今日も「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(7/9分)(追記・訂正あり)

「珍右翼が巣くう会」福岡
金日成ジェンダーフリー思想」
http://sukuukai.jugem.jp/?eid=396

 「日朝女性の集いに、あるジェンダーフリー支持者*1が出席した」→「ジェンダーフリー北朝鮮とつながりのある思想だったんだよ!」という、お前どこのキバヤシだよ、MMRはもうマガジンの連載終わったぜとしか言いようのない言いがかり。
 いやあ、「ジェンダーフリーに詳しい評論家」の荻上チキ氏にこれをどう思うかお聞きしたいね(もちろん冗談)
 そもそもこの福岡「珍右翼が巣くう会」の珍右翼が紹介する朝鮮新報(俺の理解が間違っていなければ朝鮮総連系の日刊紙)の記事には「ジェンダーフリー」という言葉は一度も出てこない*2し、この記事での主張は俺が思うに何ら問題などないのだが(日本側が金主席をちょっとほめすぎの気がするがまあ、大人のおつきあい、リップサービスというものであろう)。
 北朝鮮朝鮮総連だっていつも変なことばかり言ってるわけがねえだろ。この記事で書かれてることは(金日成べた褒め以外は)、「男女平等の推進」という穏健保守でも認める当たり前のことばかりだ。まあ、福岡の珍右翼は「どうせ男尊女卑」だろうから、いいがかりつけて女性運動を中傷したいだけなのだろうが。

参考

http://jp.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=51841
金日成主席*3生誕100周年記念 日朝女性の集い
尽きない主席への思い
 「金日成主席生誕100周年記念日朝女性の集い―日朝女性が語る主席の思い出―」が6月29日、東京都内で開かれた(主催=同実行委員会)。
 来年4月に迎える「金日成主席の生誕100周年」を記念するこの日の集いには、金日成主席生誕100周年記念日本準備委員会委員長である「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」の清水澄子代表*4をはじめとした準備委員会の委員たちと、各地から集まった各界層の日本市民たち、総連の活動家ら約100人が参加した。
 集いではまず、金日成主席と毛沢東・中国主席やホーチミンベトナム主席、チトー・ユーゴスラビア大統領、チェ・ゲバラ氏ら外国の指導者や平和運動の著名なリーダーとの会見の様子を収録した記録映像が上映された後、1部で女性解放、民族教育に込められた主席の思いについて清水代表と金琴順元朝鮮大学校教員がそれぞれ話した。
 清水代表は、「主席が語られた女性解放と政策に触れて」と題して、主席が女性の能力と役割を高く評価し、その可能性を引き出すために女性たちの社会参加のために政治、経済、社会的な施策と特別な配慮をしていた様子を、朝鮮訪問の日々を振り返りながら話した。
 「主席は女性の家事の負担を軽減し、それぞれが持つ能力をいかにして社会で発揮させられるのか、いつも考えを巡らされていた。まさに人民と共に生きてきた方であり、そうでなければこういった発想は起きなかったであろうと思った」
 金琴順元教員は、「民族教育に込められた主席の思い」という内容で、主席が祖国を遠く離れて暮らす在日同胞たちが民族教育を実施するうえで、格別な配慮を寄せたことについて話しながら「いつも教育者と学生に、民族教育を子々孫々に至るまで守り抜くようにと力説した」と主席の思いを参加者に伝えた。
 2部の懇談会ではかつて、主席と会見したことのある参加者が当時の思い出について語る場が設けられた。
 集いに参加した埼玉在住の金宣恵さんは主席が格別に心を寄せた民族教育のなかで学びながら、感じた主席への思いを話しながら、現在も続く日本政府による朝鮮学校への差別政策*5を撤廃させ、親としてウリハッキョ*6を守ることが、主席が守ってくれた民族の誇りを守る道だと話した。
 またI女性会議*7中央本部の鴻巣美知子事務局長は、現在も続く日本社会における在日朝鮮人への人権侵害、民族差別の解決は、日本市民の責務であるとして、これからも朝・日友好のために尽力していく意向を示した。
 参加者たちは、今後も連係を深めながら、生涯を祖国の解放と人民の自由、朝鮮半島の自主的統一と東アジアの平和のために捧げた主席の足跡と思い出を胸に刻み、朝・日の友好と民族教育を守る活動に互いに協力し合っていく決意を新たにした。

