「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(9/1分:高英起の巻)ほか北朝鮮最新ニュース(追記・訂正あり)

■世界の善意を「核の悪意」で踏みにじる金正恩
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170928-00076264/
 別に北朝鮮を礼賛、擁護する動機もないのですがどのあたりが「世界の善意」なんでしょうか。
 北朝鮮もバカではありません。「北朝鮮に対し善意が示された」と思えば「第18富士山丸乗組員解放(金丸*1訪朝)」「拉致被害者帰国(小泉*2訪朝)」「身柄拘束された米国人解放(クリントンやカーターの訪朝)」と「善意で応じてきます」。
 米国が「北朝鮮イラクフセイン政権やアフガン・タリバン政権のように武力攻撃で転覆はしないよ」という善意(具体的には国交樹立や在韓米軍撤退、朝鮮戦争の正式終戦など)を示さないから「核保有」という悪意で応じ、それに対し安保理が「制裁」という悪意で応じるから「さらに核開発やロケット発射という悪意」で応じるわけです。

 核実験、ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮に対する反発から世界各国が拠出を中止した。支援事業は資金不足に陥っており、各機関は予算不足を訴えている。それでも、アイルランドは8月に農業分野の支援に600万ドル(約6億7300万円)を拠出することを決めた。

 「北朝鮮に限らず」核開発と人道支援は全く関係ないのできちんと拠出して欲しいもんです。アイルランドの600万ドル提供はひとまず評価したいと思います。
 まあそれはともかく、北朝鮮側も人道支援と核開発については「それはそれ、これはこれ」という理解なのでしょう。「ある意味」間違ってはないのですがどうにも悩ましいところがありますね。

 筆者は北朝鮮に対する人道支援の道を探るべきだと考える。もちろん、慎重にタイミングや手段を選び、そして本当に必要な人々に支援物資が届いているのかを徹底してモニタリングすることは必要だ。

 高の場合「人道支援することで北朝鮮政権への反発が助長され政権崩壊が近づく」云々と言い出すから困り者*3ですが、それでも人道支援を「たとえ口先だけでも」支持することは評価できるでしょう。


■ダイヤモンド・オンライン『北朝鮮瀬戸際外交が心理学で見れば合理的な理由』
http://diamond.jp/articles/-/143621

 まず彼らは水爆などの、「リーサルウエポン」を開発する。それをうまく使えば、核の飛び交う第3次世界大戦を引き起こすことができる。そうなると世界は滅亡だ。滅亡に至らなくとも、現在の大国は相当なダメージを受ける。
 当然ながら、どの国もそれは望んでいない。したがって、「北朝鮮に手を出すと、あいつら世界滅亡の引き金を引きかねない」という状況をつくることが北朝鮮にとって合理的選択になる。
 そのためにはわざと「何するかわからない」「いつ暴発するかもしれない」という印象を作る必要がある。「あいつらは狂犬だ」という印象を与えることが、実は狙いだ。
(中略)
 したがって、北朝鮮が時には中国やロシアにまで挑発的なメッセージを送るのは、自分たちの国は亡びるなら、世界も一緒に亡びる、という状況を作るための、実は冷静に考えた末の戦略なのではないかと思っている。
 以上の分析が正しいかどうかは、筆者も自信があるわけではない。的外れである可能性もあるだろう。だが、たとえこの分析が間違っていたとしても、「北朝鮮金正恩が感情に任せて支配しているだけ」という見方をするのは危険だろう。
 北朝鮮の生き残りを、世界で一番真剣に考えているのは北朝鮮自身だからだ。一見、非合理的に見える彼らの行動の背景を合理的に分析する「姿勢」はいつでも大切にすべきと筆者は考えている。

 全く同感なので紹介しました。


■プレジデント・オンライン『産経新聞北朝鮮との"核戦争"を望むのか』
http://president.jp/articles/-/23183

 トランプ氏の武力行使を肯定し、それを世界で認め合い、他国も武力行使を行うべきだ、という主張である。産経社説は「目には目を」という発想でしか北朝鮮を封じ込められないと信じているように読める。産経新聞論説委員たちは、武力行使エスカレートし、核戦争に発展する危険性をどう考えているのか。
 論説委員全員が武力行使を肯定するわけではないだろうが、武力行使に反対する論説委員が少ないのだろう。残念で悲しいことである。

 全く同感ですね。左派とは言いがたいプレジデントですら産経の極右ぶりにはドンビキの訳です。


NHK北朝鮮外務省幹部がモスクワ入り 事態打開へ意見交換か』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170926/k10011157471000.html
 NHKが書くように北朝鮮も外交解決を望んでるわけです。


■トランプ氏と金正恩氏はこうして「望まない戦争」に突き進む
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170927-00076231/
 もちろん「戦争なんてあり得ない」と傍観していいわけではなく各国政府は平和的解決のために色々動くべきでしょうが、まあ戦争の可能性は低い。理由は簡単で双方にとってデメリットが大きすぎるからです。

 李氏の言う「宣戦布告」とは、トランプ米大統領が23日に北朝鮮について「彼らの先は長くない」などとツイッターに投稿したことを指す。

 ただ米国側(ホワイトハウス報道官など)は「宣戦布告などしてない」と反論しています。
 まあ北朝鮮も本気で「宣戦布告だ」とは思ってないでしょう。何せ大統領発言とは言え相手はトランプで、場所はツイッターですから。
 北朝鮮としてはトランプのツイッターを放置して事態がまずくなっても困るから「アレは宣戦布告と違うのか!」と抗議し、米国から「あんなん宣戦布告と違います」という反論が来るのを待っていただけでしょう。
 まあ

 李氏の国連演説の数時間前、米空軍はB−1B戦略爆撃機を護衛の戦闘機とともに北朝鮮の東方沖合の国際空域に展開させた。国防総省によると、米軍の戦闘機・爆撃機としては今世紀に入り最も北の位置まで飛行したという。

