■読売新聞『内閣支持率45%、3か月ぶり「不支持」上回る』
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180617-OYT1T50084.html
読売新聞社が15〜17日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は45%(前回42%)とやや上昇した。不支持率は44%(同47%)。
30%台で止まって、なかなか下がらないので、危惧はしていたのですがげんなりです。諦めてはいけないわけですが、正直頭痛がしてきますね(数値の違いは無論ありますが読売以外の調査でも回復傾向のようです)。加計森友のような不正を黙認できる人間は俺には全く理解ができません。
これで「安倍のおかげで景気がいいです」とかならまだわかりますがそんなもんは何もないですからね。しかも先日は高プロだのカジノだので強行採決だし、「積極反対」はまだ少ないにせよ、「強行採決してでも高プロだのカジノだのを今国会で可決してほしい」なんて人間は世論調査では「少ないはず(慎重審議を求める)」なんですけどねえ。南北首脳会談、米朝首脳会談をてこに安倍が「小泉訪朝」のように日朝首脳会談をぶち上げたわけでもない*1し、あれらの会談は安倍の成果でもない。本当に意味がわかりません。
心の底から安倍万歳なんて極右ぐらいのもんではないかと思いますが、日本社会がそんなに極右化してるのなら次世代や維新がもっと伸びてもおかしくない(むしろ野党で伸びてるのは立民のわけです)。過去のロッキード、リクルート、あるいは安倍が第一次内閣を早期退陣に追い込まれた理由の一つ「事務所費疑惑」などと比べても深刻な疑惑なのにこれとは本当に意味がわかりません。
リクルートの時なんかは、リクルート議員があまりに不評だったために、リクルートの傷がない政治家として「宇野*2政権(女性スキャンダルですぐ退陣しましたが)」「海部*3政権(そこそこ続きました)」が誕生したわけですが、なんで今回そういう動きにならないのか。石破元幹事長、石原元幹事長なんか腰が少し引けてるとはいえ、干されてることもあってさすがに安倍批判してるのに。
何で「自民は支持するがさすがに安倍は酷い、石原か石破か岸田か誰かはともかくもはやすげ替えるしかない(自民支持層)」つう話にならないのか。
俺的には「加計森友の安倍などもはや論外」「あんな不正は黙認できない」ですね。もはや政策がどうこうとか、右翼だとかそういう「ある意味生やさしいレベル」ではない。犯罪者の政権のわけですから。
「ウォーターゲートのニクソン」「崔順実疑惑の朴クネ」などと全く変わらない。
仮に自民党政権支持でも、それは必ずしも安倍支持を意味しないはずなんですが。リクルート事件で「竹下*4首相、宮澤*5蔵相、安倍晋太郎*6幹事長らリクルート議員」が自民支持層にすら批判され謹慎を余儀なくされても、海部政権誕生で自民支持がそれなりに持ち直したように。
日本人が劣化してると言うことなのか。マスコミの批判がぬるいからなのか。
朴クネを葬り去った「韓国民のまともさ」が本当にうらやましい。ただのぼやきで恐縮ですが、あまりにも理解ができなくてついぼやいてしまう。これがまだ「バブル好況期の中曽根*7政権」とかなら、俺は「アンチ中曽根」なので賛同はしないものの、支持もまだわかるんですけどね。
【ここから産経です】
■森友問題「未決着」78% 佐川氏不起訴「納得できず」は69% 共同通信世論調査
https://www.sankei.com/west/news/180617/wst1806170055-n1.html
「決着+無回答+解らない=22%」「納得できる+無回答+解らない=31%」つうのはまるきり理解できませんが、本気でそう答えたか、あるいは産経並みの強弁かはともかく、こういうのが安倍支持率が2割台に低下するのを阻止する「3割前後の安倍自民支持層」なんですかね?。
まあ、それにしても、その種の安倍支持層を除けば「未決着」であり、「納得できない」わけです。当たり前ですけど。
とはいえこれで内閣支持率回復傾向とはわけがわかりません。
■野党は相変わらず「モリ・カケ」…有権者冷ややか 国民、社民の支持率は0.8%に
https://www.sankei.com/politics/news/180618/plt1806180030-n1.html
疑惑は何一つ明らかになっていないのだから追及するのは当然です。
そもそも
■森友問題「未決着」78% 佐川氏不起訴「納得できず」は69% 共同通信世論調査
