今日の産経ニュース(9/27分)(追記・訂正あり)

■英労働党、核戦力の放棄討議へ コービン党首が提起、穏健派は反発
http://www.sankei.com/world/news/150927/wor1509270038-n1.html
 我々日本人からすれば「核廃棄のどこが過激なんだ」「ほとんどの国は核なんか持ってないだろ」と思いますけどね。「核保有は大国の証明」「米仏中露が持ってるのに何故廃棄せなあかん」つう国民世論なんでしょうか。
 左派政党が「党方針として核保有の堅持*1をかかげてる」つうのはびっくり仰天です。


■【政論】「セクハラ暴行」なぜ不問? あまりに弱腰な参院自民党*2の対応
http://www.sankei.com/politics/news/150927/plt1509270012-n1.html
 レイプなど「性的暴行」ではないのだから少なくとも「セクハラ」ではないでしょう。たとえば「DV」は「セクハラ」ではないでしょう。何でもセクハラ呼ばわりすることはかえって「セクハラという言葉の重さ」を軽くするでしょう。

民主党も「自民もやったから−」などという幼稚な言い訳に終始するのでなく、津田氏の行為は個別に精査し、然るべき処分を行ってほしい。このままでは、女性の人権を大切に扱う(注:という民主党の)党方針が有名無実化する。

 まあ、民主党もしかるべき処分をすべき*3でしょうが産経が「女性の人権が大事というなら」云々というのには吹き出してしまいました。
 そんな事、「女性の人権を大事にしない新聞*4」産経はかけらも思ってないでしょうにね。そして「自民応援団」産経はおそらく自民も似たり寄ったりの暴挙に及んでるのに「民主党しか批判しない」わけです。


■【日曜経済講座】人民元のSDR通貨認定ヤマ場に 瀬戸際の中国金融にワシントンの二重基準 編集委員・田村秀男*5
http://www.sankei.com/premium/news/150927/prm1509270027-n1.html

 2001年1月に発足したブッシュ*6共和党政権はクリントン*7民主党政権の露骨なばかりの親中国路線*8を撤回し、発足当時は強硬姿勢をあらわにしたが、中国市場重視の米産業界やウォール街から修正を求める声が出る。
 そこで北京に飛んだのはオニール*9財務長官(当時)で、「9・11」同時中枢テロの前日、10日にオニール氏は人民大会堂江沢民*10国家主席(同)らと会談。

 アンチ中国の田村ですら「無茶苦茶な反中国など米国財界が認めない」とはっきり書いてる点は興味深いですね。

 瀬戸際の中国金融を救うのは、元の国際通貨化しかないと習政権は必死だろうが、半端な金融自由化、元の小幅変動は国際金融市場を不安定にさせる。オバマ政権とIMFが安易に妥協しないよう、安倍晋三政権はしっかりとチェックすべきだ。IMFのSDR判定期限は11月中という。

 まず第一に中国金融は田村が言うほど「瀬戸際ではない」でしょう。瀬戸際でも困りますが。
 第二に田村の主張は「田村個人の見解」に過ぎません。オバマIMFが「人民元国際通貨化」に動けば*11田村は「中国に屈した」と言い出すのでしょうがそもそも「田村の主張は通説でも何でもない」のだからそう言う話じゃないわけです。


■【世界ミニナビ】肖像写真と電気ポットで懐柔? チベット自治区成立50周年で人民に“プレゼント”
http://www.sankei.com/west/news/150927/wst1509270003-n1.html

「こんなモノもらって喜ぶのか…」。独裁国家の感覚はずれている。

いやいや「過去の指導者の肖像写真」はともかく

チベットシルクの飾り*12」「電気がない地域には太陽光で動くテレビ」「電気バター茶メーカーとティーカップ」「カラフルな花瓶」

つうのは俺だったらもらえば嬉しいですけどね。つうか誰だって「よほど変なもの」「世間的には価値があっても自分にとってはあまり価値がないもの*13」でない限り嬉しいと思いますけどね。もちろん「もらって嬉しいからチベット統治に問題はない」つう話でもないんですが。


