦しむ兵士から「殺してくれ」と懇願されたと振り返り、戦争の悲惨さを訴えた。

http://www.sankei.com/west/news/140815/wst1408150037-n1.html
産経新聞『【インパール作戦70年(1)】遺体の山、絶望の敗走「地獄だった」…最も悲惨な戦場「インパール」、生還者が証言する真実』
(前略)
 「ビルマ方面戦没英霊納骨塔」の前で、竹中直樹(95)=京都市北区=は約80人の参列者とともに、静かに手を合わせた。
(中略)
 竹中は、大戦で最も無謀といわれたインパール作戦からの数少ない生還者の一人だ。
(中略)
 作戦自体を無謀だったと考える。周囲*1の反対を押し切った牟田口*2に対する批判は大きい。
「弾も食料も送らずにやれと言うばかり。わしらは『ムチャグチ』*3って言うてたんです」
(中略)
「みんな国のために死んでいった。大事にすべきやし、首相には靖国神社に参ってほしい。わしは、当たり前やと思います」

 まあ、竹中氏の最後の「首相は靖国に行って欲しい」つうのには「政教分離反戦の観点」から賛成できませんけどね。「A級戦犯を英雄として合祀し、つくる会教科書を支援してる靖国」が反戦、不戦の誓いの場になるわけがない。「千鳥ヶ淵」とか靖国よりマシなところはいくらでもあるでしょう。
 大体靖国インパールだの特攻だのと言う無謀な作戦を擁護するバカウヨの巣窟でしょうに。

http://www.sankei.com/west/news/140817/wst1408170019-n2.html
産経新聞『【インパール作戦70年(3)】幽霊のような敗残兵の姿、人間はここまでなるのかと息を呑んだ…極限の戦闘「しまいには人の心はなくなった」』
(前略)
 インパール作戦に参加した黒部邦夫(93)=大阪市城東区=は、羽をばたつかせながら将兵の死を待つハゲタカの姿が頭から離れない。
「木の上にいて、兵隊が死ぬと、さーっと降りてくるんや」
 当初から補給が問題視されたインパール作戦で、黒部は弾薬や食料の輸送を担当する連隊の一員だったが、弾薬を運んだのは一度きりだった。
「上の人たちは『日本人は草食動物だから。山には草がなんぼでもある』と言うたらしいが、そんなばかな話があるか」。
 憤りは今も消えない。


■『廃止するたたかいはこれから:戦争法の現実的危険と違憲性(下)』(山根隆志*4
■『戦争法強行であらわになった憲法破壊の安倍暴走政治』(上脇博之*5
■『安保法制強行・いま自民党がたどり着いた地点』(中野晃一*6
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替しますが、個々の論文の「ポイントやニュアンスの違い」に簡単に触れておきます。
 山根論文は「たたかいはこれから」ということで「志位氏が呼びかけた戦争法廃止のための選挙協力」「小林節氏らが計画している違憲訴訟」など「空前の規模の国会前デモを産んだ熱意」をどう今後につなげるかが重要としています。
 上脇論文は「小選挙区の害悪」を強く批判してきた上脇氏らしく「安倍暴走政治を助長しているのは『3割の得票率でも7割の議席が獲得できる小選挙区制』」とし小選挙区制の廃止を訴えています。
 中野論文は「主張が多岐にわたり要約しづらい」のですがオレが気付いた点を箇条書きにすると次のような点でしょうか。
1)野党間の選挙協力は否定しないが安易にやると「細川、羽田政権や鳩山、菅、野田政権の失敗」をまた引き起こすと思う。そもそも「選挙に過剰に力を入れる」のは問題で「普段からの地道な政治活動」が重要。過大評価はしてはならないと思うが、「空前の規模の国会前デモ」はそうした政治運動の可能性を示していると思う。
2)朝日新聞など「新自由主義シンパメディア」は「新自由主義はいいが安倍の極右性や反民主主義性は問題」と主張するが「海外はともかく」日本の現実において「安倍の極右性、反民主主義性と新自由主義は密接に関わっており」そうした主張には賛同できない。そもそも「極右性」はともかく「反民主主義性」は欧米においても「新自由主義に見られる特徴」である。
3)安倍政権の右傾化については「米国や日本財界、民主党右派議員(野田元首相など)」などが理由はともかく「大なり小なり支持している」と言う点に注意が必要である。その意味では「安倍一人が問題ではない」と言う認識が必要。

