新刊紹介:「前衛」7月号

「前衛」7月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
特集『イラク戦争と「日報」隠蔽・公文書問題』
イラク戦争15年・もがき続ける中東と反省なき安倍政権:『歴史』にしてはならないこれだけの理由(小泉大介)
イラク南スーダン「日報」隠蔽で隠された戦場の真実(布施祐仁*1
■隠される公文書と日本の民主主義を考える(久保亨*2
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。久保論文は「加計森友がらみの指摘」もありますが、小泉論文、布施論文でわかるようにもっぱら南スーダンイラクの日報問題が触れられています。

赤旗
南スーダン陸自日報問題、安倍首相こそ大元凶
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-24/2017072402_01_1.html
■主張『日報が示す「戦場」:戦争法での活動さらに危険に』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-25/2018042501_05_1.html
イラク日報報告書の公表、疑問置き去り、隠ぺい否定結論ありき
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-24/2018052401_04_1.html
■主張『イラク日報報告書:これで幕引き到底許されない』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-05-26/2018052601_05_1.html


特集『検定中学校「道徳」教科書を読む』
日本教科書が持ち込む歴史認識と「修身」の手法(佐藤広美*3
■学校でもし日本教科書の道徳教科書をつかったら(平井美津子*4
日本教科書の危なさが突出し、全体が巧妙化する(渡辺雅之*5
(内容紹介)
 つくる会系列の日本教科書版『道徳教科書』が批判されています。
 なお、
■リテラ『道徳教科書検定ヘイト本、児童レイプマンガ出版の「晋遊舎」の教科書が合格! “アベ友”八木秀次仕掛人
http://lite-ra.com/2018/03/post-3909.html
によればこの日本教科書株式会社とはあの「マンガ嫌韓流」などで知られるウヨ出版社・晋遊舎の系列会社だそうです。
 前衛論文から、比較的わかりやすい、かつ批判にあまり異論もないであろう問題点を紹介しておきます。
【問題点1】
・八田与一の美化(中一向け教科書)、楫取道明らいわゆる六士先生の美化(中二向け教科書)など台湾植民地統治の美化
 道徳教科書において「日本の台湾植民地統治の協力者」である「八田や楫取」をわざわざ取り上げる必要があるのか。
 「社会に尽くした偉人の紹介」「日本人と外国人との交流の紹介」と強弁しているようだが、それならば

・黄熱病研究に取り組み現地で病没した医学者・野口英世
ユダヤ難民救済を実行した外交官・杉原千畝
・戦前、韓国独立運動家の弁護に従事し、2004年には韓国政府から勲章を授与された布施辰治弁護士
日中国交正常化を実現した田中角栄*6首相

など他にも事例はあり得る。どう見ても「台湾植民地統治の美化」であり、それは「台湾にとどまらない戦前日本の侵略や韓国植民地統治美化」、あるいは「日本李登輝友の会」的な「台湾との友好関係(中国敵視)」を子どもにたたき込もうとする邪悪な意図があると疑わざるを得ない。
【問題点2】
橋本左内吉田松陰の美化
 数々偉人がいる中でこの二人を取り上げたことはやはり「天皇万歳」などの右翼的な企みがあると疑わざるを得ない。
【問題点3】
 えせ科学ではないかとの指摘、批判があるいわゆる「奇跡のリンゴ」が取り上げられている。
【問題点4】
 安倍のいわゆる真珠湾スピーチを「国際協調の例」として紹介するのはあのスピーチに対し
人民日報
■不完全な「和解」 真珠湾訪問(ボーガス注:して)も(ボーガス注:中韓など、米国以外には)おわびしない安倍首相
http://j.people.com.cn/n3/2016/1226/c94474-9159370.html
■安倍首相の真珠湾「慰霊の旅」に批判の声
http://j.people.com.cn/n3/2016/1228/c94474-9160335.html
■安倍首相の真珠湾訪問 外交部「ショーより反省を」
http://j.people.com.cn/n3/2016/1229/c94474-9160741.html
赤旗
■談話『反省なき外交では、真の和解と友好を築くことはできない:安倍首相の真珠湾訪問について』(日本共産党幹部会委員長・志位和夫
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2016/12/post-732.html
侵略戦争への反省・謝罪なし 日米首脳が真珠湾を訪問・追悼:首相、同盟強化を強調
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-12-29/2016122901_01_1.html
日経新聞『中国「謝罪なし」と批判 首相の真珠湾演説』
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO11223010Z21C16A2EA2000/
などの批判意見(中韓政府、日本共産党など)が存在することを考えれば、あまりにも問題がありすぎる。
 そもそも「既に歴史上の人物と化したケース」ならまだしも、現役の政治家のスピーチを紹介すること自体、政治的中立の観点から問題ではないのか。文科省はこれが「福島瑞穂社民党副党首」「志位和夫共産党委員長」などのスピーチでも検定合格させたのか。

