今日の産経ニュース(2/8分)(追記・修正あり)

■【額賀派クーデター】「地位に恋々としない」 自民・額賀福志郎氏が会長退任の意向を示す 3月の派閥パーティーで正式表明へ
http://www.sankei.com/politics/news/180208/plt1802080040-n1.html
 当初は突っぱねられると思ったが、派内が「額賀おろし」の方向に固まったが故に、「名誉会長としての処遇を受け入れ」渋々辞めると言うことのようです。


■【名護市長選】菅義偉官房長官「選挙は結果がすべて」結果を疑問視する東京新聞・望月衣塑子*1記者に反論
http://www.sankei.com/politics/news/180208/plt1802080019-n1.html
 記事タイトルと記事本文がずれてるあたり産経らしいですね。望月記者は「基地問題では政府に批判的な意見が多いので選挙結果を政府の基地対応が支持されたと見なすのは適切ではない。支持されたのは自民系候補がぶち上げた景気対策など別の面ではないのか」としたのであって選挙結果そのものは別に疑問視はしてない。
 「選挙結果に対する自民党の解釈」を疑問視してるだけです。
 それにしても菅も「翁長氏の知事当選」「衆院選野党共闘候補当選」は無視するくせによくもまあ「選挙は結果が全て」なんていえたもんです。


■【政界徒然草】自民・岸田文雄政調会長の逡巡の背景に宏池会と総裁選の「負の歴史」あり
http://www.sankei.com/premium/news/180208/prm1802080008-n1.html

 かつて「宏池会のプリンス」と呼ばれた加藤紘一*2元幹事長(1939〜2016年)は無投票再選を狙った小渕恵三*3元首相(1937〜2000年)に対し、知名度アップを目的に「お試し出馬」し、小渕氏を激怒させ、冷遇された。それが翌年の「加藤の乱」につながり、加藤氏の政治生命は絶たれた。

 いろいろと事実関係が間違ってますね。「加藤の乱」が起こったのは森*4政権時代だから小渕氏との関係は関係ないでしょう。森政権の支持率低迷に自民党の危機を感じると共に、自分にとってのチャンスと感じたから加藤氏は動いたわけです。比較的支持率が高かった小渕政権が続いていたら彼は動かなかったでしょう。
 「加藤の乱失敗」によって派閥が分裂し彼の政治力は弱くなったものの、彼の政治生命が絶たれた直接の原因は「金庫番秘書の金銭疑惑」であって「加藤の乱失敗」ではありません。
 また加藤の乱に協力した山崎拓*5は、その後セックススキャンダルの発覚で立場を弱くしますが、それまでは小泉*6総理によって自民党幹事長に登用されています(こうなった理由としては加藤氏と違い派閥分裂を回避したことが大きいですが)。

 宏池会は昭和32年に池田勇人*7(1899〜1965年)が設立して以降、池田氏大平正芳*8(1910〜80年)、鈴木善幸*9(1911〜2004年)に宮沢喜一*10(1919〜2007年)と4人の首相を輩出した。

という名門派閥が今の惨状です(ただし鈴木内閣は短命に終わっていますが)。そもそも総裁になった谷垣氏*11が安倍に取って代わられるような醜態をさらさなければこんなことにもならなかったんですけどね。

 昨年、創立60年を迎えた名門派閥だが、総裁選では何度も苦い経験を味わい、「政策に明るいが政争に暗い」と評されるようになったほどだ。

 まあ宏池会についていえば、谷垣氏の醜態以外では河野*12総裁が橋本*13政調会長に取って代わられたことがありますね。ただ橋本氏の場合、「田中角栄*14」「竹下登*15」という首相を輩出した「それなりの名門派閥」出身で、ご本人もそれなりの能力と経験の持ち主ですからねえ。安倍とは大分違う。

「戦うときには勝たなければならない」と“呪文”のように繰り返す。

 まあ、石破*16石原伸晃*17に対する態度で解るように安倍は気にくわない人間は平気で役職から外して干しますからねえ。「それでもかまわない」つう覚悟が岸田氏になければ「出馬に躊躇」にもなるでしょう。しかも彼は安倍批判どころか「外相」として安倍を支えてきた人間ですしねえ。
 出馬しようにも安倍との差別化が困難でしょう。結果「禅譲でもいいか」「安倍の失脚が決まってからでいいか」などと消極的になりやすい。まあ性格的にもそういう人間なんでしょうが。


■【世界を読む】象牙を日本で調達し密輸…中国、国内取引禁止の煽り、日本が国際批判の的に
http://www.sankei.com/west/news/180206/wst1802060001-n1.html
 「輸出先は中国」といったところで「輸出元は日本」何だから日本が批判されるのは当たり前です。本来なら「どうやって象牙の不法取引をなくすか」という話をすべきでしょうに「輸出先は中国なのに何で日本がたたかれるのか」というぼやきしかしないいつもの産経です。

*1:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)

*2:中曽根内閣防衛庁長官、宮澤内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)を歴任

*3:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相

*4:中曽根内閣文相、宮澤内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*5:宇野内閣防衛庁長官、宮澤内閣建設相、自民党政調会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁(小泉総裁時代)など歴任

*6:宮澤内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*7:吉田、石橋、岸内閣蔵相、岸内閣通産相などを経て首相

*8:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*9:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(大平総裁時代)などを経て首相

*10:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相

*11:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*12:中曽根内閣科学技術庁長官、宮澤内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*13:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*14:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*15:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*16:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*17:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任