https://www.sankei.com/west/news/180617/wst1806170055-n1.html
ですからねえ。森友・加計追及が国民に支持されてないかのような物言いは明らかにデマですし、「森友加計追及に明らかに後ろ向きな、『なんちゃって野党』の維新(自民の二軍)」が立民や共産より低い支持率であることは産経的にどう理解されるのか?。
なお、社民の支持率の低さは「ライバルとしての共産の存在」が、国民民主の支持率の低さも「ライバルとしての立民の存在」が大きいでしょう。加計森友がどうこういう話ではそもそもない。
まあ、もちろん産経もそんなことは解ってるでしょう。本当に「加計森友追及なんかどうでもいい」と思ってるならそもそもこんなこと言わない。
立憲民主党の風間直樹氏*8は参院決算委で、森友・加計問題には一切触れず、日本人拉致問題や日朝首脳会談など、北朝鮮問題に絞って質問した。風間氏は新潟選挙区選出であるだけに、県知事選の教訓をいち早く取り入れたとみられる。
馬鹿馬鹿しいし、完全なデマですね。何も立民の議員全てが森友・加計に触れる必要もない。
単に風間氏は質問せず、他の立民議員が質問しただけでしょう。これは立民だけでなく他の野党も同じでしょうが。
もちろん「加計森友追及は無意味」なんてことは県知事選の教訓ではないし*9、そもそも県知事選の票差は4万票程度なのだから産経が言う程楽勝だったわけでもない。
野党系の現職(当時)の不祥事(援助交際?)辞任が選挙の理由であること、新潟が自民党王国であることを考えれば、野党は相当の健闘の訳です。
■【iRONNA発】政治風刺 『笑点』の安倍ネタは笑えない 石平氏*10
https://www.sankei.com/premium/news/180617/prm1806170006-n1.html
やれやれですね。自称「中国民主活動家」として当初は売り出した石ですが、今やただの自民党応援団に落ちぶれ、「マスコミのジャーナリスティックな安倍批判」や「野党の国会でのモリカケ追及」どころか、笑点大喜利で安倍の加計森友疑惑がネタにされるレベル*11でつべこべ言い出すのだからそのバカさには心底呆れます。
まあ「昔はともかく*12今や」この男にはもはや「中国の民主化」なんてもんはどうでもよく、それをネタに日本ウヨ相手に商売したいだけでしょう。この点はたとえば石と野合した過去がある「自称民主活動家」劉燕子や黄文雄*13なんかもおそらくそうでしょう。
全く恥知らずなクズどもです。
正直、「中国の民主化をまともに考えてます」とか抜かす輩は石、劉、黄のような馬鹿者はきっちり批判せんとあかんでしょう。id:noharraこと八木孝三先生とか。
■【正論7月号】枝野幸男*14よ、改憲私案はどこへ行った? 「安倍政権下では反対」という言い訳 国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授 百地章*15
https://www.sankei.com/premium/news/180617/prm1806170003-n1.html
まあ本文読まなくてもタイトルだけで産経の目的は解ります。
1)「枝野は9条改憲派だ」と言うことで、「だから9条改憲に問題などないのだ」「安倍*16首相が9条改憲派で何が問題だ」と強弁
2)「枝野は9条改憲派だ」ということで共産党、社民党支持層、「立憲民主党支持層のうち9条護憲派」が立憲民主党支持や野党共闘支持から離れることを期待。
3)(これはほとんど期待してないと思いますが)「枝野は9条改憲派だ」ということで枝野氏ら立憲民主と自民との間で9条改憲について合意の成立を期待。
ただそうはいかないでしょう。既に過去の「枝野改憲試案」とやらをネタに「枝野は9条改憲派なのに共産や社民、9条護憲派市民団体と野合してる」ということは枝野氏が立憲民主党を結党してから産経がずっとやり続けてる非難です。それでも社民、共産や市民団体は野党共闘を続けてるし、立民の支持もまだ野党1位です(結党当初のご祝儀相場に比べ若干落ち気味ですが)。世論調査での護憲、改憲支持の割合もむしろ「安倍政権下では絶対にやりたくない」つう数が過半数を占めてる。
