新刊紹介:「経済」1月号(追記あり)

「経済」1月号について興味のある記事だけ紹介してみます。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/

■随想「松川事件と「世界記憶遺産」」(鶴見祐策)
(内容紹介)
 記事紹介で代替。

福島民報松川事件を世界記憶遺産登録へ 候補資料4000点選定』
https://www.minpo.jp/news/detail/2016112736816


■世界と日本
南スーダンPKO】(竹下岳)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■主張『南スーダンPKO、内戦は深刻化、自衛隊は撤退を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-05/2016100501_05_1.html
■主張『南スーダン派兵、新任務は論外、撤退こそ必要』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-22/2016102201_05_1.html
■主張『南スーダンPKO、詭弁という他ない派兵延長論』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-28/2016102801_05_1.html
■駆け付け警護 閣議決定南スーダンPKO 「殺し殺される」危険 現実に
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-16/2016111601_02_1.html


【スペイン新政権発足】(宮前忠夫)
(内容紹介)
 ただし、少数与党であり、短命で終わることも危惧されています。

参考
朝日新聞『スペイン・ラホイ首相が続投 少数与党政権運営厳しく』
http://www.asahi.com/articles/ASJBZ1622JBYUHBI02P.html
■ロイター『スペインのラホイ首相が新内閣発足、野党からは不満の声』
http://jp.reuters.com/article/rajoy-new-cabinet-idJPKBN12Z09F


 
【パリ協定と日本の対応】(山本元/田浦健朗)
(内容紹介)
 赤旗記事紹介で代替。

赤旗
■パリ協定承認案について 島津議員の質問、衆院本会議
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-31/2016103105_05_0.html
■主張『「パリ協定」発効、温暖化対策 日本は責任果たせ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-06/2016110602_01_1.html


特集「2017年世界経済の動向」
■「アメリカ社会に何が起きているのか:2016年大統領選挙を通して」(高田太久吉*1
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。もちろんトランプ当選は喜べる話ではないが「サンダース善戦」と考え合わせれば「否定的側面」ばかりではなく赤旗が指摘するような「格差と既存政治への強い憤り」という側面もある点に注意が必要であろう。

赤旗
■主張『トランプ氏当選、格差と既存政治への強い憤り』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-10/2016111001_05_1.html


■「ゆれるブラジルの政治と経済」(佐野聖香)
(内容紹介)
 筆者はルセフ*2政権及び与党労働党中道左派)が危機に陥ったこと(ルセフが罷免され、副大統領が大統領に昇格)を
1)経済危機
2)ルラ元大統領やルセフ前大統領の関与も噂される汚職疑惑(主として国益石油企業ペトロブラス関係)
と見ている(その意味では経済が低下傾向にある中で、疑惑が発覚した韓国に似ている面がある。もちろん先進国の韓国と発展途上国のブラジルでは経済の落ち込みはブラジルの方が深刻だが)。
 ただ問題は「1)、2)の問題をどうやって解決するか」 であり、これは「ルセフ政権特有の問題」というより「ブラジル政治の構造的問題*3」であり、野党などルセフ批判派、労働党批判派がそれを解決できるかどうかは筆者は未知数と見ている。
 1)について言えば「石油など一次資源の輸出に頼るモノカルチャー経済」と言う問題があるし、2)について言えば何も「今は野党だが長く与党として政権運営をしてきた社会民主党」がクリーンなわけでは全くない。
 また社民主義政党である「ルセフ政権与党・労働党」が「ばらまき」との批判を浴びながらも「福祉、教育」に一定の力を入れ、それなりの評価を得ていたが、野党・社会民主党(右派)がそれを台無しにするのではないかと危惧している。

参考
赤旗
■ブラジル大統領 停職、上院可決 弾劾法廷を設置
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-13/2016051307_01_1.html
■ルセフ大統領 弾劾・罷免、政府会計の不正操作理由に ブラジル
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-02/2016090207_01_1.html

