予想した産経抄とはちょっと違ってびっくり。私が予想した産経抄は
「文革云々という人を官房長官にするとは、と仙谷氏を叩く」
「蓮舫氏の大臣就任を人気取りと批判。勢い余って、たちあがれの平沼氏並みの差別発言をかます」
「山田副大臣の農水大臣昇格を「口蹄疫まんえんに責任のある人を大臣にするとは」と叩く」
だったのですが。
しかし、小村寿太郎と民主党の中国大使人事と何の関係があるのやら?。今、産経の歴史コラムで小村を扱っているからなんでしょうがこじつけにもほどがある。
日露戦争時の外務大臣、小村寿太郎は29歳で判事から転じた外務官僚だった。しかし最初の10年ほどは翻訳局という地味な職場におり、目立たなかった。駐清国の公使館参事官に抜擢したのは当時の外相、陸奥宗光だが、任命をめぐる逸話がある。
才能もあったのでしょうが、小村は陸奥のおかげで出世できたという話。
小村は米国に留学した欧米通だった。陸奥は「気の毒だが、しばらく北京で辛抱してくれ」と告げたという。だが小村は「喜んで北京に行きます」と答える。「欧米のことは座していても解りますが、清国のことは万事不可解なので研究したい」と述べ、陸奥をうならせた。
今はどうか知りませんが、中国畑は当時出世コースじゃなかったんでしょうね。だから「気の毒」という言葉が出るんでしょう。
小村の返答が本心かどうかは知りませんが、うまい返答、さすが切れ者は違いますね。
「日清開戦やむなし」の結論に達すると、こんどは彼我の戦力の比較に没頭した。
・そう言う結論に達したのは小村と言うより外務省や軍の中央でしょう。現地の小村の意見は参考にされたでしょうが。現地の小村が中央を無視して「日清開戦やむなし」の結論で勝手に動いていたのなら怖いことです。
・それに戦力分析は基本的には軍の仕事でしょう。
・小村について語るなら、ポーツマス条約とかもっと外交官らしい仕事を上げたら?
新たな駐中国大使に伊藤忠商事元社長の丹羽宇一郎氏の起用が固まったという。異例の民間人起用だ。むろん丹羽氏自身の人柄には定評がある。中国政府と太いパイプを持つといわれる。だがそれで中国大使に最適任とは決して言えまい。
・私個人は以下に紹介するエントリと同様の考えから丹羽氏就任に疑問を感じますが、では産経的には誰が適任なのでしょうか?。一番無難なのは、中国畑の職業外交官でしょうが。
牧村しのぶのブログ「中国大使に親自民民間人」
http://d.hatena.ne.jp/pinsuke/20100608/1275966480
・なお、「丹羽氏が伊藤忠の利益のために私的に動いたらどうするんだ」という批判を産経がしないのは意外でした。
中国は今、経済成長を背景に目に余るほど海洋覇権を求め、日本にとって脅威となっている。
産経が反中国なのはよく分かりました。「目に余るほど海洋覇権を求め、日本にとって脅威」って具体的に何のことなんでしょう?
それだけに大使に求められるのは、中国と仲良くすることだけではない。小村がそうしたように、厳しい目で中国の意図を見定め、日本のとるべき道を探ることだからだ。
・そもそも外交というのは対中国外交に限らず、「単に仲良くすること」ではありません。
・それと無茶苦茶な反中国記事を載せる新聞に「中国の意図を見定め」と言われても(苦笑)
気になるのは「脱小沢」以外新味の少ない菅新政権が、大使人事を政権浮揚の具にしようとしているように思えることだ。
・留任大臣が多いので「新味が少ない」のは事実です。しかし、「政権浮揚の具にしようとしている」のは、大使人事よりも、むしろ蓮舫氏の大臣就任では?
鳩山政権も普天間飛行場という安全保障問題をそうしようとして失敗した。
「アメリカの言いなりになれ」「自民の方針を引き継げ」が「アメリカのポチ」「自民の友達」産経の主張です(苦笑)。
沖縄県民の思いにこたえようとすることが「政権浮揚の具」ですか?
小村の時代の厳しさに学ぶべきである。
・小村の時代じゃなくても外交は厳しいのですが。
・外交の厳しさの例としてあげるのならむしろ、戦前外交の失敗を上げたら?。「国民政府を相手にせずで日中戦争泥沼化」とか(嘲)。
・あるいは、自民党準機関紙として自民党のお手柄を上げるとか(「鳩山内閣の日ソ国交回復」「佐藤内閣の沖縄返還」「田中内閣の日中国交回復」とか)。