今日の産経ニュース(1/20分)(追記・訂正あり)

東証急落「黒田バズーカ2」霧散 オイルマネー流出観測
http://www.sankei.com/economy/news/160120/ecn1601200063-n1.html
 産経ですらこういう記事を書かざるを得ない事が興味深い。
 タイトルでも分かるように「黒田*1バズーカ」なる金融緩和の効果は霧散し、東証は急落、その理由はオイルマネーだ、

原油安が続けば産油国の財政が一段と悪化し、日本株を含む保有株式を売って収入を補う動きを強めるとの連想が投資家の間で働き、株安につながっている

と言う話だそうです。
 それについてどう思うかと聞かれ
■自民・高村氏*2 株価下落に「ただちに対策云々の話でない」 原油安は「天佑」とも
http://www.sankei.com/politics/news/160120/plt1601200017-n1.html
として「原油安は天佑」と言うとんちんかんが高村自民党副総裁です。質問した記者が「原油安が株安の原因ではないか」と言ってるのに何とも変な人です(記事を読む限り、もちろん高村氏は株安を喜んでるわけではありません。また「原油安が株安の原因説」を否定しているわけでもありません)。
 まあ、結局「うまい対策が言葉にできずに」、「一喜一憂しない」「むしろ天佑」と開き直ってるだけでしょうが。
 まあ、株安に限らず原油安というのは単純に「原油が安くて良かった」つう話ではないでしょう。産油国の政治不安が起こるかも知れないわけですし。また原油安の理由を「世界経済(特に中国経済)が停滞し原油消費量が減ってるから」という見方をすれば「世界経済(中国経済)停滞」は喜べる話ではないでしょう。
 原油ユーザーの立場だけ考えれば万々歳ですけどね。 


■民主・枝野*3幹事長「安倍政権こそ『左傾化』」
http://www.sankei.com/politics/news/160120/plt1601200028-n1.html
 産経なので捏造の可能性が否定できない点が残念ですが事実なら枝野という人物は大馬鹿者ですね。
 安倍のどこが左傾なのか。そしてこんな珍論をどこの誰が支持するのか。枝野なんぞを幹部にしてる民主党にも心底呆れます。


■中国、拘束のスウェーデン人に発言強要か 謝罪場面を繰り返し放映 「罪を認め、おわびする」
http://www.sankei.com/world/news/160120/wor1601200055-n1.html
 単なる偶然ですが、先日のSMAP謝罪会見を彷彿とさせますね。
 スウェーデン人氏の謝罪について「自発性が疑われる、強要ではないか」という産経ですが、同じ事を是非SMAP会見についても言って欲しいもんですね。アレはどう見ても自発性が疑われるでしょう。まあ、産経に限らず多くの日本メディアにとって「あの会見を仕掛けた芸能プロ・ジャニーズ事務所」と「ジャニーズに媚びて会見を放送したフジテレビ」という「二つの大企業」を批判して敵に回すことはリスキーであり、そんな度胸があるか疑問ですが。


■【竜の野望−インフラ銀開業(上)】ひざまづく国には気前よく支援…「朝貢貿易」を彷彿 急ごしらえだけに融資ノウハウなど課題山積
http://www.sankei.com/world/news/160118/wor1601180009-n1.html

 日米は運営上の透明性への懸念からAIIB参加を見送ったが、「日本だけは認識が甘い」(中国の金融当局者)との厳しい指摘がある。米国は世銀の元北京事務所長デビッド・ダラー氏をAIIB事務局に送り込み、内部情報にアクセスできる態勢を作ったが、日本は蚊帳の外だからだ。
(中略)
 「オバマ政権は水面下でAIIBをめぐる米中協力関係の構築にも着手し始めたようだ」(アナリスト)との気になる未確認情報も流れている。

 米国にはしごを外されることを恐れる産経です。


■【竜の野望−インフラ銀開業(中)】権益独占「中国、根こそぎ持っていく」 アジア中小国、期待と不安
http://www.sankei.com/world/news/160119/wor1601190010-n1.html