 赤旗も書いているが「弾劾の理由の一つとされている行為(会計操作?)」が「不適切な行為」だとしても「弾劾に値する不正行為」かどうかは「野党・社会民主党が政権与党時代にも行われた行為」であるため法的に怪しいのだが、それでも弾劾が可決されたのは「経済危機とペトロブラス汚職疑惑」でルセフの支持が低迷*4し、「弾劾しても問題ない」という判断に野党がたったからだろう。


■「多国籍企業タックスヘイブン(上):パナマ文書の衝撃」(山脇友宏)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■日本企業の税逃れ告発、タックスヘイブン利用“子会社の99% 実態なし”の例も、大門議員追及 抜本的課税強化を、参院決算委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-26/2016042601_01_1.html
■課税逃れ対策強化を、タックスヘイブン問題 大門氏要求、参院財金委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-29/2016042908_01_1.html
【2017年1/4追記】
 なお1月号の(上)でタックスヘイブンの実態の説明がされ、2月号の(下)で規制の必要性について指摘がされている。
 パナマ文書から、タックスヘイブンのメインは「米国、EU諸国、日本」であることがわかるが、最近の中国、ロシアの経済発展で、中国、ロシア企業の名前が散見される点が注目できる。

参考

パナマ文書(ウィキペ参照)
・ロシアのプーチン*5大統領は本人の名前ではないものの、3人の友人の名前は文書に登場した。また、中国の習近平*6共産党総書記の義兄、李鵬*7元首相の娘*8、キャメロン英国首相の亡父、マレーシアのナジブ・ラザク首相の息子、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ*9大統領の子ども達、カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領の孫、パキスタンのナワーズ・シャリーフ首相の子ども達、南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領の甥、モロッコムハンマド6世国王の秘書、メキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト*10大統領の支援者、韓国の盧泰愚元大統領の息子、コフィー・アナン国連事務総長の息子など、政治家の親族や友人の名前が文書に登場した。
アイスランド
パナマ文書公開によって、首相のシグムンドゥル・ダヴィード・グンラウグソンにタックス・ヘイブンを利用した資産隠し疑惑が浮上し、議会前で数千人が辞任を求めて抗議した。2016年4月5日、シグムンドゥルは辞任を表明。国民の間では既成政党に対する不満が高まり、新興政党海賊党が支持を伸ばした。
■英国
・キャメロン首相の亡き父親の名前が文書に挙がった。過去には、キャメロンが「租税回避地を使った脱税は許さない」と発言していたことから、言動不一致だと、キャメロンの人気は急落し、当時のロンドン市長ボリス・ジョンソン(現在、メイ内閣外相)率いる「EU離脱派」の勢いが強まったと言われる。
■ロシア
 プーチン大統領の友人の名前が文書に挙がった。ロシア当局は事前にパナマ文書の内容を察知していたと思われ、公開の1週間前には大統領報道官ドミトリー・ペスコフが「新たなメディアのでっち上げが近く報道されるだろう」と発言していた。ペスコフは事件を「プーチンとロシアの安定性、そして次期選挙を混乱させるのが今回の事件の主な目的だ」と述べた。2016年4月14日、プーチンはテレビを通じた国民との直接対話で、パナマのオフショア口座にある数十億ドルの資産に関与している可能性を否定し、アメリカの「挑発」だと断じた。


特集「国民生活の実態と変革の条件」
■座談会「日本の勤労者の貧困を考える」(藤田宏、唐鎌直義*11、小越洋之助*12
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■主張「貧困と格差拡大:「アベノミクス」加速は危険だ」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-30/2016063001_05_1.html
■働く貧困 3年連続1100万人超、第2次安倍政権発足後に増加
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-30/2016093003_01_1.html
■格差と貧困 中間層の疲弊どう克服、経済民主主義の改革を提案、激動の時代に 27回党大会決議案から
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-05/2016120503_01_0.html


■「国民の「生活崩壊」の進行:家計調査からみえてくるもの」(金澤誠一*13
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介などで代替。

