今日のロシアニュース(2023年3月25日分)

ゼレンスキー氏、頻繁に前線視察 プーチン氏に対抗 - 日本経済新聞
 プーチンが頻繁に訪問すると「苦戦でテコ入れ」と否定的に評価する一方で、逆にゼレンスキーだと「兵士への思いやり」等と好意的に評価する傾向(つまりはでたらめな二重基準)が日本マスコミにあるように思いますね。この日経記事は違うようですが。


ロシア、アメリカが日本に「軍国主義の復活」…プーチン氏側近が連携に反発 : 読売新聞
 ロシア側の思惑が何であれ指摘自体は正論でしょう。とはいえそうした「日本軍国主義復活」を助長したのはロシアのウクライナ侵攻であり、かつ侵攻にはおよそ正当性がありませんが。


プーチン氏「戦術核配備でベラルーシと合意」…米欧戦車のウクライナ供与阻止狙う? : 読売新聞
プーチン「参戦してくれ」
◆ルカシェンコ「そこまで深入りできない」
プーチン「なら核配備させてくれ。絶対に撃たないから。ベラルーシとの友好を何かアピールできないのでは俺の面子が立たない。それに核配備すればウクライナも貴国をドローン攻撃しにくいと思う(ドローン攻撃については例えばロシア軍機の被害認める=ウクライナの「破壊工作」非難―ベラルーシ大統領 | 時事通信ニュース参照)。また、『もしかしたらベラルーシから核攻撃が→ベラルーシ方面にウクライナが軍を貼り付け』でウクライナ軍への牽制に使えるかもしれない。それとも他に何か代替案があるのか?」「何もできないというなら貴国との友好関係も考え直さざるを得ない」
◆ルカシェンコ「そのくらいなら認めてもいい」
みたいな話でしょうか。核配備していいとは言いませんがさすがにベラルーシも「自国内基地からのウクライナへの核ミサイル攻撃」を容認する気はないでしょうし、プーチンもその点で「ごり押しする気」はさすがにないでしょう。


“世界の頭脳”が「ウクライナ侵攻の終結」を議論 東京で国際会議 | NHK | ウクライナ情勢

 アメリカの外交問題評議会のジェームス・リンゼイ氏が「侵略をしたロシアに利益をもたらすような内容になってはならない。外交の機は熟していない」と述べ、ロシアを軍事的な敗北に追い込んで停戦すべきで、現時点で外交的な解決は困難だという見方を示しました。
 インドのオブザーバー研究財団のサンジョイ・ジョッシ理事長は「エネルギーも食料も、あらゆるものが戦争の道具に使われ、ウクライナ以外の国々も影響を受けている。交渉のときではないというが、ではいつが交渉のときなのか。仲介のための第三者が必要だ」と強調し、ウクライナ侵攻に端を発するインフレで、発展途上国で暮らす人々の生活にも大きな影響が出るなか、停戦に向けた外交努力も必要だと訴えました。
 シンポジウムの最後には、ウクライナへの軍事的、人道的支援の継続や、資源価格の高騰に苦しむ途上国への支援強化などを提言する、「共同声明」がまとめられ、G7=主要7か国の議長国をつとめる日本政府に向けて示されました。

 国連や日本政府の主催ではなく「民間団体の主催」なのでどれほど影響力があるかは疑問ですが興味深い記事ではあります。
 とはいえ「ロシアを図に乗らせることはできない。当面、戦争は不可避(米国)」「現時点でも停戦を考えるべき(インド)」とここまで意見が食い違って果たして「意味ある共同声明が出せたのだろうか」という疑念は感じます。
 なお、インド専門家の意見を紹介しながらも

 ジェームス・リンゼイ上級副所長は、東京都内で開かれた国際会議の会場でNHKの取材に応じました。

として「当面、戦争継続は不可避」とするリンゼイ氏の意見を専ら紹介する点はNHKのスタンス(リンゼイ氏に近い意見)が表面化しているとみるべきでしょう。
 しかし

ウクライナでの戦争が終結する見込みは非常に薄い。ロシア側が勝てない*1と判断し、和平交渉に応じることが理想だが、残念ながらその段階には至っていない。今の状況を膠着状態と指摘する人もいるが、実際は消耗戦で、この戦争は長期化する」
「(ボーガス注:ウクライナ支援終了後の反転攻勢(ゼレンスキー政権転覆)を狙ってるのか、そこまではもはや狙っておらず、ウクライナや欧米に『現状(四州やクリミアのロシアへの併合)』を飲ませるつもりなのかはともかく)彼の計算は、戦争を長引かせることで欧米側によるウクライナへの支援を終わらせることだ。」
「ロシアが勝てないと判断するまで、アメリカなどはウクライナへの軍事支援を続けなければならない。」

ねえ。「今年中に軍事的にロシアに勝利できる」等と無責任に楽観論を放言するのは問題です。またとにかく停戦すればいいというものでもないでしょうが、「とにかくロシアが降参するまでは戦争は続く、いつ終わるか分からない」という「見込みのない戦争」を公言されても「何だかなあ(げんなり)」ですね。

*1:リンゼイ発言「ロシアが勝てない(ウクライナの勝利)」が「ゼレンスキー政権転覆失敗」「昨年2月の侵攻前に戻すこと(四州のウクライナへの返還)」「昨年2月の侵攻前に戻すことに留まらずクリミアを含むウクライナ全土からのロシア撤退」等、何を意味するのかも問題でしょう。