参考
赤旗
■『戦争法案に対する小池副委員長の反対討論・参院本会議』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-20/2015092004_01_0.html
■主張『戦争法の強行成立、違憲の法律は廃止以外にない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-20/2015092001_05_1.html
■『戦争法成立でおごり高ぶる自民執行部、「嵐過ぎ去れば」と世論をみくびる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-04/2015100401_03_1.html
■『「戦争法廃止の国民連合政府」実現へ参議院選挙勝利、党勢拡大の飛躍的前進のために全党が立ち上がろう』(2015年10月6日 日本共産党中央委員会幹部会)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-07/2015100708_01_0.html


■『安倍談話の歴史認識を読み解く』(池津真里)
(内容要約)
 非常に「手前味噌」ではありますが池津氏の主張は小生が以前書いたエントリと内容的に大分かぶるので拙エントリ紹介で内容要約に代替します。
 平たく言えば「安倍はあの戦争をまともに反省してるとは思えない」つうことですが。まあ談話出す前から分かってることではあるんですけどね。
■bogus-simotukareの日記『今日の産経ニュースその他(8/14分)(その1:安倍談話)(追記・訂正あり)』
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20150814/5632158908


■『安倍政権の「安全保障戦略」下で加速する「軍学共同」』(藤野保史
(内容要約)
 赤旗の記事などの紹介で代替。

藤野保史ブログ『茨城県つくば市軍学共同問題のシンポジウムに参加』
http://fujino.jcpweb.net/2015/07/17748.html
赤旗
■主張『防衛省の研究連携、大学は一切の軍事研究拒否を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-03-28/2015032801_05_1.html
■『「軍学共同」 研究ゆがめる、研究者シンポ「平和が学術の原点」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-14/2015061401_03_1.html
■『進む「軍学共同」 研究者の64%が反対、予算依存「深みにはまる」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-09/2015070914_03_1.html


■『「東日本大震災 福島県 復興の現状と課題:複雑化・深刻化する原発事故被害、国と東電の責任は重大』(宮本しづえ*7
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『除染労働は過酷実態、市田氏「政府は責任果たせ」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-10/2015041004_02_1.html
■主張『東日本大震災復興、地元が望まぬ打ち切りやめよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-18/2015051802_01_1.html
■『福島第1原発 汚染水対策の現状は、共産党国会議員らが視察』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-20/2015052014_01_1.html
■『福島原発事故 賠償、住宅提供続けよ、共同センターが政府交渉』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-16/2015061615_01_1.html
■『住宅支援やめないで、福島 原発避難者の「会」要望書』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-16/2015061615_02_1.html
■『避難者支援を打ち切るな、新福島復興指針で高橋氏』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-10/2015081004_03_1.html
■『汚染地下水くみ上げ、福島第1 処理後に海洋放出へ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-04/2015090415_02_1.html
■『東電・国は責任果たせ、原発賠償打ち切り方針 倉林氏批判』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-05/2015090504_05_1.html
■主張『大震災から4年半、国は被災者の現実に向き合え』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-11/2015091101_05_1.html



特集「日本の歪んだ税制をただす」
■『税金を払わない巨大企業の真相:税制公正化こそが急務』(富岡幸雄*8
■『公平な税の実現に向けて:タックスヘイブンと税制改革のグローバルな視点』(合田寛*9
(内容要約)
 富岡氏のインタビュー記事及び赤旗記事の紹介で代替。富岡氏、そして赤旗の基本的な立場は「税負担における応能主義」「税による所得再分配」「消費税は不公平な税制であり累進課税の強化こそが望ましい」というものである(小生も全く同感であるが)。
 そうした富岡氏の立場に立てば「税金を払わない巨大企業」ということになる。なぜなら日本の税制はここ数年「消費税増税法人税、金持ち減税」「累進課税の緩和」と言う方向にシフトしてきたのだから。
 合田氏の主張も基本的には富岡氏と変わらないが、タイトルから分かるようにいわゆるタックスヘイブン規制について触れてる点で多少ポイントが異なる。

■プレジデント・著者インタビュー『税金を払わない巨大企業』(富岡幸雄著)
http://blogos.com/article/112792/
赤旗
■『消費税増税しながら社会保障3900億円削減、参院予算委 小池氏が追及』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-02/2015040201_02_1.html
■主張『「法人税改革」、大義なき“減税”目的の暴走』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-19/2014051902_01_1.html
■主張『法人税減税の強行、消費税増税と矛盾感じないか』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-26/2014062601_05_1.html


■『20世紀・日本の戦争と戦費』(安藤実)
 いわゆる「臨時軍事費特別会計制度」が批判的に取り上げられている。こうした論文が掲載された背景には「安倍の目指す財政」は「平成版・臨時軍事費特別会計制度」ではないかという危惧があるからだろう。

