今日の産経ニュース(7/18分)(追記・訂正あり)

■【新国立競技場】英団体「日本はロンドンの失敗から学んだ」 ハディド氏デザインの五輪施設は「工費3倍」
 安倍の白紙表明後、いろいろと情報が出てるわけです。

http://www.sankei.com/world/news/150718/wor1507180045-n1.html
 建設計画が白紙撤回された東京の新国立競技場をデザインしたのは、イラク出身の女性建築家ザハ・ハディド氏(64)。2012年ロンドン五輪では水泳センターを担ったが「野心的なデザインの結果、工費が3倍に膨れた」(英紙ガーディアン)と批判されるなど、過去にも物議を醸してきた。
 水泳センターは波形の屋根が特徴。見た目は美しいが工費は見積もりを大幅に超過し、建築を簡素化しても約2億7千万ポンド(約522億円*1)にかさんだ。
 英市民団体「納税者連合」のアンディ・シルベスター氏は17日、日本政府の白紙撤回について「ロンドン五輪ではそのような勇気ある決定がなされず、市民は高額な請求書を押しつけられた。日本はロンドンの失敗から学んでいる」と評価した。

 要するに「ザハ案だと金がかかる危険性がある」なんて担当者ならコンペの時に分かってて当然のわけです。
 「金がかかってもいいんだ、斬新な案なら」と思ってたのか、はたまた「こうした問題に愚かにも気付いてなかった」のか知りませんが、まあ、「今回の撤回それ自体は良かった」とはいえ、「コンペ時にザハ案にしなければ」こんなもめ事もなかったわけです。


■『【イラン核合意】最高指導者ハメネイ*2師は反米堅持「どんな話し合いできるというのか」』
http://www.sankei.com/world/news/150718/wor1507180046-n1.html
 まあこれだけでは「本気で合意を潰す気なのか」、それとも「国内の反米保守強硬派をなだめるとともに欧米に『ウチのハメネイが怒ってますんでもう少し寛大な案になりませんか?』とイラン政府が今後カードに使うためにあえて強硬論をハッタリとしてふいてるのか」はわかりません。とにかく合意が「米国、イラン双方の反対派の妨害を乗り越えて」実現することを期待したい。


■谷内*3局長がモンゴル訪問 拉致問題で意見交換へ
http://www.sankei.com/politics/news/150718/plt1507180035-n1.html
 確かに「ウンギョンさんと横田夫妻の面会はウランバートルでされた」わけですが、一番北朝鮮に影響を及ぼせる国と言ったら「一が中国、二がロシア」じゃないんですかねえ。
 「歴史認識問題や安保法制問題など(中国)」「ウクライナ問題や北方領土問題など(ロシア)」で日本との関係がごたごたしてるから「三以下のモンゴル」を頼ってるだけでしょう。まあ発展途上国モンゴルにとっては日本の接近は願ったりかなったりでしょうけど。

 谷内氏は、16〜18日は北京に滞在し、李克強*4首相や外交担当トップの楊潔チ*5国務委員(副首相級)と会談。9月初旬の安倍晋三首相の訪中と、習近平*6国家主席との首脳会談の実現に向けた協議を行ったとみられる。

 なんだかんだ言っても結局安倍は「日中首脳会談」の方向にシフトを切った、切らざるをえなかったわけです。


■【家族第4部 「拉致」に裂かれて(1)】田口八重子さん息子を迎えた義姉の37年 強く引き留めていれば
http://www.sankei.com/premium/news/150718/prm1507180015-n1.html
 まあ完全なお涙頂戴記事ですね。新情報は特に何もない。

 (注:昭和)52年10月。飯塚夫妻のもとに八重子の夫が訪ねて来た。定職に就かない夫は、外で働く八重子に代わって2人の育児を任されていたが、「手に負えない」と預けに来たのだ。それから半年間、夫妻は2人を預かった。
 この間、八重子は夫との別居を決意し、2人を引き取りに来た。
 「東京の店で働いて、子供を育てる」
(中略)
 「そういうところには行かないで。子供たちの世話は私も一緒にみるから」「店をやめてほしい」。
 栄子は何度も、八重子に(注:飯塚夫妻の自宅がある埼玉県)上尾周辺の会社で働くよう説得した。
 だが、1人で子供を育てるという八重子の決意は固かった。
「お姉さんに悪いから、自分で育てます」。最後には「お姉さんには迷惑をかけられない」と栄子に伝え、上尾から東京へ向かった。
 翌53年4月から2人の子供とアパートで暮らし始めた。
「義理の姉とはいえ、血縁のない私に遠慮があったのだろう」。
 栄子は八重子の気持ちをそう推し量る。
(中略)
 八重子は長女と(注:長男)耕一郎を東京都内のベビーホテルに預けて働いていた。失踪時も2人はベビーホテルにおり、(注:八重子の兄)繁雄と(注:繁雄の妻)栄子が迎えに行った。

 まあ、何というか「拉致がなくても」シングルマザーとして大変な生活だったわけです。
 そして田口さんのような「拉致被害者」でもなければ「弱者に冷たい産経」はこうした『シングルマザーの存在』などには目も向けません。

*1:建物の性格が違うから単純比較できないとは言え「英国では522億円でも予定額を3倍も超過したとして批判が出た」んだから「新国立競技場は当初予定の2倍を超える2500億円」なんて話になれば批判が出て当然でしょう。

*2:ホメイニ時代にイラン大統領。ホメイニ死後、後継者としてイラン最高指導者に就任。

*3:元外務官僚(元外務事務次官)。現在、内閣官房国家安全保障局長(内閣特別顧問(国家安全保障担当)兼務)

*4:河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼任)

*5:駐米大使、外相などを経て国務委員(外交担当)

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て現在、国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席