今日の産経ニュースほか(2020年11月13、14日分)

[B! 社民党] 「遺産食いつぶした」 照屋氏が福島氏を面罵―社民:時事ドットコム
 ネトウヨのくだらない悪口ブクマは無視した上でコメント。

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 ずっと社民党に入れてるのでうろたえかけたが、大椿ゆうこさん*1Twitterを覗いたら、これからもそれぞれの地元で頑張る議員、党員さんがいるみたいなので支持しようと思った/どうなるんやろね、野党

 このように、未だに社民党に投票する人って「ある意味すごいなあ(注:馬鹿にしてるわけでもないが、かといって尊敬しているわけでもなく単に「スゴイ熱意だなあ」と言うだけの感想です)」と思いますね。俺だと「辻元氏みたいに民主に移籍するような人間が今後も出かねない党なんか、支持したくないなあ」「新党さきがけみんなの党みたいに既に無くなった党のようにいつなくなるか分からないしなあ」「なら社民党よりは党の基盤がしっかりしている共産を支持しよう(注:福山*2が幹事長である限り立憲民主を支持する気は無いですし、自民党の二軍も同然の国民民主と維新は論外)」とどうしても思ってしまいますのでねえ(れいわも支持基盤がしっかりしてないので支持する気は無いです)。
 なお、「これからもそれぞれの地元で頑張る議員、党員さんがいるみたい」て、何か地方政党扱いのような物言いですが、国政政党として社民党は「消滅したわけではない」。
 国会議員でもある福島党首は社民党に残留しますので。まあ、社民党が次回国政選挙で福島氏*3など候補を立てるのか、立てたとして当選させられるかは微妙ですが、「事実上、地方政党と化した新社会党」や「名実ともに地方政党である沖縄社会大衆党」と違い現時点において「国政からの撤退」が表明されたわけではない。
 なお、「どうなるんやろね、野党」つうのは「???」ですね。
 「どうなるんやろうね、社民党」「どうなるんやろうね、立憲民主党」ならわかる。「共産党」「れいわ」には基本的に関係ない話だと思いますが。


「新生社民党をつくるべく頑張る」福島党首ら記者会見詳報(1/7ページ) - 産経ニュース
 福島氏の熱い思いには感銘しますがそれでも俺は共産支持を変える気にはならないですね。

福島氏
社民党再生プランだが、やはり今、気候危機があるから、みどりの社民党を目指したい。地球環境を守り、環境と経済が両立できる地域循環型社会をつくりたい。それから働く人、とりわけ非正規雇用のための社民党をつくりたい。格差、貧困社会の解消のために全力を挙げると。今日会場からもこの点については何人かからも意見が出た。3点目はジェンダー平等を実現する。ジェンダー平等を実現し、一切の差別のない多様性のある社会を目指すことを考えている。まだまだ日本の社会にあまりないジェンダー平等の政党をつくるために頑張りたい。女性や若者が主役になれる社民党をつくりたいと思う。」

 という福島氏ですが「環境保護」「格差、貧困社会の解消」「ジェンダー平等」全て「ライバル政党」共産党も主張しているわけです。
 そして今、明らかに共産党の方が社民党より支持率も高いし、議席数も多い。
 今まで「辻元氏*4の離党」など、ずっと「社民党民主党(後継政党の民進党立憲民主党を含む)」という離党劇が続いてきた。今後も続いて結局社民党は消滅するかもしれない。そんな状況でこの程度の物言いではとても社民党を支持する気にはなりません。
 「それ全部共産が主張してるから、共産を支持する」で終わってしまう。
 もちろん深刻な状況をそう簡単に打破できれば誰も苦労しません。しかしそれでも「この程度の物言いではとても社民党を支持する気にはなりません」。もはや「社民党はどうにもならないのではないか」「新社会党のように早晩、地方政治のみでしか活動できないのではないか」とすら思います。

吉田氏*5
「本日第1号議案が、僅差だが可決されたことは本当によかったと思っている。」
「私は幹事長として臨時大会の後も一定の責任を負わなければならない。そのように考えている」