【追記】
紙屋研究所『渡辺雅之「日本教科書の危なさが突出し、全体が巧妙化する」ほか』
http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20180610/1528642907

 共産党の理論誌「前衛」2018年7月号は、中学校の道徳教科書の特集だった。夏には各自治体で採択がされる。
 3本の論文が載っていてどれも面白かった。
 (ボーガス注:つくる会系列の教科書会社)日本教科書(ボーガス注:株式会社)の道徳教科書を批判するという論点が3本とも共通している(ところで「日本教科書」って教科書会社名とはじめわからなくて、「学校でもし日本教科書の道徳教科書を使ったら」という論文タイトルが意味不明であった*7)。
扶桑社の流れをくむ育鵬社の道徳教材をふんだんに使っているのが「日本教科書」という会社で、3人の論者はいずれも警戒を呼びかけている。
 佐藤広美東京家政学院大学)の論文の中で興味を引いたのは、日本が戦前植民地支配をしていた台湾での物語、土木技師・八田與一の教材についてである。
 佐藤は、胎中千鶴の『植民地台湾を語るということ 八田與一の「物語」を読み解く』から次の部分を引用している。

 彼〔八田――引用者注〕を「真の国際人」として位置づけることよりも先に、まず、民族差別を嫌ったであろう八田が、それにもかかわらず植民地主義のシステムのなかで生きざるを得なかったこと自体にまなざしを向けるべきだ

 「植民地でいいことをやったんだから」というだけではすまない問題を端的にえぐっている。
(中略)
 最後の渡辺雅之(大東文化大学)。
 今回ぼくが一番興味を持ったのはこの論文だった。
 ここには、日本教科書や他の道徳教科書の問題点なども書いてあるんだけど、「道徳教育はどう進めればいいのか」がコンパクトに書かれている。「道徳教育なんて必要ない」と機械的に否定するのではなく、権力の側からでなく国民の立場でどう進めるべきかを示しているのだ。
 もちろん、「(権力の側ではなく国民の立場では)道徳教育はどう進めればいいのか」という論点は、前々から教職員組合運動やそこに近い学者からも長年提起されてきたものであるが、コンパクトに改めて示されていることが大事だと思った。

つうことで紙屋氏も前衛論文を取り上げてるので紹介しておきます。
 ちょっと紙屋氏のわかりやすく、要点をとらえた高尚(?)な文章に比べて「小生の駄文」が恥ずかしいですね。正直、小生が「渡辺雅之論文での道徳教育論」についてほとんど紹介せず「日本教科書道徳教科書批判」の紹介しかしてないのは「うまく説明できなかった」からつう要素が大きいですが、紙屋氏のブログ記事はそのあたりさすがにうまく手堅くまとめています。

