2011.10.28
「交渉と圧力」
アメリカをマネしろって軍事超大国のアメリカを日本がマネできるわけもなければマネすべきとも思いませんが。そしてアメリカは一応交渉の姿勢を示し、実際過去にも「カーター合意」とかありますが、増元一派の交渉とやらは「北朝鮮は俺たちの言い分を認めろ、俺たちは北朝鮮の言い分を聞かないけどな」と言う交渉とは言えない代物です。
今、日朝の協議を望む声が大きくなり、北朝鮮への追加制裁を控えるという現象が起こっているが、これでは又北朝鮮に足元を見られることになろう。
制裁したってその穴を「北朝鮮崩壊を望まない」中国とロシアが埋めるだけ、日本の経済制裁に反発した北朝鮮が交渉する気をなくすだけという簡単な理屈が何故このバカには分からないんでしょうか。
北朝鮮が日朝交渉をするという素振りを見せただけで原則的な政策を控えるなどという馬鹿げた考えは払拭する時が来ている。
タカ派強硬論を「原則的」と躊躇なく言える増元には呆れます。ハト派は無原則なのかよ?
大体交渉するそぶりを見せても制裁を続行するというのでは、何のための制裁なんでしょうか。建て前では「交渉に引きずり出すための制裁」なんだから交渉するそぶりを見せたら、「ある程度制裁緩和しない」と筋が通らないでしょうに。
交渉する気なんかないという自白ですか?
北朝鮮に対する圧力は米国がかけた金融制裁が一番の効果的な政策だったということは他言を見ない。
どうなんでしょうね?。まあ、その認識が正しいとしても「アメリカの制裁はあくまでも交渉のための取引材料」であって、増元らのような「北朝鮮打倒目的」ではありませんし、既に指摘したように日本の経済制裁が効いているようにはとても思えませんが。
米国は「北朝鮮の核放棄」を促すために圧力を使用し、「二度と戻らない」といった北朝鮮を6者協議に戻らざるを得ない状況を作った。
本当に戻らなかったら中国やロシアとの関係が悪くなりかねませんから、最初からブラフでしょう。それにアメリカの圧力は北朝鮮を交渉の場に出すことが目的で増元のような打倒目的ではありません。
「テロ支援国指定」という圧力政策を利用し、北朝鮮の核放棄という姿勢を引き出した。
今テロ支援国指定は解除されてるんですけどね。そして核兵器は北朝鮮にとって「取引材料」であって何が何でも持ちたいわけではないでしょう。
我が国はどうだ。北朝鮮との関係で最も懸案事項となる「拉致問題の進展」に関して、北朝鮮の行動を促す圧力を一度も使用していないではないか。
経済制裁してるのに「圧力がない」ですか?
いや、国際社会にとって拉致問題より、核廃棄の方が重要問題だから、つまり拉致問題が解決しなくても日本以外は騒がないから(北朝鮮はアメリカが「了解すれば」アメリカポチ日本は簡単に黙ると見ているのでしょう)、
そして、核廃棄すれば見返りがありそうだが、拉致問題では見返りがなさそうだから優先させてるんですよ。
つうか拉致問題ではあれ以上の回答は多分出せないんじゃないですか。多分生きてる拉致被害者は誰一人いない。拉致被害者が死んだ状況は余り表沙汰にしたくない(出来ないような代物)。拉致の真相究明や責任者の処分は国家の組織犯罪なので難しい(トカゲのしっぽ切り的な物しかできないでしょうし、それすらできるかどうか)。
即ち、拉致問題を理由に北朝鮮に対する制裁をかけるということだ。それもしないで、圧力だけではダメとか、圧力をかけても拉致問題は進展しなかったという意見は当てはまらない。
制裁かけて進展しなかったんだから「圧力だけではダメとか、圧力をかけても拉致問題は進展しなかったという意見」は正しいでしょう。増元は制裁が足りないと言いたいんでしょうが、制裁を強化すればいいなんて根拠はどこにもないんですが。
笑うのは増元の勝手ですし、北朝鮮嫌いの彼が笑いたい気持ちも分かりますが、「核問題の国連決議」は拉致問題の解決には関係ありませんよ?
