今日のロシアニュース(2023年5月18日分)

「ロシアが日本侵攻」報道を打ち消した小泉悠さん 職人芸の分析手法 | 毎日新聞
 ウクライナ戦争で苦戦するロシアがそんなことはしないこと(在日米軍自衛隊と戦う軍事的余裕はないし、そんなことをしてもウクライナ戦争が有利になるわけでもない)は常識で考えてわかる話であり、小泉*1に聞くまでもない話です。
 こんなタイトルの記事を書くとは1)毎日新聞は「『ロシアの日本侵攻』説は専門家でないと打ち消すのが難しい説」と思ってるのではないか?、2)小泉の本当に評価すべき「専門家としての主張*2」をまともに認識してないのではないか?、と評価され呆れられても文句は言えないでしょう。


クレムリン無人機攻撃、ウクライナが関与か 米分析 - 産経ニュース
 「ニューヨークタイムズ」が米国情報機関の分析として報じてると言うことは「まず間違いない」のではないか。ウクライナの「ロシアの自作自演呼ばわり」は嘘だったのでしょう。

 ウクライナの特殊部隊か情報部隊が実施した可能性が高いとみられ、政府が攻撃を直接許可した確証はない

 ゼレンスキーをかばうための言い訳でしょう。「軍が勝手に暴走した」のなら大問題であり米国もゼレンスキーを厳しく締め上げるでしょうから。


「F16はゲームチェンジャーにはならない」…ウクライナへの供与巡り米空軍長官 : 読売新聞

 フランク・ケンドール空軍長官は22日の会合で、ロシアの侵略を受けるウクライナへの米国製戦闘機F16の供与について、「ウクライナの助けにはなるが、根本から状況を変えるわけではない」と述べた。

 米軍としては「楽観論が膨れ上がること」は避けたいのでしょう。


ロシア高級官僚が帰国途中に急死 「みんな人質」と政府を批判も [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

 抗うつ剤精神安定剤を飲み、眠れない様子だったという。

 病死のようで「暗殺や自殺ではない」ようです。
 「体調不良による死を覚悟していた」からこその政府批判、つまり黒沢明「生きる」の主人公のような話でしょうか?


ゼレンスキー氏がインド首相と会談 ロシアさらに孤立か
 モディ*3も「公然と面会拒否」し、ウクライナや「ウクライナ支援国(日本、NATO主要国である米英仏独など)」との関係を悪くするわけにも行かないので「予想の範囲内」です。この程度では「国益を考慮しての、モディのロシアに対する現在の融和的態度」が変わるとは言い切れず「さらなる孤立」とは到底言えません。


ロシアがF16供与方針批判 欧米に「重大リスク」と警告 - 産経ニュース
 これが果たして戦局にどう影響するか。
 なお、将来はともかく現時点では
1)「米国のF16供与」ではなく「NATO加盟国のF16供与の容認(米国)」にすぎず、
また「早急に英仏独(既にウクライナに対し、戦車等、武器供与の実績がある)が供与交渉に入り、実際に供与する」かもしれませんが、現時点では
2)具体的な供与が発表されたわけではないこと
を指摘しておきます。


中国代表がゼレンスキー氏と会談 ウクライナは領土喪失含む停戦案容認せず - 産経ニュース
 問題はウクライナの言う「停戦交渉において領土喪失を受け入れない」が何を意味するのか、ですね。
 「昨年2月の侵攻以前に戻す」と言う意味なのか、それとも「クリミアも含めて全土取り返す」と言う意味なのか。
 「全土取り返すまでは継戦し続ける」と言う意味なのか、「日本の北方領土竹島(ロシアや韓国が実効支配)」のようにロシアが実効支配していても(ウクライナに対して完全な領有権放棄が要求されない限り)条件次第では「停戦はあり得る」と言う意味なのか。
 もし「クリミアを含めて全土取り返す(ウクライナが実効支配する)までは継戦し続ける」と言う意味なら果たして「それで停戦は成り立つのか?」と疑問に思います。まあ、「最初はハッタリかましてるだけ(妥協の余地はウクライナの本心ではある)」の可能性もありますがロシア、ウクライナ双方が一定の妥協をしない限り「仲介者が(中国に限らず)誰であれ」停戦は無理ではないか。


ウクライナに自衛隊車両100台 岸田首相、ゼレンスキー氏へ伝達:時事ドットコム
 さすがに戦車など「軍事車両ではない」わけですが、ウクライナに自衛隊車両100台 岸田首相表明/自公は殺傷兵器も視野にも危惧するように「軍拡・岸田政権」なので「自衛隊のイメージアップ狙いか」「将来的には軍事支援につなげる意図か」という警戒、危惧を感じます。


ウクライナ負傷兵を自衛隊病院で受け入れ 外国人兵士の治療は極めて異例 - 産経ニュース
 受け入れ自体には反対しませんが「一般の国立病院ではない」点には「軍拡・岸田政権」なので「自衛隊のイメージアップ狙いか」という警戒、危惧を感じます。

*1:著書『現代ロシアの軍事戦略』(2021年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争』(2022年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争の200日』(2022年、文春新書)等

*2:小泉が専門家として、本当にそんなに高評価できるのかどうかはひとまず置きます。

*3:勿論彼の訪日の主目的はG7首脳との会談であってゼレンスキーとの会談ではない。