今日の産経ニュース(2019年12月25日分)(副題:安倍訪中3日目(最終日))

秋元議員逮捕、IR基本方針の策定に影響も - 産経ニュース
 「森友疑惑で政治家どころか、財務官僚起訴すら出来なかった」「UR疑惑の甘利*1も白紙領収書の菅も捜査しなかった」検察はたとえ「秋元*2」のような陣笠レベルでも、安倍の圧力で自民議員逮捕など出来ないかと思ってきたので意外です。
 しかも秋元代議士逮捕にとどまらず白須賀某*3代議士の捜査まで始めています。
 いずれにせよ年明けの国会で野党としては「桜を見る会疑惑」など他の疑惑とともに当然追及する話です(もちろん現時点において閉会中審査で追及してもいいですが)。安倍が彼らをIR担当の政務三役に任命した以上、安倍の政治責任が問われて当然です。


東京新聞:北方領土交渉 ソ連88年に軟化 外交文書公開:国際(TOKYO Web)
 どう見ても「過去に柔軟化したことがあるから今も柔軟化してもおかしくない」という「安倍の意向を受けた外務省の宣伝」としか思えませんね。
 勿論「ゴルバチョフの柔軟化」が「ゴルバチョフリップサービスではなく」事実だとしても、当時と今では政治情勢が大きく違うし、「ゴルバチョフプーチン*4」「中曽根首相と安倍首相」という違いもあるのでそんな宣伝は全くのデタラメですが。


外務省が竹下首相訪中で「靖国参拝すれば危うくなる」 外交文書公開(1/3ページ) - 産経ニュース

 昭和63年7月7日付の極秘公電では、中島敏次郎*5駐中国大使が宇野宗佑*6外相に対し「やす国じん社への公式参ぱい等をめぐって問題が発生しないよう、例えば事前の官房長官談話等の形式でタケシタ総理及び現政府のお考えを明確に示されては如何と存ずる」と意見具申していた。
 公電の4日後の8月2日には、小渕*7官房長官が記者会見で、竹下氏が靖国神社の参拝を見送ることを明らかにした。
 竹下氏は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の会長も務め、蔵相時代は靖国神社に参拝していた。
 しかし、前任首相の中曽根氏*8が昭和60年の公式参拝の後、内外の批判を踏まえて2年連続で参拝を見送ったこともあり、竹下氏は首相在任中、「公式参拝の実施を願う国民や遺族の感情*9を尊重することは政治を行う者の当然の責務である」とする一方で、「国際関係を重視し、近隣諸国の国民感情にも適切に配慮しなければならない*10」と参拝に慎重な姿勢も示していた。

 どう見ても「竹下*11首相をだしにした」、「習*12主席国賓訪日を実現するには安倍首相の靖国参拝は実行不可能」という「安倍の意向を受けた外務省の宣伝」としか思えませんね。実際その通りで「安倍が靖国参拝などしたら、習主席訪日予定が崩壊しかねない」と思いますが。産経にとってこうした安倍の言動は「安倍の野郎!」「言い訳するな!、靖国参拝しろ!」と怒り心頭でしょう。それでも産経は「改憲のために」安倍批判が出来ないわけですが。


