今日も「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(9/14分)(追記・訂正あり)

書いたのは9/14ではないがちょうど日付があいてるのでここに押し込む。
島田洋一の巻】
島田洋一ブログ「米国の東アジア外交を展望する―『明日への選択』より(4) 」
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/2446268/

自民党下村博文衆院議員*1がブログ(9月7日付)で、「今月19日〜24日、安倍元総理や櫻井よし子さん等、超党派プラス民間の人達とインドに訪問することになっている」と触れているとおり、明日から私も国家基本問題研究所*2が有志議員と企画したインド行きに参加する予定である。

島田の言う下村氏のブログ記事とは以下のものだ。
「日本インドグローバルパートナーシップ 」
http://hakubun.jp/2011/09/07/


詳しいことは残念ながらほとんど書いてないが「パル判事の無罪論」だの、チャンドラ・ボースだの、「インドさん、日本と一緒に中国と対決しましょう」だの寝言噛ますんでしょうね、わかります。

六者協議*3は有害無益

島田の場合「六者協議と言う手法が有害無益」「他の外交手法をとるべき」というんじゃなくて「北朝鮮相手に外交やることが無益」「北朝鮮経済制裁で潰す、場合によってはイラク戦争のように軍事力で潰す」だからな。お話にならない。

中国が議長になって人類にとっていい形でまとまる国際問題などありません。

6者協議限定ならまだしも、言うことがひでえな、おい。中国が議長役の国際会議なんて山ほどあると思うぞ。
大体、どこが議長役なら納得なんだよ。当事者(韓国、北朝鮮)が議長役ってのはおかしいし、アメリカや日本じゃ北朝鮮が飲まないだろ。ロシアかよ?。どっちにしろどこの国も本心はともかく、誰も中国の議長役に批判などしてないのに今更批判かよ。

中国が(注:北朝鮮への)石油その他を止めれば、問題は解決するのです。

石油を止めたら北朝鮮が暴走する危険性があるだろ(ちなみに話はずれるが「戦前、アメリカが日本への石油を止めたこと」をどう思いますか?。ダブスタで「アメリカ許さねえ、日本への宣戦布告も同じ!」とは言わないでしょうね?。その理屈だと石油を止めたことに対し北朝鮮が暴発しても文句言えませんぜ、島田の旦那)。
大体「AがBすればいい」ですむんだったらこの問題に限らず、誰も苦労しないんだよ(例:「北方領土はロシアが返せばいい」「核保有国が一斉に核を廃棄すれば世界は平和」)。
この問題に限らず、そう理想通りに社会は回ってないから、交渉ってものがあるんじゃねえか(「中国は石油止めろ」という島田の主張が理想的な物かどうかや、この件に限らず「何が理想か」は時としてそう簡単に答えがでるモノではないことははひとまず置く。)。アホか。
しかも「中国は支援するな」どころか「ロシア、韓国と共同で北朝鮮天然ガスパイプラインを引き、北朝鮮に年1億ドルの通過料を支払う」方向で話が進んでいますよね(毒)
 自称「国際政治学者」島田の見込みとは逆方向にすすむ北朝鮮情勢(嘲)。島田が李政権を北朝鮮シンパのサヨとか、天然ガスの利権(タンカーで運ぶより北朝鮮経由のパイプラインの方が輸送費用が安い)のために日本を裏切ったとかののしる日も近いな。それともさんざん「李は盧武鉉とは違います」と言ってた手前、「華麗にスルー」し続けるのかしら。

中国は、北(注:朝鮮)にウラン濃縮を停止させるには、六者協議の枠組でそれなりの代償を提供せねばならないと言う。ふざけた話です。

この問題に限らず交渉ってのは常にそういうものです。みんながみんな立派な人揃いで、いわゆる理想論や筋論(島田の主張が理想論や筋論と言えるかや、この件に限らず「何が理想か」は時としてそう簡単に答えがでるモノではないことははひとまず置く)で全て進めば誰も苦労はしません。
中国がそう言うのなら、「それを日本が検討し、賛成できれば賛成し、反対なら反対し、条件付きで賛成出来るなら条件付きで賛成する」だけの話です(「条件付きなら賛成しても良い」と最初から思ってるのに、相手になめられないためにあえて最初は『絶対反対』とはったりをかまし、終盤で「お宅もそういう事情があるんじゃ仕方ねえな、ウチにもそれなりのメリットがあるし、じゃあ今回ばかりは飲むよ」と言って恩に着せる」などといった交渉テクニックの話はひとまず置きます)。「ふざけてる」と感情論で否定しても無意味です。

