今日の産経ニュース(11/3分)

 俺的に今日はコメントしたい産経記事が豊作です。

■【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】「足は職場に、胸には祖国を、眼は世界に」 民間労組、官公労決別を
http://www.sankei.com/column/news/141103/clm1411030009-n1.html
 労組の存在意義というのは先ず第一に「賃金向上や労働者保護法制の実現など、労組員、労働者の生活向上」のわけですがそういう言葉が何一つ出てこない辺りが「さすが産経」「さすがよしこ」です。勿論褒めてません。
 連合内のウヨ労組「UAゼンセン」に「労組における右翼勢力を活性化し、安倍政権を応援するため、左派労組(日教組自治労など)が存在する連合をUAゼンセンは脱退しろ」と放言してるのだから呆れます。まあ、脱退しても何のメリットもないので脱退しないでしょうけど。UAゼンセン内部でよしこに賛同する人間は相当の極右だけでしょう。
 なおよしこは「左派労組=官公労」「右派労組=民間労組」と勝手に決めつけてますがそんな事はありません。まあ、よしこもそんな事は分かった上での故意のデマゴギーでしょうけど。


■【叙勲】桐花大綬章が決まったインドのシン*1前首相「誠に誇りに思う」
http://www.sankei.com/life/news/141103/lif1411030042-n1.html
 別に「やるな」と言いませんが現首相が「インドに変な期待を抱いてるらしい安倍」では「そういう変な政治的配慮による受賞?」という疑念をどうしても感じてしまいます。
 まあ、仮にそうだとしても「シン氏は前首相」ですし、安倍の期待するほどの「反中国路線」なんかインドが取るわけもないでしょうが。


■「(注:東京裁判は日本が)全て悪という(注:間違った)判決」「国際的な議論期待」 東京裁判・日本占領政策国士舘大でシンポ
http://www.sankei.com/politics/news/141103/plt1411030010-n1.html
 タイトルで予想できる記事内容です。まあ、産経以外は記事にしない内容ではあります。ちなみに産経がシンポを後援しています。
 荒木和博を教授にする拓殖も相当のウヨ大学ですが、国士舘もそれに負けず劣らずといったところですね。「拓殖=植民地支配専門家養成機関」「国士舘=国士(右翼活動家)養成機関」つうことでもともとどちらもルーツはウヨですが未だにそれが清算できてないのかよと思うと絶句します。
 産経文化人・大原康男を教授にする「國學院国学者養成機関*2」も相当酷いんですかね。記事にもちょっとだけコメントします。

 高橋史朗*3・明星大教授も、安倍晋三首相がインド訪問の際に東京裁判で日本を擁護した故パール判事の子息と面会したことを取り上げた上で、「インドの研究者との共同研究を含め、(東京裁判について)国際的な議論が深まることを期待している」と語った。

 「インドの研究者と共同研究」てネール(インド初代首相)やガンジーは連合国側(英国側)なんですけどね。
 「自由インド仮政府首班・インド国民軍司令官」チャンドラ・ボースだの、パール判事*4だのをネタに「インドは日本の大東亜戦争大義を支持してくれる」なんて勘違いされても向こうもいい迷惑です。

山本武利・早稲田大名誉教授は、連合国軍総司令部(GHQ)の検閲について「現在の中国よりもひどい」と発言した知人の中国人の話を紹介した。

 I濱Y子・早稲田大学教授も相当酷いと思いますけど、この山本名誉教授は彼女を超えてますね。早稲田は大丈夫なのか。
 失礼ながら「GHQの検閲」てどの辺りが「中国より酷い」のか、山本氏は説明できるんですかね。
 説明できないから「知人の中国人の話」なんていい加減なものを持ち出してるんじゃないのか。
 ちなみに山本氏は著書が『占領期メディア分析』(1996年、法政大学出版局)、『GHQの検閲・諜報・宣伝工作』(2013年、岩波書店)ということで一応「GHQのメディア政策」の専門家、研究家ということのようですが、著書でもこんな事抜かしてるんですかね。それともこの種のウヨシンポ限定で放言してるのか。どっちにしろ困った人だと思いますけど。


