今日の産経ニュース(8/5分)(追記・訂正あり)

■【主張】朝日取り消し1年 名誉守る発信なお足りぬ
http://www.sankei.com/column/news/150805/clm1508050003-n1.html
 「河野談話の根拠=吉田清治証言オンリー」なんてことはもちろんない。そもそも吉田証言は韓国済州島限定ですから彼の証言が信用されてるときも「東南アジアの慰安婦」などでは用いられてないわけです。
 産経のデマ屋ぶりには心底呆れます。
 「天安門広場から学生は撤退したので広場では死者は出なかった、出たと言う天安門事件当初の報道は間違い(これは事実)」→「だから天安門事件では一人も死者は出なかったし、軍隊の出動も当然の行為なんだよ」レベルの詭弁が産経のやってることです。


■【高木桂一の『ここだけ』の話】共産党が「反安倍」アイドルの制服向上委員会を招いた“勉強会”の中身とは… 「過激すぎる」党勢拡大にプラス?マイナス? 
http://www.sankei.com/premium/news/150805/prm1508050004-n1.html
 産経が共産党と「共産党の集会に参加したらしい制服向上委員会」に敵意を持ってると言う事「だけ」が分かる駄記事です。
1)昨今の選挙での共産党の躍進(もちろん過大評価は禁物ですが)
2)安倍政権の支持率低下→大きな原因は安保法案問題であり、これは批判派の共産に有利に働くかも
という焦りというか、不安感というかが「共産を叩かなくては」「共産の支持者(?)*1・制服向上委員会を叩かなくては」という思いをかき立ててるのでしょう。

 共産党は「赤旗」日曜版(昨年9月28日号)で、当代きっての人気アイドルグループ「AKB48」の「憲法キャラ」と言われる内山奈月(なつき)さんのインタビュー記事を丸々1ページ割いて掲載した。同11月に東京・夢の島公園で開いた「第40回赤旗まつり」には、『なみだ恋』や『舟唄』『雨の慕情』などの大ヒット曲で知られる大物演歌歌手、八代亜紀さんを呼んだ。

 やれやれですね。何か問題があるのか。産経が「AKB48赤旗日曜版に登場するなんて」「赤旗まつりに八代亜紀が来るなんて」などとやたら焦ってるらしいことだけはわかりますが。

 最近では、志位委員長が意外や意外、「週刊女性」(主婦と生活社)7月14日号に“登場”した。
 安保法案をめぐる特集記事でのインタビューだったが、志位氏にとって女性誌デビューで、掲載も1ページという“破格の扱い”をされるサプライズだった。

 「志位が週刊女性に登場するなんて」「しかもテーマが安保法案なんて」と産経がショックを受けてることはよく分かりました。


■【月刊正論】韓国は「北朝鮮化」したと思ってかかれ(呉善花
http://www.sankei.com/life/news/150805/lif1508050003-n1.html

明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録をめぐって今韓国がおおいに盛り上がっています。日本が国際社会の公の場で「強制労働」「強制連行」を認めたというのです。日本政府は「強制連行」を認めてはいない、「強制労働」を意味するものではないなどと釈明しています。
 しかし英文でユネスコの文書には英語で「force to work…」となっています。英文で何と記録されたかが重要です。言い訳は通用しないと思います。