■臨時軍事費特別会計ウィキペディア参照)
第二次世界大戦以前の日本において行われていた特別会計の1つで、戦争における陸海軍の作戦行動に必要な経費を一般会計から切り離して、戦争の始期から終期までを1会計年度とみなして処理された。
第二次世界大戦前の日本では、宣戦布告に伴って臨時軍事費特別会計法と呼ばれる特別な法律が制定されて運営され、作戦行動終了後に決算が実施されて余剰金や支出残額は一般会計に引き継がれた。ただし、日中戦争に関しては宣戦布告がなされていないにも関わらず特別会計が設置され、第二次世界大戦におけるアメリカなどへの宣戦布告後にそのまま引き継がれた。また、日清戦争第一次世界大戦の時も戦争終結後も直ちに決算は行われず、そのまま台湾鎮定とシベリア出兵の軍事予算として継続されている。
・歴史的に臨時軍事費特別会計が編成されたのは、以下の4つの戦争である。
 日清戦争(ただし、台湾平定を含む):1894年6月1日−1896年3月末日
 日露戦争:1903年10月−1907年3月
 第一次世界大戦(ただし、シベリア出兵を含む):1914年8月−1925年4月
 第二次世界大戦日中戦争、太平洋戦争):1937年9月−1946年2月
 ただし、臨時軍事費特別会計の設置期間中も一般会計における陸海軍の経常費も支出され、更に戦後の残務処理や論功行賞などの名目を付けた「臨時事件費」が別途一般会計から出されていた。しかも、北清事変(1900年)*10山東出兵(1927年)、満州事変(1931年〜1937年)など「臨時軍事費特別会計」が設置されない場合でも戦費が「臨時事件費」として捻出されており、それを加えると会計に関する諸原則が定められた1889年に公布された大日本帝国憲法下の大半の時期において何らかの形で戦費のための特別な軍事予算が編成されていたことになる。
 しかも、作戦行動はその性格上臨機応変かつ機密性が求められることから、臨時軍事費特別会計における歳出は概要のみが示され、その内容が明確にされることのないまま支出され、しかも必要とあれば次々と追加予算が出される仕組となっていた。しかも会計法が原則、認めていない費目間の流用・予算外契約・資金前払い・前金払い・概算払いが認められ、軍部の自由裁量によって運用が行われ、大蔵省、帝国議会によるチェックがほとんど働く事がなかった。
 日清戦争の時は、それでも清国からの賠償金が戦費を補えるほどの莫大であったために大きな問題は生じず、むしろ植民地・利権の獲得によって日本の資本主義発展の一因にもなった。だが、時代が下るにつれて次第に増税や借入金・公債など最終的には国民負担に転嫁される形が増加していくことになった。
 そして、8年半にも及んだ第二次世界大戦(盧溝橋事件以降の日中全面戦争及び、真珠湾攻撃以降の太平洋戦争)では物価が異なるために単純比較は出来ないものの、日露戦争時の特別会計の100倍の規模を要し、増税や公債発行では追いつかなかったために植民地関係など他の特別会計からの流用や日本銀行の引き受けによる軍事公債の発行が行われた。勿論、こうした多額の戦費支出が日本の国民経済に悪影響を与えない筈がなかった。太平洋戦争期には一般会計・特別会計全体の7−8割が直接軍事費を占めて民生費を圧迫し、軍需由来のインフレーションと生活物資の不足が国民を苦しめ、軍事的な苦戦のみならず、破綻寸前まで追い込まれた経済システムも日本を敗戦へと導く大きな要因となった。


■『18歳選挙権と若者の政治参加:政府・与党がねらう政治参加の抑圧と政治的教養の剥奪』(宮永弥四郎)
(内容要約)
 18歳選挙権を評価した上で、これを口実に「教育現場への政治介入」を画策する自民党を批判している。

参考
赤旗
■『18歳選挙権 自民党「提言」、高校生の主権者権利踏みにじるもの』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-09/2015080902_02_1.html


■『オウム事件・20年目の検証』(柿田睦夫*11
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『地下鉄サリン事件から20年 被害者の苦しみ今も、「国は実態調査して」、東京で集い 「防げた事件」の指摘も』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-03-15/2015031501_04_1.html
■『オウム裁判終結、事件終結 言えない、警察・行政にも責任』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-22/2011112215_01_1.html
■『地下鉄サリン事件から15年、オウム犯罪 防げた、ぬぐえぬ警察不信 今も通院、「家族の会」会長 永岡弘行さんが語る』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-03-19/2010031915_01_1.html
■『オウム事件、極刑判決で終わらない、問われる行政・警察の責任』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-02-28/03_01.html


