テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍9』第7話「謀略! あやつり人形にこき使われた吉宗」他(1999年放送の再放送)(2023年10月26日記載)

◆第7話「謀略! あやつり人形にこき使われた吉宗」(2023年10月24日再放送)
 あらすじについては以下を紹介しておきます。

暴れん坊将軍9
 め組の下っ端・千吉が巻き込まれるご落胤騒動、財政難をも顧みず(ボーガス注:偽ご落胤として千吉を次期藩主にして)藩政を壟断し私腹を肥やす江戸家老とその一派が仕組んだもので、千吉の妄想(ボーガス注:自分は高貴な方のご落胤)はほんとに夢なのだった。
※千吉に三十石で召抱えられる新さん、追い出そうとする江戸家老らにこき使われ、というのがタイトルで厠掃除や三助も仰せつかる。

 今回のゲスト俳優は「小金沢昇司(め組の若衆・千吉)」(北島三郎の付き人を経て歌手デビュー、後に独立するが、デビュー時は北島経営の芸能事務所に所属)。
 町火消し「め組」の元頭「辰五郎」を演じる北島三郎、辰五郎の元子分で、辰五郎隠居後は「め組」の頭となった「長次郎」を演じる山本譲二北島三郎の付き人を経て歌手デビュー、後に独立するが、デビュー時は北島経営の芸能事務所に所属)のコネ出演でしょう。
 今回の悪役(お家乗っ取りを企む悪家老)は

有川博 - Wikipedia
NHK大河ドラマ
竜馬がゆく(1968年)
 乾退助(後の板垣退助
徳川家康(1983年)
 大谷吉継
  越前敦賀城主。関ヶ原合戦では西軍で戦い敗死
◆春の波涛(1985年:女優「川上貞奴」(演:松坂慶子)が主人公)
 内村鑑三
独眼竜政宗(1987年)
 新城弾正
  政宗(演:渡辺謙)と対立した二本松畠山氏当主「畠山義継」(演:石田弦太郎)の重臣
徳川慶喜(1998年)
 堀田正睦
  佐倉藩主。老中首座。将軍継嗣問題では一橋家当主・一橋慶喜(後の15代将軍・徳川慶喜)を担ぎ、紀州藩主・徳川慶福(後の14代将軍・徳川家茂)を担ぐ井伊直弼(演:杉良太郎)と対立。井伊が将軍継嗣問題で勝利し大老に就任すると老中を罷免され失脚。
  しかし、堀田の才能を評価していた井伊はいずれ再度登用するつもりだったとされ、安政の大獄では特に処罰を受けなかった。そのことが皮肉にも「井伊に寝返った」との疑念を生み、桜田門外の変による井伊暗殺後も「大獄で処罰された反井伊派の幕臣」の多くが政治的に復権したのに対し、堀田は「老中に復帰する」などの「政治的復権」はなかった。

などまともな役(?)*1も演じる物の「時代劇悪役の常連」でもあった有川博氏(1940~2011年)。まあ、有川氏もうまい役者は、善人を演じればほんとに善人、悪人を演じればほんとに悪人に思える - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の一人ではあるでしょう。


◆第8話「処刑直前! 赤ん坊を産む女囚」(2023年10月25日再放送)
 あらすじについては以下を紹介しておきます。

暴れん坊将軍9
 小伝馬町の牢にいる出産間近の女囚、赤猫*2による解き放ちの際め組と関わったことで知れる真実。ハメられた夫を庇い(ボーガス注:殺人の)罪を着た女と、処刑までに真犯人を求めて動く夫と、命を賭けて思いあう二人を助けて皆が動く。
※(ボーガス注:夫の)伊佐吉に遠藤憲一、真面目な大工役で善人。しかし犯人を求めて遊び人を装う設定なのであんまりいつもと変わらず。(ボーガス注:出産後に*3)女房が処刑される*4段、牢に駆けつけて門前で号泣の場面も。エンケン、こういう役どころが結構イイ。若年寄には内田勝正、奢侈禁止令緩和を申し立て裏で大儲けを企む。

 今回のゲスト俳優は上記にも書いてあるように

遠藤憲一 - Wikipedia参照
【フジテレビ】
◆『不毛地帯』(2009~2010年)
 山崎豊子*5の同名小説のドラマ化。
 主人公・壹岐正*6(近畿商事常務、専務等を経て副社長:唐沢寿明が演じた)のライバルである鮫島辰三(東京商事航空機部長等を経て常務)
◆『それぞれの断崖』(2019年)
 小杉健治*7の同名小説のドラマ化。
 志方恭一郎(主演)。
 息子を殺された父親「志方」と、加害者の母親「八巻はつみ」(田中美里)が愛し合うというありえない設定を演技力で納得させられる役者は他にはいないとして遠藤にオファー。
テレビ東京
◆『湯けむりスナイパー』(2009年)
 源さん役(主演:連続テレビドラマ初主演)

等で今や「テレビドラマの主役や準主役」も少なくないが、1998年当時はまだ無名の「遠藤憲一」。
 悪役も演じることが多い御仁ですが今回は「悪人に罠にはめられる善人役」です。遠藤氏もうまい役者は、善人を演じればほんとに善人、悪人を演じればほんとに悪人に思える - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の一人ではあるでしょう。
 いかつい風貌と言い、独特の語り口(声のトーンやイントネーション)と言い「現在とあまり変わらず」一目で遠藤と分かったのには苦笑しました。
 「無名時代の出演」て一目で分かることはそうは多くない気がしますが。

*1:例えば「吉継が実際にハンセン病だったことを除き、全て吉継や三成を美化するための後世の作り話で事実ではない」とされますが、有川氏がNHK大河で演じた大谷吉継には『天正15年(1587年)、大坂城で開かれた茶会において、招かれた武将は茶碗に入った茶を1口ずつ飲んで次の者へ回していった。この時、ハンセン病(ライ病)だった吉継が口をつけた茶碗は誰もが嫌い、病気の感染を恐れて飲むふりをするだけであったが、石田三成だけは普段と変わりなくその茶を飲み、気軽に話しかけてきた。その事に感激した吉継は、関ヶ原合戦において三成と共に戦う決意をしたとされる』という逸話があり「正義の武将」イメージの強い人物です(大谷吉継 - Wikipedia参照)

*2:火事のこと

*3:今もそうですが、妊婦は出産がすむまでは「胎児の命を守るため」死刑執行はされません

*4:「冤罪の疑い」を理由に「処刑は取りやめ」になり、その後、「真犯人判明で無事釈放」なので正確には「処刑されそうになる」

*5:1924~2013年。1958年、『花のれん』で直木賞受賞。代表作に日航機墜落事故をモデルとした『沈まぬ太陽』、西山事件をモデルとした『運命の人』等

*6:伊藤忠商事社長、会長を務めた瀬島龍三がモデルとされる

*7:1983年、『原島弁護士の処置(後に『原島弁護士の愛と悲しみ』と改題、1986年、文藝春秋→1989年、文春文庫→2008年、光文社文庫)』でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、小説家デビュー。1987年、『絆』で日本推理作家協会賞長篇部門を受賞