今日の産経ニュース(2023年2/10、11日分)(副題:松竹、kojitaken、維新批判、貴家堂子追悼ほか)

【産経抄】2月11日 - 産経ニュース

 志位氏は、反撃能力*1保有による抑止力についても「抑止力*2とは恐怖*3であり、威嚇*4ではないか」と否定している。党綱領に反する日米安保条約の堅持*5自衛隊合憲といった主張*6を発表した松竹氏除名したのは、同様の行動に出かねない党員*7への抑止効果を狙ったようにも見える

 ということで皮肉にも「党首*8公選制ガー(朝日や松竹)」ではなく「松竹の右翼的主張」を党綱領に反する日米安保条約の堅持、自衛隊合憲といった主張を発表した松竹氏と描き「松竹よ、よくやった!」と褒め、除名したのは、同様の行動に出かねない党員への抑止効果という遠回しな表現で「除名を恐れずに、松竹氏の後に続き『安保堅持、自衛隊合憲』を主張する党員がでることを期待したい」と反党行為を「松竹の類友」にけしかけ、「松竹が除名されて当然の反党右翼分子であること」を宣伝する産経です。
 「金儲けの上手い竹下さんを首相にしよう(日本皇民党)」並の褒め殺し「非現実的な党綱領(安保廃止、自衛隊違憲)を否定した松竹さんを応援しよう(産経)」です。問題は竹下はこれを「嫌がらせだ」と憤慨したのに対し、「反党裏切り分子」松竹は喜んでる疑いがあることです。

「悪意で党を攻撃する者*9に対しては、私は断固として反撃する」。
 はて、志位氏は政府が保有を決めた反撃能力に対し、他国に脅威を与えるものだと反対していたのではなかったか。国がやり返すのはダメで、党ならいいとはこれいかに。

 「違憲の軍事行為(岸田の敵基地攻撃能力)」と「言葉での反撃(志位氏の松竹や松竹応援団(例:朝日)への批判)」が産経には同じに見えるそうです(呆)。
 つまり、例えば

◆「言葉での朝日批判」と「朝日新聞阪神支局襲撃」
◆「言葉での安倍批判」と「山上の安倍射殺」

が産経には「一緒に見える」のか。「朝日新聞阪神支局襲撃」「山上の安倍射殺」を否定するなら「言葉での朝日や安倍への批判」も否定されるのか。
 詭弁にしてもレベルが低い。
 志位氏も含め「敵基地攻撃能力批判派」もほとんど(俺もその一人ですが)は「専守防衛の枠内」なら国がやり返すことを否定しませんし、「敵基地攻撃能力(岸田の言葉では反撃能力)=先制攻撃」なのでそもそも国がやり返すとは言いがたい。一方、志位氏は今回、松竹に対して勿論「先制攻撃(例:松竹が本を出したり記者会見する前に、そうした情報を聞きつけ、松竹を呼びつけて『本を出したり、記者会見したらどうなるか分かってるんだろうな、お前』『除名されたいのか』などと恫喝)」などしてない。志位氏は勿論、松竹の方もそんなことは言ってない。

参考

志位委員長の記者会見/松竹氏をめぐる問題についての一問一答
志位
 善意の方々で、本当の意味での善意で、私たちに対してさまざまな意見をいってくださっている方々に対しては、これは私たちは、誠実に対応して、一人一人に党の立場を丁寧にお伝えします。しかし、悪意で党を攻撃するものに対しては、私たちは断固として反撃します。これをやらなかったら、私たちは国民への責任を果たせません。そして、そういうことをやってこそ、この問題の本質を多くの方にわかっていただけると思っております。
記者
 朝日新聞社の社説は悪意だったということですか。
志位
 そうです。そう思っています。


除名党員に「怒り」 共産・田村政策委員長 毎日新聞社説にも不快感 - 産経ニュース
 「党外のソフトな支持者」「消去法による支持(1970年代なら江田社民連を、1980年代なら土井社会党を支持したかもしれない程度の支持)」とはいえ、俺も「反党右翼分子・松竹」&「松竹を美化する反共マスゴミ(例:朝日や毎日、勿論読売や産経は言うまでもない)」には怒りを禁じ得ませんので全く同感です。
 朝日を評価する「自称社民党支持」松竹伸幸氏の除名を社説で批判した朝日新聞を煽って高揚する志位和夫(朝日庵氏のツイートより) - kojitakenの日記*10には心底怒りを禁じ得ません。自称・社民党支持者が「松竹のような右翼分子」を『よく手放しで褒められた』もんです。


【話題の本】『語られざる占領下日本 公職追放から「保守本流」へ』小宮京著 戦後政治史の再考迫る注目作 - 産経ニュース

 特に面白いのは、昭和23年秋に起きた「山崎首班事件」の分析だ。第一党の民主自由党を率いる吉田茂の首相指名を嫌ったGHQ民政局が、同党幹事長の山崎猛を擁立しようとした事件だが、GHQの内部対立もあり失敗*11に終わる。この事件に関し田中角栄が吉田を支えて活躍したとする武勇伝*12が後に創作され、そこから生まれた「吉田学校」=「保守本流」の田中イメージは、ライバルの福田赳夫から正統性を奪うなど大きな影響を及ぼした。

