珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年5月13日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 平和を維持するためにはジェンダー平等が大事*1というお話ですが、池内さおりさん*2は(ボーガス注:ジェンダー平等が進んでいるとされる)フィンランドNATO加盟の動きはどう評価されますか。

黒坂真リツイート
 石川康*3先生。フィンランドは素晴らしい、との呟きですが、同国のNATO加盟を支持されますか。
石川康宏がリツイート
フィンランドが義務教育を延長、18歳まで全て無料!
 これまでも大学院まで授業料は無料だったが、今後は18歳まで教科書や備品、学食の費用が全て無料に。
 狙いはさらなる教育の平等、そして国民総「高スキル人材」の実現だ。社会からの脱落や孤立化を防ぎ、労働市場でも「誰一人取り残さない」を目指す。

 「フィンランドの教育政策は素晴らしい(要約:石川ツイート)」や「フィンランドジェンダー平等は素晴らしい(要約:池内ツイート)」にこんなことをリツイートするのは「因縁」でしかない。
 言うまでもなく「それ(教育政策、ジェンダー平等)はそれ、これ(安保政策)はこれ」です(恐らく石川氏や池内氏はNATOに限らず軍事同盟一般に否定的な立場でしょうが)。
 俺も含めて多くの人間は

ロッキード事件ウォーターゲート事件は批判するが中国との国交正常化は支持する(ニクソン政権、田中政権)
天安門事件は批判するが改革開放や香港返還は評価する(鄧小平)
イラク派兵は支持しないが訪朝は支持する(小泉政権

など是々非々で評価しています。
 誰も「フィンランドは何の欠点もない国」とは一言も言ってない。
 黒坂の行為は

【1】フィンランドNATO加盟を評価する人間に向かって「フィンランドジェンダー施策(教育施策)を支持されますか?*4
【2】台湾ロビーのウヨ(例:安倍晋三)に向かって「蔡英文同性婚容認、脱原発*5を支持されますか?(勿論、聞くまでもなくウヨ連中が支持するわけがない)」

と因縁つけるようなもんです。
 まともな人間なら「フィンランドの義務教育延長」に「『日本も同様に延長すべきだ』と賛同の意思を示す」か「賛同しない場合は『反対理由を示す』」かであってこんなバカなリツイートはしない。
 なお、この機会に「フィンランド」でググってヒットした「フィンランド礼賛(?)」本をいくつか紹介しておきます。割り引く必要はあるでしょうが「全くの嘘(例:ブータンの幸福度は世界一(幸せランキングで低迷するブータン - 高世仁の「諸悪莫作」日記への嫌みのつもり、高世記事については拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/27分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで批判的に言及))」ではさすがになくいろいろ学べることもあるかと思います。
 なお、黒坂も以下に紹介する「フィンランド礼賛本の著者(福田都留文科大学名誉教授など)」に「NATO加盟を支持されますか」などとは絡まないでしょうが、相手が「共産党支持者の石川氏(全国革新懇代表世話人)」「共産党中央委員の池内氏」だと絡むのだから呆れたバカです。

【刊行年順(刊行年が同じ場合は著者名順、刊行年、著者名とも同じ場合は出版社名順)】
◆福田誠治*6『競争やめたら学力世界一:フィンランド教育の成功』(2006年、朝日選書)
◆福田誠治『格差をなくせば子どもの学力は伸びる:驚きのフィンランド教育』(2007年、亜紀書房
◆福田誠治『競争しても学力行き止まり:イギリス教育の失敗とフィンランドの成功』(2007年、朝日選書)
◆堀内都喜子『フィンランド・豊かさのメソッド』(2008年、集英社新書)
◆リッカ・パッカラ『フィンランドの教育力:なぜ、PISAで学力世界一になったのか』(2008年、学研新書)
◆福田誠治『フィンランドは教師の育て方がすごい』(2009年、亜紀書房
◆福田誠治『こうすれば日本も学力世界一:フィンランドから本物の教育を考える』(2011年、朝日選書)
◆岩竹美加子『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか』(2019年、新潮新書)
◆堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか*7』(2020年、ポプラ新書)
◆岩竹美加子『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』(2022年、幻冬舎新書
◆堀内都喜子『フィンランド・幸せのメソッド』(2022年、集英社新書)

*1:慰安婦など、戦場での女性の人権侵害を考えれば全くその通りでしょう。まあ正確に言えば平和のために大事なのは「ジェンダー平等」だけでなく「ジェンダーのつかない平等(民族平等など)」も大事ですが

*2:衆院議員。党中央委員。公式サイト池内さおりホームページ

*3:神戸女学院大学教授。全国革新懇代表世話人。著書『現代を探究する経済学』(2004年、新日本出版社)、『いまこそ、憲法どおりの日本をつくろう! 政治を変えるのは、あなたです。』(2007年、日本機関紙出版センター)、『覇権なき世界を求めて』(2008年、新日本出版社)、『人間の復興か、資本の論理か:3・11後の日本』(2011年、自治体研究社)、『マルクスのかじり方』(2011年、新日本出版社)、『橋下「日本維新の会」がやりたいこと:何のための国政進出?』(2012年、新日本出版社)、『「おこぼれ経済」という神話』(2014年、新日本出版社)、『社会のしくみのかじり方』(2015年、新日本出版社)など。個人サイトはげしく学び はげしく遊ぶ-石川康宏研究室

*4:黒坂が池内氏や石川氏に対してやってる因縁付けをひっくり返すと勿論これになります。そのとき、黒坂は何と答えるのか?。それを考えるだけでまともな人間はこういう黒坂のようなバカな因縁付けはしません。

*5:安倍のような台湾ロビーのウヨ連中にとっては都合が悪いので、連中は「蔡英文のこうしたある種のリベラル性」については徹底的に無視します。

*6:都留文科大学名誉教授

*7:『日本企業の多くは定時(午後5時や6時など)でも仕事が終わらないのにねえ』(自嘲)を意味してることはすぐに分かるタイトルなので「堀内氏やポプラ社が悪いわけではない」ですが「俺的に」げんなりするタイトルです。しかし「児童書出版社のポプラ社」が今や新書まで出すとは随分出世(?)したもんです。経営陣が有能なのでしょう。ジンネットを倒産させた「無能な高世」とは偉い違いです(嫌みのつもり)。高世の無能さについては自分に都合の悪いことを他人などのせいにしているあたりが、高世仁が会社の経営に失敗した遠因でもあったのだろう(福島香織の独立の失敗もあまりにひどい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)を紹介しておきます。