■「安全、科学的に考えて」 学校給食で中国産食材排除の波紋
 中国に対する変な偏見は止めましょう、杉並区の対応は問題ではないかという良記事です。産経に載ってるのが信じられない。書き手は「平沢裕子記者」だそうですがまあ、そういうまともな記者も産経にはいるわけです。阿比留辺りだと「杉並区よくやった」とか言ってそうですけど。

http://www.sankei.com/life/news/141103/lif1411030032-n1.html
 東京都杉並区などは先月、学校給食に原則、中国産の食材を使用しない方針を打ち出した。同区などの給食に中国産食材が使われているとする一部報道を受けての措置だが、食料自給率の低い日本では中国からの輸入食品は多く、完全に排除することは困難。食の安全に詳しい専門家からは「中国産が全て危険というわけではない。食の安全についてはデータに基づいて科学的に考えるべきだ」という意見も出ている。(平沢裕子)
 杉並区は10月8日、区立小中学校の学校給食で、「当面、中国産の食材を使用しない」などとする給食食材への対応を記した紙を保護者に配布した。
 同区などの学校給食に「中国産食材が使われている」とする報道を受けた措置で、同区教育委員会学務課は「今夏、中国の食品会社で期限切れの鶏肉が使われていたことが判明し、中国産の安全性について不安に思う保護者がいるため」と説明する。同様に「中国産を使わない」とする足立区も、「輸入食品の安全性が担保されていることは把握しているが、保護者から不安の声がある」(教育委員会学校教育部学務課)とする。
 こうした措置に対し、食の安全・安心財団(東京都港区)の唐木英明*5理事長は「安全性については、科学的データで考える必要がある。中国産が国産や他の外国産に比べて危険というデータはないのです」と指摘する。
(中略)
 同省の「平成25年度輸入食品監視統計」で輸入食品の食品衛生法違反の件数をみると、輸入と検査の件数自体が多い中国の違反件数が244件と多い。だが、違反の割合をみると、中国は0.3%。これに対して米国は0.91%、タイが0.62%で、中国はこれらの国よりも低いのだ。
 唐木理事長は「学校給食から中国産食品を排除するのは、科学のデータに基づいた措置とはいえない。食料自給率の低い日本で、中国産を完全に排除するのは困難」と説明。「学校給食では、食の安全を守る仕組みや、海外からの輸入食品も日本の豊かな食生活を支えている現状などをしっかり教えるべきだ」と話している。

 太字部分は小生の独断と偏見による太字ですが、まあ重要なポイントだと思います。


■米教科書に「強制連行」「20万人の日本軍慰安婦」 LA公立高校
http://www.sankei.com/world/news/141103/wor1411030002-n1.html
 なんて言うか典型的やぶ蛇ですよね。産経や安倍が「河野談話を撤回したい」なんてバカ言ってワーワー騒がなければこんなこともなかったんでしょうけどね。
 ただ産経や安倍は「騒いだのに何で状況が悪化するんだ?」とバカなこと考えてそうで本当に嫌になります。
 ドイツの全国紙や与党幹部政治家が「ホロコーストはなかった」なんて公言したらこれと同じ事になるだろうと思いますけど、産経や安倍はそういう理解してないんだろうな。
 なお産経記事タイトルの「20万人」て数は充分あり得る数で問題ないしそのほかの「産経が何故か問題視する記述」も俺の理解する限り何の問題もないですね。つうか慰安婦が事実として存在した以上、「書くな」つうわけにもいかないし、日本政府側の「事実誤認*6訂正要求」はまあ、できるとしてもその場合でも当然ながら「慰安婦は合法」なんて記述は要求できるわけもない*7んで、どんなに産経が頑張ったところで産経の希望する記述にはならないことだけは確かでしょう。「慰安婦は違法で非人道的」てラインは絶対に変わらない。

*1:中央銀行総裁、蔵相などを経て首相

*2:元々の意味はそう言うことです。

*3:つくる会副会長という極右。現在、政府の審議会「男女共同参画会議」の委員。こんな男を審議会委員に任命できる安倍には呆れます。まあ、中教審委員に櫻井よしこ教育再生実行会議委員に八木秀次曾野綾子(ただし曾野は退任)、NHK経営委員に百田尚樹長谷川三千子を任命する男が安倍ですけど。

*4:最近の研究ではチャンドラ・ボース支持者だったらしいことが判明している

*5:東京大学名誉教授、農学博士。日本学術会議副会長、倉敷芸術科学大学学長など歴任。著書『牛肉安全宣言:BSE問題は終わった』(2010年、PHP研究所)など。

*6:何度もしつこいですが俺の理解する限り産経の取り上げた記述に事実誤認はありません。

*7:教科書会社が応じるわけないし、そんな事したら韓国から批判されます。