 私見ではそういうことは「福田の保守傍流イメージ」「田中の保守本流イメージ」「総裁選での田中の勝利」とは全く関係ないですね。
 そうではなく
【1】「福田が改憲派・岸(いわゆる吉田学校メンバー*13には当たらない*14と評価される)の子分(岸政権で自民党幹事長を務め、また、岸から派閥を継承)」だったことが「福田」に「保守傍流」イメージをつけると共に
【2】田中が「吉田学校の佐藤」から派閥継承*15したことが田中に「保守本流*16」イメージをつけ、
【3】また

◆池田内閣蔵相時代の山一証券への日銀特融(山一が経営危機を脱出)
◆佐藤内閣通産相時代の日米繊維交渉 - Wikipedia処理
→その解決方法をどう評価するにせよ、前任通産相たち(佐藤内閣の大平*17、宮沢*18通産相)が解決できなかった日米間の懸案問題がとにもかくにも解決

が「実務能力にたけた政治家・田中」として政財官界に評価されたと言うことでしょう。これらの「難問の処理」に失敗すれば政治家として痛手となったところ成功させて田中は評価を高め「福田との総裁選争い」に勝利します。
【4】また「大平が保守本流だから、というイデオロギー的な理由で共闘したわけではない」のですが「保守本流扱いされる大平正芳(池田派幹部として池田内閣官房長官、外相を歴任)」と福田赳夫の総裁選で田中が「大平支持」をしたことも田中の保守本流イメージを強めているのではないか。


【主張】日本維新の会 憲法改正実現へ牽引役を - 産経ニュース
 こうした事実(明らかに維新は改憲右派で自民党寄り)があるにもかかわらず維新との共闘を主張する松竹は「除名されて当然の反党裏切り分子」だと思います。


共産擁立見送り 打倒維新へ戦略的判断 大阪市長選 - 産経ニュース
 維新を利するわけにはいかないのでやむを得ない判断だと思います。何とか政策合意ができるといいのですが。


維新の会、岩手県議選と盛岡市議選に初の公認候補擁立 - 産経ニュース
 勿論「当選するかどうか」は分かりませんが、今まで擁立を断念していたところ擁立した訳なので一定の警戒はせざるを得ません。


立民・泉代表「維新はすぐ自民の誘いに乗る」 馬場代表に「重馬場に」と注文 - 産経ニュース
 「泉はバカか」ですね。何故維新にすり寄り、共産、社民、れいわとの共闘に背を向けるのか。
 維新が「立民より自民を重視してる」のは明らかであり、こんなことを泉が言ったところで維新は相手にもしないでしょう。


貴家堂子さんが死去 サザエさんのタラちゃん役の声優 昭和44年放送開始から務める - 産経ニュース
 「1936年生まれという年齢」を考えれば予想の範囲内ですがまた「サザエさん声優」がなくなりました。もはや当初メンバーで存命なのは「加藤みどり(1939年生まれ:フグ田*19サザエ)と野村道子*20(1938年生まれ、磯野ワカメ、但し既に引退)だけ」です。
 しかしこうしてみると「(野村など存命中の交代もあるが)死去するまで、ほとんど交代しなかったサザエさん」と比べ「存命中に交代が実現できたドラえもん」はすごかったと言うべきでしょう。
 なお、声優としては

【1936年生まれ(貴家と同じ)】
富田耕生*21(2020年死去)
 フジ『平成天才バカボン』(1990年)のパパ*22など
野沢雅子
 フジ『銀河鉄道999』の星野鉄郎、『ドラゴンボール』の孫悟空など
増岡弘(2020年死去)
 日本テレビそれいけ!アンパンマン』のジャムおじさん、フジ『サザエさん』のフグ田*23マスオなど
増山江威子
 日本テレビ天才バカボン』のママ、『ルパン三世』(第2、第3シリーズ)の峰不二子など

【1938年生まれ(野村と同じ)】
井上真樹夫(2019年死去)
 日本テレビ巨人の星』の花形満、『ルパン三世』(第2、第3シリーズ)の石川五右衛門など
富山敬(1995年死去)
 日本テレビタイガーマスク』のタイガーマスク、『宇宙戦艦ヤマト』の古代進など
野沢那智(2010年死去)
 アラン・ドロンアル・パチーノの吹き替えなど

【1939年生まれ(加藤と同じ)】
池田昌子
 オードリー・ヘプバーンの吹き替えや、フジ『銀河鉄道999』のメーテルなど
◆広河太一郎(2008年死去)
 日本テレビ宇宙戦艦ヤマト』シリーズの古代守役やフジ『ムーミン』のスノークなど

