テレ朝・おはよう時代劇『暴れん坊将軍9』第16話「大奥の改革 上様、お恨みいたします!」(1999年放送の再放送)(2023年11月6日記載)

◆第16話「大奥の改革 上様、お恨みいたします!」(2023年11月6日再放送)

https://www.tv-asahi.co.jp/pr/sphone/20231105_09739.html
 側用人の有馬彦右衛門(名古屋章)は、吉宗から「大奥選りすぐりの美女五十人を集めよ」と命じられ、ついに正室を迎える気になったのかと喜んだ。だが、吉宗の真意は、五十人に暇を出し大奥の経費を削減することにあった。吉宗は、親元に戻り幸せに暮らすよう五十人に申し渡した。ところが数日後、大奥から暇を出された女が「上様、お恨みいたします」という遺書を残して自害する騒ぎが持ち上がり

 しかしこの自害、実は吉宗の大奥改革を阻むため、改革反対派が仕掛けた謀略で「自害に見せかけた他殺」。

暴れん坊将軍9
 大奥大改革を打ち出す上様、甘い汁を吸っていた向きは猛然と反発し、様々な策謀を仕掛けてくる。

と言う話です。
 そして

暴れん坊将軍9
 お話は、改革に際し大奥を出された女たちの一人・志乃を中心に進む。

 志乃(佐藤友紀)の元「許嫁」島岡源之丞*1冨家規政*2)が「甘い汁を吸っていた人間(島岡の姉で大奥総取締の浦瀬(一色彩子*3)、浦瀬とつるむ若年寄の岩城兵庫頭(中丸新将))」の手先として、悪徳商人「筒井屋杢兵衛(須永克彦)」の商売敵「丹波屋(五王四郎)」を暗殺するが、殺害現場に印籠を落とし、それをちょうど現場近くにいた志乃の父「旗本・野坂又四郎(勝部演之*4)」に拾われる。
 ここで「又四郎が印籠を町奉行所に届け、島岡が捕縛→島岡の姉・浦瀬が追及される」とならないのが「ご都合主義的な展開」ではあります。
 「元許嫁」を告発することを躊躇し「武士の情け」として「自決する」よう源之丞に告げる又四郎。
 又四郎が町奉行所に駆け込むことを恐れ、それに「応じるふりをする」源之丞ですが「性根の腐っている人間」として描かれる源之丞が応じるわけもなく、卑劣にも又四郎から印籠を奪うため、志乃を拉致し又四郎を恫喝します(又四郎は剣の凄腕であり「正面から一騎打ち」は勿論「複数人数で闇討ち」でも勝てるか分からないため娘を人質にすると言う設定)。
 印籠と志乃の交換現場には又四郎のみならず多数の武士(若年寄・岩城兵庫頭の家臣)が。
 「志乃が無事に戻されるまでは印籠引き渡しには応じられぬ(又四郎)→まずは印籠が先だ(源之丞)」の予想通りの応対の末「私のことは気にせず、印籠を評定所に届け悪事を暴いてください(志乃)」との言葉に励まされ、「印籠引き渡し」を拒否する又四郎に憤激し、親子共々、殺害しようとする又四郎と若年寄(まあどう見ても印籠を引き渡しても殺す気満々ですが)。
 勿論、ここで志乃親子が殺されたりはせず、徳田新之介こと吉宗が登場。吉宗に命を救われた志乃は

暴れん坊将軍9
 ラスト、思い出にするからぎゅっと抱きしめてと言われた新さん、「日本一の殿方に恋をして幸せだった」と新さんに語る志乃

となります。
 なお、志乃救出以前に大岡越前田村亮)によって「筒井屋」と「筒井屋の邸宅で密会していた浦瀬」は捕縛されます。
 「大奥総取締が町奉行ごときに捕縛されるいわれはない」と居直ろうとする浦瀬。しかし「浦瀬が側用人・有馬彦右衛門(名古屋章)にあてた書状の筆跡」と「自害した元大奥女中・琴路の遺書の筆跡」が酷似していることを越前に「琴路の死は自殺ではなく他殺。遺書を偽造したのは浦瀬殿ですな」と追及され、がっくりと肩を落とし捕縛される浦瀬と筒井屋。
 ということで最後に吉宗(というかお庭番2人)に成敗される「今回の悪党2人」は「岩城兵庫頭」「島岡源之丞」。
 又四郎、源之丞はともかく「若年寄・岩城兵庫頭」も「元大奥中臈・志乃」も勿論吉宗を見知ってるので、「若年寄のこのワシに貧乏旗本の三男坊(徳田新之介)ごときが」という態度の岩城兵庫頭に対し、最後の決め台詞「うつけ者め。余の顔を見忘れたか」がいつも通り出てきます。

魔境夢御殿
 時代劇専門CH『暴れん坊将軍9』16話「大奥の改革 上様お恨みいたします!」(1999.4.8)。本放送時この回より伝統の土曜20時から木曜19時に。爺も(ボーガス注:高島忠夫から)名古屋章に交代。

 ロングラン「暴れん坊将軍」すら時間帯変更とは世知辛い話です。

*1:勿論(?)「元大奥女中殺害の実行犯」も島岡です。

*2:芸名は当時。「読みは同じ」だが、現在は「冨家ノリマサ」(冨家ノリマサ - Wikipedia参照)

*3:1958年生まれ。テアトル・エコー養成所在籍中にオーディションに合格し、1981年にテレビ朝日警視庁殺人課』で主要メンバー・眉村冴子刑事役でデビュー。芸名は当時。「読みは同じ」だが、現在は「一色采子」(一色采子 - Wikipedia参照)

*4:時代劇では悪人役を演じることも多い勝部氏ですが、今回は正義の武士です。勝部氏もうまい役者は、善人を演じればほんとに善人、悪人を演じればほんとに悪人に思える - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の一人ではあるでしょう。