なんてのを見ると「アメリカは大丈夫なのか」「牽制のつもりでも度が過ぎるんじゃないか」「本当に戦争を回避したいのか?」と思いますが。

 ロイターが米ランド研究所の専門家の見方として伝えたところでは、北朝鮮の能力では米軍の爆撃機をミサイルあるいは戦闘機で撃墜するのは難しく、撃墜を試して失敗した場合、自らの弱さが露呈することになるため、「そのようなリスクを取る可能性は低い」と見られるという。

という予想が外れないという保証はないと思いますが。あまりにもリスキー過ぎる行為でしょう。
 北朝鮮が「軍事技術的に困難だから」撃墜しないのか、はたまた「撃墜できるけど事態の悪化を恐れて自重した」のかはわかりませんが、まあ、何事もなくて良かった。

 確実に言えるのは、米軍が爆撃機による示威行為を止めれば、北朝鮮がトランプ氏を臆病者呼ばわりするであろうということだ。

 どうなんですかねえ。むしろ「交渉する気があるなら応じる」という好意的発言もあり得ると思いますが。どっちにしろチンピラの喧嘩じゃないんだから「北朝鮮の罵倒がむかつく」とかそういうレベルで話はできないわけです。
 「北朝鮮がワシら罵倒したいなら勝手にやればええ、そんな事より外交的解決が大事」の方が大人の態度でいいんじゃないか。


毎日新聞『UAゼンセン、拉致被害者救出求め、署名活動 /長崎』
https://mainichi.jp/articles/20170925/ddl/k42/040/170000c

 北朝鮮による日本人拉致被害者の救出を求める署名活動が24日、長崎市中心部であった。労働組合「UAゼンセン県支部」(石井健次支部長)が主催。組合員の呼びかけに応じて買い物客たちが足を止め、署名に協力していた。
 UAゼンセンは組合員と組合員の家族の計2人が拉致被害者とみられている*4ことから、2010年以降、全国で署名を集め政府に提出している。
(中略)
 石井支部長は「日本政府は北朝鮮の核実験やミサイル発射に対して対話ではなく圧力をかけようとしているが、反発を招くだけで拉致交渉は前進しない」と批判。

 石井支部長の発言が「正論だと思うが、旧民社・同盟系列労組役員としては意外な発言」と思うので紹介しました。


沖縄タイムスコラム・大弦小弦『朝鮮に拉致された後、蓮池薫さんが暮らしていた「招待所」』(阿部岳*5
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/147081

 北朝鮮に拉致された後、蓮池薫さん*6が暮らしていた「招待所」。米国と緊張が激化した1994年、周囲の塀がどんどん高くなっていったという。兄の透さん*7が対談本「拉致と日本人」(岩波書店)で明かしている
▼「拉致被害者はもともと『いてはならない存在』。隠すためなのか」。勝手に拉致しておいて、邪魔になったら殺害すら想定される独裁政権下。
 薫さん本人は語らないが、その恐怖は計り知れない。
(中略)
▼「拉致問題が最優先」と言い続ける安倍晋三首相はこの時期に衆院解散を決めた。一時家族会の中心にいて接した透さんは、首相が問題を政治利用してきただけ、と冷めた見方を示す。
▼対談相手の在日3世、辛淑玉さん*8はもっと辛辣(しんらつ)だ。
ナショナリズムを高揚させる手段として、危機を煽(あお)る道具として(中略)解決は遠ければ遠いほどいいのだろう」
▼在日の人々も勝手に「帝国臣民」にされたあげく、敗戦後は外国人として放り出された。蓮池さん兄弟と辛さんが肌で知る「国家の非情さ、国家のご都合主義」という本質は、北朝鮮でも日本でも変わらない。

 まあ同感ですね。


■産経【衆院解散】被害者救出へ「具体的、積極的な議論を」 家族反応
http://www.sankei.com/world/news/170925/wor1709250049-n1.html
 小泉訪朝以降の衆院選においてそんな議論は1度もされたことがないので今回もないでしょう。そもそもそんな議論をしても票になりませんしね。


■「女性と子供」まで盾にする金正恩体制のハレンチな正体
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170926-00076181/

「今後、遠からずわが共和国に加えられた反人倫的で野蛮的な制裁によって、国の平和的な経済発展と人民の生活向上において被った被害、無辜の女性と子ども、老人を含む全てのわが人民が受けた被害を計算する日が必ず来るであろう」
 わかりやすく言えば、「経済制裁で女性や子供、老人などの弱者が犠牲になったらお前らのせいだ」という意味である。
 まったく、「どの口が言っているのか」と言うしかない身勝手な言い分である。

 いやいやこうした発言をした北朝鮮の思惑や、「制裁がなくても経済失政で厳しい状況になるのではないか」などということに関係なく「制裁で弱者が犠牲になってないかどうか」は重要な問題ですよね。
 北朝鮮が指摘しなくても考えるべき問題です。なぜなら制裁は少なくとも建前では「弱者を犠牲にすること」を正当化していないからです。

 今のところ、北朝鮮に対する圧力手段は経済制裁しかないから、それを止めるわけにいかないのは理解できる。しかし、その取り組みと並行して北朝鮮民主化を考えることなしには、核の脅威を取り除く本質的な方法は見つからないだろう。

 ツッコミどころの多い文章です。先ず第一に何も北朝鮮への対応方法は「圧力や制裁」だけではない。高は支持しないでしょうが「制裁解除と交渉」もあるわけです。
 第二に「カダフィの核廃棄」「民主国家米国、英国、フランスの核保有」でわかるように「核廃棄と民主化は関係ない」。
 第三に「民主化云々」という高ですが現実的な案は何一つ出てきません。正直、北朝鮮民主化については現実的には「ミャンマー的な漸進的民主化」しかないでしょう。


