今日の産経ニュース(3/17分)(追記・修正あり)

■【昭和天皇の87年】突然のソ連侵攻に狼狽する軍部 そのとき、天皇が敢然と動いた
http://www.sankei.com/premium/news/180317/prm1803170016-n4.html
 狼狽したのは天皇以下政府全体であって、軍部だけが狼狽したわけではないでしょう。
 何せ日本政府はソ連の参戦を予想できず、ソ連を仲介役とした和平交渉を夢想していました。
 まあ、こうした状況でも天皇制維持、皇室存続どころか退位すらせず、保身に成功した昭和天皇は「ある意味有能」でしょうが、そうした有能性は国民にとってはある意味どうでもいい話です。

 昭和天皇の指示を受けた木戸*1は、すぐさま首相の鈴木貫太郎*2に面会、「聖旨を伝へ、此の際速やかにポツダム宣言を利用して戦争を終結に導くの必要を力説」したと、『木戸幸一日記』に書かれている。

 「降伏自体はソ連参戦以前から既定路線」でした。ドイツ、イタリアが降伏した時点で独力で日本が連合国(米英仏)に勝てるわけがない。
 ソ連参戦で変わったのは「国体(天皇制)護持が条件になくても降伏する」という部分だけです。「国体護持」は降伏後の政治交渉で解決する方向に変わったわけです。


■【産経抄】3月17日
http://www.sankei.com/column/news/180317/clm1803170003-n1.html

 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる一部野党やマスコミの追及手法は、集団リンチの様相であり、人権侵害ではないか。
安倍晋三首相と昭恵夫人に対し、ツイッターでこんな決めつけを投稿した野党議員*3らがいた。
「明確なのは安倍夫妻の軽率な言動で、財務省近財局の職員が自殺までしたこと」「国会に出てきて証人喚問を受けなさい!それがせめてもの、犠牲になった方へのの(ママ)『お悔み』でしょうが!!」。
(中略)
 自死した人を政治利用し、臆測を確定事実であるかのように粉飾し、特定の人物をヒステリックに攻撃する。現代社会で、堂々と魔女裁判が進行していることに戦慄する。

 やれやれですね。どう見ても財務官僚の自殺は安倍のせいでしょうに、よくもいったもんです。
 つうか「証人喚問であれ参考人招致であれ」なんでそんなに昭恵の国会招致に産経は反対するのか。「森友疑惑への関与を事実上認める」昭恵の失言(?)を恐れてる以外の何物でもないでしょう。国会招致拒否を昭恵や「夫の安倍」がするから疑われるわけです。
 大体「人間の死の不当な政治利用」つうなら産経の特攻美化の方がよほど、それに該当するでしょう。
 「特定の人物への不当な攻撃」つうなら例えば産経の

・朝日元記者・植村氏への誹謗中傷
・「バー通い」云々という前川元次官への誹謗中傷

などの方がよほどそれに該当するでしょう。


■【森友文書】「朝日も信用できるところはある。時々当たる」 麻生太郎*4財務相、改竄疑惑を報じた朝日新聞を見直した?
http://www.sankei.com/politics/news/180317/plt1803170006-n1.html

 麻生太郎副総理兼財務相は16日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却に絡む決裁文書改竄の疑惑を最初に報じた朝日新聞について「朝日も信用できるところはある。めったに読んだことのない新聞だからよく分からないが、時々当たることもあるのだと思う」と述べた。
 立憲民主党川田龍平*5の「今は(改竄に関与した)理財局長より朝日新聞を信用するか」との質問に答えた。
 麻生氏は9日の記者会見では、改竄問題について同種の質問を繰り返す朝日新聞記者にいらだち、「朝日新聞の取材能力のレベルが分かるな」と吐き捨てていた。
 川田氏が「理財局にだまされたと認めるのか」と質問すると、麻生氏は「状

*1:近衛内閣文相、厚生相、平沼内閣内務相、内大臣を歴任。戦後、A級戦犯として終身刑判決を受けるが1955年に仮釈放。

*2:海軍次官連合艦隊司令長官、海軍軍令部長侍従長、枢密院議長などを経て首相

*3:具体的名前が出せないところがお粗末です。たぶん「産経の引用が虚偽的」か「陣笠議員に過ぎない」かどっちかでしょう。

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*5:結いの党選挙対策委員長、維新の党国会議員団総務会長など歴任。著書『誰も書かなかった国会議員の話』(2009年、PHP新書)、『医療格差』(2011年、角川SSC新書)、『この国は何故被害者を守らないのか」(2013年、PHP新書)など