したがって、日本はもう六者協議に付き合う暇はないと宣言すべきです。

そんなことはタカ派の安倍政権すらやりませんでしたし、やれませんでした。理由は簡単でそんな主張には他の5カ国が確実についてこないからです。
最悪「日本抜きで5者協議でやろうぜ」なんてことになったら悲惨すぎます。

六者協議は有害無益だと、まず野党の自民党が主張すべきです。しかし谷垣、石原執行部にはそうした意思も認識もない。

自民党が6者協議を否定しないのは当たり前じゃないですか。大体、6者協議を始めたのは小泉政権ですし、それを続行し続けたのは、安倍、福田、麻生といったポスト小泉の自民党政権でした。自民党が政権復帰を当面考えてないとか、政権復帰を考えてるが野党時代に主張したことで与党になったら都合の悪くなったことはチャラにすればいいと無責任なことを考えてるとか、そもそも政権復帰後と今の主張の整合性について何も考えてないとかでない限り、そんな自分の過去を全否定するような無責任なことはできるわけがないでしょう。「自民政権時代と今は、6者協議の状況が違う」とでも言いますか?。そう言う主張にはまるっきり説得力がないと思いますが。
また繰り返しになりますが、他の5カ国が6者協議を否定しない以上、日本だけが否定しても最悪「5者協議」に移行するだけです。

更なる締め付けであの体制をつぶすべきです。

「現実的につぶせるかどうか」「つぶすことが政治的、道義的に妥当かどうか」はともかくこういう発言からは「拉致被害者救出などどうでもいい、北朝鮮の現政権がつぶせさえすればいい」という連中の汚い本性が透けて見えますね。
 要するに拉致被害者救出は本音を隠すためのカモフラージュでしかないと。「経済制裁その他で北朝鮮をつぶしたい」と言えば、そう言う強硬論には否定的な左派はもちろんですが、左派でなくてもよほどの極右でない限り「そんな事が可能なのか?」「可能だとしても実行すべきなのか?」「拉致被害者に害が及ばないか?」と疑問に思うでしょう。だから「拉致被害者救出のための経済制裁その他の行為」と言うきれい事で本心をカモフラージュすると。
 こういうことを島田が言うと言うことは連中が内心は「生きてる拉致被害者はもういない」と考えてるのに「家族会を政治利用する」ため、「拉致被害者がまだあの国にいる」と主張してる可能性もあるでしょう。拉致被害者がいるのに北朝鮮を潰すと主張するのは誰が考えてもおかしすぎます。こういう事を公言したら、北朝鮮は帰国させる気を確実になくすでしょうから。
 連中だと「生きてる拉致被害者がいて、戦乱で死亡したとしても国益上仕方がない、潰す」と言う可能性もありますが。
 で、普段は「拉致被害者救出」を前面に出していますが、島田が他の珍右翼に比べて極端に脇が甘いというのもあるでしょうが、インタビュアーがお仲間の右派雑誌と言うこともあって、本音がだだ漏れになってるわけです。右派雑誌は「つぶせるんですか?」とか「つぶして何か問題は起こりませんか?。拉致被害者は大丈夫ですか?」なんて厳しい質問は島田にしませんから。
 そしてこういう珍右翼連中の本音に気づき、批判を始めたため、連中によって家族会から排除されたのが蓮池透さんのわけです。蓮池さんのそうした「勇気と賢明さ」には感動しますね。珍右翼連中に言われるがママに蓮池さんを追い出した他の拉致被害者家族連中には呆れますが。

北(注:朝鮮)は小泉第二次訪朝で日本側が約束し、結局凍結されたままのコメ一二万五〇〇〇トンの引き渡しなどを求めているようです。

ネトウヨは無知なのか、北朝鮮問題で小泉政権を全然批判しませんが、実はそう言う約束をしてるんですよ。で、約束した以上、やらないとルール違反だと思うが。コメなんて「軍事転用が可能な工業製品」のような物騒な代物でもないでしょうし。

菅直人タイプの首相の訪朝だけは絶対阻止せねばならない。誤った自虐史観から、「朝鮮人を六〇〇万人以上も強制連行、二〇万人以上も慰安婦にして申し訳なかった」などと謝罪し、外交的にも、教育的にも回復困難なマイナスをもたらすでしょうから。

