■【産経抄】11月13日
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131113/edc13111303090000-n1.htm
文部科学省の有識者会議が道徳の「教科」への格上げと検定教科書の使用を求める報告書案を公表した。当然に思えるが、案の定「特定の価値観の押しつけだ」との批判があるらしい。文科省内部にも「教科書検定の基準を決めるのは難しい」と腰を引く声もあるという。
▼だが二宮尊徳をはじめ、近江聖人といわれた中江藤樹、「稲むらの火」の濱口梧陵ら、誰もが子供たちに生き方を教えたい人は多い。外国にもヘレン・ケラーやマザー・テレサがいる。そんな人物を語るだけで立派な教科書となる。検定も問題ないはずだ。
見え透いた嘘をここまで平然とやられると呆れて言葉が出ないですね。産経の方も「これで批判派もわかってくれるはず」とはかけらも思ってない癖に。
極右・産経の言う道徳とは「戦前修身の復活」であり、「神風特攻精神万歳」とか物騒きわまりない代物であることは今から予想できるわけです。産経が、産経抄で「偉人」として名前を出したかった人は二宮尊徳や中江藤樹ではなく、本当は「爆弾三勇士」とか「木口小平」とかでしょう。
ヘレン・ケラーだの「稲むらの火」だのだったら批判はそんなには出ないでしょう。
「特攻万歳」「爆弾三勇士」だからこそ批判も出るし、「左翼でも何でもない」「むしろ右よりの」文科省ですら「及び腰」なわけです。「どっちかというと保守」の文科省ですらびびるようなやばい連中が安倍であり産経であるわけです。
昨年、その試験版として『13歳からの道徳教科書』を編集した「道徳教育をすすめる有識者の会」の渡部昇一氏
・やれやれですね。自社系列(扶桑社)の本を宣伝するなっての。
・しかも編纂者の一人が「南京事件否定論者」「ロッキード事件CIA陰謀論者」で「息子・大西旅人氏(作家)が血友病患者であることを理由に『医療費負担で国に迷惑がかかる、産むべきじゃなかった』と言う主旨の暴言で父親・大西巨人氏(作家)を誹謗した差別主義者」の渡部ではろくな道徳教科書じゃないでしょう。
渡部による大西氏への誹謗行為こそ「反道徳的行為の典型」でしょうに。
・なお「道徳教育をすすめる有識者の会(公式サイト:http://doutoku.jimdo.com/)」の面子がすごい。ググらなくても予想はつきますが、渡部以外の役員も
中西輝政*1(京都大学教授)
三浦朱門*2(日本藝術院院長)
村上和雄(筑波大学名誉教授)
米長邦雄(日本将棋連盟会長*3)
渡辺利夫(拓殖大学総長・学長)
など右翼オールスターです。
PDFファイルの賛同者名簿も「さかもと未明」「島田洋一*4」「すぎやまこういち」など見事なまでに右翼オールスターです。こんなウヨ連中が賛同する道徳など「糞くらえ」です。
【追記】
ちなみに産経のいう「有識者会議」とはググって見つけた『道徳教育の充実に関する懇談会』(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/096/maibo/1333161.htm)でしょう。
で、もしかしたら「道徳教育をすすめる有識者の会」役員と『道徳教育の充実に関する懇談会』メンバーとかぶる人がいるんじゃないかと思ったのですがさすがにそこまで露骨ではないようです。
なお、「有識者会議」メンバーの内、細川珠生って人は、ウィキペ「細川珠生」によれば、「第一次安倍内閣の教育再生会議委員に山谷えり子*5が推薦した(ただし落選した)」そうなので彼女は間違いなく右翼でしょうが、他はよく知りません。