【産経抄】12月8日

 今日の産経抄は本当に酷いですね。いや政治ネタだとどうしてこれほど酷くなれるのか。

商売柄、首相の記者会見がテレビで生中継されるときには、雑用の手を止めて見るようにしているが、6日の放送にはいささか驚いた。30分たつと、質疑が続いているのにNHKはさっさと中継を打ち切ってしまったのだ。
 ▼続く番組は日本橋のビルで一杯100円のダシ汁を売っている店*1を紹介していた(関東地区)が、菅直人首相の言葉は、街のお得情報より意味がないと判断したのだろう。

 視聴率の問題に過ぎないと思いますよ。自民党政権の時も首相会見なんてそんな扱いだったのでは?
 特に最近のNHKはトップニュースに少女時代を持ってきたり、草薙メンバーの復帰記者会見でニュースを延長したり昔に比べたらかなり民放化していますから。
 教基法改正衆院通過の時の報ステのトップニュースは私の記憶が確かなら「メジャーリーガー松坂の契約更改」だったし、日本のテレビ局なんてそんなものですよ。
 民放の6時半頃のニュースなんて、いつも「激安ランチ」とか「お得な買い物の仕方」とか「今話題の観光スポット」とかばかりじゃないですか。

したがって

NHKにも見放された首相

というのはただの言いがかり。

社会党時代を含めて社民党が政権に入るとろくなことはないのは歴史が証明している。非自民党政権の細川・羽田政権は社会党に振り回されて短命に終わり、自社さ連立の村山政権は、阪神大震災発生直後に自衛隊の出動を躊躇(ちゅうちょ)し、幾つもの救える命を救えなかった。

・突っ込みどころが多すぎ。最近の若者は15年前の政治なんか知らないのでしょうし、私も15年前のことはもう覚えてないところもあるのですがちょっと書いてみましょう。
細川政権が終わった直接の理由は細川首相の佐川急便疑惑。鳩山前首相や小沢氏と同じく金の疑惑です。社会党のせいではありません。それ以前から国民福祉税騒動や朝日新聞の報じた小沢の暴言(社会党を女性に例えて「誰と寝ようが俺の勝手だ」でしたっけ?)で社会党と細川や小沢の仲は冷え切っていましたが。ちなみにこの時小沢は公明党市川雄一と親密な仲にありこの時生まれた言葉が「一・一ライン」(一郎の一と雄一の一)です。
・羽田政権が終わった直接の理由は自民党が不信任案を出し、可決の見込みが高かったから。可決されて辞職するぐらいならと羽田は自ら辞職します。解散総選挙にしなかったのは勝てる見込みがなかったからでしょう。
 社会党はこの時与党を離れ不信任案に賛成する構えを見せていたので関係ないとは言いませんが。
・自社さ連立政権で社会党は首相(村山富市)、官房長官五十嵐広三)、郵政大臣(大出俊)、労働大臣(浜本万三)、建設大臣野坂浩賢)、総務庁長官(山口鶴男)と6つもの大臣ポストについています。社会党無しでは自社さは成り立たず、自社さが成り立たなければ、この時、自民党は与党に復帰できなかったでしょう。というより小沢に酷い扱いをされていた社会党を首相や官房長官のポストで抱き込んだと言うことなんでしょう。政権復帰するためにはそんなものは安いものだと。
・この時、自民党が与党に復帰できなければ、野党暮らしが長期化し、自民党は今頃消えていたかも知れません。小沢は海部俊樹・元首相を自民から離党させポスト羽田にしようとしていました(村山との首班指名選挙で海部は敗れますが。最近海部は小沢をののしる本を出したそうですがこの時首相になれていれば小沢さん有り難うと言い続けたのかも知れませんね)。社会党を抱き込まなければ、おそらく社会党は自主投票か、自党の党首・村山に投票し、もちろん海部政権が誕生したでしょう。
 自民命の産経さんはむしろ社会党に感謝すべきでしょう。ろくな事がないなんてトンでもない話です。
・それにしても新党さきがけをスルーするのは何でなんだろう?。
・ちなみに以前の拙エントリ「村山内閣と自民党タカ派」(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20090824/1251117676)を見ていただければ分かるように、村山内閣誕生の最大の功労者は、野坂浩賢(元鳥取県議だった)とパイプのあった亀井静香(元鳥取県警警務部長だった)だそうですし、あのレイシスト平沼赳夫が村山改造内閣運輸大臣ポストに就いています。村山内閣はとても左寄りと呼べるような内閣ではないんですが。
阪神大震災で多数の死者が出たのは、阪神地方であれだけの大震災が起こるとは誰も思わず、何の対策も取っていなかったからです。自民単独政権でも多数の死者が出たと思いますが。また自衛隊を投入すればいいって、計画も立てずに安易に投入すれば現場の混乱を招くだけですよ。自衛隊は何でも出来る神様でも何でもないんですが。
 大体、兵庫県や神戸市といった地元自治体の責任はスルーですか?。口蹄疫の時の宮崎と言い、地方自治体に都合のいいときは地方分権、都合の悪いときは国のせい、は止めてほしい。

よりを戻してくれと懇願するとは、鳩山さんより分別がない。

 自自連立や自公連立の方こそ分別がありませんよ。
 自自連立:
 絶対に手を組まない、あいつは不倶戴天の敵だと言い続けてきた、小沢と野中が握手。
 自公連立:
 細川内閣時代、池田大作創価学会名誉会長の国会証人喚問(と言う名のつるし上げ公開処刑?)を求め、「公明は政教分離違反」と言い続けた自民が公明と握手。

*1:鰹節のにんべんが経営してるらしい