・被害者数の問題(島田の言うような被害者数を北朝鮮が本当に主張してるのか、本当に主張してるとしてそれが過大な数字なのかは無知な私は知りませんのでここでは触れません)はともかく、「強制連行と慰安婦が申し訳なかった」のは事実ですし、それは既に大筋では村山談話河野談話などで日本政府も自民党政権時代から認めてることなのですがね。そもそも島田は「強制連行も従軍慰安婦もなかった」という歴史修正主義者ですのでお話になりませんが。
大体、「根拠もないのに過大な数字」は島田たちが主張する特定失踪者の方だと思いますが。
何せ、「小泉訪朝後に失踪した人」まで特定失踪者にカウントしてるのだから呆れます。常識で考えて北朝鮮もそこまで無謀じゃないでしょうし、日本の捜査当局もそれを摘発できないほど無能じゃないでしょうし、失踪者も小泉訪朝後、あれだけ北朝鮮拉致が騒がれたのに、やすやすと拉致されるほどバカじゃないでしょう。犯罪に巻き込まれたか、自発的失踪(自殺とか、別の土地で第二の人生を生きてるとか)か、事故か、いずれにせよ北朝鮮なんか関係ないでしょう。
・まあ、彼らは「菅直人タイプの首相(ハト派と言うことか?)」でなくて、「安倍晋三タイプの首相」でも訪朝なんか望んでないでしょう。「外交交渉による平和的問題解決」じゃなくて「何が何でも北朝鮮現政権を潰すこと」が彼らの希望でしょうから。

どんな名目であれ北(注:朝鮮)への支援など言語道断だと思いますね。

要するに「餓死者発生防止の為の人道的食糧支援」でも反対と言うことでゲスの極みです。死ねばいいのに。

尖閣諸島の問題も、自民党執行部には確たる方針も主張もありません。例えば石原伸晃幹事長が衆院予算委員会で、尖閣モグラの生態調査のため上陸を認めろと政府を追及しました。ところが仙石*4官房長官から、何人にも上陸を認めないというのは自民党政権の方針で、現内閣はそれを踏襲していると答弁されると黙ってしまった。状況が変わったなどいくらでも理屈は付くわけですが、問題意識がないから、頭も働かないのでしょう。

・「状況が変わったなどいくらでも理屈は付く」って、状況は全く変わってませんから。屁理屈を言ってその場しのぎをするなんて仮にも、戦後長きにわたって政権与党だった政党がやるべき事じゃないでしょう。
・そもそも本気で生態調査がしたいわけではなく、民主党政権の揚げ足取りをしたいだけで、ろくに何も考えずに質問するから「自民時代と方針は変わってない」と反撃されて何も言えなくなってしまうんでしょう。


■インド到着
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/2448087/

メンバーは、自民党から安倍晋三下村博文*5衛藤晟一山谷えり子*6加藤勝信民主党から長尾敬の各議員に、国家基本問題研究所から櫻井よしこ田久保忠衛*7、冨山泰、石川弘修の各氏と私である。

・メンバーに興味のある方はググるなどして調べてみてください。
加藤勝信、長尾敬、冨山泰、石川弘修というのは私は知りませんし、おそらくググってもどういう人か分からないと思いますが他の面子は、ウヨ団体の幹部常連で産経文化人(田久保忠衛)だったり、安倍政権で重職に就いた、安倍さんと同レベルの歴史観の持ち主(下村博文山谷えり子)だったりですね。要するに珍性保守です。
・山谷さんは少し調べればわかりますが、元々は民主党から選挙に出てその頃は「夫婦別姓賛成」などと今と全く逆のことを言ってた人です。当時彼女を支持した人は「だまされた」と怒ってるそうですが、まあそう言う人です。商売右翼なんでしょう。
・ちなみに安倍政権崩壊後、後任の福田首相教育再生会議を、教育再生懇談会に再編しています(鳩山政権で正式に消滅するがそれ以前から閉店休業状態だったと思います)が、要するに安倍さんのような極右路線には同じ派閥の福田さんですらついていく気にならなかったと言うことでしょう。ただ名実ともに完全に再生会議を潰したのでは、安倍さんの面子丸つぶれですし、彼を敵に回すのも得策ではないので、店ざらしにしたと言うことでしょう。