 2020年までにアジアでは8兆ドルのインフラ資金が必要とされる中、ADBだけではまかなえないとの指摘は多く聞かれる。

 AIIBをけなす産経も「AIIBが歓迎される背景(融資資金不足)」は否定できないわけです。


■【竜の野望−インフラ銀開業(下)】「主要国の思惑」中にすり寄る欧、手をこまねく日米
http://www.sankei.com/world/news/160120/wor1601200005-n1.html

 AIIB不参加が(ボーガス注:日本企業の)海外受注の制約になるとの懸念も市場から聞かれる。
(中略)
 そこで、日本はアジア開発銀行(ADB)などの協調融資を通じたAIIBへの関与を模索。

 「そんなまだるっこしいことをするくらいなら入ればいい」と思いますけどね。しかし「入りたくない」とは言っても「AIIBなんか潰す」と言う方向性はさすがに安倍も産経も目指さないようです。


■【政界徒然草北朝鮮は脅威でない!? 公明VS共産のバトル過熱 背景にあるのは
http://www.sankei.com/premium/news/160120/prm1601200004-n1.html
 共産党の発言は「安保法の対象になるかどうかという意味では脅威ではない」という発言なので公明党が「北朝鮮に安保法を発動するつもりだ」と言うのでない限り、その非難は言いがかりでしかありません。まあ公明党もそんな事はよく分かってるでしょうが。


■【正論】テロと核の脅威に新しい国家像描けるか 学習院大学学長・井上寿一*4
http://www.sankei.com/column/news/160120/clm1601200009-n1.html

日本は近接する3つの国(中国・ロシア・北朝鮮)の核の脅威を直視しなければならなくなっている。

 産経文化人ですら「中露の核の脅威」なんてあまり言わないので吹き出しました。こんなんが今、学習院の学長なんですね。


■「甘利*5大臣側に口利きの見返りで1200万円」21日発売の週刊文春が報じる
http://www.sankei.com/affairs/news/160120/afr1601200031-n1.html
■【甘利氏疑惑】「お話しした内容はすべて真実です」週刊文春に証言の建設関係者が実名でコメント
http://www.sankei.com/affairs/news/160120/afr1601200033-n1.html
■【甘利氏疑惑】民主・枝野幹事長「深刻な問題」「厳しく問いただす」
http://www.sankei.com/politics/news/160120/plt1601200033-n1.html
■【甘利氏疑惑】共産・穀田国対委員長「真相解明を」 安倍首相の責任にも言及
http://www.sankei.com/politics/news/160120/plt1601200038-n1.html
 真偽の程は勿論不明ですが「安倍の言論弾圧体質」を考えればなかなか勇気のある報道とは言えるでしょう。
 他メディアの後追い報道や野党の追及にも期待したいところです。


■【米大統領選】トランプ氏をペイリン元アラスカ州知事が支持 「ISの尻蹴り上げる最高指揮官だ」「彼女の支持欲しかった」と相思相愛
http://www.sankei.com/world/news/160120/wor1601200019-n1.html
 「ペイリンを副大統領候補にしたのはマケインの重大な過ちだった、だからオバマに負けた」と思わせるペイリンのトンデモ行為です。民主党支持者は勿論共和党支持者からも批判が出るトランプを担げる神経が分かりませんが要するに類友なのでしょう。

*1:財務省国際金融局長、アジア開発銀行総裁などを経て現在日本銀行総裁。著書『通貨外交』(2003年、東洋経済新報社)、『元切り上げ』(2004年、日経BP社)、『財政金融政策の成功と失敗』(2005年、日本評論社)など

*2:村山内閣経済企画庁長官、小渕、福田内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相、自民党副総裁(第二次安倍総裁時代)など歴任。

*3:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相などを経て現在民主党幹事長

*4:著書『日本外交史講義』(2003年、岩波テキストブックス)、『日中戦争下の日本』(2007年、講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(2008年、新潮新書)、『吉田茂と昭和史』(2009年、講談社現代新書)、『山県有朋と明治国家』(2010年、NHKブックス)、『政友会と民政党:戦前の二大政党制に何を学ぶか』(2012年、中公新書)、『第一次世界大戦と日本』(2014年、講談社現代新書)、『終戦後史・1945〜1955』(2015年、講談社選書メチエ)など

*5:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任。「安倍内閣閣僚や党三役(安倍総裁)を歴任」というそのキャリアから安倍に近い右翼議員の一人と見られている。