 例えば「ルールを守りましょう」ということは一見すると否定しがたい徳目である。
 渡辺が紹介している有名な「星野くんの二塁打」という教材などはまさにそれだろう(バントをしろという監督の指示に対してそれに従うというルールを破って星野くんはヒットをしてしまう。試合は勝ったが、ルールを破ったことを咎められる)。この教材を教科書で読んで「ルールを守ろう」という徳目を教え込まれる、ということは、
1)「はいはい、ルールを守ればいいんでしょ」という空虚なタテマエを生徒に植え付ける。
2)ルールを絶対視するという態度を育んでしまう。
という2点において危惧がある。

 まあこの「星野君の二塁打」的な考え(監督の考えには従え)が最悪の形で現実化したのが「監督とコーチが相手選手を潰せ、潰さなければ試合に出さないと言うから潰しました」つう日大アメフト・反則タックル事件のわけです*8。まあ、日大の選手が自分のしたことを深く後悔し全てを暴露したことはもちろん評価しますし、その結果、内田は監督と常務理事を辞任に追い込まれたわけですが。
 まあ日本ではこういう「上の命令だから仕方がない、それが日本社会だ」みたいな物言いが多くて嫌になりますよねえ。
 まあ、「森友の財務省」「加計の内閣府」(どちらも必死に安倍を擁護)でわかるようにそれ一面の真実ではあるんですが。

 渡辺は前川喜平(前文部事務次官)の雑誌インタビューの次の部分を引用している。
「『国を愛する心』は教科書にも学習指導要領にも出てきますが、だったらそれを授業では批判的に扱えばいいわけです。『国を愛するという時の「国」ってなんだ?』とか『そもそも「愛する」ってどういうことだろうとか……それを自分で考え、みんなで議論することは決して悪いことじゃない。だって、『これからの道徳は考え、議論する道徳でなければならない』と、文科省が作ったマニュアル(学習指導要領)にちゃんと書いてあるんですから(笑)」(前衛」前掲p.144)

 前川氏って人もなかなか面白い人です(苦笑)。退官してからはかなり自由奔放つうか「あばれはっちゃく*9」「トム・ソーヤー」状態つうか何つうか。
 それはともかく

そもそも「愛する」ってどういうことだろう

つうのは重要ですね。例えば「ゾルゲ事件の尾崎秀実」は愛国心がなかったのか。
 そんなことはないわけです。彼の行為をどう評価するにせよ、彼は彼なりの愛国心に基づいてああしたわけです。
 あるいはチャンドラ・ボースとは言うのはただの日本の飼い犬で、ガンジーやネールと違って「愛国心(つうかインド独立の思い)」がなかったかといえばそんなこともないわけです。これまたボースなりの愛国心があった。まあこういう例はいくらでも挙げられるでしょう。

 渡辺は、道徳性とは何かを次のように規定する。

・私は、そもそも道徳性とは、(ボーガス注:異性、外国人など)異なる他者と共に生きる術、であり、異なる他者と共に生きることを阻む力とたたかうこと――ととらえています。(前衛」前掲p.140)
・本来、道徳性は社会の不正義や不合理に対しても向けられるべきなのです。(同前)
・道徳性のベクトルは、「全ての人々が、人種、宗教、障害、性的嗜好に関係なく生まれた時から約束されている(バーニー・サンダース演説)」人権の実現に向けられるものであり、社会の公正・公平を毀損するものとたたかうことがその中には含まれている。それは社会(国家)の従属物として「わたし」ではなく、権利主体としての「わたし」が世界に登場することでもある。(前衛」前掲p.141)

 ブラックな会社に入った時、そこでモノをいう術を身につけること、あるいは共同して変える術を見いだすこと(または、誰かに助けを求めてそこから抜け出す術を身につけること)――それが本当の、切実な道徳教育ではないか。