民主党では、当初、長島昭久*8渡辺周*9笠浩史北神圭朗*10議員らも参加予定だったが、政務三役や国会の議院運営委員会入りで都合が付かず、急遽不参加となった。

 長島、渡辺、笠、北神氏は島田にそう言う「同志」扱いをされる人なんだと理解しておきます。確かこの中には「the facts」賛同者や桜チャンネル映画「南京の真実」賛同者もいたと思います。彼らに興味のある方はググるなどして調べてみてください。
まあ、彼らの「忙しい」は本当かどうか分かりませんが(もちろん参加したかったが本当に忙しくて泣く泣く不参加と言う可能性もありますが)。
安倍さんが首相就任前は、「河野談話は撤回する」と息巻いてたのに首相になったら、すぐに訪中、訪韓したり、「河野談話はもちろん継承します」と言ったのと同様、彼らも与党、政府の役職について「島田たちとはこの際つきあいを止めよう」と思ってるのかも知れません。ただ「お前らとつきあってもメリットがないからつきあいを止める」というのも問題だから多忙を言い訳にしていると(安倍さん同様、権力から離れたらまたつきあいが復活するのかも知れません)。
 あの戦争を正当化するような島田たちはつきあってメリットがあるような連中ではありませんから。石原慎太郎のような地方首長ならともかく(本来は地方首長でもダメですが)、少なくとも国会や政府でばりばりやっていこうという人間がああいう歴史観を公言したり、ああいう歴史観の連中と堂々とつきあうわけにも行かないでしょう。彼らが島田とともにうかつなことをすれば、共産、社民と言った左派はもちろん追及するでしょうが、自民党も自分のことは棚に上げて「政府見解に反する」「外国との関係を悪くする(実際悪くなりますけど、「お前が言うか」ですな)」とか言って確実に彼らを潰しに来るでしょうし。
 

若手保守派の長尾氏が来てくれて「超党派」の体裁は崩れなかった

面子のほとんどは安倍さんの側近やお友達なんだから全然超党派じゃないでしょ(笑)。そして主観はともかく、島田とつきあう人間なんて「保守派」なんて立派なモノじゃありません。

長尾氏は民主党内リベラル派(すなわち多数派)から、「自民党議員と行動を共にするなとは言わないが、選りに選って何という連中と一緒に行くのか」との圧力に晒されたという。

別にリベラル派でなくてもこんな面子は評価しません。ただの歴史修正主義極右ですから。
そして「自民党議員と行動を共にするなとは言わないが、選りに選って何という連中と一緒に行くのか」というのは圧力なんでしょうか。
「あいつらとインドに行ったら後でどうなるかわかってるんだろうな、民主党にいられると思うなよ、土屋たかゆき(元民主党都議。反党行為を理由に党を除名された)みたいになりたいのか」と脅したら圧力でしょうが、これはただの苦言、忠告じゃないですか。
むしろ「その意見には同意できないが言ってくれてありがとう」と感謝する類の発言です。長尾氏のことを何とも思ってない人間(俺もその一人ですが)だったら「バカだなあ」と思うだけで何も言いませんから。
ああ、それと「後でどうなるか」ですが、まあ、当分、長尾氏には役職に就く機会はないでしょう。というより本人もそれがわかってるから(ただし本人がそう思ってるのは、自分の能力や思想信条ではなく年齢とか当選回数とかでの判断でしょうが)、気軽にこういう事をするんでしょう。不参加を決めた民主党の連中同様、役職に就いたら(つくか分かりませんし、こういう人にはついて欲しくないですが)、「多忙を理由に不参加」かもしれません(笑)

*1:安倍内閣官房副長官。安倍の側近の一人と言われる人物でもちろん真正保守(清和会)

*2:桜井よしこが理事長のウヨ系シンクタンク。島田はここの企画委員。ちなみに、よしこは研究所を代表して行くんじゃないの?

*3:島田たちは北朝鮮を国と認めたがらないため6カ国協議ではなく6者協議と言いたがる

*4:原文のまま、もちろん仙谷が正しい

*5:安倍政権で官房副長官

*6:安倍政権で首相補佐官教育再生担当)、内閣官房教育再生会議担当室事務局長

*7:新しい歴史教科書をつくる会」顧問。国家基本問題研究所副理事長。日本会議代表委員。日本李登輝友の会副会長

*8:野田内閣で首相補佐官(外交及び安全保障担当)

*9:野田内閣で防衛副大臣

*10:野田内閣で経産政務官