■「世界は弱肉強食のジャングルと化す」金正恩氏が隠し持つアブナイ世界観
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170925-00076159/

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は23日、国連安全保障理事会北朝鮮核兵器開発に対して制裁措置を加えるのは「二重基準ダブルスタンダード)の極みである」と非難する論評を配信した。
(中略)
これを読んで、「北朝鮮の言い分にも一理ある」と感じる人もいるかもしれない。

 ええ感じますね。イスラエルパキスタン、インドは核開発しても何ら制裁されないわけですから。

 北朝鮮はNPTからの脱退を宣言する前から、隠れて核開発を行っており、それがバレた後で脱退を宣言したのだ。やはり核武装を強行したインド、パキスタンイスラエルは最初からNPTに参加しておらず、この点で北朝鮮の立場は異なる。

 「最初から入ってないからイスラエルその他は問題ない。北朝鮮と扱いが違ってもダブスタじゃない」つうのは主張として無理があるでしょうねえ。少なくともNPT脱退した後の北朝鮮の核開発について「道義的非難」をするのならともかく「法的非難」はできないでしょう。国連が安保理制裁することが法的、政治的に適切かは浅井基文氏が言うように疑問です。

 「なんだかんだ言っても、核兵器を持った者が勝ち」であるという金王朝三代――特には金正恩党委員長の世界観こそが核武装の原動力になっているのではないか。

 まあ「核武装した者が勝ち」つうより「国際社会なんて理想オンリーじゃない」「我が国の核開発への欧米の批判なんか、欧米の国益判断でしかない」つう冷めた認識はしてるでしょうねえ。イスラエルパキスタン、インドは核開発しても何ら制裁されないわけですから。

「国際舞台で二重基準を適用して自分らの世界制覇野望を実現しようとする米国の策動がそのまま容認されるなら、国際関係においては正義と真理が抹殺され、世界は必ず弱肉強食のジャングルと化す」
 これは世界に対する警告として述べられたものだが、核兵器という究極の暴力手段で現行秩序を破壊しようとしている金正恩氏は、むしろこうした世界の到来を望んでいるようにも見える。

 いやいや「弱肉強食のジャングル」なんか北朝鮮は望んでないでしょう。そうなったら不利なのは小国の北朝鮮です。


■産経『金正恩氏「斬首作戦」は1回限り 失敗すれば北朝鮮は反撃に その時は日本も対象だ』元陸上幕僚長・火箱芳文
http://www.sankei.com/world/news/170925/wor1709250001-n1.html

 北朝鮮核武装を放棄させるには、体制の内部崩壊か、米国による武力での打倒しかない*9

 産経らしいあほさです。ここから「だから核廃棄はあきらめてこれ以上の核開発をさせないようにする」「戦争なんてリスキー過ぎてできないし、体制の内部崩壊なんて外部からできることじゃないから」ならわかります。そうじゃないんだから産経は正気じゃありません。しかしこれが元陸上幕僚長ですか。元航空幕僚長の田母神といい「自衛隊は大丈夫なのか」と不安になります。

仮に米軍が圧倒的な軍事作戦を行う場合、ロシアと中国への影響を考慮して、両国から「承諾」「最低限の黙認」を取り付けておく必要があるが、黙認しないだろう。

 当たり前でしょう。安保理制裁ですら米国案を「厳し過ぎる」と反対する両国が軍事攻撃に賛成するわけもない。そういう情況で軍事攻撃など非現実的です。

 金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長を狙う「斬首作戦」の場合、彼のリアルタイムな情報が必須で、確実に「正恩氏の死」を確認しなければならない。チャンスは1回だけだ。失敗すれば、北朝鮮は周辺国に反撃してくる危険性がある。日本も対象だ。

 誰が考えても「正恩君暗殺を確実にやる」なんて現実的ではない。反撃してきた場合の被害もどれだけでるかわからない。普通なら「暗殺なんてできない」となるでしょうがそうならないのだから産経は気が狂っています。

 日本は核を含む「抑止力の保持」を早急に検討し、北朝鮮のミサイル発射を思いとどまらせなければならない。

 おいおいですね。日本の核保有なんて周辺諸国の了解は得られないでしょう。
 そもそも「米国が核を保有していても」ああいう行為をやるのだから日本が仮に核保有しても状況は変わらないでしょう。
 大体「北朝鮮が核を持ってるから不安だ、俺も核を持ちたい」というのは「北朝鮮」を「米国」に書き換えれば北朝鮮主張とイコールなんですが。


■AFP『北朝鮮先制攻撃、3分の2が反対=トランプ氏より軍を信頼−米世論調査
http://www.afpbb.com/articles/-/3144088?cx_position=1
 制裁賛成派が多いことには賛同できませんが、「先制攻撃反対」が多いことは評価できます。
 「選挙で選ばれた政治家トランプ」よりも「そうでない軍人」が評価されてることには複雑な思いがあります。


朝日新聞『トランプ氏、イランのミサイル実験批判「北朝鮮と協力」』
http://www.asahi.com/articles/ASK9S32NYK9SUHBI005.html
 ぶっちゃけ「協力発言」に根拠はないでしょう。こういう事を言えば言うほどアメリカ外交はボロボロになっていくでしょう。


■産経『麻生太郎*10の「武装難民来たら射殺するのか」発言に左派*11団体や識者*12ら猛反発』 
http://www.sankei.com/politics/news/170924/plt1709240017-n1.html