 つまりは奴隷道徳とは「本当の道徳」じゃないと言うことです。そしてこうした渡辺氏や紙屋氏の見地に立てば、無償化除外という差別に立ち向かう朝鮮学校生諸君はまさに「ある種の道徳教育に取り組んでる」といえるでしょう。小生も「自分で言うのも何ですが感動しやすい善人」なので朝鮮学校生諸君には本当に頭が下がります。下がらないid:noharraとか意味がわからない。

■参考
【八田与一(與一)】

■八田与一(與一)(1886年明治19年)2月21日〜1942年(昭和17年)5月8日:ウィキペディア参照)
 日本の水利技術者。日本統治時代の台湾で、烏山頭ダム建設など、農業水利事業に大きな貢献をした人物として知られる。
■死後の扱い
・2004年(平成16年)末に訪日した李登輝*10総統(当時)は、八田の故郷・金沢市を訪問した。
・2007年5月21日、陳水扁*11総統(当時)は八田に対して褒章令を出した。
馬英九*12総統(当時)も2008年5月8日の烏山頭ダムでの八田の慰霊祭に参加した。翌2009年の慰霊祭にも参加し、八田がダム建設時に住んでいた宿舎跡地を復元・整備して「八田與一記念公園」を建設すると語った。2009年7月30日に記念公園の安全祈願祭、2010年2月10日に着工式が行われ、2011年5月8日に完成した。完成式典には、馬英九総統や八田の故郷・石川県出身*13森喜朗*14元首相が参加した。
・妻の外代樹も顕彰の対象となり、2013年9月1日には八田與一記念公園内に外代樹の銅像が建立された。
・八田の業績を取材したテレビドキュメンタリー番組「テレメンタリー96 たった一つの銅像 〜衷心感謝八田與一先生〜」が 1996年(平成8年)6月30日にテレビ朝日系列で放送された。2008年には、八田を描いた長編アニメ映画「パッテンライ!! 〜南の島の水ものがたり〜」が制作された。

http://barbare.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-030e.html
斎藤充功*15『日台の架け橋・百年ダムを造った男』、平野久美子*16『水の奇跡を呼んだ男:日本初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平』、胎中千鶴*17『植民地台湾を語るということ:八田與一の「物語」を読み解く』
 日台関係に関心を持つ人以外では八田與一という名前にはあまりピンとこないかもしれない。土木技師として、1930年、当時では東洋一の規模を誇る烏山頭ダムを完成させ、嘉南大圳という灌漑水路網を整備した。彼の業績は台湾ではよく知られており、例えば私の手もとにある呉密察監修『台湾史小事典*18』(遠流出版、2000年)、李筱峰・荘天賜編『快讀台湾歴史人物Ⅰ』(玉山社、2004年)、公共電視台『台湾百年人物誌1』(玉山社、2005年)を見ると八田に一項目立てられている。最近、八田與一紀念館が開館し、オープンセレモニーには馬英九総統も日台関係に配慮して出席したらしい。
 斎藤充功『日台の架け橋・百年ダムを造った男』(時事通信社、2009年、旧版は1997年)は八田與一のダム造りに執念を燃やした生涯をたどる。ダム造りは水利技術や農業技術など様々な民生技術と一体のプロジェクトであって、関連分野で活躍した技術者(たとえば、蓬莱米を開発した磯永吉、末永仁など)にも時折言及される。台湾というコンテクストをはずしても、技術開発に専念した一徹な仕事人として、例えばNHKプロジェクトX」が好きな向きには興味深い人物だろう。1942年、南方産業開発派遣隊としてフィリピンへ渡るとき、乗船していた船が(ボーガス注:日本と当時戦争をしていた米軍に)撃沈されて落命、敗戦後、彼の完成させた烏山頭ダムで夫人が入水自殺したという悲劇性も地元の人々の気持ちを引いたのかもしれない。
 平野久美子『水の奇跡を呼んだ男:日本初の環境型ダムを台湾につくった鳥居信平』(産経新聞出版、2009年)。八田與一の仕事は政府主導の大規模公共事業であったが、対して本書が取り上げる鳥居信平(のぶへい)は民間企業の技師であったため永らくその名は埋もれたままだった。サトウキビ増産のため台湾糖業に招かれた土木技師。彼の整備した二峰圳は地下ダムによって伏流水を利用した灌漑用水であり、自然の生態や原住民の生活と折り合いをつけながら水の力を最大限に引き出そうという工夫がこらされていた。生態系バランスを考えた環境型ダムとして先進的であったと評価される。本書のように日台関係の埋もれた人物を掘り起こしていく作業*19も大切である。
 八田にせよ、鳥居にせよ、彼ら個人としてのひたむきな技術者魂は政治とは無縁であるが、それが日台双方のある種の政治性の中では微妙な意味合いを帯びてくる。胎中千鶴『植民地台湾を語るということ:八田與一の「物語」を読み解く』(風響社、2007年)は日本、台湾、それぞれで八田を受け止める歴史的記憶のコンテクストが異なるのではないかと指摘する。日本の植民地支配にはプラス、マイナス両面があり、従来はマイナス面ばかり強調されてきた*20のは確かであるが、その反発から「良い日本人もいた」→植民地支配全面肯定と飛躍してしまう人を時折*21見かける。極論に行かないように解毒剤として本書も併せて読んだ方がいいだろう。

