■「アルマーニ制服」問題で文科省 選定時の競争、各校に促す 「公取委の報告書*1参考に」
http://www.sankei.com/life/news/180321/lif1803210033-n1.html
文科省としてはやはり暗にアルマーニ制服にダメ出ししてるんでしょうか。こういうときこそ「そんなバカなことは辞めろ」と文科省直々に中央区教委や泰明小学校を指導したらいいんじゃないですかねえ。
こういうことについて例の「前川講演に因縁つけた自民議員(赤池誠章*2)」も「アルマーニ制服とはどういうことか話を聞きたい」「非常識とは思わないのか」「アルマーニと癒着してるのか」と区教委や学校に言えば良かったんじゃないか(半分マジ、半分皮肉です)。
アルマーニ監修のデザイン採用が発覚した際、高額すぎるといった批判が続出。中央区教委などには「公立校でアルマーニはおかしい」「買えない子はどうするのか」などの意見が数百件寄せられ、児童が見知らぬ人から服をつままれるなどの嫌がらせもあった。
この小学校の新しい標準服は今春入学予定の新1年生が対象で、上下の服にシャツ、帽子などを含めると、負担は8万円を超える場合もある。
ぶっちゃけ公立校でアルマーニ制服ってのは非常識でしょう。俺だってアルマーニ背広なんか持ってませんし。良くそんなことを考えるもんだと呆れます。そんなことより別のこと(修学旅行費でも図書の購入費でも何でもいいですが)に金を使ったらどうなのか。
参考
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-02-12/2018021201_06_0.html
■赤旗『きょうの潮流』
今日は何を食べようか、どうしたら学校の教科書を安く手に入れられるか、せめて日曜ぐらいは映画館に―。イタリアの小都市に生まれた少年の家族は日々の生活に頭を悩ませていました
▼少年の母親は布地を寄せ集め、手作りで子どもの服を。
「裕福な家の子の服にも見劣りしなかった。シンプルで控えめな、本質的なものを求めるぼくの好みも、子どもの頃のそんな経験から育まれているのかもしれない」
▼自伝のなかで振り返っているのは、世界的なファッションブランドの創立者、ジョルジオ・アルマーニ(『帝王の美学』*3)です。ぜいたくは許されず、実生活からかけ離れた“偽物”にたいする嫌悪はこの頃から感じていたと
▼明治時代から東京銀座にある公立の泰明(たいめい)小学校が、新年度からアルマーニの制服を採用したことが波紋をひろげています。一式8万円の価格はこれまでの2・5倍に。保護者からは苦情や困惑の声が上がっていますが、校長は「変えるつもりはない」
▼高級ブランドに決めた理由として、銀座にある学校らしさや「服育」をもちだした校長。その教育方針にも首をひねりますが、親に負担をかけ、子どもの間に格差をもちこむことに思いが至らないのか
▼(中略)「見せかけの真実は見たくない」。簡素で本質的なものを追求したジョルジオ・アルマーニの言葉です。
http://www.sankei.com/life/news/180301/lif1803010038-n1.html
■産経『アルマーニ問題、中央区教育長が区議会で反省の弁』
銀座にある東京都中央区立泰明小学校が実質的な制服に当たる標準服に、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」監修のデザイン採用を決め、高額すぎるなどといった批判が出ている問題で、区教育委員会の島田勝敏教育長は1日、区議会一般質問で「教育委員会として(同小に)適切に指導できず反省している」などと述べた。共産区議らの質問に答えた。
島田教育長は冒頭、同小学校に対する区教委の指導不足を謝罪したうえで「標準服の変更は価格も含めて学校長を中心に、保護者やPTA、地域の方々などが話し合いながら決められるべきものだと考える」と指摘した。
また、同小の和田利次校長が関係者から十分な理解を得られないまま、標準服の変更を進めて混乱を招いたことについては「教育委員会として真摯(しんし)に受け止め、引き続き厳しく指導する」と述べた。
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1401329.htm
■林芳正*4文部科学大臣記者会見録(平成30年2月9日)
記者)
公立小学校の制服で最大でおよそ8万円のアルマーニデザインのものが導入されるとして話題になっていますが、昨日も国会の方で答弁がありましたが、保護者の負担軽減などの観点から、大臣としてどのように受け止められているのかお願いします。
大臣)
昨日、国会でも議論になったところでございますが、制服の在り方については、まずはやはり各学校において、適切に判断をしていただくものと考えておりますが、その際、やはり保護者の負担が過重なものとならないよう留意をしていただくということが重要であるというふうに考えております。また、その保護者や関係者の皆さんとよく話をされて決めていただくということが望ましいと、こういうふうに考えております。
記者)
文科省としては、負担軽減の配慮を求めるという通知を出されているということですけれども、その観点からすると、今回のおよそ8万円というのは許容範囲のものなのかどうかについてお願いします。
大臣)
通知は既に、細かくいうと、要保護の関係についての通知は既に出されております。この記述を一般の方にも類推適用をすると、こういうことになろうかと思いますが、特定の金額を明示して通知は出しておりませんので、先ほど申し上げましたように過重な負担にならないように留意をしていただくということと、保護者や関係者の皆さんとよく話をされるということでございます。昨日、国会でやりとりをさせていただきましたように、もう少し実態の把握を工夫しながら、どういうことが更にできるのかということは、少し検討してみたいというふうに思っております。
https://www.tbsradio.jp/225965
■TBSラジオ・森本毅郎スタンバイ『金曜日恒例・サラリーマンの声:あなたはアルマーニを持っていますか?』
小学校の標準服に”アルマーニ”という問題が尾を引いてます。国会でも話題になりました。産経新聞によると、中央区教育委員会などに寄せられた意見が450件に上り、やはり批判が多かったようです。アルマーニと言えば、最高級ブランド。モード界の帝王と呼ばれ、ビジネスマンの憧れですよね。そこで「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月〜金、6:30-8:30)、7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、毎週金曜日は金曜日恒例サラリーマンの声!!
