今日の産経ニュース(11/1分)

■結婚願望、小学生までの自然活動などに比例 青少年機構調査
http://www.sankei.com/life/news/161101/lif1611010036-n1.html
 この調査関係者には申し訳ないですが先ず第一に「信用できるのか」と思いますね。
 と言うのも「青少年機構(http://www.niye.go.jp/)」とは「小学生が自然活動を行うための施設を運営してる組織」だからです。極論すれば創価学会(あるいは共産党)が「聖教新聞(あるいは赤旗)を読む人は結婚願望が高い」と発表したようなもんです。
 捏造はさすがにないでしょうが「機構に都合がいい結果が出たらいいと言うバイアスによる歪みがでてる」疑いがある。
 つうか「自然活動が多い→社交的で人付き合いもうまい→結婚者が多い」ならともかく「結婚願望に影響」なんかでるんですかね。「結婚者が多い→結婚願望が強い」と短絡してないかと疑問を感じます。まあ、これはデータを分析しないと何とも言えないし、そこまでやる気はさすがに俺にはないですが。
 第二に「結婚願望云々って何のための調査なんだ?」と思いますね。まあ、「自然活動(例:大自然の中でのキャンプ)」が悪いとは言わない。でも「自然活動をすれば体が丈夫になるし、社交的にもなる。同世代の友人も増える」ならともかく「結婚願望が高まる」「結婚しやすくなる」なんて理由で自然活動したがる子どもや自然活動させたがる親がいたら俺なんか「たとえそれが事実でも自然活動ってそう言う目的じゃないでしょ」とドンビキですが。ただこの調査の担当者はそうは思わなかったようです。
 あくまでも自然活動の目的はそういうもんじゃないでしょう。もちろん、これは「読書」「スポーツ」「文化芸能活動(絵画、音楽など)」、何でも同じ事です。

 交際相手がいるのに結婚していない671人に、複数の項目を挙げて、どの理由が当てはまるか尋ねたところ、最も多かったのは「経済的に難しい」の63・8%で、若い世代の厳しい生活状況が浮かんだ。

 なお、「結婚しない理由に経済的理由が挙げられる」というのは確か、過去の他の調査でもそうです。にもかかわらず安倍政権は「経済負担を減らす政策などせず」、にもかかわらず、未だに支持率が40%前半〜50%台前半なのだから日本人の馬鹿さには心底呆れます(安倍政権がバカなのは今さら言うまでもない)。


■「欅坂46」の衣装、ナチ軍服に酷似と批判 英紙報道
http://www.sankei.com/world/news/161101/wor1611010002-n1.html
 まあ単なる偶然*1でしょうし、すぐに変更するでしょうが、誰か事前に気付かなかったんですかね。そして「今が安倍政権でなければ」こういう報道のされ方も多分しないのでしょう。

【追記】
欅坂46衣装問題、所属会社と秋元康*2が謝罪 「認識不足」「監督不行き届き」
http://www.sankei.com/entertainments/news/161101/ent1611010016-n1.html
 まあ、こうなるのはある意味当然でしょう。
■ハフィントンポスト『欅坂46ナチス風衣装」でユダヤ人団体が抗議 秋元康氏とソニーミュージックに謝罪要求』
http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/01/keyakizaka-swc_n_12744932.html
によれば、どうも「文春マルコポーロホロコースト否定のデマ記事を掲載)を廃刊に追い込んだ、あるいは産経(ユダヤ陰謀論本の広告を紙面に掲載)を謝罪記事に追い込んだサイモン・ウィーゼンタールセンター」など公的な人権団体(主としてサイモンのようなユダヤ系)から正式な抗議、批判を受け、逃げるに逃げられなくなったようです。