http://www.hilanokumiko.jp/web/03_taiwan/index_t_010.html
■日台の知られざる水の絆の物語:「鳥居信平」
鳥居信平像、ついに完成!胸像の除幕式は来年6月にも、『正論』09年2月号に新たな記事を掲載しました(平野久美子)
 許文龍さん*22は、「戦後生まれの台湾人と日本人に、正しい認識を広めたい」との思いから、台湾の歴史を検証し、台湾のために貢献した日本人の功績を顕彰して、双方の戦後世代に知らしめる活動を続けている。その一環として、第四代(ボーガス注:台湾)総督児玉源太郎*23のもとで民政長官を務めた後藤新平*24(一八五七〜一九二九)、台南の史跡を軍部や空爆から守り抜いた最後の台南市長・羽鳥又男(一八八二〜一九七五)、明治から大正期にかけて恩師のスコットランド人バートンとともに、台湾各地で上下水道普及に努めた浜野弥四郎(一八六九〜一九三二)、台湾の紅茶の発展に寄与した新井耕吉郎(一九〇四〜一九四六)の胸像を制作。そこへ、鳥居信平が加わることになった。
 昨今、中国共産党と急接近する台湾の馬英九政権に対し、日台関係を危ぶむ声も上がっている。しかし、先人が築き上げた普遍的な価値観を共有し、双方の努力と熱意で交流を活発にすれば、必ずや心と心が寄り添っていく。

 鳥居某氏らを評価するのは勝手ですが、ウヨ的な方向にこじつけるのは本当に辞めてほしいですね。鳥居某氏らも「台湾ロビー、反中国分子のアイコン」にされては本当に迷惑でしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0801F_Y1A500C1FF8000/
■日経『台湾総統「私は友日派」 日本人技師の記念公園式典で』
 台湾の馬英九総統は8日、日本統治時代に台湾南部で烏山頭ダムを完成させた日本人技師、八田与一氏(1886〜1942年)を記念する公園の落成式典に出席した。尖閣諸島の領有権を強く主張する馬総統を「反日」とする見方があることに対し、馬総統は「私は反日派ではなく友日派」だとして反論した。
 1930年に完成した烏山頭ダムは当時アジア最大規模で、荒れ地だった周辺地域を農地に変えた。馬総統は2年前に記念公園の建設を指示しており、1億2千万台湾ドル(約3億4千万円)をかけて八田氏が住んでいた官舎などを復元した。
 式典には森喜朗元首相ら日本の国会議員25人*25も出席した。森氏は東日本大震災への台湾からの義援金が160億円を超えたことに謝意を表明。馬総統は「やるべきことをやっただけ」と応じ、台湾の過去の災害に対する日本の支援への感謝を表明した。