国連安保理で制裁決議がなされたにもかかわらず、常任理事国の中国やロシアの決議破りを止めることはできないし、北朝鮮に対し何の圧力にもなっていないということがいわゆる「北朝鮮問題」を解決できないという事実に現れる。
ロシアや中国が安保理の制裁決議破りしてるか無知な俺は知りませんが、ロシアや中国が北朝鮮を支援してることは事実であり、この文章に寄ればそのことを増元も「ある程度分かってる」ようです。
そう言う人が何故日本の経済制裁強化なんか叫ぶんでしょうか?。安保理の制裁が中国、ロシアの北朝鮮支援によって効いていないと嘆く人が『日本が経済制裁をしているにもかかわらず、常任理事国の中国やロシアの北朝鮮支援を止めることはできないし、北朝鮮に対し何の圧力にもなっていないということ』が『いわゆる「北朝鮮問題」を解決できないという事実に現れる』とは思わないんでしょうか?
それとももはや増元らにとって日本の経済制裁は北朝鮮に対し効くかどうかではなく、別のこと(自分で書いてても「別のこと」とは何かよく分かりませんが)が問題になってるんでしょうか?
金桂冠第一外務次官が「日朝協議」を望むかのような意欲を見せているという。「窮すれば貧す」何のプライドも感じられない北朝鮮の姿勢である。
事情がどうあれ、向こうが交渉に応じるというなら素直に喜べばいいのにねえ。「今まで応じなかったのに。「窮すれば貧す」ということか、プライドがない」と罵倒が始まるってのはどういう神経なんでしょうか。大体、経済制裁は建て前では「経済的に困った北朝鮮が、制裁解除を条件に日本との交渉を求めること」を狙っていたんじゃないんですか?。狙いが当たって万々歳じゃないの?
交渉に応じてくれない方が北朝鮮叩きが出来て嬉しいんでしょうか?。本心では拉致問題の解決など望んでいない、そもそも生存している拉致被害者があの国にいるとも思ってない、北朝鮮が憎いから力で潰したい、経済制裁はそれが目的だ、そういうことですか?。
だったら「拉致被害者は多分一人も生きてないと思う、金正日に復讐したいから経済制裁する、交渉の場に引きずり出すことが目的じゃない」と正直に言ってください。ただし少なくとも俺はそんな主張を支持しませんが。
・ちなみにググった限り「窮すれば貧す」なんて言葉はないようです(増元の言いたいことは何となく分かりますが)。
たぶん次の言葉のうちのどれかと勘違いしているのでしょう(おそらく『窮すれば濫す』か、それとほぼ同じ意味の『窮すれば鈍する』『貧すれば鈍する』でしょう)。
『窮すれば通ず』
行き詰まってどうにもならないところまで来てみると、ひょんな切っ掛けで、案外打開の道が見付かるものだ。
『窮すれば濫す』
貧乏すると、どんな人でも、生活に追われてさもしい心になる。『窮すれば鈍する』『貧すれば鈍する』と同義。
手詰まり感の強くなった「米朝協議」・「南北協議」・「中国の支援」・「ロシアの支援」をうけての日本への接近と思われる。
・ブッシュ時代のような「悪の枢軸」路線は廃棄され、交渉妥結の可能性もゼロではないのに「米朝協議」が手詰まりですか?
・統一相がハト派に変わり、宗教団体関係者の訪朝が許可されるなどハト派的動きが韓国にあるのに「南北協議」が手詰まりですか?
・中国の副首相が訪朝し友好をアピールしたのに、「中国の支援」が手詰まりですか?
・金正日が訪ロしてそれなりの歓迎を受けたのに、今「北朝鮮を通過し韓国へガスを供給するロシアガスパイプライン計画の実現可能性が高まっている(韓国も北朝鮮もロシアもかなり乗り気)」のに「ロシアの支援」が手詰まりですか?
認識が明らかにおかしいよな。北朝鮮が「左うちわ」とは言いませんが、今は過去と比べかなり余裕のある時期でしょう。
むしろ「余裕のある今の時期に出来るだけ諸問題に片をつけたい」って話じゃないの?
よくこう言うことが言えるなあ。北朝鮮が窮する以前にあんたらが窮してるんじゃないですか?。
増元は50代でまだ割と若いけど、他の家族は高齢の方もいていつ亡くなってもおかしくないというのに。
拉致問題を騒いでるのは日本だけなんだから、日本が何をしようと「拉致問題は最優先の課題」なんて認識を北朝鮮が持つわけがないでしょうに。世界中が「拉致問題を核問題より重視する」ようになれば「拉致問題は最優先の課題」になるでしょうが、そんなことはないでしょうよ。