【追記】
けっきょくこの被告人のメンタリティは、佐藤忠志氏と共通するところがあるのだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事をご紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
けっきょくこの被告人のメンタリティは、佐藤忠志氏と共通するところがあるのだと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
随分と短絡的な被告人だとは思います。
ひきこもり生活を35年もしてるような人間が両親を殺害して、その後、犯行を隠しきれる*1のか、隠した上でまともに生活が成り立つのか、考えたら「どう見ても無理」でしょう。普通の人間はいかに「自己中心的な性格」で「面倒な介護なんかできるか」と思っても、せいぜい「そんなことできるか!」「お前がやれ!」等と罵倒する*2程度でまさか殺したりはしない。
犯罪が成立するとしても、せいぜい「介護ネグレクト」認定で「保護責任者遺棄致死罪」ではないか。
佐藤氏とてDV疑惑はありますがさすがに殺してませんしね。
「肉親への愛情の問題」「いかに赤の他人や深く憎んでる人間でも普通、人なんか殺せない」もありますが「極めて合理主義的な観点」からドライに考えても「殺しても何の利益もない」。
これがかっとなって殴ったら転倒して頭の打ち所が悪くて死んだという「傷害致死」的な話ならともかく、電気コードで首を絞めるなど明らかに故意に殺してますからね。精神障害の部分がやはり大きいのかとは思います。
心を鬼にして、子どもを施設に入れるなりなんなりする必要があったのではないか。
「そういうことができる金があればの話」ですが「子どもを施設に入れる」ではなく「自分たちが介護老人施設に入るべき」だったのではないか。
「やろうとすれば老人施設に入れたのに、息子が心配でできなかった」のか、そもそも「それができるだけの金銭的余裕がなかった」のかは分かりませんが。
こういう息子ではなかなか「施設に入れられない」でしょう。ならば「自分たちが息子から逃げる」と言う選択肢もあったかとは思います。
ちなみに「ひきこもり、殺人」でググったら他にも「ひきこもりの人間による肉親の殺人」が以下の通りヒットしたので「他にもありますが」一件だけ紹介しておきます。
「安定した低空飛行をつぶされた」 引きこもり18年、母と姉を殺害した男の言い分(47NEWS) - Yahoo!ニュース2022.2.9
千葉県流山市の自宅で引きこもり生活を18年間続けた41歳の男は、2020年大みそかの夜、母=当時(72)=と姉=当時(42)=を殺害した。
(中略)
高校3年の受験期、自室で勉強していると壁1枚を隔てた隣の部屋から“騒音”が響いた。その正体は、姉が布団を収納する際に扉を閉める音や、テレビを見る笑い声だった。
姉をハンマーで殴った。姉は救急搬送されたが、両親は警察に通報せず、刑事処分を免れた。
「愛情のつもり」かもしれませんが、この時に警察に通報して刑事処分を受けさせるべきだったのではないか。
それはともかく「自分より有能で家族からも誰からも愛される(と被告が見なした)姉」への「歪んだ嫉妬感がある」ように思いますね。その嫉妬が解消できなかった結果が「姉」と「姉を不当に溺愛し自分を冷たく扱う(と被告が見なした)母」の殺害に至ったのでしょう。
紹介したのは一件だけですが、他にもいろいろとそうした事件はあるようで何とも気が滅入ります。