 プンツォク・ワンギャルを知らないと言った自称チベット支援者がいましたが、それって「八田与一を知らない台湾政治研究者」位滑稽な気がします。まあ、ただの「台湾文化が好きな人」ならともかく、これほどまでに政治問題となってる八田を知らないと言ったら「お前、最近、台湾政府が奴を顕彰してることを知らないのか?。それで台湾政治研究者を自称するんだ?。へえ?」ですよね。

https://www.sankei.com/world/news/170420/wor1704200004-n1.html
■産経『台湾・銅像損壊乗り越え…八田與一氏の慰霊祭開催へ 5月8日』
・台湾南部・台南市で日本統治時代の技師、八田與一(はった・よいち)の銅像が損壊された事件をめぐり、頼清徳*26市長は19日までに、5月8日の慰霊祭を例年通り開催することを日本側関係者に通知した。
・八田の功績には一部で論争はあるものの、犯行には各界から批判が相次いでいる。
・八田が建設を指揮した烏山頭ダムと周辺の灌漑施設は、嘉南平原を穀倉地帯に変えた。八田の功績は教科書にも記載されているが、犯人の元台北市議は「八田の歴史的評価を認めない」と供述している。
 八田の功績を否定する一部の人々は、増産されたコメは「台湾人ではなく日本に持ち帰り日本人に食べさせた」(中国国民党所属の台南市議)などと主張。頼氏を「媚日派の犬」(研究者)などと中傷する向きもある。背景には、民主進歩党所属の頼氏が、公共用地から国民党の初代総統、蒋介石銅像を撤去したことへの反発もある。
・一方、台北駐日経済文化代表処の謝長廷*27代表(駐日大使に相当)は18日付の自由時報で「銅像は台日の友好の象徴だ。台湾人が誤解されてしまう」と犯行を批判。総統府の黄重諺報道官は19日、「八田氏を高く評価する行為は歴代の政府、各界が行ってきた」と述べた。
 実際、国民党の呉敦義*28前副総統は18日、「台湾が(日本に)割譲されたのは彼のせいではない。善悪は分けるべきだ」と八田を擁護した。作家の黄震南氏は、銅像は八田の生前に民衆が進んで建立したものだとした上で、「時代と政権を超えた農民の感謝(の表れ)だ」と指摘している。

 まあこういうのを単純な日台友好、八田顕彰と思う程、小生もお人好しではありません。「植民地統治を美化したい」日本ウヨはもちろん台湾側にも明らかに「政治的思惑はある」でしょうね。特に日本ウヨと野合することに何ら躊躇しなくなった李登輝はそうでしょう。ただ「八田顕彰」はともかく、「一部台湾人(典型例:李登輝)」の「日本ウヨとの野合行為」は中国の反発をいたずらに招くとともに、良識派日本人からはドン引きされるだけの愚挙だと思いますが。
 まあ、「台湾人の名誉(?)のため」に断っておけばそういう「敵(中国)の敵は味方」で日本ウヨと野合する馬鹿者は台湾・李登輝一味以外にもダライラマ一味(チベット)とかラビア・カーディル一味(ウイグル)とか楊海英(内モンゴル)とか他にもいますけど。
 なお、八田顕彰が台湾民進党においては「(八田顕彰に否定的だった)蒋介石への批判的な色が明らかに強いこと」、そうしたことについて「昔は蒋介石と親密だった日本ウヨ」が何一つ躊躇しないこと、それどころか「国民党が中国との友好色を強めている」こともあって今や「228事件を実行した極悪人=蒋介石」呼ばわりすらしてることを指摘しておきます。