【阿比留瑠比の極言御免】靖国騒動たきつけた元中国大使 - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが外務省が竹下首相訪中で「靖国参拝すれば危うくなる」 外交文書公開(1/3ページ) - 産経ニュースについての阿比留による「中島・駐中国大使(中国に媚びるな!)」や「文書公開した外務省(過去の中国への媚びへつらいを正当化するな!)」への悪口雑言です。
 反中国の阿比留らしいですが、中島・駐中国大使(役職は全て当時)は「竹下首相が靖国参拝したら中国外交に支障が出る」「竹下首相が中曽根内閣蔵相時代に靖国議連会長として参拝してるので『いずれ竹下首相は中曽根のように参拝するんじゃないか』と中国は疑ってる。はっきり『参拝しない』といった方がいい」という「自分の中国分析」を政府に伝えただけです。
 それを受け入れたのは竹下首相、小渕官房長官、宇野外相などといった政権幹部です。かつ「中曽根参拝での中国の反発」を考えれば中島氏が諫言(?)しなくても竹下首相らが「中島氏と同じ見解」に達することもあり得る。また中島氏が「1995年の外務省退官後」に宮内庁参与を務めてることで分かるように、彼のこうした言動を「ポスト竹下内閣」も何ら問題とはしていなかったわけです。
 文句があるなら「当時の竹下首相ら政権幹部」にいうべきでしょう。
 かつ阿比留だってこの「外務省の情報公開」を「ただの事実発表に過ぎない」と思うほどナイーブでもないでしょう。
 これは明らかに「私が靖国参拝しないのは竹下首相と同意見だからだ。私が靖国参拝したら日中関係に悪影響が出る」という安倍の政治的アピールです。
 「安倍の訪中(習主席の来年春の訪日を改めて宣伝)」と同時期に発表とは「偶然の一致のわけがない」。
 しかしこの期に及んでも「安倍の中国外交」を批判できないのだから「安倍信者」阿比留も呆れたバカです(反中国の阿比留の立場なら批判すべきですし、安倍以外の首相なら批判してるでしょう)。内心では「安倍の裏切り」に激怒でしょうが、「安倍にへつらって産経社内で出世した」「その結果、デマ記事を書いても懲戒処分されなかった」「安倍にへつらうため、モリカケ桜を見る会疑惑さえ詭弁で擁護した」阿比留はもはや「安倍批判など絶対に出来ない」のでしょう。
 おそらく「『首相の靖国参拝反対』と竹下内閣以降、今の安倍内閣まで言ってきた外務省は酷い」とは書いても絶対に「靖国参拝しない」安倍への批判はしない。


【矢板明夫の中国点描】中国離れがもたらす台湾の好景気 - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんがデマも甚だしいですね。「中国離れ」は「中国という巨大市場を失い」、経済に悪影響しかもたらしません。安倍が「反中国」をやめて中国にすり寄ってるのもそういうことです。
 もちろん「景気に悪影響でも中国離れすべきだ」という価値観はあり得ます(俺はその価値観を支持しませんが)。
 しかし「中国離れが景気に好影響」というのは価値観の問題ではなく、ただのデマです。「景気に悪影響でも中国離れすべきだ」といえないのが本当に哀れです。

 米中貿易戦争や中国の景気低迷などを理由に、最近、中国での生産拠点を台湾に戻す台湾企業(台商)が急増し、今年発生した台湾への回流投資案件の累計金額は7千億台湾元(約2兆5千億円)に達した。蔡氏はこの数字を政権が経済を活性化させた実績として、大きくアピールしている。

なんてのは経済の活性化でも何でも無い。この記事が事実なら「蔡英文ってアホと違うか?」「そこまで反中国が大事か?」と心底呆れます。


【主張】韓国大統領 対日改善の意思ないのか - 産経ニュース
 ホワイト国除外など日本からケンカを売っておいてよくもこんなことがいえたもんです。
 日本が悪いのに一方的に敵意を募らせた「暴支膺懲」「鬼畜米英」と似たり寄ったりです。
 「終戦後70年日本は変わらなかった」「失われた70年」とでも言うべきでしょうか。
 徴用工問題は「当事者同士が話し合って解決すればいいこと」でそれ以上でもそれ以下でもない。
 慰安婦銅像にしても韓国政府がやってることではない。そもそも銅像がたつことは何ら問題ではない。
 正直愉快ではないですが「事実だから仕方が無い」。
 「日本は慰安婦という戦争犯罪をした」といわれて逆ギレするなどみっともない行為です。かつそういうことをすればするほど、当然、日本批判は高まっていく。

 文大統領には対日関係改善の意思があるのか。極めて疑わしい。日本が国交の基盤である日韓請求権協定の違反状態を受け入れたり、韓国側の改善なしに兵器転用の恐れがある輸出品の管理を緩めたりできるわけもない。

 おいおいですね。
 第一に産経は

 日本は国交の基盤である日中平和友好条約の違反状態(大阪高裁での光華寮訴訟・中国敗訴判決のこと)を認めるのか!