 この吉田氏の発言からは、彼個人は立民合流を目指してることが読み取れます。

吉田
「照屋さんの発言に関して、とりわけ女性たちなどから、会場から反論の声がたくさんあがったことは、私は正直心強かった」

 照屋のふざけた発言には俺のように「立民に合流しようとしてる奴が何様か!(追記:照屋氏が社民党残留へ「任期終わるまで」 後継・新垣氏の意思尊重か - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイトによれば照屋自身は残留するそうですが、『照屋氏の後継として今年7月に社民党公認が内定している北中城村長の新垣邦男氏が残留の意向を示しており、新垣氏の意向を尊重したとみられる。』というのだから照屋自身はおそらく立民に移籍したかったのでしょうね)」「文句があるなら手前が党首をやればいいだろうが!。党幹部の一人だった手前が他人事みたいに福島批判とはふざけるな!」という反発がやはり大きかったのでしょう。

記者
「議案に賛成の立場で討論したのは自治労が多かったのではないか。社民党は比例票で自治労に依拠していたと思うが、次の選挙への影響は」

 影響は避けられないでしょうね。

記者
『吉田幹事長は立民の枝野代表や福山幹事長の前で「日米安保反対」とか「国会議員だけでなく地方の代議員も議決や投票に参加できるように立民を変えませんか」と言えるか。仮に言ったとして、それが受け入れられると思うか』

 「言えるかどうか」はともかく「言っても受け入れないこと(特に日米安保廃止は)」は分かりきった話です。というか、共産党ならともかく、社民党は「自社さ連立」の日米安保容認になったと思いますが「また反対に変わった」んでしたっけ?


「先輩の遺産を食いつぶした」 社民・照屋氏が福島党首を公然批判 - 産経ニュース
 照屋氏の「福島氏に対する無礼な物言い」には「何様だ、手前!」と怒りを禁じ得ませんね。照屋氏も社民党幹部(国対委員長、副党首など歴任)であり「先輩の遺産」とやらを「食い潰した一人」ではないのか。
 自分を棚上げして福島氏に悪口とはどういう神経なのか。大体、土井たか子社民党党首時代から社民党は衰退傾向であり、福島氏の個人的責任を問うのは酷というものでしょう。土井氏ら「福島氏の先輩たち」の「負の遺産」を福島氏が何とか克服しようとしたが力及ばなかったという話であり、「福島氏の先輩たち」を照屋氏のようにただただ美化するのは事実に反しているでしょう。
 むしろ土井氏から社民党党首を引き継いだ福島氏に感謝すべきではないのか。

◆『結婚と家族』(1992年、岩波新書)