 ちなみに柿田氏のダライ批判文章を紹介しておこう。やっぱこの俺がオウムネタを取り上げる場合はいつものお約束「ダライ罵倒(オウム真理教から多額の献金受領をし、謝罪もしないダライを絶対に許さない、ダライは打倒、撲滅の対象でしかない)」をしないといけないよね(もちろん柿田論文の内容はダライ批判にとどまるものではないが)。
 もちろん「オレのダライ罵倒と柿田氏のダライ批判」はイコールではないので「柿田はチベット差別者だ」とか言わないようにね、id:Mukke先生。

■オウムと闘った人々
 永岡弘行さん(76歳)。1989年10月、オウム被害者の会(現・家族の会)結成と同時に会長に就き、以来26年間、妻の英子さんとともにオウムと向き合ってきた。
(中略)
 永岡さんはそんな活動を通して、オウムと闘う多くの人と出会う。
(中略)
 竹内精一さん。(上九一色村で)地区ぐるみで結成した「オウム教対策委員会」代表委員として、体を張って闘っていた。
(中略)
■オウムを擁護した人々
 正反対にオウムを擁護し、後押しした人も少なくない。オウムは自らの権威付けに著名な宗教者や学者、文化人を利用した。
 麻原とダライ・ラマのツーショット写真がオウムの宣伝に使われた。だがそれは(注:麻原がダライにした)「献金」の代償であり、金額に応じて感謝状を贈ったり記念写真を撮るという仕組みに乗っかっただけということがダライ・ラマ政庁幹部らの証言で明らかになっている。
 多数の学者・文化人*12が麻原との対談に応じている。
(中略)
 これら学者、文化人らの正面からの総括を聞いたことがない。

 そして最後にウィキペディアダライラマ14世」と、人民日報のダライ批判記事。

ダライラマ14世(ウィキペディア参照)
・1995年3月29日に来日した際には成田空港で日本の記者団より、麻原彰晃死刑囚ならびにオウム真理教との関係について質問責めに遭った。麻原とは亡命先のインドで 1987年2月24日と1988年7月6日に会談した。またダライ・ラマ14世は、オウム真理教から布施の名目で1億円にのぼる巨額の寄付金を受領しており、1989年にオウム真理教が東京都で宗教法人格を取得した際には、ダライ・ラマ14世は東京都に推薦状を提出してオウム真理教を支援した。

http://j.people.com.cn/94709/6562097.html
■人民日報『真相:ナチスオウム真理教とダライとの関係』から一部引用
麻原彰晃とダライの関係
 オウム真理教の起こした一連の凶悪事件は世界に衝撃を与えた。1995年3月、日本の地下鉄で起こったサリン事件では12人が死亡し、5千人余りが負傷した。2004年2月27日、東京地方裁判所は13の罪名で教祖の麻原彰晃に死刑を言い渡した。2006年9月、最高裁の抗告棄却によって死刑が確定した。
 地下鉄サリン事件の発生後、平和を愛する世界中の人々が怒りの矛先を麻原彰晃オウム真理教に向けていた頃、ダライは共同通信を通じて、「オウム真理教は仏教の教義を広める宗教であり、麻原彰晃は自らの友人である」との意見を発表し、大きな反響を呼んだ。ダライはなぜこのような意見を発表したのか。それは、麻原彰晃という邪教の指導者が実のところダライの「生徒」だったからだ。ダライのこのような汚れた過去に対し、良心を失ったメディアは見て見ぬふりをし、二人の関係をなかったもののようにしている。
 ダライはこれまで12回にわたって日本を訪れている。1984年の訪問では当時29歳の麻原と会ったという情報もある。麻原は1986年、インドを訪れた後にオウム真理教を正式に設立。翌1987年、麻原は再びインドを訪れ、ダライと会っている。この時、ダライは麻原に対し、「親愛なる友人よ、日本の仏教はすでに退廃してしまった。このまま行けば、仏教は日本で消えてしまうだろう。あなたは故郷で本当の仏教を伝えなければならない。仏の境地を知るあなたは最良の人選だ。あなたが日本で布教することを私はとても嬉しい。そうすることは私の仕事を助けることでもある」との内容の発言を行った。この会見時、ダライは麻原に祝福を与え、「師弟関係」を結んだといわれる。
 ダライは自らの「生徒」の働きにとても満足していた。1995年の事件が発生するまでの8年間、二人は5回にわたって顔を合わせ、手紙のやりとりをしばしば行っていた。1989年、麻原は10万ドルをダライに寄付し、ダライは証書と推薦状をもってこれに返答した。ダライは東京の関連部門にあてた推薦状の中で、「麻原彰晃は能力のある宗教的指導者であり、オウム真理教大乗仏教を広め公共の善を促す宗教だ」とし、「オウム真理教への免税を許可するべきだ」とまで書いている。オウム真理教はこの証明書と推薦状によって、日本政府が正式に承認する宗教団体となった。その後、大量の資金を蓄積してサリンの研究と生産を行ったのは周知の通りだ。
 麻原は日本で合法的な地位を得た後、ダライに感謝状を送り、「私たちの希望はチベットができるだけ早くチベット人の手に帰ることです。私たちはそのためにできるだけの援助をしていきます」と述べている。麻原はダライの指示を受け、チベット地域に2回にわたってもぐりこみ、「布教活動」を行っている。麻原はダライが自らの指導者であることを正式に認めている。オウム真理教の教義や教則なども多くがダライを由来とするものだ。
 ドイツの週刊誌「フォーカス」は、「ダライの支援がなければ、麻原彰晃が自らの宗教帝国を作ることは不可能だった。ただの治療師であり詐欺師でしかなかった麻原が数年の短期間であっという間に大教団の教祖となるのも、ダライの支援がなければこれほど簡単ではなかったはずだ」と指摘している。ダライが麻原をこれほど重用したのは、麻原からの金銭支援をあてにしていたためだけではなく、麻原を通じて日本の仏教を改革したいと考えていたためだ。ダライが麻原と結託したのは、「チベット独立」を支援する弟子たちを日本に増やしたかったからにほかならない。ダライのこの勝手な計算は邪教の崩壊という結果に終わった。自己の信徒の生命を損なう邪教が目立つ中で、ダライの高弟である麻原彰晃が作り出したオウム真理教は、教団外の罪のない人々をテロ攻撃する教団として、人々に大きな衝撃を与えた。

