■NHK『蓮舫氏*1 選対本部の初会合「勝てる選挙を」』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160830/k10010659431000.html
選挙対策本部の本部長に岡田代表に近いとされる鉢呂*2・元経済産業大臣、事務局長に蓮舫氏と同じ野田・前総理大臣のグループに所属する長浜*3・元環境大臣が、それぞれ就任することが決まり、今後、支持拡大の取り組みを本格化させることを確認しました。
また、高木*4・元文部科学大臣が会長を務めるグループは、30日午前、国会内で幹部が会合を開き、党の閉塞状況を打破するためには、発信力や改革への情熱が必要だとして、蓮舫氏を支持することを正式に決めました。
「民社協会理事長・高木」が「会長を務めるグループ」とは旧民社党グループのことです(何故そうNHKが書かないのかわかりませんが)。
なお旧社会党グループは■毎日新聞『赤松*5グループ、蓮舫氏を支援』(http://mainichi.jp/articles/20160824/k00/00m/010/068000c)が報じるように、既に「自主候補を立てるだけの力が残念ながらない」「しかし前原と蓮舫なら蓮舫のほうがマシ」としています。
つまり「岡田*6代表・枝野*7幹事長グループ(現執行部)」「野田*8元首相グループ」「旧民社党グループ」「旧社会党グループ」と党内の主要派閥が軒並み蓮舫支持を打ち出してるわけです。
反共のはずの「旧民社党グループ」すら前原*9支持でないところが興味深い。
これでは「造反者がでない限り」前原の惨敗はほぼ確実と言っていいでしょう。
前原は「代表経験者」で新鮮みがないのに対し、蓮舫氏には「女性」「元外国人」、つまり「女性で帰化外国人というマイノリティでも党首になれる」という売りもある。
反主流派となった前原の切り崩し(造反工作)とそれに対する蓮舫支持派(主流派)の防衛が始まるわけです。
【ここから産経です】
■【民進党代表選】旧維新グループは自主投票へ 蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国対副委員長に推薦人
http://www.sankei.com/politics/news/160831/plt1608310005-n1.html
旧維新グループは自主候補を立てられず、といって「グループの意見を統一して特定候補支持を打ち出すこともできなかった」という話です。当然、これは蓮舫氏には有利な材料です。
■中国総領事館に売却しない国有地、愛知学院大が取得申請
http://www.sankei.com/west/news/160830/wst1608300045-n1.html
産経が扇動したレイシスト(常軌を逸した反中国極右)の「スパイの拠点になりかねない」などの言いがかりで中国への国有地売却がぽしゃったという極めて恥ずべき事件の結末です。もちろん愛知学院大が用地購入することそれ自体は「レイシストのバックに、中国の土地購入をぽしゃらせて、自らによる土地購入を画策した愛知学院大がいない*10限り」何一つ悪くないのですが、何とも後味の悪い話です。
■新潟県の泉田裕彦知事、今秋の知事選への出馬撤回 「憶測記事や事実に反する報道が続いた」…新潟日報の報道が主な理由
http://www.sankei.com/politics/news/160830/plt1608300015-n1.html
普通に考えて「新潟日報の知事批判報道」が事実無根なら出馬するでしょう。
任期満了に伴う同県知事選には、全国市長会の会長を務める同県長岡市の森民夫市長(67)が無所属で出馬する意向を表明している。
という辺りからは「自民党王国・新潟」で事実上の与党である自民党が、泉田氏を何故か見切り、森支持&この件で知事を徹底追及する動きを見せ*11、それに対し「記事の指摘はおおむね事実であり抵抗不可能」「下手に自民に抵抗するより引いた方が後で復権できるかも」と考えた泉田知事が出馬を断念したと言うだけの話でしょう。
要するに舛添辞任の「二番煎じ」でしょう。
たださすがにそうも公言できないので「事実に反する報道」云々と強がってるわけです。今後の問題は森市長が本当に出馬するのか、出馬するとして対立候補は誰が出るのか、ここでも自民系・森に対抗する野党共闘が成り立つのか、それとも「森に相乗りVS共産*12」になってしまうのか、森氏出馬による長岡市長選がどうなるか、などといったところでしょう。
【追記】
■新潟知事の出馬撤回 東電柏崎刈羽再稼働に追い風か 東電再建に節目
http://www.sankei.com/politics/news/160830/plt1608300024-n1.html