と「大阪高裁での光華寮訴訟・中国敗訴判決*13」に中国が抗議したときになんと言っていたのか。「三権分立だから日本政府には何も出来ない」「そもそも中国の法解釈は一つの解釈に過ぎず争いの余地がないものではない」と釈明し、中国政府に反論した自民党・日本政府を「その通りだ」と支持していたのではないのか。
 徴用工判決で文政権が言ってることは基本的に「大阪高裁での光華寮訴訟・中国敗訴判決」について、日本政府がした釈明と全く変わりません。
 つまり「当時の中国を批判するなら文政権は批判できない」し「文政権を批判するなら、当時の中国は批判できない(むしろ自民党の釈明を批判すべき)」という構図にあります。
 「当時の中国は批判する、文政権も批判する」なんてのは論理整合性の全くないダブスタでしかありません。
 第二に「『徴用工問題の解決(勿論『産経や安倍らウヨにとって望ましい解決』であり『徴用工や企業にとって望ましい解決』ではない)』が輸出規制の目的だ」と事実上自白してるのも同然の文章です。
 「徴用工問題で安倍の要請に応じなかった→反日だ」は一つの価値観かもしれない(俺はその価値観を支持しませんが)
 しかし「反日だから輸出規制」というのは意味不明です。問題は「現状の韓国の規制で兵器転用の危険性が高いのか」「それは安倍政権が現在とってるような態度でしか解決しないのか」つう話です。
 まず証明すべきは「現状の韓国の規制で兵器転用の危険性が高いこと」ですがそんなことは何一つ安倍も産経もしません。
 「韓国は反日だ」と言いつのったところでそんなことは「現状の韓国の規制で兵器転用の危険性が高いこと」の証明には何一つなりません。

 文政権とは人権問題で温度差もある。中国は、文大統領が習近平国家主席との会談で「香港や新疆(ウイグル自治区)の問題は中国の内政だ」と語ったと発表し、韓国は中国側発表のトーンが強すぎると釈明した。
 いずれにせよ、文大統領は、中国の深刻な人権状況に問題提起しなかった。日本が、価値観を共有できない国と真に連携することは難しい。

 詭弁も甚だしいですね。
 安倍だって「イヤー欧米も問題視してるし私も問題だと思いますよ」程度のことしか言っていません。ウヨ支持層の反発を恐れて「一応言ってみました」程度の話でしかない。習主席ら中国高官に「その意見には賛同できない」といわれれば「そのまま黙り」です。
 「日本は問題提起したんだ!」と自慢できるレベルでは全くない。まあ欧米だって「マクロン大統領が中国のエアバス大量購入に大喜び(フランス)」「政府が一帯一路参加を表明(イタリア)」ですから産経が強弁するほど反中国でもないのですが。
 そもそもそんな理由で韓国を敵視してるわけではないのに良くもデマカセがほざけたもんです。
 かつ徴用工問題や慰安婦問題で「そもそも違法ではない」などと徴用工や慰安婦を侮辱する暴論(明らかなデマ)を吐いて恥じない「反人権新聞」が何が「人権問題ガー」なのか(そもそも日本には「アパルトヘイト時代の南ア」とレアメタルなど資源目当てに付き合い、『南アから名誉白人称号までもらったために』国際社会の強い批判をあびた過去があり、産経も当時「南アとの貿易はやめるべきだ」とは何一つ言ってないのによくもこんなことが書けたもんです)。
 安倍が近年すり寄ってるロシアや中国は「人権に配慮した価値観を同じくする国」なのか?
 「産経は恥を知れ」という話です。

*1:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣行革等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党選対委員長などを経て自民党税制調査会

*2:第三次安倍内閣で国交副大臣(復興副大臣内閣府副大臣(IR等担当)兼務)

*3:第四次安倍内閣復興大臣政務官(文科大臣政務官内閣府大臣政務官(IR等担当)兼務)

*4:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*5:シンガポール大使、駐オーストラリア大使、駐中国大使、最高裁判事、国際常設仲裁裁判所判事、宮内庁参与など歴任。著書『外交証言録:日米安保沖縄返還天安門事件』(2012年、岩波書店

*6:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*7:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*8:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*9:政教分離原則などを理由に「願わない国民や遺族の存在」を無視するのも大概にしてほしい。

*10:「繰り返しますが」外交関係以前にもちろん政教分離原則に抵触します。

*11:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)をへて首相

*12:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*13:ただし最終的には「最高裁での台湾勝訴の破棄差し戻し」で「中国が事実上勝訴」しました。