今日の朝鮮・韓国ニュース(2022年1月26日分)

労働党政治局の決定、局面変わる朝米対決 | 朝鮮新報
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 朝鮮労働党中央委員会第8期第6回政治局会議(1月19日)で、米国の敵対政策と軍事的脅威が危険水域に達したという評価が下され、今後の対米対応方針が決定された。朝鮮の国家核武力完成を基点として局面転換がなされた朝米対決*1は、5年ぶりにまた局面が変わることになった。
 朝鮮は、米国本土を射程内に収めるICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15」型の試射(2017年11月29日)を成功させ、国家核武力を完成した翌年の2018年4月、労働党中央委員会第7期第3回総会で核実験とICBM試射を中止し、核実験場を廃棄することを決定した。
 朝鮮の先制的・主動的な非核化措置によって情勢緩和の雰囲気が高まる中、その年6月、シンガポールで開かれた朝米首脳会談(金正恩総書記・トランプ大統領)で「新たな朝米関係の樹立」』、「朝鮮半島における平和体制構築のための共同努力」などの合意がなされた。しかし、2019年2月、ベトナムハノイで開かれた2回目の首脳会談は合意なく終わった。
 日本のメディアでは、過去の出来事と比較しながら、政治局会議の決定事項を核実験とICBM試射を行っていた2017年への回帰と捉え、朝鮮が米国の関心を引くための「瀬戸際戦術」を使っているとの分析が示されている。
 事態の本質を見誤っているといわざるを得ない。
 朝鮮はすでに米国の本心を見抜いている。
 ハノイ会談後、「朝米対話のタイムリミット」に定められた2019年末に開かれた労働党中央委員会第7期第5回総会は、対話と交渉の看板を掲げて自らの政治外交的利益をはかると同時に、制裁を維持し、朝鮮の力を次第に消耗、弱化させることが米国の本心だと烙印した。
 昨年1月に開かれた労働党第8回大会では、「朝鮮の戦略的地位に相応して対外関係を全面的に拡大発展させ、社会主義建設を政治外交的にしっかりと担保する」ことを現時点での対外活動の方向性として定め、そこから「朝鮮の前進を妨げる基本障害物、最大の主敵である米国を制圧し屈服させることに対外政治活動の焦点を合わせる」ことが決定された。
 したがって、何かをディール(取引する)するような交渉、米国の敵視政策を確認するだけのハノイ会談のような対話が繰り返されることはない。
 これまでも米国は朝鮮に対する軍事的威嚇と制裁の段階的に強化してきたが、朝鮮にとって、現在バイデン政権が示している態度と行動は看過できない水準に至っている。
 自衛力を備えるのは主権国家の合法的権利である。
 ところが、バイデン政権は朝鮮の国防力強化のための措置を「挑発」と断定し、単独制裁を発動する一方で、国連安保理を使った国際的包囲網形成を画策しながら、核・ミサイルを含む朝鮮のすべての兵器システムを「完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄(Complete Verifiable Irreversible Dismantling:CVID)」の対象としなければならないという主張を国際社会に再び流布している。
 朝鮮のメディア報道によると、労働党中央委員会政治局は、シンガポール朝米首脳会談の後、朝鮮が情勢緩和の大きな局面を維持するために傾けた努力にもかかわらず、米国の敵視政策と軍事的威嚇が危険水域に達したと評価し、米国との長期戦に備え、国家の尊厳と国権、国益を守る「物理的な力」をさらに強化するための実際的行動に移らなければならないという結論を下したという。
 これまでも、シンガポールでの首脳合意は履行されず、朝米間に対話がなかったが、朝鮮はこの期間も「情勢緩和の大きな局面を維持するための努力」を放棄しなかったということだ。政治局会議では、そのような努力を中断することが決まった。局面が変わるということだ。
 労働党第8回大会では、超大型核弾頭の生産、固体燃料エンジンICBMの開発と1万5,000キロ射程圏内の打撃命中率向上などの課題が反映された国防力発展5カ年計画が示されていた。
 今回の政治局会議では、こうした国防政策課題に関する指示が再び出された。

 バイデンの「対中国、ロシア外交」から「大国中露相手にすら対決姿勢を強めるバイデン政権には我が国との交渉意欲はない→今は防衛力を高める時期→ミサイル発射実験」という主張でしょうか?