などの著書がある「市民派弁護士として著名な福島氏」まで社民党を去っていたら、とっくの昔に「福島氏に代わる看板が居ない」社民党は「もっと衰退していた」でしょう。
 だからこそ「社民党が選挙に敗退し、福島氏が党首を引責辞任しても」、代わりの党首が出てこず、福島氏が「党首を再登板」することになったわけです。
 従って「社民党を離党して民主党に移った辻元氏(元社民党国対委員長)」などに比べたら「現在まで社民党に残留した福島氏」に対しては俺だったら「感謝の念」しかないですけどね。
 そして俺が照屋氏の立場なら、福島氏に悪口する前に「こんな事態を回避できなかった社民党メンバーである自分の無力さ」に慚愧の念しかないですが。しかもこんなことを言う照屋氏が「立民への合流論」の支持者で、一方、福島氏は「合流否定、社民党立て直し論」だというのだから呆れて二の句が継げませんね。「寄らば大樹(最大野党・立民)の陰」という「自主性のない人間・照屋氏」が「社民党の自主性を守ろうとする人間・福島氏」に悪口雑言とは何の冗談か。
 まあ「照屋氏のようなアホ」が社民党を衰退させたと言っていいでしょう。こうした社民党の分裂劇には複雑な思いを禁じ得ませんが、もはや「ここに至っては残念ながらどうしようもない」のでしょう。
 やはり
1)労組(総評と同盟が合同して出来た連合)が「新党さきがけの一部(さきがけの鳩山由紀夫*6菅直人*7らが結党。代表の武村正義*8、代表代行の田中秀征*9らは鳩山等に民主党入党を拒否された)」と「社民党の一部(社民党党首の村山富市*10などは民主党入党を拒否された)」が結党した民主党支持に鞍替えし、そのダメージを克服できなかったこと
2)(1)とも関連しますが)辻元氏ら多数の「社民党議員の離党→民主党入党」を阻止できなかったことによるダメージ
3)自社さ連立政権で社会党社民党)の公約違反(例えば野党時代に反対していたはずの長良川河口堰稼働を、村山内閣の野坂浩賢*11建設相(社会党出身)が容認)で、社民党に失望した左派のかなりの部分が共産党支持に移行したことによるダメージ
が大きかったのでしょう。どれ一つとっても福島氏個人の責任ではない。例えば、1)についていえば、「日本社会党時代」から労組に代わる支持基盤を形成すべきでした。それをしようとしたのが「辻元清美」「福島瑞穂」「保坂展人」といった「非労組系の市民活動家」を登用した土井たか子ですが、成果はあまり上がらず、あげく、辻元氏は民主党議員、保坂氏は世田谷区長として、社民党を去ります。去った人間は「照屋氏のようなアホ」にうんざりしたのでしょう。一方、福島氏はそれでも「あえて社民党に残った」と。
 しかしその照屋氏自身は「自分のアホさを認める気は無い」ようで心底怒りを禁じ得ません。
 なお、個人的にはこの機会に福島氏が「自社さ連立での公約違反に反発して社民党を離党したグループ」による「新社会党」との和解(そして新社会党との合同)を出来ない物かと思います(なお、新社会党結党について、結党者たちを非難はしませんが、客観的な意味で言えば新社会党結党も当然、社会党の党勢を衰退させました。社会党から離反者が出たわけですから)。
 地方議員は出せても国会議員を出せない新社会党との合同はそれ自体は「社民党の党勢を大きく拡大するものではない」でしょうが、「自社さ連立での公約違反に反発して、社民党支持を辞めた層(かなりの部分が共産党支持?)」には一定のアピールになるでしょう。立憲民主とは合同しないというならそのくらいの思い切ったことをしないといけないのではないか。


N国が「ゴルフ党」に名称変更へ 立花氏「新たな看板追加」 - 産経ニュース
 NHK叩きを最大の看板にしていたはずの党がこれです。幸いにもN国党も「完全に終わった」のでしょう。


【主張】拉致と米新政権 北朝鮮に徹底的な圧力を - 産経ニュース
 いい加減「中露が支援してるので日本が制裁しても北朝鮮は我慢できる」「米国は当事者ではないので拉致問題に関心など無い」と言うことを認めたらどうなのか。

 かつてブッシュ政権北朝鮮を「テロ支援国家」に指定し、「悪の枢軸」と名指しした強力な圧力を背景に、小泉純一郎元首相が訪朝して5人の拉致被害者の帰国に結び付けた。

 実際には「当時の金大中政権が、小泉政権の依頼を受けて日朝交渉を北朝鮮に強く薦めた(たとえば米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)など)」などの「様々な要因」があるのであり、産経の描き方は明らかに事実に反します。北朝鮮が日朝交渉に応じたがらない理由の一つは「安倍、菅のホワイト国除外」でしょう。韓国相手にあんな無茶苦茶をやり「全て韓国が悪い」で居直る連中とどこの誰が交渉なんかしたがるのか。そしてあんなことをしたことによって「当時の金大中政権が、小泉政権の依頼を受けて日朝交渉を北朝鮮に強く薦めた」のような「韓国ルートの日朝交渉」は不可能になりました。
 ホワイト国除外で怒り心頭の文在寅政権が安倍や菅のためにそんな働きかけを北朝鮮にするわけもないし、仮にしたところで「あんたら韓国はホワイト国除外を撤回できないやないか、そんな安倍や菅にコケにされてる連中が、『日朝交渉した方がええ』言うても信用できんby北朝鮮」で終わりです。

 バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は「戦略的忍耐」と称して北朝鮮問題を放置した。その愚を繰り返さぬためにも日米首脳間の緊密な意思の疎通が望まれる。

 やれやれですね。「北朝鮮相手に経済制裁を続けるがそれ以上は何もしない」というオバマ政権のいわゆる「戦略的忍耐」は「ブッシュ子政権からの継続」であってオバマが始めたわけではありません。そしてオバマ政権の「戦略的忍耐」と歴代日本政府がやってる「北朝鮮への経済制裁」と何が違うのか。何も違わないでしょう。結局「共和党万歳右翼」として産経は民主党に悪口したいからこういう筋の通らないことをするわけです。


【主張】香港の議員剥奪 民主主義否定する暴挙だ - 産経ニュース

 日本では加藤勝信官房長官が「重大な懸念を強め、状況を注視している」などと従来の発言を繰り返したのみだ。いかにも物足りない。もっと強く中国を非難すべきだ。

 興味深いのは産経が「習主席の国賓訪問を辞めろ」と書かないことですね。
 そんなことを言っても無視されると思ってるのか、コロナが終息しない限り「訪日は無いから言う必要が無い」と思ってるのかはともかく。


澤藤統一郎の憲法日記 » 「国民に寄り添う」などと言う評判のよい王こそが、最も危険な王なのだ。

 評判最悪の王なればこそ、王室批判の運動に火を付け、その火に油を注いでいる。客観的には、評判の良い国王は民主化のブレーキとなり、評判最悪の現王が民主化のアクセルとなった。
 客観的には、「悪王こそが、民主化推進のよい働きをする王」である。これを裏から見れば、「評判の良い王こそが、民主化推進に障碍として立ちはだかる悪王」なのだ。どこかの国の、誰かのことを思い浮かべれば、良くわかる。

 「民主化を阻害する『評判の良い王』って、英国やオランダ、デンマークノルウェーなど欧州先進国家の国王のことですか、わかりません」ですね。
 いやまあ、それは勿論皮肉であって、たぶん「日本の明仁氏(上皇)や徳仁氏(天皇)」への批判なのだろうと言うことは予想がつきますが。
 まあ、国王が政治的実権を握ってるタイ(つまり国王が民主化に反対している国)においては澤藤氏の指摘はその通りでしょう。
 「民主化に反対する、政治的実権を持つ国王」が「評判の良い王」だったとしてもそんなんは「インチキでしかない」。
 しかし今や、天皇にも上皇にも「政治的実権がない」。
 天皇上皇に好意を感じる人間全てが「自民党の今の政治のやり口を支持しているわけでもない」。
 まあ俺も「民主主義の観点から天皇制は廃止すべきだ」とは思いますが、少なくとも「モリカケ桜を見る会」などの「自民党の無法の多く」は天皇制と直接、関係しているわけではありません。
 現在の日本において「天皇への祝意強制」のような天皇制と直結した問題はともかくほとんどの政治問題は天皇とは関係がありません。
 したがって天皇制はそうした問題を助長しているわけでもないし、だから「天皇制を廃止しても」問題改善にはつながらない。
 澤藤氏のような言説は天皇制の過大評価にもほどがあるでしょう。 

*1:社民党全国連合常任幹事。社民党全国連合「労働・女性・多様性政策委員長」。社民党大阪府連副代表。元「大阪教育合同労働組合」委員長。公式サイト大椿ゆうこ Official Site

*2:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*3:社民党幹事長、副党首、党首、鳩山内閣少子化等担当相など歴任

*4:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長国対委員長などを経て立憲民主党副代表

*5:社民党政策審議会長、党首、幹事長など歴任

*6:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長、首相など歴任

*7:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相など歴任。現在、立憲民主党最高顧問

*8:八日市市長、滋賀県知事を経て衆院議員。新党さきがけ代表、細川内閣官房長官、村山内閣蔵相などを歴任

*9:橋本内閣で経済企画庁長官

*10:社会党国対委員長、委員長、首相、社民党党首など歴任

*11:日本社会党国対委員長、村山内閣建設相、官房長官社民党副党首など歴任(野坂浩賢 - Wikipedia参照)