 ツイッターで麻生氏を非難する(ボーガス注:声が?)相次いだ。
 元外交官で城西国際大大学院講師の孫崎亨氏*13は「麻生氏の狂い様、常軌を逸する。世界のどこに難民を射殺する国があるか。(中略)」と朝日新聞の記事を引用し、批判。
 コラムニストの小田嶋隆氏は「これまでの何度かの失言とはレベルが違う。軽率さだとか、サービス過剰の結果だとか、考えの浅さだとか、見通しの甘さだとか、反省の軽さだとか、そういう問題ではない。根本的にあり得ない。全方向的にまったく弁護の余地がない。まるで救いがない」と投稿した。
 作家の中沢けい氏は「さんざん、Jアラートで騒いだくせに、麻生副総裁は難民対策で『警察か防衛出動か射殺か』と発言なんて言語道断。難民対策を全く考えてこなかった証拠。今日は新宿ではヘイトスピーチデモがあったこの状況で、まったく治安維持についての見識を欠いた発言。政治家の自覚欠如」と同様に麻生氏を非難。
 SEALDsを前身とする「未来のための公共」も公式ツイッターで「ヨーロッパは難民をどう受け入れるか試行錯誤してきたのに、安倍政権はまず射殺するか考えるそうです。麻生副総理『警察か防衛出動か射殺か』 北朝鮮難民対策(朝日新聞デジタル)」と表明。

 「日本のドナルド・トランプ」麻生と「麻生を擁護しようとする産経」には改めてあきれかえります(しかも解散直前にこの暴言)。こうした麻生のアホ発言が「日頃の麻生のあほさ」から「トランプ並みに」国際的に相手にされてないことはせめてもの幸いでしょうか。
 この麻生のアホ発言については以下の批判ツイートも紹介しておきます。

小田嶋隆
・リプを読んでいると、次の首都圏大震災で本当に(ボーガス注:関東大震災時の朝鮮人虐殺のような)虐殺が起こる気がしてくる。千キロも離れた国から海を渡ってやってくる難民が、武装して日本人を襲撃することを主張する人間がこれだけ存在する以上、地震の混乱に乗じて日本人狩りを画策する外国人を先んじて殺そうとする連中だっているはずだ。
・「難民の到来を想定したシミュレーションが必要だ」というところまではアリなのだとしても、現職の副総理が公の場で「武装難民を射殺」みたいな、架空の想定に基づいた物騒な未来図を具体的に言葉にして語るのは、いくらなんでもまずかろうよということを申し上げています。
・「もし相手が○○してきたら、こっちはこう対応する」という「If〜then」の形式で語られるお話は、最初のIf文がトンデモだとただの暴言になる。「もしお前がうちの息子の耳を引きちぎったら、オレはお前の娘の鼻を削ぐぞ」とか、そういう話を友人間でやりとりする必要がどこにある?
・「武装難民」なんていう扇情的なワーディングに脊髄反射して「武装難民なんだから射殺しないとこっちが射殺されるだろ」てなことを言ってる人たちは、てはじめに屏風の中から武装した難民を出してから話をすると良いんじゃないかな。
・「犯罪の低年齢化からして保育園への武装園児の大量来園もあり得るわけで、場合によっては制圧監禁射殺などの対応も……」
「保育園児を射殺?」
「だから武装園児って言ってるだろ? 文脈読めないのか?」(ボーガス注:勿論、小田嶋氏の皮肉)

■舩田クラーセンさやか‏*14
朝日新聞も、「武装難民」などという存在しない用語を垂れ流さず、麻生さんの意図的な造語なのが分かるよう、そして一般読者が誤解せぬよう、「」つきで報じて下さい。そして、そんな用語が存在しないことを専門家やUNHCRに確認し、コメント載せる程度の作業はしてください。新聞なのだから。

■Shoko Egawa‏*15
・難民は適切に保護できるよう態勢を強化する、万が一難民の中に武装した工作員が紛れ込む可能性に備えて、検査は必ず行い、武器になるようなものは取り上げる、拒否した場合は銃刀法などの法令に従って対処するから心配しないように、というなら分かるよ。「射殺」など出てくる話じゃない。

想田和弘*16
・「ナチスの手口に学べ」「ヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメ」「難民は警察か防衛出動か射殺か」。本気でこの人ネオナチなんじゃないかと思えてきた。
・逃れてきた難民に対する対応として「警察か防衛出動か射殺か」などと発言した麻生副首相の発言は、関東大震災朝鮮人虐殺が起きた頃から日本社会は変わっていないのだということを痛感させる。
・「武装難民だから射殺を考えるのは当たり前だろ」的なリプがたくさん来ている。RTした小田嶋さんのツイートが既に的確に答えているが、そもそも「武装難民」という言葉自体が麻生さんかネトウヨの捏造でしょう。シリアから無数の難民が海を渡っているが「武装難民」なんて事例、聞いたことない。
・「武装難民」という言葉を捏造したこと自体が大問題です。難民は戦乱から命からがら逃げてくるから難民と呼ばれる。「武装」と「難民」を恣意的に合体させることは、「難民は襲って来る」という実態のない架空のイメージを作り上げて一人歩きさせる行為であり、デマを流通させるのと変わらない。
・「武装した難民も中にはいるだろ」という理屈で「武装難民」という言葉を捏造してよいなら、「武装サラリーマン」だの「武装主婦」だのといった言葉も捏造してよいことになる。問題は、後二者は一笑に付されるが、前者については知識が欠如しているので一人歩きし、デマとして機能しかねないこと


■「戦争になるならいつ死んでも同じ」北朝鮮国民から投げやりな声
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170923-00076073/
 まあどう見ても高のウソでしょうね。戦争は未だ起こってないし、多分起こらないでしょう。
 いかに生活が苦しくても人間は自分がカワイイですからそこまで自暴自棄にはなれないでしょう。つうかそこまで自暴自棄ならそれこそ脱北なり、「蜂起や暴動」なり、自殺なり何らかのアクションが大規模に発生してるでしょう。  


■トランプ氏「完全に破壊」発言は北朝鮮国民にどんな影響を与えているか
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170922-00076034/