■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈533〉】日本の安保体制、致命的な脆弱性さらけ出した…「文春」が“本質”突くコラム
http://www.sankei.com/premium/news/150927/prm1509270021-n1.html
 宮崎や花田の言う「潜在的敵国」てどこだつう話です。まあ、「中国、北朝鮮、ロシア辺りか」と見当はつきますけどね。しかし冷戦時代の旧ソ連ならまだしも日本が「潜在的敵国」などと敵視して構わない国など正直どこにもないでしょう。
 宮崎や花田の言うのとは違う意味で

潜在的な“敵国”がこの質疑をどう捉えたか、を想像しただけで背筋が凍

りますね。「日本は我が国を敵視し軍事行動でもする気なのか」と思われることはいいことではないでしょう。


■【米中首脳会談】中国、核心的利益譲らず 政界と経済界の分断狙う 中国知識人「オバマ氏は遊ばれただけ」 
http://www.sankei.com/world/news/150926/wor1509260076-n1.html
 単に経済外交しただけの話を「分断」云々という辺りさすが「反中国の産経」です。いや「経済交流を深めることによって中国への批判を抑え込もう」と言う思惑が全くないとは言いませんが一義的には「中国企業の経済進出を応援する経済外交」でしょう。

 在米の中国人知識人、程暁農氏*14産経新聞に、「オバマ氏は対応を誤った」と指摘する。

 そう言う事言っても何がどうなるもんでもないでしょうね。まあ、「朝日、読売ならまだしも」産経の取材を受けるという時点で「ああそのレベルのゴミか」とこの人の知的レベルの想像がつきますし。


■【主張】米中首脳会談 南シナ海の懸念強まった
http://www.sankei.com/column/news/150927/clm1509270005-n1.html
・中国が政治大国、経済大国、軍事大国であることは否定できない事実であって

習氏は米国との「新型大国関係」を改めて持ち出したが、世界の秩序を乱し、国際ルールを守らない国に「大国」を名乗る資格がないことを忘れてはなるまい。

なんて産経が中国を罵倒しても何がどうなるもんでもありません。
 つうか

世界の秩序を乱し、国際ルールを守らない国

てむしろ「戦争反対の反戦世論を無視し」好き勝手に「違法性の強い疑いの濃い軍事行動(例:アフガン戦争、イラク戦争)」をやりまくる米国にこそ該当すると思いますね。
・ただこうした中国敵視でこの社説が一貫しているわけではなく

 首脳会談に先立ち、習氏は米西海岸シアトルで、中国企業による米航空機300機の購入契約成立をアピールした。超大国の米国と台頭する中国が、良好な関係を維持するのは無論、望ましい。幅広い分野で両氏が一致点を見いだそうとした点は評価できよう。

として「俺だって米中友好は大事だと思ってる」と産経が言ってる点は興味深い。

*1:容認ではない

*2:安倍及び党三役もこの対応を勿論了承してるに決まってるわけですが「参院自民党のみ」非難する産経です。

*3:するか知りませんし、しなかったら俺個人は民主党に失望しますが。

*4:河野談話否定論などはそのわかりやすい一例です。

*5:著書『人民元、ドル、円』(2004年、岩波新書)、『アベノミクスを殺す消費増税』(2013年、飛鳥新社)、『消費増税の黒いシナリオ:デフレ脱却はなぜ挫折するのか』(2014年、幻冬舎ルネッサンス新書)、『人民元の正体:中国主導「アジアインフラ投資銀行の行末」』(2015年、マガジンランド)など

*6:ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の息子。テキサス州知事を経て大統領。

*7:アーカンソー州知事を経て大統領

*8:クリントンってそんなに親中国だったか?、て思いますけどね。

*9:アルミメーカー「アルコア」会長、保守シンクタンクランド研究所」理事長などを経てブッシュ子政権財務長官。

*10:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*11:実際にどうなるかは分かりませんが

*12:残念ながら習主席自筆の「美しいチベットを築こう」と言う文字が刺繍されてるという微妙な代物のようですが

*13:ものぐさの俺にとっては自動パン焼き器なんてのはもらっても嬉しくないかな。「つくるくらいならパン屋で買う」と思います。まあでも他人にあげたり、リサイクルショップに転売することもできるから「絶対にいらない」てほどでもないかな。

*14:著書『中国経済・超えられない八つの難題』(編著、2003年、草思社