何故自民が泉田おろしに動いたのかが分かる記事ですね。他の問題はともかく原発再稼働問題では「慎重派の泉田(反対派とまでは言えない)」と「即時再稼働派の自民」という対立があったわけです。泉田出馬断念を露骨に喜ぶ辺り「さすが下野ナウ産経」です。
まあ、「自民の泉田おろしの理由」が理由ですから、知事選では当然ながら「原発再稼働問題」が重要論点になってしかるべきでしょう。なお、こうした話からは「森市長は再稼働派」だと判断していいでしょう。
■【矢板明夫*13のチャイナ監視台】天安門事件が2人の胡氏の明暗を分けた…胡春華氏=ポスト習近平の最右翼 胡石根氏=中国のマンデラ*14
http://www.sankei.com/premium/news/160830/prm1608300001-n1.html
胡春華氏*15はその後、(ボーガス注:同じ中国共産主義青年団(共青団)出身で)同じくチベットでの勤務経験をもつ胡錦濤*16前国家主席の側近として、めきめきと頭角を現し、河北省長、内モンゴル自治区党委書記などの重要ポストを次々とこなして、出世街道を邁進した。2012年の党大会後、政治局員にも抜擢され、ポスト習近平*17の筆頭候補といわれるようになった。
矢板のこの記事を読んで小生は「アレアレ?」と思いました。
というのもこれは矢板や産経に限らない話ですが日本ウヨは「習近平国家主席・党総書記=いわゆる太子党(二世政治家グループ)の代表」、「胡錦濤前国家主席・党総書記=いわゆる共青団グループの代表」として「太子党と共青団」「習氏と胡錦濤氏」が激しく対立しているかのように主張してきたからです。
それなのに「胡錦濤氏の側近・胡春華氏が最有力」とはどういうことなんでしょうか。
「胡春華氏が最有力」が正しいとするならば、可能性としては
1)胡錦濤氏と習氏は対立してない
2)習氏は対立する胡錦濤氏の側近・胡春華氏を「次期国家主席にしたくない」が、自派閥に胡春華氏に対抗できるだけの能力の人間がいない、などの理由で胡春華氏が最有力
3)胡錦濤氏と習氏は対立しているが、胡春華氏はうまく立ち回って胡錦濤氏の信頼を得ながら、習氏から「他の胡錦濤派の変な奴になられるくらいなら胡春華でもいいか、胡春華はそんなに敵対的じゃないし。無理してウチの派閥の奴をつけようとして失敗したら目も当てられないし」程度の支持を得ている
のどれかなのでしょうが。
*3:鳩山、菅内閣厚労副大臣、野田内閣官房副長官、環境相を歴任。現在、民進党倫理委員長。
*4:菅内閣文科相、民主党選挙対策委員長(野田代表時代)、国会対策委員長(海江田代表時代)などを経て現在、民進党副代表
*5:社会党国会対策委員長、副委員長を歴任した赤松勇代議士の息子・赤松広隆氏の事。社会党書記長(山花委員長時代)、鳩山内閣農水相、衆院副議長を歴任。
*6:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行革担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)を歴任
*7:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相を歴任
*8:鳩山内閣財務副大臣、菅内閣財務相を経て首相。現在、民進党最高顧問
*9:鳩山内閣国交相、菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相を歴任
*10:もちろん普通に考えて、バックにいるわけがありませんが
*11:別にそれは新潟日報が自民と連携してるという意味ではありません。もちろん新潟日報が「新潟の産経(新潟の自民党御用新聞)」という可能性はゼロではないですが。
*12:場合によってはこれプラス、泉田氏が支援する「泉田系列候補」でしょうか。
*13:著書『習近平:共産中国最弱の帝王』(2012年、文藝春秋)、『戦わずして中国に勝つ方法』(2013年、産経新聞出版)、『習近平・なぜ暴走するのか』(2014年、文春文庫)
*14:アフリカ民族会議(ANC)議長、南アフリカ大統領。1993年ノーベル平和賞受賞者
*15:中国共産主義青年団(共青団)中央書記処第一書記、河北省長、内モンゴル自治区党委員会書記などを経て広東省党委員会書記
*16:中国共産主義青年団(共青団)中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席
*17:アモイ市副市長、福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席