 北朝鮮に核開発を止めさせるには、この国の民主化が必要だということだ。

 何度も書いてますが
1)独裁者であるリビアカダフィが核を放棄したこと
2)一応民主国家である米英仏、インド、パキスタンイスラエルが核保有していること
でわかるように核問題と民主化は関係ありません。
 「カダフィが核廃棄したような気持ち(核廃棄した方が利益だ)」になれば金正恩君も核を廃棄するでしょう。
 もちろん「民主化が何よりも大事だ、民主化なき核廃棄など無意味だ」と考えるのは自由ですが「核廃棄と民主化が関係してる」というのははっきりいってウソです。

 北朝鮮国民を「完全に破壊」するなどと脅しあげるような行為を続けていたら、北朝鮮国民から無用な反感を呼び起こし、金正恩体制に勢いを与えてしまう可能性もある。

 何度も書いてますが「斬首作戦支持を公言した奴がよく言うぜ」ですね。まあ、高は「斬首作戦で死ぬのは金正恩だけだから北朝鮮国民とは敵対関係にない」と強弁するんでしょうが実際の斬首作戦がそれですむわけもないでしょう。
 結局「米国が軍事攻撃などしないこと」を前提に散々吹いてた高も「トランプだとマジでやりかねないこと」に怯え始めてると言う事なのでしょう。常日頃「北朝鮮打倒論を唱えてる高の立場」ならむしろトランプ発言を喜んでしかるべきですが。

米国の大統領は、民主主義の伝道師である限りにおいて、強硬な発言も許されるものと筆者は考える。それが出来ない人物があの地位にいるのは、まさに百害あって一利なしなのだ。

おいおいですね。「民主主義の伝道」を口実に戦争をすることなど何処の国でアレ許されることではないでしょう。


■いま永田町で出回る「12月以降、米国が北朝鮮を攻撃」とのウワサ
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170921-00075981/
 「だから政権交代したら大変なことになるぞ」という与党サイドからの脅し、というのが高の見方であり「与党はデマを流すな」と与党批判する高です。
 高の言うようなことを自公がやっているのなら高のような批判はまったく当然です。
 そもそも本当に「12月以降、攻撃がある」のなら、それこそ「12月の有事に対してどうするかを論じるべき」であって解散してる場合ではないでしょう。
 また、高が言うように米国から攻撃したら自暴自棄になった北朝鮮が韓国や日本にミサイルをぶち込む可能性もあるし、逆に「米国の不当な侵略を許さない」として中国やロシアが介入し「代理戦争の舞台」になる危険性もあります。「米国からの攻撃」など認めるべきではない。

 そもそも、本当に戦争が起きたら自民党が選挙で負けることはまずない。ほぼ無風の信任投票で長期安定政権となるはずだ。

 何でそういう理屈になるのかさっぱりわかりません。
 戦争のもたらす悲劇(朝鮮半島での内戦や難民の発生、それによる景気への悪影響など)に対して安倍がまともに対処できなければそれこそ「すさまじい逆風選挙」になるでしょう。北朝鮮が遠く離れた外国でない以上日本がダメージゼロということはないでしょう(なお幸いなことに戦後日本で戦争の惨禍が及ぶような政治情勢になったことは今のところありません)。
 高は「安倍総理ならまともに対応できる」と思ってるんでしょうか。それとも「戦争は短期で終わる」と思ってるのか。まあ正直、短期で終わる保証も、安部が的確に対応できる保証もないでしょう。

 2015年8月、朝鮮半島の南北が対峙する軍事境界線北朝鮮の地雷が韓国軍兵士の身体の一部を吹き飛ばし、軍事的緊張がエスカレートした際には、本当にヤバい空気が漂った。

 いやいやその時だって「やばい空気」などないでしょう。米中露日、南北朝鮮、どの国にとっても戦争などノーサンキューだからです。


■「われわれの最終目標は米国と…」金正恩氏が遂に「ホンネ」を吐露か
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170920-00075909/

今のところ、北朝鮮はトランプ氏の発言に反応していない。

 まあトランプの場合、「前任者オバマ」と違って、どう見ても計算してないですからねえ。俺の理解では「後でティラーソン国務長官辺りが訂正するだろうからスルーしておく」つう態度は何も北朝鮮だけではありません。

最近の金正恩氏の言葉をつぶさに見ていると、今の緊張状態をどこかで収めたいという本音が見え隠れする。

 そりゃそうでしょう。つうか米国側も国務省なんかはどうみても「収束」を目指してますが。

 「われわれの最終目標は米国と実際の力のバランスを取って米国執権者の口からむやみにわが国家に対する軍事的選択だの、何のというたわごとが出ないようにすることだ」(16日付労働新聞より)
 金正恩氏自らが「最終目標」として「米国と力のバランスを取る」と明言したのだ。

 こんなん前から分かってることで驚く事じゃありません。北朝鮮は何も米国を攻撃したいわけではない。
 「北朝鮮の言うバランス」が何を意味するかは不明ですが。もちろん「米国が北朝鮮攻撃を躊躇するようにする」と言う意味であって「米国と対等の軍事力」なんてことはありませんが、北朝鮮が「どのレベルならバランスが取れたと判断するのか」はよくわかりません。昔は「ICBM開発まではしないんじゃないか」と思われたんですけどね。


■日本政府はすでに「金正恩体制の変更」に踏み込んでいる
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170918-00075866/
 いやいやさすがにそんなモンには踏み込んでないでしょう。
 安保理決議賛成にせよ、日本独自制裁にせよ、「是非はともかく」それは高が主張する「金正恩体制の変更」なんてもんを目的にしていません。
 前者は核ミサイル開発廃棄ですし、後者は拉致の解決、です。高はそういうことにして「だから躊躇せず金正恩体制打倒を公言しろ」とでも言いたいのでしょうが。

 拉致問題を最終的に解決するためには、いずれ北朝鮮の体制変更に踏み込まなければならない時が来る。

 「拉致の解決」に話を限定するならばそんな事をする必要は何処にもありません。


■あまりに愚かな韓国の「核武装論」…金正恩氏の思うつぼ
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170917-00075789/

