今日のロシアニュース(2023年12月17日分)

プーチン氏、NATO攻撃説は「たわ言」 フィンランドには警告 - 産経ニュース
 「NATO攻撃などしない」という「プーチンを信用する」と言う話ではなく、現実問題として「ウクライナに仮に勝利」したとしても、それまでのロシアの打撃が大きすぎて果たして「NATO加盟国」にさらなる侵攻をするかどうかは疑問です。
 戦争というのは「酔っ払いの喧嘩」とは違う。「勝てるか分からない行為」は誰もしません。
 結果として「無謀な行為になった」とはいえ「戦前日本の対米開戦」も「米国に勝てる」と思ったからやったわけです。
 さすがにプーチンもこれほどウクライナ戦争が長引いたら、敗北した場合は勿論、「ウクライナに仮に勝利しようとも」さらなる侵攻はさすがに自重するのではないか(なお、もはやあり得る勝利は「現状維持(あるいは多少今よりロシアの支配領域を拡大)」であってさすがに「首都キーウ陥落」「ゼレンスキー政権崩壊」「ロシアのウクライナ全土支配」の可能性は低いでしょう)。
 バイデンも本気で「NATO攻撃があり得る」と思ってると言うよりは「それぐらい言わないと支援消極派(米国共和党など)が支援に同意しない」「NATO加盟国に被害が出なければウクライナ全土がロシアに支配されても一向に構わないぐらいのことを支援消極派は思ってるのではないか」という「悲観的な認識」からの発言ではないか。


露兵器の部品、米国製が74% 日本製も多数 ウクライナ分析 - 産経ニュース
 実際どうなのかは素人には分かりませんが、ウクライナとしては「制裁に抜け穴がある」と言いたいのでしょう。


【フォト】ウクライナ軍総司令官使用予定の部屋に盗聴器 - 産経ニュース
 当然ロシアの犯行の可能性はありますがそれは今後の情報待ちです。


ゼレンスキー氏、軍トップと摩擦 「戦況こう着」発言が波紋―大統領選に向け神経とがらす・ウクライナ:時事ドットコム

 現地メディア「ストラナ」によると、政権は大統領選で「ザルジニー氏が出馬しないという確約が必要」と認識。従わなければ、総司令官解任も選択肢に入れているという。仮に出馬すれば、ゼレンスキー氏との決選投票にもつれ込むと予想する世論調査結果も報じられている。
 大統領選を巡っては、1月に辞任したアレストビッチ元大統領府顧問が出馬の意向を表明。捜査を受けて出国したため、ゼレンスキー氏の対抗馬になる可能性は低いが、かつての「身内」に反旗を翻されたのは政権にとって逆風だ。

 こうした報道が日本メディアからついに出ることが興味深い。


◆ロシアによるウクライナ支配?

“ロシア勝利”なら米負担「天文学的」 米戦争研究所が分析…ウクライナ全土の占領「不可能ではない」(日テレNEWS NNN) - Yahoo!ニュース
 アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は14日、西側諸国がウクライナへの軍事支援を打ち切りロシアが勝利した場合、アメリカが直面する軍事的・経済的負担は「天文学的だ」とする分析を公表しました。
 また、占領したウクライナと国境を接するルーマニアハンガリーなども含め、黒海からバルト海に至るNATO北大西洋条約機構の加盟国に対して脅威を与えることができるということです。アメリカはこれに対応するために大規模な兵力や、保有するステルス戦闘機のかなりの部分をヨーロッパに配置する必要があると想定され、そのコストは「天文学的になる」としています。
 こうしたコストに比べれば、ウクライナへの軍事支援を継続し、戦線を維持させるだけでも「はるかに安上がりだ」とし(中略)ています。

“ウクライナ支援打ち切るより継続がコスト減” 米 戦争研究所 | NHK | ウクライナ情勢
 アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は(中略)アメリカがウクライナへの軍事支援を打ち切り、ヨーロッパ各国も追随すれば、ロシアによるウクライナ全土の征服は決して不可能ではないと指摘しています。
 一方、ロシアが勝利すると、アメリカは、再び高まるロシアの脅威からヨーロッパを防衛する必要が生じ、地上軍や空軍を駐留させるなど多大な費用がかかるとしています。
 ウクライナ支援を巡っては、アメリカで与野党の対立などを背景に滞っていますが、「戦争研究所」は、支援を打ち切るよりも続けたほうが有益で、コストを抑えられることになると指摘しました。

 「ロシアのウクライナ全土支配」とは、本気でそう思ってると言うよりは「ウクライナ軍事支援は安い買い物」という「支援消極派への説得工作」でしょうが果たして上手くいくかどうか。
 いずれにせよ「今までの楽観ムード」宣伝とは逆に「ロシアによるウクライナ全土支配の恐怖ガー」「そしてさらなる東欧(ハンガリーポーランドルーマニアなどウクライナの隣国)侵略の恐怖ガー」と、悲観論が出てることが興味深い。
 ここまでしないと「支援消極派」が説得できないと言う理解なのでしょう。


“米の支援停止で ウクライナ 大規模後退か敗北も”米メディア | NHK | ウクライナ情勢
 「大規模な後退(さらにロシア軍支配地域が増える)」も「敗北の一種」だと思いますがわざわざ「分けて書いてる」ということは、この「敗北」とは「首都キーウ陥落」「ゼレンスキー政権崩壊」「ロシアのウクライナ全土支配」等を意味するのか?(NHK記事を読んでもよくわかりませんが)。
 「大規模な後退」ならともかく、そんな「敗北」事態があるとは到底思えませんけどね。
 支援消極派(米国共和党など)に対し、「支援への賛成」を求めるためにかなり「事態を誇張してないか」。
 何せ「米軍高官(正体は恐らく不明)の発言」という「リーク情報」であって「米国政府の公式発表」ではない。
 かつ、そうした「誇張」によって果たして共和党が支援に賛成するかどうか。
 1)「誇張じゃないのか」という批判
 2)「それが事実ならむしろ支援ではなく停戦(終戦)に動くべき」「ロシアがまた戦争再開した時点で改めて支援すればいい」「いつまで支援してればいいんだ」
になる可能性もあるのではないか。