などですね(ウィキペディア参照)。今後もこうしたベテラン声優が(既に故人もいますが)徐々になくなっていくのかと思うとしみじみします。

*1:敵基地攻撃能力と言わない点が実に醜悪です。「専守防衛の枠内」なら共産党も含め多くの人間(俺もそうですが)は「反撃能力」を批判せず「敵基地攻撃能力=専守防衛に反する違憲行為」と見なしてることがこの呼び方では分かりません。勿論故意にわからないようにしているわけですが。

*2:ここで言う抑止力も勿論一般的な意味ではなく「専守防衛に反する敵基地攻撃能力」と言う意味です。

*3:憲法前文『われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。』を踏まえた発言でしょう。

*4:憲法九条では「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とされている。武力威嚇の例としては「戦前日本の韓国併合」「旧ソ連バルト三国併合」などが考えられる。

*5:「容認」ではなく「堅持」であることに注意しましょう。

*6:産経曰く松竹の主張は「党綱領に反する」そうです。「党綱領の枠内の主張だから除名は不当」と強弁する松竹が産経に対し「党綱領に反しない」と反論するのか、無視するのか、あるいは完全に居直って「党綱領に反して何が悪い、俺が何を言おうが言論の自由だ」と言い出すのかが気になります。多分無視でしょうが。赤旗や志位氏が「産経に反論しないのか」と批判したとしても多分黙りでしょう。

*7:松竹伸幸『シン・日本共産党宣言』 - 紙屋研究所の紙屋などはその疑いがあるでしょう。

*8:委員長と松竹が言わないのも「何だかなあ」ですね。松竹は役職名を委員長から「党首(社民など)」か「代表(公明、立民、維新、国民民主、れいわなど)」に変えたいのではないか?

*9:松竹や松竹応援団(例:朝日)のこと

*10:高揚してるとは別に思いませんが、「高揚したから何?」ですね。志位氏がヒステリーだとレッテルを貼りたいのか。むしろ「反共分子」kojitakenの志位氏や俺(俺の批判に逆ギレしたid:kojitakenが不当にもコメント投稿拒否設定)に対する態度の方がよほど「高揚」「ヒステリー」でしょう。

*11:吉田茂の側近である益谷秀次(吉田内閣建設相)、林譲治(吉田内閣官房長官、厚生相など歴任)が説得し、山崎は自ら議員辞職をして首相指名資格を放棄したため、この工作は失敗した(山崎首班工作事件 - Wikipedia参照)。

*12:戸川猪佐武小説吉田学校』では、この過程で田中は山崎首班の動きに対して党総務会で「いくら占領下でも露骨な内政干渉が許されるのか」と吉田らに訴えたとされる(田中角栄 - Wikipedia参照)

*13:一般には池田(吉田が総裁の自由党政調会長、吉田内閣蔵相、通産相など)、佐藤(吉田が総裁の自由党で幹事長、吉田内閣郵政相、建設相など)がそれにあたるとされる。

*14:岸が【1】軽武装主義の吉田に対して明文改憲を主張したこと、【2】吉田と対立した鳩山一郎の側近だったこと(鳩山が総裁を務めた日本民主党自民党で幹事長)が理由

*15:とはいえ、兄・岸の影響で佐藤は総裁選では福田を支持しましたし、佐藤内閣で福田は蔵相、外相などの要職を務めていますが。

*16:一般には池田、佐藤及び「彼らの派閥の継承者(大平、鈴木、宮沢や田中、竹下など)」がそれにあたるとされる。

*17:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*18:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*19:当初、磯野と誤記していましたが、コメント欄で指摘を受け修正しました。

*20:テレ朝・大山のぶ代版「ドラえもん」の源静香でもあり、小生(1970年代生まれ)にとってはやはり感慨深い声優の一人です。

*21:1969年に声優プロダクションとして設立された青二プロダクションへ創立メンバーとして参加。青二プロに不満を持つ声優たちが事務所を脱退し、1979年にぷろだくしょんバオバブを立ち上げて独立した際は、実質的なリーダーを務めた。そのバオバブは後年になって創立メンバーの離脱が相次ぎ、2015年に清水マリが出した著書では創立メンバーで現在も残ってるのは、富田、清水、小原乃梨子緒方賢一の4人だけと記していたが、富田を除く3人はその後立て続けに移籍し、最後までバオバブに残った創立メンバーは富田ただ1人だった(富田耕生 - Wikipedia参照)。

*22:過剰飲酒が祟り、肝硬変で早世した初代パパ『雨森雅司(1930~1984年)』の後任。雨森には、肺の病気で入院した際、青野武が見舞いに行くと、カルピスの包装紙に隠したサントリーホワイトを取り出して一緒に飲みだしたというエピソードがある。最晩年、TBSアニメ『イーグルサム』への出演時には、肝硬変による腹水のため腹部が膨れ上がり、ズボンのチャックが上がらず椅子にも座れない状態だったという(雨森雅司 - Wikipedia参照)。

*23:当初、磯野と誤記していましたが、コメント欄で指摘を受け修正しました。