独自核開発は、韓国経済の破滅を招きかねず

 まあサード問題での中国の「経済制裁的態度」など比較にならない制裁的態度が来るでしょうからねえ(ただし高が言う「愚か」とはそう言う意味ではありませんが)。

 これでは、北朝鮮国民と韓国国民の関係が、本物の「敵対関係」に陥ってしまう。

 「斬首作戦支持を公言した奴がよく言うぜ」ですね。まあ、高は「斬首作戦で死ぬのは金正恩だけだから北朝鮮国民とは敵対関係にない」と強弁するんでしょうが実際の斬首作戦がそれですむわけもないでしょう。

 核武装を実現できるほどの政治的な努力と予算を投じれば、北朝鮮民主化に向けて大きく動かすことだって可能なはずだ。

 「はあ?」ですね。韓国に核武装して欲しいわけでは勿論全くありませんが「核武装にかかる予算と政治的労力」と「北朝鮮民主化にかかる予算と政治的労力」なら明らかに前者の方が負担は軽いでしょう。
 核武装の内容にも寄りますが、極端な話「核ミサイル1発」で安く抑えることだって可能なわけです。
 一方、北朝鮮民主化*17なんて「核武装」と違い何をどうやれば可能なのか答えがない代物です。
 「これだけカネをかければ核ミサイルが一つできます」と言う話とは全く違う。
 政治的労力にしたって核武装の場合は極端な話「核武装という既成事実をつくってから周辺諸国に飲んでもらう」つう話でしかない。一方民主化は「韓国の考える民主化計画について周辺国(米日中露)の了解と協力を得る」つう話です。政治的労力は明らかに大きい。


■「戦争が始まるかも…」北朝鮮で恐怖と混乱が広がる
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170914-00075715/
 高の発言なので話半分に聞いておきます。

 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、8月下旬のある日、清津(チョンジン)市内にある数十のガソリンスタンドが、一斉に営業を中止した。

 で、これが「戦争の恐怖になってる」という高ですが「生活苦への恐怖」ならともかく戦争の恐怖なんか感じますかね。
 米国も戦争なんかしたくないから制裁を強めるわけです。一方、北朝鮮も「外交による制裁解除」や「制裁の抜け穴探し」ならともかく、戦争なんかしないでしょう。


金正恩氏の核実験が強いる「被ばく労働」の恐怖
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170907-00075454/

核実験場ではないが、北朝鮮のウラン鉱山で働く労働者の平均寿命はその他の地域に比べ著しく短いとも言われている。

 こういう高の物言いは「なんだかなあ」と思いますね。何も被ばく労働が起こってるのは北朝鮮のウラン鉱山だけじゃない。他の国のウラン鉱山だって同じ話です。
 正直そう言う意味では「被ばく問題」つうのは北朝鮮批判としてはかなり筋が悪い。
 つうのはこの件では北朝鮮以外の国も核兵器原発を社会システムとして運用する国は「日本も含めて」ほとんど有罪だからです。結局被ばく問題を持ち出すなら、北朝鮮以外も批判した上で
1)被ばく労働をなくせ、というか
2)そもそも核兵器原発を前提とした社会がおかしい、被ばく労働だけではなく「核兵器原発の廃棄」に世界中の国が乗り出すべきだ(というか核兵器原発がある社会で被ばく労働だけなくすことは無理ではないのか)
というしかない。それがフェアな態度でしょうが高はフェアではない「ただのアンチ北朝鮮」なのでそう言う事は言いません。


■ダイヤモンドオンライン『呑気にJアラート批判の日本人は日米開戦前夜にそっくりだ』窪田順生
http://diamond.jp/articles/-/140441
 櫻井よしこのウヨ記事を掲載するダイヤモンドだけのことはあるあほ記事です。

「日本を通り過ぎた後に鳴っても意味がない」「宇宙空間まで飛んでいくようなものに、いちいち反応するな」

 どちらも正論ですね。
 「日本を通り過ぎた後に鳴っても意味がない」でしょう。何の意味があるのか。
 そして「宇宙空間を飛んでるもの」なら日本人に被害はないし、したがって撃ち落とす必要もない。つうか宇宙空間を飛んでるものは遠すぎて撃ち落とせないらしい。

「物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る」という呼びかけに対しても、「ミサイル防衛で地面に伏せろと真顔で告知する国などない」「竹槍でB29を落とせという戦前のノリ」など厳しい意見が寄せられている。

 本当にミサイルの爆風が来たらそんなもんで身が守れるわけがないでしょう。「何もしないよりまし」程度の効果しかない。

北朝鮮がミサイルを飛ばすなんていつものことだ。本当に戦争になって困るのは金正恩の方なんだから、日本に着弾などするわけがない」

 これまたその通りです。北朝鮮側によほど常識がないと仮定しない限り向こうから戦争を起こす選択肢はまずありません。

 楽観主義こそが「戦争」の引き金となるからだ。
 その代表的なケースが、日米開戦のきっかけとなった真珠湾攻撃である。なぜあのような奇襲を山本五十六*18が仕掛けたのかというと、開戦直後に主力艦隊を撃破してしまえば、アメリカ海軍とアメリカ国民の士気は喪失され、日本に有利な形で講和に持ち込めるはずだという「甘い読み」があったからと言われる。

 おいおいです。今の北朝鮮が戦前日本並みの低能だという気なのか?。そんなに北朝鮮は馬鹿じゃないでしょう。
 そもそも注意しないといけないのは戦前日本が「ドイツと同盟を結んでおり」、当時のドイツはフランスを降伏させ、破竹の勢いだったという点です。一時はドイツ軍の英国上陸すら危惧されていた。
 窪田某の紹介する戦前のメディア記事にも

「欧州大戦は独伊の勝利で大體目鼻がつき、また日本が非常に手際よく新東亜の建設を完成致しますと、世界は日本、アメリカ、ドイツ、イタリー、ソヴィエットに分かれるやうな結果になると思ひます」

