今日のMSN産経ニュース(9/3分)(追記・訂正あり)

黙然日記「産経、9月から本気出す」(http://d.hatena.ne.jp/pr3/20120901/1346529404)で9月から産経が本気出してると書いてますが確かにね。怖いくらいに酷い記事が多い。

産経抄】9月4日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120904/lcl12090403150000-n1.htm
 無許可の小笠原(当時は無人島)探検を理由(それだけが理由じゃありませんが)に幕府に処罰された高野長英らと「尖閣探検(?)」を政府に認められない石原都知事一派を同一視し、「江戸幕府のようだ」と政府批判する産経。
 しかし「高野が処罰された時点では日本の領土ではなかった小笠原(後に幕府によって小笠原の領有が主張され、明治政府もその主張を引き継ぎます)」と「今、現在既に日本が実効支配してる尖閣」とでは全然違うでしょうに。幕府の措置は「小笠原を日本領と主張する上で」問題かもしれませんが、政府の措置は「尖閣日本領」と主張する上で何の問題もないでしょうに。
 ちなみに小笠原は江戸時代、どこの領土か明確でないときに欧米人が入植してますし、終戦後、1968年までは沖縄のように米軍支配下にありましたので今でも欧米系の子孫がいるんだそうです。以前、見たテレビではあそこの地酒は欧米系が伝えたラム酒だそうで日本とは言えだいぶ本土とは違うわけです。


【主張】尖閣諸島 国有化して何をするのか
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120904/plc12090403200003-n1.htm
 国有化しただけじゃダメだ、石原さんの言うとおり施設整備しろという馬鹿話。もちろんそれをしたら、日中関係も悪化しますが、韓国が竹島を施設整備しても文句言えなくなるでしょうに。


【正論】中国現代史研究家・鳥居民 尖閣上陸は「裸官」への目眩まし
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120904/plc12090403180002-n1.htm
 日本がまずい対応で尖閣問題を大騒動にしてしまったことへの反省は産経にもこの御仁にもないようです。李大統領の竹島上陸の時も「全て韓国が悪い、李の人気取りだ、外敵を造って経済失政をごまかそうとしてる」とか言ってましたが今回も同じ。「全て中国が悪い」と言い切れる無神経には恐れ入ります。


【風の間に間に】論説委員・皿木喜久 「島津の退き口」に学ぶ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120904/plc12090403150001-n1.htm
 「島津の退き口」って言うのは関ヶ原の戦いでの島津軍の奮戦のことです。この奮戦のおかげで島津は西軍についたのに、藩主の切腹もなく、領土現状維持ができたといわれています。ほとんどの西軍大名は「死罪(例:石田三成小西行長)」、「流罪(例:宇喜多秀家)」、「改易で浪人(例:長宗我部氏)」、「減封(例:上杉氏、毛利氏)」といったデメリットをうけてるんですが。
 で、「厳しいときでも島津軍のように頑張れば道は開けるかもしれない」「今日本は不況で厳しいときだが」と落とすのならわかります。いい文章かどうかは別として。「ただの精神論じゃん」と言う批判はあると思いますがそれほど酷くないんじゃないか。
 しかし皿木氏は「負け戦でも奮戦した例」「島津精神が発揮された例」として「本土決戦を唱えてた戦前日本」をあげ「神風特攻のおかげで天皇制が守られた」と言い出すから頭が痛くなります。あのさ、誰が考えてももっと早い段階で降伏すべきだったと思うんだけどね。ましてや特攻なんて外道の戦術だし。天皇制を守るためなら何人死人が出てもいい、「外道の戦術」特攻も許されるみたいな文章を書くなよ。戦争被害者の前であんた同じ事が言えるのか?。以前は、「元気の出る歴史人物講座」で特攻を好意的に取り上げた産経ですから正直驚きはない、予想の範囲内ですが。
 まあ、予想の範囲内ってのがよく考えれば怖すぎで、俺も最近、産経に毒されてるなという気がする。
 ちなみに西軍なのに領土現状維持どころか、領土を増やした人間としては、戦前から家康と内通し、結果西軍を裏切って、勝敗に少なからぬ影響を与えた小早川秀秋って武将がいますが皿木氏は彼についてはどう評価するんでしょうか?