新刊紹介:「経済」10月号

 「経済」10月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/

 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは10月号を読んでください)
■随想「ヒトコマ漫画の盛衰」(倉田新)*1
(内容要約)
・日本では漫画やアニメで食っていくのは一部の恵まれた人を除けば大変難しい。*2特にヒトコマ漫画は今、冬の時代。でも頑張るぞ!

■世界と日本
【「EUの直面する課題」(宮前忠夫)】
(内容要約)
 EUの直面する主な課題の紹介。
 1)経済危機の克服、2)リスボン条約の批准完了、3)温暖化問題の克服、4)共通通貨ユーロの安定。

【「中国の幹部政策」(平井潤一)】
(内容要約)
・中国各地には、職務怠慢な幹部や、業者やヤクザとの癒着で私腹を肥やす幹部が後を絶たない。怒った群衆が、役所を襲撃する事件なども起こっており、中央は頭を悩ましている。
・以下は私の感想。中央は様々な策を取っているようだし、個々の政策は成果を上げているようだがやはり最終的には大幅な民主化が必要なのではなかろうか?

【「地制調答申と道州制」(鈴木文熹)】
(内容要約)
・地制調答申(総務省地方制度調査会答申)を道州制(共産は道州制地方切り捨てではないのかと懐疑的・批判的)に親和的なものと評価、警戒を呼びかけている。

■特集「経済再生:内需型へ転換を」
(内容要約)
・個々の論文を説明する能力はないので特集全体を要約。
・日本は昔から外需依存度(特にアメリカ依存度)の強い経済だった。
・しかも、小泉構造改革により、外需依存度はよりいっそう高まった。
・そのことが日本が不況から脱出できない原因であり、内需重視の経済政策をとる必要がある。

■企画「現代フランスと労働者」(第2回)
【荒井壽夫「フランス自動車産業の雇用問題:ルノーの操業短縮休業の補償を巡って」】
(内容要約)
ルノーは大規模なリストラを実行しようとしたが労組や世論の批判を受け、操業時間短縮(休業期間中は一定の賃金補償や職業訓練を受けることが出来る)にとどめざるを得なかった。
・以下は私の感想。これをどう評価するかは難しいようだが少なくとも、リストラ万歳の日本よりはマシと思う。
(なお、ルノーと言えば、あの「コストカッター」カルロス・ゴーン先生の出身地なので、私的にはあまりイメージが良くない)

■山下唯志「財務構造から見た『日本型多国籍企業トヨタの実像」
(内容要約)
トヨタは巨額の内部留保保有しており、これを少し取り崩すだけで、雇用の維持が図れると思うがそうした方向に動いておらず、トヨタは批判されるべきである。
・巨額の内部留保は「過労死を生む労働者こき使い」や「下請けに対する買いたたき」など、かなりえげつない手によるものであり、手放しで評価できない。こうした問題点は是正されるべきである。

*1:漫画家。赤旗で氏のヒトコマ漫画が読めるよ!。それとホームページ(http://kurasin.boo.jp/)もある。

*2:と言うより文化で食っていくのが大変なのだと思う。