今日の産経ニュース(5/16分)(追記・訂正あり)

■【検証・文革半世紀(2)】サクラ総動員で習近平主席の「肉まん」逸話を喧伝…「自信のなさ」の表れか 文化・芸術の政治介入ますます
http://www.sankei.com/premium/news/160516/prm1605160005-n1.html
 肉まんの話が事実ならあまり褒められたことではないですが、「毛沢東神格化」と違い、「習氏のカリスマ性ではなく、庶民性がアピールされている」等の点で、少なくとも「文革云々」という話ではないでしょう。文革にこじつけないで普通に批判すればいいのに。
 

■【産経抄】50年前に毛沢東が押した2つのスイッチ 5月16日
http://www.sankei.com/column/news/160516/clm1605160003-n1.html

 習氏*1が、(ボーガス注:文革で迫害された)父(ボーガス注:習仲勲*2)の敵だったはずの毛沢東の継承者になろうとしている、との指摘がある。確かに言論統制を強め、腐敗撲滅運動では政敵を次々に葬った政治手法はそっくりである。

 どこが似てるんですかね。「言論抑圧=文革」なら、天安門事件時の最高指導者・トウ小平国家中央軍事委員会主席(党中央軍事委員会主席兼務)だって「文革後継者」でしょう。
 腐敗撲滅運動での「政治家摘発」は「収賄や公金横領という犯罪行為の摘発」なのだから文革での劉少奇国家主席トウ小平・副首相失脚などとは全然性格が違うでしょう。

「歴史を直視せよ」。
中国はことあるごとに日本に言い立てているが、自らは文革から目をそらせてきた。

 結局産経の「文革ガー」とはそういうことでしかないわけです。「戦争被害国・中国に対して」加害国の人間が「戦争加害を居直る目的で」そう主張することがどれほど醜いことか、産経に分からないようです。

 再び中国全土に「赤い嵐」が吹き荒れ、悲劇が繰り返される恐れはないのか。

 「ねえよ、以上」で終わる話です。「単なる言論弾圧(勿論それがいいわけではありませんが)」と「文革スターリン粛清レベルの粛清」は性格が全然違うでしょう。

「巨大な災難をもたらした内乱だった」。
1981年に採択された歴史決議で、文革は明確に否定されている。

のに産経は何を馬鹿げたことを言っているのか。


■【主張】研究用原子炉 審査に停止が必要なのか
http://www.sankei.com/column/news/160516/clm1605160002-n1.html
 「停止が必要じゃない」と思える理由がよく分かりません。


■【緊迫・東シナ海】日米印が6月に沖縄周辺で共同訓練し中国を牽制へ 米国は原子力空母も投入
http://www.sankei.com/politics/news/160516/plt1605160004-n1.html

政府関係者が明らかにした。

 つまりはリーク情報です。
 仮にそう言うことにインドが協力するにしても「中国との落としどころ」は当然考えてる、つうかそれ以前に日米に適当におつきあいしてるだけかも知れませんが、安倍が勘違いしたあげく、産経も反中国報道を繰り広げるという醜態は最悪なので協力しないで欲しいですね。
 なお、この話

米印共同訓練「マラバール」に日本が参加する形

だそうですからインドと中国がこの件でもめたら「日本が米インド合同軍事演習に参加したいつうから参加させた。米国からもしつこく頼まれて断り切れなかった。何で参加したいんだかは知らない。別に我々は日本の思惑を支持するつもりはない(インド)」つうことにするんでしょうね。

尖閣諸島が存在する沖縄周辺海域では、中国公船による領海侵入が頻発。昨年末からは、中国海軍のフリゲート艦を転用し、機関砲とみられる武器を搭載した海警局の船が送り込まれるなど、中国による軍事的圧力が高まっている。

 「海警局」てのは海上保安庁みたいなもんです。海保だって船舶には機関砲ぐらい積んでるでしょう(海保は不審船を撃沈した「戦果」があります)。中国だってその辺りはそれなりに気を使ってるのでしょう。

中国は、東シナ海日中中間線付近のガス田で海洋プラットホームを一方的に増設。将来的にレーダー施設や補給拠点を置くことで、東シナ海が中国の軍事拠点となる懸念も出ている。

 「日中中間線より中国側の海域」ですから中国のEEZ排他的経済水域)であることは間違いない*3し、当然、そこに設備を建設することは「政治的妥当性はともかく」別に違法でもない。
 ましてやその程度の事で「軍事拠点」云々といい出すのは馬鹿げています。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*2:中国共産党中央宣伝部長、副首相などを務めるが文革で失脚。その後、復権し、広東省党第一書記(広東省長兼務)、全国人民代表大会常務副委員長など歴任。

*3:これについては例えば■誰かの妄想・はてな版「日中中間線の中国側約26キロの地点」を「日中双方の主張が重複する海域」とみなす安倍政権』(http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130703/1372859408