 俺は改めて「一日本人として絶対にダライを許さない」とここにはっきり明言しておく。id:MukkeやI濱のようなダライ崇拝者の気が知れない。


■『日本の温暖化防止政策をどう転換すべきか』(上園昌武*13
■『異常気象と地球温暖化への対応』(江守正多*14
(内容要約)
 日本の温暖化対策に対する批判。赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■主張『温室ガス削減目標、安倍政権の遅れ際立っている』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-14/2014111401_05_1.html
■主張『COP20閉幕、日本はいつまで「化石賞」か』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-15/2014121502_02_1.html
■『経産省環境省の温暖化ガス「13年比26%削減」、目標案に有識者が批判、30年排出量 「基準年なぜ動かす」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-01/2015050101_04_1.html
■主張『温室効果ガス削減、これでは国際責任果たせない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-06/2015050601_05_1.html
■『温室効果ガス 削減目標見直しを、井上議員 「奇策」を批判、参院外交防衛委』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-08/2015050802_02_1.html
■『電源構成案 CO2削減に責任を、倉林議員、原発依存を批判』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-04/2015060404_03_1.html
■『温室効果ガス 削減に責任持てるか、島津議員、政府の姿勢ただす』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-04/2015060404_04_1.html
■主張『温室効果ガス削減、日本は国際責任果たすべきだ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-13/2015061301_05_1.html
■主張『「日本の約束草案」、温暖化対策の責任果たせない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-27/2015072701_05_1.html


■論点
軍事産業への傾斜強める三菱重工と三菱長崎】(錦戸淑宏)
(内容要約)
 軍需への傾斜を深める三菱重工、特に三菱重工長崎造船所に対する批判。

参考
赤旗
■『武器国際展示会に日本企業 三菱重工など13社、安倍政権の武器禁輸撤廃で』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-17/2014061701_02_1.html


■暮らしの焦点
阪神・淡路大震災から20年、借上災害公営住宅「追い出し」撤回を】(味口俊之*15
(内容要約)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『被災者追い出しやめよ、兵庫・復興公営住宅 堀内議員が初質問、衆院予算委』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-02-27/2015022701_02_1.html
■『復興住宅借り上げ 継続へ、弁護団 市に退去方針撤回求める、兵庫・西宮』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-01/2015040117_01_1.html
■『兵庫・西宮市の退去強要に抗議、阪神・淡路大震災借り上げ復興住宅 入居者らが集会』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-30/2015093003_01_1.html