つまりは「枝野氏はもしかしたら改憲保守かもしれず、党利党略的な話で護憲派と共闘してるのかもしれないが、少なくとも安倍よりはマシだ。安倍政権下において公然と9条改憲を主張しない限り、あるいは前原*17や細野*18のように公然と野党共闘を破壊しない限り、まずは安倍政権打倒が優先だ」「枝野私案とやらは明確に撤回されていないし、また私案と今の護憲野党共闘との整合性などについても必ずしも明確な答えはないように思うがそれを現時点であげつらうのは安倍を利するだけで建設的じゃない。「立憲民主党を軸とした野党への政権交代の可能性が高まる」など、いずれはそのあたり詰めた話をするべき場合が来るだろうが今はそのときじゃない。」と多くの人間が考えてると言うことです。まあ、それでいいと思います。そういう考えで共産党や社民党、護憲派市民団体はあの前原が民進党代表になった時ですら「前原は改憲派だから共闘しない」なんて態度はとりませんでした。共闘は前原の方からぶっ壊したわけです。
そういう意味で言えば俺は自民党のポスト安倍も正直「誰でもいい」と思っています。まあ、有力候補者の中では「護憲」という意味では岸田*19政調会長がベストかと思いますが、別に「改憲派とされる」石破*20元幹事長や石原*21元幹事長でも安倍よりはマシでしょう。
なお、最後に枝野氏の改憲は9条に限った話であり、「天皇の元首化」「政教分離原則の緩和」などはないという意味でそれらがある安倍自民の改憲論の方が護憲派にとって一層危険だと言うことを指摘しておきます。
*1:「日朝会談をする気がある」レベルの発言では会談をぶち上げたとはとてもいえないでしょう。
*2:田中内閣防衛庁長官、自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相
*3:福田、中曽根内閣文相を経て首相
*4:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相
*5:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小淵、森内閣で蔵相
*6:三木内閣農林相、福田内閣官房長官、自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、幹事長(竹下総裁時代)など歴任
*7:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相、自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相
*9:というか百歩譲ってそれが仮に県知事選の教訓だとしても国政と地方政治は違うのだから、国会で加計森友疑惑を追及することに何の問題もないですが。
*10:『「日中友好」は日本を滅ぼす! 歴史が教える「脱・中国」の法則』(2005年、講談社プラスアルファ文庫)、『中国大虐殺史:なぜ中国人は人殺しが好きなのか』(2007年、ビジネス社)、『中国の崩壊が始まった!』(2008年、ワック文庫)、『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『中国のメディアが語る中国経済崩壊の現場』(2009年、海竜社)、『中国の経済専門家たちが語るほんとうに危ない!中国経済』(2010年、海竜社)、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(2013年、PHP新書)、『日中新冷戦構造』(2013年、イースト新書)、『中国崩壊カウントダウン』(2014年、宝島社)、『「全身病巣」国家・中国の死に方』(2014年、宝島SUGOI文庫)、『世界征服を夢見る嫌われ者国家 中国の狂気』(2014年、ビジネス社)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民』(2015年、講談社)、『なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか』(2015年、PHP新書)、『「死に体」中国の宿命』(2015年、宝島SUGOI文庫)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす:日中関係とプロパガンダ』(共著、2015年、産経新聞出版)、『これから始まる中国の本当の悪夢:習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱』(共著、2015年、徳間書店)、『狂気の沙汰の習近平体制 黒い報告書』(2016年、ビジネス社)、『日本・インドの戦略包囲網で憤死する中国』(共著、2016年、徳間書店)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』(2017年、SB新書)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか:「脱中華」の日本思想史』(2018年、PHP新書)、『なぜ中国は民主化したくてもできないのか』(2018年、KADOKAWA)、『中国が日本に仕掛ける最終戦争:習近平の帝政復活で』(共著、2018年、徳間書店)、『なぜ中国・韓国は近代化できないのか:自信のありすぎる中国、あるふりをする韓国』(共著、2018年、勉誠選書)、『なぜ中国は民主化したくてもできないのか』(2018年、KADOKAWA)、『結論! 