 「女性の人権は大事だ」「女性の社会参加は大事だ」「そう言う意識を故・金日成主席は持ってた」としか言ってないだろうが。金日成云々はともかく「女性の人権は大事だ」「女性の社会参加は大事だ」のどこが問題なんだよ、珍右翼。
 男尊女卑の性格が強い自民党ですら建て前ではそれを否定しないだろうが。

【追記】
一番突っ込みたいことは以上だが他にも突っ込む。

男女共同参画の背景に共産主義思想がある事は今更言うまでもありません

男女共同参画社会基本法は政府提出法案(当時は小渕・自自政権)で、しかも全会一致で可決。男女共同参画担当大臣という役職も自民党政権時代からある(初代男女共同参画担当相はちなみに小泉内閣福田官房長官の兼任)のに良くも酷いデマが言えるな。大体、「国会における法案審議」(http://www.gender.go.jp/danjyo_kihon/situmu2-4.html)を見るだけでも共産主義関係ねえだろうが。共産が「大筋では良いんだけど、細かい点で賛成できないな、修正案出すわ」「修正案通らなきゃ政府案に賛成するけど」って言ってる法案のどこが共産主義だ。


参考

http://www.gender.go.jp/danjyo_kihon/situmu2-4.html
5月21日 参議院総務委員会
 日本共産党から、名称を「男女共同参画促進法」に改める、憲法女性差別撤廃条約に基づく男女平等、人権尊重の理念に基づくものであることを明記する、人権尊重は普遍的なものであるので「社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することの緊要性にかんがみ、」との規定を削除する、「性別による差別的取扱い」には「いかなる名目又は方法によるかを問わず、その結果として、男女のいずれか一方に対し差別的効果をもたらすこととなる取扱い」(注:いわゆる間接差別のこと) を含むものとする、母性の保護に関する規定を新設する、事業主の責務を明記する、苦情処理の組織、運営体制についての法的整備等を講じることなどとするとの修正動議が出されたが、否決された。


6月11日 衆議院内閣委員会
 質疑の後、共産党より参議院と同様の修正案が提出され、否決された。

バックラッシュ!』発売記念キャンペーン跡地「ジェンダーフリー共産主義か?」
http://d.hatena.ne.jp/Backlash/20060726/p1


ちなみに「男女共同参画」は「ジェンダー・イクオリティ(国連の条約なんかに出てくる)」の日本政府公定訳。
ジェンダーを「男女」と訳すのは厳密には正しくないのだろうが、まあ、良いとして、イクオリティは「イコールであること」なのだから「平等」とか「均等」とか訳すのが自然で「共同参画」と訳すのは不自然だ。
 赤旗かなんかで「男女平等を嫌う財界や真正保守の圧力で、男女平等と訳すことが出来なかった」と言う話を読んだ記憶があるがうろ覚えなので、指摘するにとどめる(余裕があったら後で調べる)。
 この俺の「うろ覚え話」が間違いでないなら、そう言う意味でも「男女共同参画の背景に共産主義思想」というのは嘘なわけだ(もちろん国連条約に出てくる「ジェンダー・イクオリティ」は共産主義と関係ないのは言うまでもない)。
 こういうデマカセ野郎ども(もちろん野原先生が会員の「守る会」代表・三浦先生もその一人)が自分を棚上げして朝鮮学校批判してるんだから呆れちまうぜ。呆れない変人がid:noharra先生のようですが。

*1:ただし福岡の珍右翼がそう主張してるだけで本当に支持者かは不明。記事にはジェンダーフリーという言葉は一度も出てこない。もちろん支持者だからと言ってジェンダーフリー主体思想扱いするのは、ジェンダーフリーの是非に関係なく明らかに言いがかりだ。「そう言う人がいる」イコール「ジェンダーフリー支持者は皆北朝鮮シンパ」のわけがない。

*2:女性の社会参加や能力開発、能力発揮という言葉は出てくるがそれはジェンダーフリーと直接は関係ないと思う

*3:もちろん故人

*4:ウィキペ曰く「元社民党副党首、元参議院議員。I女性会議常任顧問」

*5:言うまでもないことだが、朝鮮学校に対する高校無償化除外

*6:俺の理解では「私たちの学校(直訳)」。要するに朝鮮学校

*7:俺の理解が正しければ親社民党系の女性団体。ちなみに親共産系の女性団体が新日本婦人の会(豆知識)