■文化の話題
【映画:「薩チャン正ちゃん:戦後民主的独立プロ奮闘記」】(児玉由紀恵)
(内容要約)
「戦後独立プロ奮闘記」という副題から勘のいい方は気付いたかも知れないが「薩ちゃん」とは山本薩夫監督、「正ちゃん」とは今井正監督のことであり、彼らの独立プロ時代について描かれた映画とのこと。ただし「メインは山本と今井」だが、山本、今井以外にも、新藤兼人*16吉村公三郎亀井文夫*17家城巳代治などが取り上げられているとのこと。
 監督は山本薩夫天保水滸伝・大原幽学』(1976年)、今井正『戦争と青春』(1991年)で助監督を務め、特高警察によって虐殺されたプロレタリア作家・小林多喜二を描いた長編記録映画『時代(とき)を撃て・多喜二』(2005年)、2003年の鹿児島県警察による違法捜査事件(志布志事件)を扱った日弁連制作の短編映画『つくられる自白:志布志の悲劇』(2006年)、足尾銅山鉱毒事件を告発した代議士・田中正造の生涯を描いた『赤貧洗うがごとき:田中正造と野に叫ぶ人々』(2006年)、自由法曹団創立メンバーで2004年に韓国政府から「大韓民国建国勲章」を授賞された人権派弁護士・布施辰治を描いた『弁護士・布施辰治』(2010年)等、数々の社会派作品で知られる池田博穂氏。

参考

山本薩夫*18(ウィキペ参照)
 1946年6月に復員し、9月には東宝に復帰。当時、東宝はいわゆる東宝争議の最中であり、山本は組合側の代表として会社側と対立するようになる。1948年、山本を含めた組合指導部16名の退職で争議は決着した。争議の解決資金として東宝より振り込まれた1500万円を元手に社会派映画『暴力の街』(1950年)を監督。映画は製作費を上回る興行成績をあげ、この成功に自信を持った山本は、1950年に今井正亀井文夫、伊藤武*19と独立プロダクション「新星映画社」を設立し、『箱根風雲録』(1952年)、『真空地帯』(1952年)、『太陽のない街』(1954年)といった骨太な社会派作品を数多く世に出した。1959年には、全国の農村婦人から10円ずつカンパしてもらい、農村映画の傑作『荷車の歌』を製作、映画は移動映写機を用意して、全国の農村で上映して回った。『人間の壁』(1959年)、『武器なき斗い(山本宣治を描いた)』(1960年)、『松川事件』(1961年)と独立プロでの製作を続けていたが、大映社長の永田雅一より仕事の依頼を受け、市川雷蔵主演の時代劇『忍びの者』(1962年)を監督。大ヒットを記録し、以降は大手映画会社での製作が中心となる。社会派として反体制的な題材を扱いながらも娯楽色豊かに仕上げる手腕をもった監督として、興行的にも常に成功していたため、共産党を嫌った大映*20社長の永田雅一東宝副社長の藤本真澄にも起用された。多くの大作を残していることから、「赤いセシル・B・デミル(『十戒』などを監督したハリウッド大作の巨匠)」と呼ばれた。

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1530170.html
■日刊スポーツ『江原真二郎中原ひとみに今も「尊敬というか先輩」』
 女優中原ひとみ*21(79)と俳優江原真二郎*22(78)夫妻が29日、都内で記録映画「薩チャン正ちゃん〜戦後民主的独立プロ奮闘記」(池田博穂監督)の公開初日舞台あいさつを行った。2人はナレーションを務めている。
 50〜60年代にかけて、大手映画会社に属せず名作を生み出した山本薩夫今井正両監督を中心に、独立プロの監督たちの軌跡をまとめた作品。
(中略)
 2人は57年(注:今井の映画)「米」で初共演した。
(後略)

http://natalie.mu/eiga/news/149979
■『山本薩夫今井正新藤兼人らの軌跡たどる、独立プロを題材にした記録映画』
 日本映画の歴史に大きな功績を残した独立プロダクションの監督やスタッフらの軌跡をたどる「薩チャン正ちゃん〜戦後民主的独立プロ奮闘記〜」が公開される。
 この作品は、「真空地帯」「白い巨塔」の監督“薩チャン”こと山本薩夫や、「どっこい生きてる」「武士道残酷物語」の監督“正チャン”こと今井正を中心に、1950年代から1960年代にかけて大手映画会社の外側で制作を行ってきた独立プロダクションの映画人たちに迫る記録映画。山本や今井のほかに、制作当時タブー視されていた(注:原爆という)題材を果敢に取り上げた「原爆の子」の新藤兼人、戦前から市井の人々に寄り添うドキュメンタリーを手がけてきた亀井文夫、草創期のテレビドラマにも関わった家城巳代治など戦後の映画界で異彩を放った監督たちを取り上げていく。