赤旗
■実収入から税など除いた可処分所得 30年前水準、収入は伸び悩み 社会保険料高く
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-21/2016022101_03_1.html
アベノミクスで食品価格上昇 所得は減少、エンゲル係数が上昇
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-06/2016040601_07_1.html
■家計赤字深刻です 10年で1.8倍、高齢者年金世帯 貯蓄も底つく、自公政権の給付減と税・社会保険料増で
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-11/2016061101_04_1.html
■伸び悩む個人消費アベノミクスの破たん示す
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-16/2016081604_02_1.html
毎日新聞『家計調査、消費支出、2.7%減 2年連続マイナス 15年』
http://mainichi.jp/articles/20160217/ddm/008/020/105000c


■「社会保障構造改革20年の展開過程とその結末」(日野秀逸*14
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■安倍政権が狙う 社会保障 これが改悪メニューだ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-08/2016070804_08_1.html
■主張「医療・介護の改悪案:削減ありきで暮らしを壊すな」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-04/2016110401_05_1.html


■「検証・東京電力福島原発事故から5年半」(薄木正治
(内容紹介)
 東京電力を巡る現状についての批判。

参考
赤旗
■主張『東京電力「改革」案:経営最優先で安全は後回しか』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-27/2016102701_05_1.html
原発優遇 再稼働後押し、福島第1原発事故費 新電力にも負担、経産省有識者委が「案」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-10/2016121015_01_1.html
■福島第1廃炉・賠償などに21.5兆円、国民負担で東電・原発延命、経産省試算
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-10/2016121001_07_1.html
■主張『原発事故処理費用:なし崩し国民負担増は許せぬ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-11/2016121102_01_1.html

*1:著書『金融恐慌を読み解く』(2009年、新日本出版社)、『現代資本主義とマルクス経済学』(編著、2013年、新日本出版社)、『マルクス経済学と金融化論』(2015年、新日本出版社)など

*2:ルラ政権鉱山エネルギー大臣、官房長官を経て大統領

*3:もちろんそれをルラやルセフが解決できなかったことは批判されてしかるべきだが。特に1)は失政に過ぎないが、2)の汚職は明らかな不正である。

*4:ただし経済危機は違法行為ではないので弾劾理由にならないし、ペトロブラス疑惑も「ルセフも怪しい」とはいえ弾劾に持ち込めるだけの証拠がないと野党は判断したのだろう。

*5:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*6:福州市党委員会初期、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席を経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:電力工業大臣、国家教育委員会主任、首相、全人代委員長など歴任

*8:習氏や李氏の件について勿論、「経済」にも指摘があります。一部の反共主義者(例:産経や阿部治平)は「共産党や左派は中国批判しない」とデマ飛ばしてますがそんな事はないわけです。ただ、まあこれは中国に限りませんけど「その国の国民」ならまだしも「パナマ文書疑惑で習近平プーチンでもマレーシアのラザクでも誰でもいいですが)は辞めろ」と「日本人=外国国民」が主張するのは相当に問題があるわけです。

*9:1993年から10年間アゼルバイジャン大統領を務めたヘイダル・アリエフの長男であり、病気で引退したヘイダルの後継者に指名されて2003年から大統領。

*10:メキシコ州知事を経て大統領

*11:著書『日本の高齢者は本当にゆたかか』(2001年、萌文社)、『脱貧困の社会保障』(2012年、旬報社)など

*12:著書『終身雇用と年功賃金の転換』(2006年、ミネルヴァ書房)など

*13:著書『「現代の貧困」とナショナル・ミニマム』(編著、2009年、高菅出版)、『最低生計費調査とナショナルミニマム』(2012年、本の泉社)など

*14:著書『新版・医療構造改革と地域医療』(2008年、自治体研究社)、『地域から健康をつくる:医療生協という挑戦』(2009年、新日本出版社)、『民主党の医療政策は私たちのいのちを守れるか?:「事業仕分け」に見る民主党の医療政策!』(2010年、自治体研究社)、『憲法を生かす社会保障へ』(2013年、新日本出版社)、『自分らしく生きるために憲法社会保障を学ぼう』(2015年、ARSVITA新書)など