「work」の後に続く「against their will(労働者の意思に反して)」を書かない辺りさすが「インチキ行為常習」の産経、さすが「デマ屋」の呉善花です。
 まあ、それはともかく。英語演説は呉が言うように「強制連行、強制労働を認めた」としか理解できないし、だからこそ登録が全会一致で認められたわけです。
 おそらくこの英語演説がなければ「韓国の反対があるから、とりあえず今回は登録を見送ります」となったであろう事は間違いないと思います。でそれで産経や呉らウヨは良かったのか?。
 はっきり言って「軍艦島も含めて申請した上であくまでも強制労働なんてないと言って突っぱねて今回登録をあきらめるか(まあ多分今回だけでなく永遠にあきらめることになると思いますが)」「強制労働を認めて登録してもらう」「韮山反射炉など強制労働が関係ない施設だけに修正申請して登録してもらうか」の「3つに一つ」しかありません。
 英語演説で「強制労働を認めて登録してもらう」道を選んだと「韓国も含めて関係各国が思っていたら」後になって安倍政権が「あの演説は強制労働を認めたわけじゃない」とアホ言い出したので「あの演説は誰がどう読んでも強制労働を認めてるだろうが。ふざけんな」ともめてるというのが、今の事態です。
 「あの英語演説は強制労働を認めたとしか読めない」という呉の指摘はそれ自体は正論です。ただそこから呉は「あんな演説をしなければ良かった」「あんな演説をしなくても軍艦島も含めて登録できたはず(注:そんなことはないでしょう。登録は見送られたと思います)」「今からでもあの英語演説を正式に取り消せ(注:そんなことができるわけないでしょう)」と言い出すから唖然です。

 英国の代表紙、テレグラフの見出しは「日本の奴隷労働の跡地が世界遺産を獲得」でした。奴隷労働という言葉で報じているのです。
 また、ガーディアンは「日本の遺産は、強制労働の事実を認めた後に世界遺産登録を獲得」と報じました。
 米CNNは「かつて凶行がおこなわれた戦争犯罪の現場−日本の推薦世界産業遺産」と報じ、ワシントン・ポストは「日韓政府は産業遺産、特に軍艦島での戦時強制労働の歴史を認めることで合意に至る」と強制労働と言う言葉を使いました。
 米ABCは「日本からの推薦遺産は日韓の口げんか、日本が戦時強制労働特に軍艦島において認める合意後に全会一致で承認された」としており、米紙フォーブスは「日韓が合意:日本ユネスコ遺産での朝鮮人強制労働を深く反省」となっていました。
 シンガポール紙トゥデイは「日本のユネスコ産業遺産登録に様々な反応」ですが「日本も韓国政府が外交的に勝利を収める、日本も数万人の韓国人や中国人そして捕虜を戦争末期の労働力不足を補うために数十カ所の工場や鉱山そして他の産業施設で働かせたことに同意した」と報じました。

 「で、それの何が問題なの?」ですよね。まともな人間にとっては「軍艦島の強制労働は朝鮮人(韓国人)に対してすまんことだった、心からお詫びしたい」つう話ですから。
 「強制労働じゃない」とデマ吐いて居直っても日本の国際的評価が落ちるだけです。つうか産経らウヨは慰安婦だけでなく「朝鮮人強制労働」の非も認める気がないのかと唖然ですね。

近代国家として力強く進んでいった日本の誇りの詰まった文化財を世界的に公認してもらうはずの話が、韓国人を奴隷にし、強制労働によって成り立っていた、世界遺産はその拠点だったという話にすり替わってしまったのです。

 「だったら韮山反射炉とか、強制労働関係ない施設だけにして登録申請すれば良かっただろ、何故軍艦島なんか入れた」としか言いようがないんですが。ああ、あと世界遺産的には「文化財として価値があるかどうか」が問題であって「近代国家として力強く進んでいった日本の誇りとか」関係ないですけど。

 今回韓国の外務部長官が訪日、日本の外務大臣と会談したというニュースが流れた時から、私は「これは絶対怪しい」と直感しました。というのはその直前まで、MERS問題で大荒れの最中にもかかわらず、韓国の外務部長官はドイツまで足を運んで日本の世界遺産を認めてはいけないと働きかけていたからでした。

 まあ、「何らかの形で合意があるんだろう」とは俺も思ってました。そしてその合意はおそらく呉や産経らウヨにとって「我慢がならないものであるだろう」とも思ってました。実際そうだったわけですが。

*1:記事を読む限り「共産と共闘する」安倍政権批判者でしかないと思いますが。このレベルで支持者なら瀬戸内寂聴氏など他の「共産と共闘する安倍政権批判者」も支持者でしょう。