【演劇:憲法の条文は真珠である:青年劇場真珠の首飾り』】(鈴木太郎)
(内容要約)
 青年劇場の公演「真珠の首飾り」の紹介。

参考
青年劇場真珠の首飾り』
http://www.seinengekijo.co.jp/s-sinnzyu/sinnju.html
憲法Caffè『真珠の首飾り』
http://kenpou.saitamasogo.jp/?p=327
赤旗『きょうの潮流』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-05/2013010501_06_0.html


■メディア時評
【テレビ:正念場のNHK】(沢木啓三)
(内容要約)
 基本的にはNHKへの批判コラムだが、
■『沖縄戦の番組を見て、「ペリリュー・沖縄戦記」を再読しようと思った(6月24日発表)』
http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/2b05fa31e3275e5b29bb6a7a29528d3b
id:Bill_McCreary氏が紹介した『沖縄戦・全記録』や、同じく沖縄戦を描いた『書き換えられた沖縄戦*23、原爆投下を描いた『きのこ雲の下で何が起きていたか』と言った好番組を取り上げ、「NHK内部の頑張りに期待したい」としている。

参考
赤旗
■『政権寄りNHKに疑問・批判、広がる視聴者運動、新たに埼玉・愛知で「会」』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-31/2015073105_02_1.html
■『NHKを市民“包囲”、“アベチャンネル”にするな』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-26/2015082601_04_1.html

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150614
NHKスペシャル沖縄戦・全記録』
 太平洋戦争中、地上戦としては最大の民間人犠牲者を数えた「沖縄戦」。なぜ、9万人超もの住民の命が奪われるに至ったのか。NHKは、これまで明らかになっていなかった沖縄戦の全体像を、新たに発掘した軍関係の資料や戦死者の記録などに基づき専門家と分析。どこでどれだけの犠牲が出たのか、沖縄戦の記録を詳細にデータ化し、全貌を明らかにした。そこから見えてきたのは、日米両軍の「軍事的決断」がもたらした、あまりにも重い結果である。
 日本軍は沖縄戦を、本土進攻までの“時間稼ぎ”と考えていた。しかし戦争も末期、兵力不足は深刻で、女性や子どもまでも戦場に動員。軍民が“一体”となった状態で持久戦を行った結果、住民の犠牲が激増していた。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2015/0806/
NHKスペシャル『きのこ雲の下で何が起きていたのか』
 1945年8月6日、広島で人類史上初めて使用された核兵器
(中略)
 巨大なきのこ雲が上空を覆う中、その下の惨状を記録した写真が、わずか2枚だけ残っている。原爆投下の3時間後、爆心地から2キロのところにある「御幸橋」の上で撮影されたものだ。
 被爆70年の今年、NHKは最新の映像技術、最新の科学的知見、生き残った被爆者の証言をもとに、初めて詳細にこの写真に映っているものを分析し、鮮明な立体映像化するプロジェクトを立ち上げた。きのこ雲の下の真実に迫り、映像記録として残すためである。
(後略)
※フランス公共放送F5との国際共同制作。


■スポーツ最前線
【陸上・可能性をもつ若手の台頭】(尾縣貢)
(内容要約)
 今後の活躍が期待される日本の若手陸上選手として
やり投げの新井涼平
走り高跳びの平松祐司
・5000メートル女子の鷲見梓沙
・短距離の桐生祥秀サニブラウン・アブデル・ハキーム藤光謙司山縣亮太高瀬慧などが紹介されている。

*1:正確には「部下」ですが。事情はともかく牟田口の上司「陸軍上層部」はこの無謀な作戦を容認してしまいます。

*2:第15軍司令官としてインパール作戦を実行。

*3:まあ牟田口の名誉(?)のために言っておけば牟田口ノータッチの戦場でもそんな「補給無視常習」が当時の日本軍ですけど。

*4:著書『イラク戦争の出撃拠点:在日米軍と「思いやり予算」の検証』(共著、2003年、新日本出版社

*5:個人サイト(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/)。政治資金オンブズマン共同代表。著書『ゼロからわかる政治とカネ』(2010年、日本機関紙出版センター)、『議員定数を削減していいの?ゼロからわかる選挙のしくみ』(2011年、日本機関紙出版センター)、『なぜ4割の得票で8割の議席なのか:いまこそ、小選挙区制の見直しを』(2013年、日本機関紙出版センター)、『どう思う? 地方議員削減:憲法と民意が生きる地方自治のために』(2014年、日本機関紙出版センター)、『誰も言わない政党助成金の闇:「政治とカネ」の本質に迫る』(2014年、日本機関紙出版センター)、『財界主権国家・ニッポン 買収政治の構図に迫る』(2014年、日本機関紙出版センター)、『告発!政治とカネ:政党助成金20年、腐敗の深層』(2015年、かもがわ出版)など