■【欅坂46のナチ軍服問題】イスラエル大使館が「ホロコースト特別セミナーに招待します」 FBで公式に表明
http://www.sankei.com/entertainments/news/161103/ent1611030010-n1.html
 皮肉なのか本気なのか(本気で所属事務所と打ち合わせの上で、セミナーをやりたいのか)が気になるところです。まあ個人的には「この衣装を着ろ」と言われれば従うしかないアイドルたちよりも「仕掛け人・秋元康や芸能事務所幹部らバックの大人たち」の認識が問題だと思いますが「話題づくり」と言う意味でこうなるんでしょう。


■【産経抄】天下を奮発震動せよ 11月1日
http://www.sankei.com/column/news/161101/clm1611010003-n1.html

もともと華夷思想とは、自国を中華として、周囲の異民族を蔑視する考え方だった。作家の古川薫さん*3によると、松陰はそれに異を唱えている。自分が生まれた土地がどんな辺境でも、劣等感を抱くことはない、と塾生を激励しているのだ

 古川氏も産経もバカなんでしょうか。ここで「松陰は中国や朝鮮に対して差別的思想を持ってなかった」というならともかく、「自分の土地に劣等感を持つな」といった相手は同じ日本人です。しかも塾生なんだから同じ長州藩の人間でしょう。全然「華夷思想中華思想)」の否定になってない。
 一般には松陰は「残された著作や弟子の証言」から「日本版中華思想の持ち主」であり、であるからこそ彼の弟子(伊藤博文*4山県有朋*5など)たちが彼の影響もあって「異民族」朝鮮侵略に乗りだしていった、と理解されているわけです。まあそうした日本版中華思想は何も「松陰とその弟子のオリジナル」ではなく「征韓論西郷隆盛*6」「江華島事件大久保利通*7」なども同じでしょうが。

*1:「話題づくり目当て」に故意にやったのなら無論悪趣味で最悪です。

*2:1985年から、女性アイドルグループ「おニャン子クラブ(1987年に活動停止)」のプロデュースを担当。ただし、後に「総合プロデューサー」として関わるAKB48とは異なり、「おニャン子クラブ」は彼女らが出演するフジテレビの番組『夕やけニャンニャン』が最初にありきで、秋元自身は、おニャン子クラブについては自分は仕掛け人ではないと説明している。現在、アイドルグループAKB48及びAKBの姉妹ユニットグループ(名古屋・栄のSKE48、大阪・難波のNMB48、福岡・博多のHKT48、新潟のNGT48、インドネシアジャカルタJKT48、中国・上海のSNH48)、乃木坂46欅坂46のプロデューサーを務めている(ウィキペ「秋元康」参照)。

*3:山口県下関市出身。1990年、藤原義江の伝記小説『漂泊者のアリア』(現在、文春文庫に収録)で直木賞を受賞。『炎の塔:小説大内義弘』(1991年、文春文庫)、『高杉晋作』(1995年、文春文庫)、『毛利元就とその時代』(1996年、文春文庫)、『幕末長州藩の攘夷戦争』(1996年、中公新書)、『剣と法典:小ナポレオン山田顕義』(1997年、文春文庫)、『山河ありき:明治の武人宰相・桂太郎の人生』(2002年、文春文庫)、『花も嵐も:女優・田中絹代の生涯』(2004年、文春文庫)、『夢はるかなる:近代日本の巨人・久原房之助』(2009年、PHP文庫)、『斜陽に立つ:乃木希典児玉源太郎』(2011年、文春文庫)、『花冠の志士:小説久坂玄瑞』(2014年、文春文庫)、『松下村塾』(2014年、講談社学術文庫)、『吉田松陰とその門下』(2015年、PHP文庫)など山口県出身の人物の評伝を多数執筆。

*4:首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監などの要職を歴任、元老の一人。民族活動家・安重根によって暗殺される。

*5:内務大臣、司法大臣、首相、枢密院議長、陸軍参謀総長など歴任。元老の一人

*6:参議、近衛都督、陸軍大将を歴任。西南戦争で敗死。

*7:参議、内務卿など歴任。後に不平士族により暗殺される(紀尾井坂の変)。