2月16日(金)は、レポーターの近堂かおりが、『あなたはアルマーニを持っていますか?』をテーマに街でお話を聞きました。
★アルマーニ持ってます!
●「時計は持ってる。もうだいぶ前、10年位前。あんまり良くなかった時計は。ちょっと失敗した、高いだけで。15万くらい。」
●「持ってます。マフラー(レポーター:このマフラー?)アルマーニ。ネクタイとかも、これグッチだし。(レポーター:やっぱりネクタイもブランドもの?)その方がピシッとなるんで、安いネクタイよりは。全然違いますね、縛りとか型崩れもしてこないし。仕事で取引先のお偉いさんとかと会うんでやっぱり良いものにしておかないと色々あるんで。」
●「持ってはいるけど、ジーンズとかシャツとか。ジーンズは良いよ。普通のジーンズはカタイじゃない、アルマーニのは柔らかいから肌にもしっくりくる。だからたまに買う。年だからね、あんまり安いモノばかり着るわけにはいかないじゃない。あんまり安っぽいモノを着ているとカッコ悪いかなって思って。」
やっぱり良いモノは良い!!時計を持っていたお父さんは失敗したと言ってましたけど、やっぱり、アルマーニは高いお金を出すだけあって質がいいんですね。
★アルマーニ??。持ってません!
一方でこんな声もありました。
●「持ってない。欲しいなとは思いますけど、やっぱり高いんでお小遣いではどうにもならない。」
●「アルマーニ?。知らない。何それ(レポーター:洋服のブランドです)。あーいらない、いらない、ブランド関係ない。興味ない。何?。憧れ?。ないよ。男はいいんだよ、中身。」
●「持ってないですね。名前は知ってますよ。やっぱり有名だから憧れなんでしょうね、普通の人は。僕はあんまり興味ないんで、ファッション。」
●「持ってません。そこまでは手が出ませんでした。一般市民はたぶん、なかなか手が出ないと思います。あれは外人の方が着るからカッコよく見えるんで日本人が着たらどうなのかなっていうのも感じています。」
●「持ってないですよ、庶民は、一般ピープルはね、アルマーニなんてのはとんでもないですよ。ないですよね、アルマーニなんてのは高嶺の花でとんでもないですよ。」
★そして、最後に、こんな声がありました。
●「バブルの頃ね。バブルの頃、酔っ払って買ったけどね。だから、酔っ払って、皆で買おうぜっていう話になって、じゃあ買いにいきましょうっていう感じだったね。スーツ、35万円*5くらい。(レポーター:すごい!)バブルやもん。(レポーター:現金ですか?。)現金。(レポーター:お財布に35万入ってた?)うん。4人くらいで買った。(レポーター:その一瞬で130万から150万の売り上げが店にあった?)バブルやったんですよ。それがバブル。」
アルマーニはバブルの象徴なんですね。酔った勢いでアルマーニのスーツをポーンと買っちゃうなんて!。しかも現金で!!。もう驚くばかり!!!。(ボーガス注:いわゆるバブル時代は)働けばお金が入ってきていたとおっしゃっていましたが、さすがに奥様には言えず、アルマーニのスーツは会社に置いていたそうです。会社で着替えて銀座に遊びに行ったとか。
http://www.news24.jp/articles/2018/03/19/07388394.html
■日本テレビ『“アルマーニ制服”複数新1年生が入学辞退』
高級ブランド「アルマーニ」がデザインした標準服を導入する東京・銀座の公立小学校の新1年生7人がこれまでに入学を辞退していたことが分かった。
東京の中央区立泰明小学校では、4月から「アルマーニ」デザインの標準服を導入するが、教育委員会によると4月に入学予定だった新1年生の保護者3人が「教育方針に同意できない」などの理由で入学を辞退したという。
また、私立小学校への入学や引っ越しなどの理由でほかにも4人が入学を辞退していて、現時点で入学予定者は54人だという。54人は全員「アルマーニ」の標準服の着用を決めているという。
https://mainichi.jp/sunday/articles/20180219/org/00m/040/002000d
■毎日新聞『「泰明小」大迷走の行方 銀座の公立伝統校 「8万円超」アルマーニ標準服をめぐる侃々諤々』