なんて文章が出てきます。
 日本は「ドイツの快進撃がある以上、米国は英国支援をせざるを得ず米国は日本、ドイツの二正面作戦になる、それは米国にとって苦しい」つう読みをしてたからこそ対米開戦したわけです。
 しかしむしろ二正面作戦で自滅したのは英国相手の戦争に片が付いてないのに英国とソ連両方をなめていたのか、独ソ不可侵条約があるにもかかわらずソ連相手にまで戦争を始め、ソ連英米側にしてしまったドイツでしたが。なお、既に日本の対米開戦時、独ソは戦争に突入していましたが、その点は日本は「ドイツと共にソ連を叩き打倒」or「日本が独ソを講和させる」(どちらか有利かつ現実的な方を選択)という都合のいい想定がされていました。
 その意味ではドイツが第二次大戦で当初から英仏に惨敗してれば日本も対米開戦には踏み切れなかったでしょう。
 では今の北朝鮮に「戦前日本にとってのナチスドイツに当たる国」はあるのか。「朝鮮戦争当時のスターリンソ連毛沢東中国」はともかく今はもちろんないわけです。中国との間に軍事同盟はありますが、中国は北朝鮮のために米国と戦争する気はないでしょう。少なくとも北朝鮮から開戦する戦争でそんなことをする気はない。
 また「太平洋戦争当時の日本」は「ミッドウェー海戦以後はほとんど負け戦」とはいえ初戦は戦果を上げてるし、米国が日本に勝利するまで4年程度かかったわけです。つまり日本とはそれなりの軍事強国であった。しかし今の北朝鮮に米国相手にそこまでの長期戦ができるかといったらできはしないでしょう。戦前日本と北朝鮮ではその軍事力が全然違う。核兵器やミサイルを除けば、つまり通常兵器では北朝鮮はあまり強くはないし、だからこそ核やミサイル開発に乗り出すわけです。

「個人」の意思が尊重される国だから、多くの「個人」が戦死のリスクに晒される大規模な戦争は避けるに違いない。

 「米国とはそういう国だ」という、この考え自体は「太平洋戦争当時」も「ベトナム戦争当時も」、そして今も正しいでしょう。だから米国は北朝鮮相手に自分から戦争なんかできない。そんなことして多くの個人(米兵)が死んだらたとえ北朝鮮に勝利しても「無意味な戦争で死者を出した」と批判されて政権が崩壊するでしょう。
 戦前日本が愚かだったのはこうした考えが「日本から戦争を仕掛けた場合でも該当する」とわけのわからないことを考えていた点です。
 もちろん「米国は個人主義だから、多くの「個人」が戦死のリスクに晒される大規模な戦争は避ける傾向がある」つうのは正しいんですが、いくらそういう国でも真珠湾攻撃なんかしかけられてそれでも「日本との戦争は避けます」なんてなるわけがないでしょう。
 そして今の北朝鮮は戦前日本ほど愚かではないでしょう。そんなに彼らが愚かならとっくの昔に朝鮮半島で「第二次朝鮮戦争」とでも呼べるような大規模な戦争が始まっていたでしょう。
 大体太平洋戦争の時代は軍艦で日本まで来ないといけないのでかなり米国の負担も大きかったわけですが今やいざとなったらミサイルで攻撃です。負担もだいぶ小さい。そういう状況で北朝鮮がむやみやたらに挑発してくるわけもない。

専門家・インテリの予測ほどアテにならないものはない

 対米開戦したら負けるという予測もあったので「専門家・インテリの予測ほどアテにならないものはない」なんてことはありません。単に「まともなインテリ、専門家なら正しい予測ができるが、ダメな専門家、インテリならダメな予測になる」つうだけの話です。

アメリカには(ボーガス注:戦前日本相手に)戦争をするメリットがない」

 もちろんメリットはありません。アメリカはしたくて戦争したんじゃない。日本が真珠湾攻撃して反日感情が沸騰したから戦争を始めたわけです。日本が真珠湾攻撃などしなければ米国の態度はせいぜい「対日制裁強化」「蒋介石政権支援」にとどまったでしょう。
 例のハルノートだって別に日本を挑発したわけではない。あくまでも米国としては交渉のたたき台でしょう。
 つうかあれが挑発なら、米国の北朝鮮への核廃棄要求も挑発になりますがそのあたりウヨ連中はどう考えてるんでしょうか。


NHK能登北朝鮮イカ漁船の違法操業大幅減 取締り強化で』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170831/k10011120661000.html

 石川県能登半島沖の日本の排他的経済水域北朝鮮イカ漁船が違法な操業を繰り返していたことから、海上保安庁が取締りを強化したところ、今月中旬以降ほとんど確認されなくなったことがわかりました。

 まあイカ釣り漁船も通常の民間船舶で海保の船(自衛隊ほどではないとはいえそれなりの武装はあります)とガチンコでバトルできるような船ではないのでしょうが、それはともかく。本当に救う会連中が言うように北朝鮮が無鉄砲で非常識で野蛮なら海保の取り締まりで撤退するどころか、漁船の代わりに軍艦出して海保の船めがけて軍事攻撃でも仕掛けてるでしょう(まあそうなったら自衛隊在日米軍の艦船が対抗で出てくるなどエスカレートの危険性があるわけですが)。もちろん北朝鮮にはそれなりの常識があるし、だからこそ例えば小泉訪朝が成り立つわけです。


金正恩氏が「越えてはならない一線」をなかなか越えない理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170905-00075361/
 そりゃ本当に越えたら戦争になってしまうし戦争になったら、国力的に北朝鮮はとても勝利することはできません。高に説明されるまでもなく常識で分かる話です。
 まあ、「一線を越えたら」とんでもない事になるのでとても越えられない、つうのは米韓の方だって同じですが。「戦争になれば米韓が勝てる」とはいえ勝つ過程で、北朝鮮の反撃でどれほどの人的、物的被害が出るか分からないわけです。


