【産経抄】9月9日(追記・訂正あり)

「いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する」。平成17年、当時朝日新聞の論説主幹だった若宮啓文さんが、韓国の不法占拠が続く竹島について書いたコラムには、仰天したものだ。

・むしろ産経の記事にこそいつも仰天されられます。
 「対馬が危ない」とか「ID論インテリジェント・デザイン論。天地創造説が科学を偽装したもの)を一つの科学として認めるべきだ」とか。
 昨日も週刊文春(←ゲスいな、文春)の小沢氏の愛人報道(?)を嬉々としてMSN産経ニュースで報じていたようです(元ネタは夕刊フジらしいが。産経本紙とは別立てにしろよ)。小沢氏当人が否定しており根拠薄弱なのに。
・若宮氏は夢想してるだけなんでしょ?
 「日韓友好のために領有権を放棄しよう」と言ってるわけじゃないんでしょ?。叩くほどの話ではないと思うが。
・それと日韓基本条約の交渉で「あの島はダイナマイトで爆破したい」と言った韓国側と、それに共感を示した日本側は産経的にはどうなんでしょうか?

きのうのその朝日の1面トップ記事の書き出しにも、驚いた。「日本が領有を主張する尖閣諸島久場島付近の東シナ海で…」。海上保安庁が、違法操業の疑いがある中国漁船の船長を逮捕した現場は、日本の領海内に決まっている。

・ひどい言いがかり。どこにも「中国の領海」とは書いてないじゃん。
・それと尖閣の領有権は産経の大好きな台湾も主張していますが?。
・「違法操業の疑いがある」という記述は正直、意外。「違法操業した」と断言するかと思った(苦笑)

人ごとのような言いぐさには、どこの国の新聞なのか、と問いただしたくなる。

書き換えてみよう。
 「韓国カルト・統一協会を容認する態度には産経はどこの国の新聞なのか、と問いただしたくなる。」
 「沖縄基地問題アメリカの言いなりになれという態度には産経はどこの国の新聞なのか、と問いただしたくなる。」

「朝日が完全に中国の世界戦略のお先棒を担いでいる」(『諸君』平成18年2月号)との、故稲垣武さんの指摘がますます説得力を持つ。

 ネトウヨ並みの戯言のどこに説得力があるんだか。

そういえば、若宮コラムからまもなく、中国で反日暴動デモが起こった。目を覆うばかりの狼藉だったが、朝日は社説で、反日の根底にあるのは小泉首相靖国神社参拝だとかばった。「小泉首相の責任は重い」との見出しには、「やれやれというほかない」と小欄で書いた。

 かばうも何も事実だろ?
 大体「中国のやったことに問題はあるが日本に非がないわけではない」のどこが「かばう」なんだよ?

今回、朝日以上に心配なのが、政府の対応だ。中国漁船の行為は、海保の巡視船に衝突を繰り返すなどきわめて悪質で、海上保安官の命にかかわる可能性もあった。にもかかわらず、立件の判断に半日もかかった。
 ▼理由の一つは、仙谷由人官房長官が、中国と波風を立てたくないとの態度をみせたからだという。「日本国内がヒートアップしないで、冷静に対処することが必要だ」。きのうのコメントにも、領土を守る気概は感じられず、人ごとのようだ。どこの国の政府か、と問いただしたくなる。

 「領土を守ること」=「産経みたいにヒートアップすること」ではないんですが?

【追記】
「本日の産経SHOWと阿久根政界NOW:二島を追う者一島も得ず」(http://d.hatena.ne.jp/slapnuts2004/20100909/p1)にコメント。
id:slapnuts2004氏は領土問題がなかなか解決しない理由として「実効支配の有効性」「領土問題が解決したら困る人たちがいる」としていますが竹島尖閣の場合は他にもあるでしょうね。

理由1「無人島である」
無人島である以上、「どっちが先に俺のモノと言ったか」「どっちが先に見つけたか」という「どっちが先に住んだか」よりは弱い証拠にならざるを得ません。

理由2「植民地支配・侵略戦争の問題」
言うまでもなく日本は加害国、中国・韓国は被害国です。被害国が加害国の主張にデマだと反発するのは分からないでもありません。実際、「南京事件はなかった」とか「韓国併合は韓国皇帝の申し出でなされた」とデマを言う人はいますし。
しかも尖閣はともかく、竹島の場合、日本が正式にあの島を島根県編入したのはなぜか廃藩置県の時などではなく、韓国を事実上保護国化してからのことなので、事情はともかく一見すると火事場泥棒に見えなくもありません。