泰明小の卒業生で老舗飲食店経営者の男性は、驚いたようにこう語る。
「あまりにも高額ではないかと思います。数年後に私の娘も入学することになるのですが、再考する余地はないのでしょうか。小学生にアルマーニがふさわしいのかどうか……」
子どもの教育に詳しい園田学園女子大の上野恭裕*6教授は、こんな指摘をする。
「アルマーニでなければいけない理由がきちんと説明されていたのでしょうか。教育内容やカリキュラム、指導方針などを充実させ、その上で、機能性に優れた標準服を採用したい、それによって凜(りん)とした子どもの姿勢が強化される、などと保護者らが納得する説明がなされたのか、そこが問題です」
(中略)
そもそも、どういう経緯で、そして、なぜアルマーニに決まったのか。
2月9日に記者会見を行った同校の和田利次校長によると、標準服の値段は決して安くはないが、「本校保護者であれば、何とか出せる」金額だと思ったという。ほかにバーバリーやシャネルなどにも打診*7し、ほぼ和田校長の考えだけでアルマーニに決まった。最終的に、同区教委もそれを了承。しかし、経済的な負担や説明不足を指摘する声が相次ぐと、区教委は会見で、「学校や保護者で議論が尽くされていなかった、と言わざるを得ない」とし、同区の教育長も「校長への指導、監督が足りなかった」と反省の弁を述べた。
手続き上の問題や説明不足を認めながらも、だが、現状ではこの標準服を白紙に戻す考えはないとも言う。
「プロ教師の会」元代表の河上亮一氏*8は、こう指摘する。
「校長の見識を疑います。保護者や児童からすると非常に迷惑な話です。事前に保護者や職員はもちろん、教育委員会とも接触を重ね、圧倒的多数の賛成を得ていなければなりませんでした。基本的に公立学校は、金銭的負担がないはずですが、これは許容範囲を超えています」
(中略)
弁護士の猪野亨氏はこう批判する。
「近衛文麿*9が卒業した学校だから、銀座にあるから、何だというのでしょう。誰が卒業生であろうと、大した話ではありません。権威におもねりすぎです。和田校長は詭弁(きべん)を弄(ろう)しているようですが、高級ブランドの標準服を着ることが教育ですか、と問いたいです」
(中略)
〈義務教育は、これを無償とする〉
憲法26条にはこう規定されている。専門家によると、これは授業料の無償化を意味すると解釈されるが、それ以外の費用についても、裁量権を逸脱するようであれば違憲と解釈する、との判断ができるという。もし、標準服を着ることができない児童がいた場合、それは明らかな格差となってしまう。
別に有識者(?)の話を持ってくるまでもなく非常識でしょう。私立ならまだしも公立、しかも義務教育ですからね。
*1:「公取委の報告」は「教委と業者の癒着防止」が目的でしょうから、アルマーニ制服の話とは少しずれてると思います。泰明小校長や中央区教育長あたりがアルマーニから贈賄されてるなら話は別ですが。
*2:第二次、第三次安倍内閣文科大臣政務官。現在、自民党文科部会長
*4:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第2次、第3次安倍内閣農水相などを経て第4次安倍内閣文科相
*5:1着35万円なんて俺的にはとんでもないですね。絶対に買いません。
*6:著書『プロとしての保育者論』(2011年、保育出版社)など
*7:バーバリーとシャネルには断られたそうです。まあ話として非常識ですからね。良くアルマーニはこんな話を相手にしたと思います。バカじゃないのか。
*8:1966〜2004年の定年退職まで埼玉県川越市の市立中学教師。2000年に小渕政権の審議会「教育改革国民会議」委員もつとめた。2006年4月から日本教育大学院大学教授。2012年10月より埼玉県鶴ケ島市教育委員会教育長。1980年代の後半頃から著作の出版活動を始め、ワイドショーなどのマスメディアにも多数出演。著書『教育改革国民会議で何が論じられたか』(2000年、草思社)、『普通の子どもたちの崩壊:現役公立中学教師一年間の記録』(2001年、文春文庫)など(ウィキペ『河上亮一』参照)。