*6:著書『戦後日本の国家保守主義:内務・自治官僚の軌跡』(2013年、岩波書店)、『右傾化する日本政治』(2015年、岩波新書)など

*7:共産党福島県議団幹事長

*8:著書『背信の税制:庶民いじめの構造』(1995年、講談社文庫)、『税金を払わない巨大企業』(2014年、文春新書)など

*9:著書『大増税時代:消費税率二ケタ化へのシナリオ』(2004年、大月書店)、『格差社会と大増税:税の本質と負担のあり方を考える』(2011年、学習の友社)、『タックスヘイブンに迫る:税逃れと闇のビジネス』(2014年、新日本出版社)など

*10:義和団事変、義和団の乱とも呼ぶ

*11:著書『統一協会:集団結婚の裏側』(1992年、かもがわブックレット)、『自己啓発セミナー:「こころの商品化」の最前線』(1993年、新日本新書)、『現代こころ模様:エホバの証人ヤマギシ会に見る』(1995年、新日本新書)、『霊・因縁・たたり:これでもあなたは信じるか』(1995年、かもがわ出版)、『現代葬儀考:お葬式とお墓はだれのため?』(2006年、新日本出版社)など

*12:柿田氏が批判しているのは宗教学者島田裕巳中沢新一、評論家の吉本隆明、テレビタレントの田原総一朗

*13:著書『先進例から学ぶ再生可能エネルギーの普及政策』(編著、2013年、本の泉社)など

*14:著書『地球温暖化の予測は「正しい」か?:不確かな未来に科学が挑む』(2008年、化学同人)、『異常気象と人類の選択』(2013年、角川SSC新書)など

*15:共産党神戸市議

*16:1950年に、映画監督・吉村公三郎、俳優・殿山泰司らとともに独立プロ「近代映画協会」を設立。『原爆の子』(1952年)、『第五福竜丸』(1959年)、『さくら隊散る』(1988年)などの社会派作品を製作。映画を通じて平和を訴え続けた功績により2005年に谷本清平和賞を受賞。著書『ある映画監督:溝口健二と日本映画』(1976年、岩波新書)、『さくら隊8月6日:広島で被爆した若き新劇人たち』(1988年、岩波ブックレット)、『追放者たち:映画のレッドパージ』(1996年、岩波同時代ライブラリー)、『三文役者の死:正伝殿山泰司』(2000年、岩波現代文庫)、『シナリオ人生』(2004年、岩波新書)など

*17:著書『たたかう映画:ドキュメンタリストの昭和史』(1989年、岩波新書

*18:俳優の山本学山本圭山本亘のおじとしても知られる。前衛今月号コラムに寄れば映画『薩チャン正ちゃん』のナレーション(一部)を山本亘が務めているとのこと。最近の日刊ゲンダイ記事『俳優・山本亘さん、「あれは酷い」と同窓の安倍首相を痛烈批判』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/160042)やツイッターhttps://twitter.com/senyamamoto)での安倍批判などから考えるに亘氏は左派かどうかはともかく「アンチ右翼」なのであろう。一方、山本学は、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」(http://abesouri.com/)の発起人を務めるほど極右化している。兄弟で何故これほど違うのであろうか。

*19:日本映画演劇労働組合の初代委員長として、東宝争議を指揮。映画プロデューサーとして今井正ひめゆりの塔』(1953年)、『キクとイサム』(1959年)、『小林多喜二』(1974年)、山本薩夫『人間の壁』(1959年)、『武器なき斗い』(1960年)、『松川事件』(1961年)、『白い巨塔』(1962年)、『金環蝕』(1975年)、『あゝ野麦峠』(1979年)などの製作に関わった。

*20:大映では山本は『忍びの者』(1962年)、『氷点』(1966年)、『白い巨塔』(1966年)、『金環蝕』(1975年)などを制作

*21:今井正映画『米』、『純愛物語』(1957年)、『ひめゆりの塔』(1982年)に出演。

*22:今井正映画『米』、『純愛物語』(1957年)、『武士道残酷物語』(1963年)、山本薩夫映画『にっぽん泥棒物語』(1965年)、『戦争と人間(第一部〜第三部)』(1970、1971、1973年)に出演。

*23:『書き換えられた沖縄戦』と似た内容の番組として、琉球朝日放送『戦後70年、遠ざかる記憶、近づく足音、歪められた沖縄戦』(http://www.qab.co.jp/news/2015090870220.html)を紹介しておく。