朝鮮半島に関わってはいけない 東アジアと世界のトラブルメーカー』(2018年、飛鳥新社)、『すでに中国に侵略されている日本』(共著、2018年、宝島社)など非常識右翼著書多数
*11:まあ過大評価も禁物でしょうが今や笑点メンバーがそういうことしても、安倍の恫喝で「出演させるな」なんてことにはならない程度に、安倍の力も衰えてるわけです。だからこそ産経もこういうあほ記事を書くのでしょう。むしろ笑点のネタにされるぐらい「笑ってすませろよ」と思いますが、そう思えないほど精神的につらいのでしょう。
*12:「今の醜態を考えれば」、昔だって本当に石が中国民主活動家だったのか疑わしいですが
*13:『世界中に嫌われる国・中国 崩壊のシナリオ』(2012年、ワック文庫)、『本当に恐ろしいのは「反日日本人」だ:中国人と韓国人が作った「インチキ神話」に操られる日本人!』(2013年、ヒカルランド)、『中国・韓国が死んでも隠したい 本当は正しかった日本の戦争』(2014年、徳間書店)、『克中韓論:中国・韓国の「反日情報工作」に打ち克つ日本』(2015年、イーストプレス)、『世界はなぜ最後には中国・韓国に呆れ日本に憧れるのか』(2016年、徳間書店)、『地政学で読み解く没落の国・中国と韓国 繁栄の国・日本』(2017年、徳間書店)、『本気で日本侵略に動き出した中国:2020年に台湾侵攻、そして日本を分断支配』(2018年、徳間書店)、『儒教の本質と呪縛:社会をゆがめる根源』(2018年、勉誠選書)など非常識右翼著書多数
*14:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相、民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表
*15:日本会議常任理事・政策委員、「21世紀の憲法と日本」有識者懇談会(民間憲法臨調)事務局長、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」幹事長、国家基本問題研究所理事というプロ右翼活動家。著書『憲法と政教分離』(1991年、成文堂)、『政教分離とは何か』(1997年、成文堂選書)、『靖国と憲法』(2003年、成文堂選書)、『憲法の常識 常識の憲法』(2005年、文春新書)、『「人権擁護法」と言論の危機:表現の自由と自由社会を守れ!』(2008年、明成社)、『新版・外国人の参政権問題Q&A:地方参政権付与も憲法違反』(2009年、明成社)、『憲法と日本の再生』(2009年、成文堂選書)、『緊急事態条項Q&A:いのちと暮らしを守るために』(2016年、明成社)、『これだけは知っておきたい「憲法9条と自衛隊明記」Q&A:神学論争に今こそ終止符を!』(2018年、明成社)など
*16:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相
*17:鳩山内閣国交相、菅内閣外相、野田内閣国家戦略担当相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表など歴任
*18:野田内閣環境相、民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長(岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)、希望の党憲法調査会長など歴任
*19:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長
*20:小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任
*21:小泉内閣国交相、自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任