今日の産経ニュース(5/15分)(追記・訂正あり)

■【検証・文革半世紀(1)】「黒い懐刀」の異名持つ男の復帰が示す習近平政権の未来…「恥を捨てねば生き残れなかった」嵐は再来するか
http://www.sankei.com/premium/news/160515/prm1605150026-n1.html

 4月24日、上海市中心部で盛大な葬儀が営まれた。
(中略)
 男の名は戚本禹(せき・ほんう)(84)。毛沢東の秘書を務め、35歳で中国共産党の要職*1に抜擢(ばってき)された戚は、文化大革命文革)の推進者だった。
(中略)
 1983年、戚は文革の責任を問われて懲役18年の判決を受け、共産党の党籍も剥奪された。出所後、上海市内で偽名を使いひっそりと暮らしていたが、「時代」が彼を呼び戻す。
 講演や執筆を通じて文革の正当性を主張する一方、戚を断罪したトウ小平*2が主導する改革開放路線を、「革命を裏切った修正主義」と痛烈に批判した。
 戚が活動を再開したのは2012年秋。習近平が党総書記に就任したのとほぼ同じ時期だ。
 戚は江沢民*3胡錦濤*4には否定的だったが、習近平*5だけは高く評価していた。
 2013年の香港紙、明報の取材で戚は、「習氏には毛主席の後継者になってほしい。特権階級を倒し、中国の進路を資本主義の道から社会主義の道に戻してもらいたい」と語っていた。
「戚の後ろにいるのは習近平国家主席だ」
 そう語る関係者*6によると、習は上海市書記だった07年ごろに戚と面会しており、ここ数年は側近*7を通じ「何も恐れることはない。積極的に発言してほしい」などと伝えていたという。

 習閣下の登板で戚が表舞台に出てきたような印象操作ぶり(ただし「習登場で戚が表舞台に出てきた」とはっきり言わず「読者が勝手に誤読しただけだ」と逃げる気満満の『消防署の方から来たので消火器を買ってほしい』スタイル)に吹き出しました。
 「安倍の首相就任で中教審委員になった櫻井よしこと一緒にするな」といいたくなります。
 まあ産経が「文革シンパ」とネガキャンして、習閣下を全否定したいことはよくわかりました。明らかな言いがかりなので無駄な行為だと思いますが。
 そもそも「文革を否定したトウ小平」の路線の後継者にして「文革時代、父・習仲勲*8副首相とともに迫害されていた」習主席が文革シンパのわけもないでしょう。

 文革の開始から50年が過ぎた今、中国では往時を思わせる現象が起きている。
 昨年末には、ウイグル政策を批判したフランス人女性記者が事実上、追放された。2年前には香港の大規模な民主化デモを取材したドイツメディアの助手が約10カ月間も拘束されたほか、日本経済新聞重慶支局の中国人助手も約1カ月間にわたり拘束された。

 文革とは「言論抑圧の一種」ではあっても「言論抑圧なら文革」というわけではないのでこじつけも甚だしい。言論抑圧が文革なら「天安門事件文革」でしょう。

戚本禹(ウィキペ参照:1931年〜2016年4月20日
 1966年に中央文化革命小組メンバーとなり、中央弁公庁秘書局副局長、『紅旗』副総編集、中国共産党中央弁公庁代主任を務め、毛沢東及びその夫人である江青の秘書を担当した。『紅旗』1966年第5期号で論文「愛国主義売国主義か?:歴史映画『清宮秘史』を評す」を発表。論文の中で劉少奇*9国家主席を「中国のフルシチョフソ連共産党第一書記、首相)」と名指しで公然と批判して、劉に対する攻撃を激化させた。
 しかし文革終了後の1980年7月14日、北京市公安局により逮捕され、1983年11月2日には北京市中級人民法院において反革命宣伝煽動罪、虚偽告訴罪、群集騒擾罪などにより懲役18年、政治権利剥奪4年の判決を受けた。
 2016年4月20日、病気のために上海市で死去した。


■【緊迫・南シナ海】米、ベトナムへ武器輸出解禁を検討 中国けん制、オバマ大統領の越訪問で議題か
http://www.sankei.com/world/news/160515/wor1605150021-n1.html
 北ベトナムホーチミン*10政権転覆目的で米国が戦争を仕掛けていたのは一体何だったのかという複雑な気持ちになります。


■インドがインフラ支援規制の強化を撤回 中国による投資突出を回避 日本政府の要請で 
http://www.sankei.com/politics/news/160515/plt1605150004-n1.html

外国銀行によるインフラ事業への融資規制

 つまりは「外国銀行がインド経済に強い影響力を有すること」「インドの銀行が外資銀行との競争に敗れ倒産すること」を恐れて規制しようとしたが「欧米や日本の要請」に押されて断念したつうことでしょう。当然ながら「中国は規制しませんよ*11」なんてことがあるとも思えない。それを「中国ガー」で記事にするんだから産経も悪い意味で「変な」新聞です。

*1:ウィキペディアに寄れば、中央弁公庁秘書局副局長、『紅旗』副総編集、中国共産党中央弁公庁代主任

*2:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席など歴任

*3:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*4:中国共産主義青年団中央書記処書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*6:正体不明の関係者の証言など「産経の捏造の疑いが否定できず」何の説得力もありません。

*7:て具体的に誰よ?

*8:中国共産党中央宣伝部長、副首相などを務めるが文革で失脚。その後、復権し、広東省党第一書記(広東省長兼務)、全国人民代表大会常務副委員長など歴任。

*9:全国人民代表大会常務委員長、国家主席など歴任。

*10:北ベトナム国家主席ベトナム労働党主席

*11:仮に規制しないとしたら「中国の銀行は経営力が弱いのでインドの銀行にとって脅威じゃない」ということでしょう。