■戦争訓練中に「焼肉パーティー」…北朝鮮国民のユルい現実
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170831-00075145/

 日本では、北朝鮮からミサイルが飛来する事態に備えて、避難訓練が全国の11ヶ所で行われた。野原に身を伏せたり、土管に隠れたりして真面目に訓練に取り組む人々の画像は、海外メディアを通じて世界中に配信された。
 ただ、実効性に首をかしげる人も少なくない。熊本県上天草市では24日に訓練が行われたが、翌日付の西日本新聞は「戦時中の竹槍訓練のようでばかげている」という市民の反応を伝えている。
(中略)
 韓国メディアのアジア経済によると、23日の午後2時から20分間、全国で一斉に民防衛(防空)訓練が行われ、空襲警報が街に鳴り響いた。これが鳴ると車は停止しなければならないことになっているのだが、交通警官に制止されるまで止まる車はなかった。また、歩行者に対しては地下道に避難するよう呼びかけられたが、無視して歩きつづける人が多かった。

 まあ、そりゃそうでしょう。「ばかげてる」と思う方が普通だと思います。
 なお,こういう時「馬鹿げてるから参加しない」という態度をとる韓国民の方が「陰で文句は言っても参加はする*19日本人より、政府から自立している」といえるでしょうし、だからこその「ろうそく革命」なのでしょう。

参考

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/353464/
西日本新聞『「戦時中の竹やり訓練のよう」実効性に疑問の声も ミサイル想定避難訓練
 米国と北朝鮮の軍事的緊張が高まる中、熊本県上天草市で24日行われた弾道ミサイル発射を想定した避難訓練。発射から10分足らずで日本上空に到達する緊急事態に有効な対応策は−。訓練の実効性に首をかしげる住民も少なくなかった。
 「ミサイルが発射されたもようです」。
 同市の松島総合運動公園に防災行政無線が響くと、屋外にいた住民らが木陰に身を伏せた。グラウンドゴルフ中だった永野美喜子さん(70)は近くの公衆トイレに逃げ込んだ。
「屋内に入った後、放送の音声がよく聞こえなかった。改善してほしい」
 国は、ミサイル発射時の避難行動として頑丈な建物や地下に避難することなどを求めている。ただ、勤務先の建物内に避難をした男性は「近くに落下したら建物内でもどうしようもないだろう。核弾頭だったら被害は甚大だ…」。
 訓練に参加しなかった人からは冷ややかな声も。60代男性は「戦時中の竹やり訓練のようでばかげている。地下壕(ごう)を造るのならまだしも、何にもならない」。70代男性は「外交交渉などもっと違った努力をすべきだ」と話した。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)などを歴任

*2:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*3:人道支援は「政権崩壊」が目的ではないしそう言う事を公言すれば北朝鮮人道支援を拒否する危険すらあります。

*4:例の「特定失踪者」でしょう

*5:著書『ルポ沖縄 国家の暴力:現場記者が見た「高江165日」の真実』(2017年、朝日新聞出版)

*6:著書『蓮池流韓国語入門』(2008年、文春新書)、『半島へ、ふたたび』(2011年、新潮文庫)、『拉致と決断』(2015年、新潮文庫)など

*7:著書『13歳からの拉致問題』(2013年、かもがわ出版)、『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社)など

*8:のりこえねっと共同代表。著書『愛と憎しみの韓国語』(2002年、文春新書)、『怒りの方法』(2004年、岩波新書)、『悪あがきのすすめ』(2007年、岩波新書)など

*9:俺個人は「カダフィの核廃棄」があるので「実現は困難」とはいえ交渉での廃棄の可能性は十部なると思いますが。ただその場合は「カダフィの場合同様」、体制保障する必要があるでしょう。まあカダフィの場合「最初からカダフィをだますつもりではなかったにせよ」核廃棄の数年後、欧米の支援する反体制派がカダフィを打倒したことによって結果的に「体制保障」は反故にされましたが。

*10:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二次、第三次安倍内閣副総理・財務相

*11:わざわざ左派とつけてる辺り「左派以外は批判してない(そんなことはないでしょう)」と印象操作したいようです。まあそもそも産経が批判団体としてあげてる「未来のための公共」は「護憲派ではあっても」左派ではないと思いますが。

*12:識者に「左派」と付けてないのは明らかに左派とは言いがたい人間がいるからでしょう。

*13:著書『日米同盟の正体』(2009年、講談社現代新書)、『日本の国境問題:尖閣竹島北方領土』(2011年、ちくま新書)、『不愉快な現実:中国の大国化、米国の戦略転換』(2012年、講談社現代新書)、『これから世界はどうなるか:米国衰退と日本』(2013年、ちくま新書) など

*14:著書『モザンビーク解放闘争史』(2007年、御茶の水書房

*15:著書『私たちも不登校だった』(2001年、文春新書)、『勇気ってなんだろう』(2009年、岩波ジュニア新書)、『名張毒ブドウ酒殺人事件:六人目の犠牲者』(2011年、岩波現代文庫)など

*16:著書『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(2011年、講談社現代新書)、『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(2013年、岩波ブックレット)‏など

*17:高の言う民主化とはまさか北朝鮮への軍事侵攻ではないでしょう。

*18:第一航空戦隊司令官、海軍航空本部長、海軍次官連合艦隊司令長官など歴任。前線視察の際、ブーゲンビル島上空で戦死(いわゆる海軍甲事件)。

*19:追記:もちろんコメ欄でご指摘があるように日本では一部の自治体しか訓練しておらず、その一部の自治体も「全員強制参加」の訓練まではしていませんが(建前は任意だし、その建前である以上、町内会、PTAなどコネで自治体の影響力が発揮できる場所以外には参加要求はしづらいでしょう)。