https://blog.goo.ne.jp/aehshinnya3/e/7ef8a16c8c4201af2eaa64e02f7467b5
■「八田与一物語」の虚構
■嘉南大圳建設の目的
 日本は1986年に台湾を植民地にした。植民地経営の一つとして、製糖業を保護育成した。総督府は土地調査、林野調査を行い、大部分の土地山林を「無主地」として没収し、ほとんど無償で製糖会社などに払い下げた。甘蔗の原料採取区域を制定し、製糖工場には補助金を出した。
 また、1905年の日露戦争では軍用米として30万石の台湾米が移出された。内地米が不足(1918年米騒動)し、外地米移入のための水稲増産が嘉南大圳建設のもうひとつの目的だった。
 清水美里は「潅漑面積15万甲という巨大な水利施設は、内地への糖・米2大移出商品の供給地となった台湾において、それを下支えするための植民地的開発だった」と述べている。
■嘉南大圳をめぐる攻防
 農民は嘉南大圳用水の土地買収に反対し、水路を破壊してたたかった。建設後、関係農民40数万人は多額な水租の徴収に苦しみ、不合理な3年輪作のために作物は減収し、生活が困窮した。農民は嘉南大圳組合に①水租の減額、②土地耕作権・作物選択の自由、③3年輪作の廃止などを要求してたたかった。
 台湾民衆党*29は1928年第2回全島党員大会で「嘉南大圳3年輪作反対」を決議し、台湾農民組合は1929年のスローガンに「埤圳管理権の奪回。嘉南大圳3年輪潅漑政策反対」を掲げた。
 1930年9月、烏山頭系統の通水が始まったとき、大規模な水租不納運動が始まり、業佃協和会は水租不納同盟を決議し、台南州知事に内容証明を送り、地主120名が庄役場に押しかけた。台湾農民組合は嘉南大圳闘争委員会を作り、各支部へ「水租抗納同盟」を組織し、「水租抗納」のため1000人が4庄の役場を包囲した。嘉南大圳組合郡部部長は水租未納者に差し押さえ処分を断行した。
 水租納入のために人身売買が行われ、「典妻売子(妻を質入れし、子を売る)」と報道された。1920年度の水租は1甲200円、完成後10年間で分割払い(竣工後19年間に延長)が強要された。
 清水美里は「水租の未納者は家財道具や不動産が差し押さえられ、陳力は父母が残した数甲の原野を嘉南大圳潅漑区に編入されたが、水租を納入できず、3歳の我が子を養子として、120円で売った。また陳清藤は水租の金策がつかず、8歳の妹を養女として120円で売った」と述べている。
■嘉南大圳建設に関する識者の評価
 清水美里は①「矢内原忠雄は国家の直接援助による半官半民組織の設立、台湾総督府からの天下りによる官憲的経営、投機的な事業計画などを列挙し、農民を搾取していると指摘している」、②「徐照彦*30は三年輪作という地域潅漑管理制度がいかに精糖会社に有利だったかを実証した」、③「史明、楊肇嘉らはこの事業を製糖業保護政策の一環と見なし、台湾農民を搾取するものと考えた」、④「浅田喬二*31は嘉南大圳水租不納運動や税金物納運動を抗日農民運動と位置づけている」、⑤「顧雅文は台湾における近代的水利開発はしばしばマラリア発生の原因になったと指摘している」などの歴史学上の評価を上げている。
<資料>
『日本植民地期台湾における水の支配と抵抗:嘉南大圳を事例として』(清水美里*32著、東京外国語大学大学院紀要『言語・地域文化研究』収録)
帝国主義下の台湾』(矢内原忠雄著、1929年、岩波書店
『台湾人400年史』(史明著、1962年、新泉社)

■『帝国主義下の台湾』(ウィキペディア参照)
東京帝国大学経済学部教授で、植民政策の講座を担当していた矢内原忠雄が1927年(昭和2年)3月23日から4月27日にわたり日本統治時代の台湾を視察し、資料収集を分析した結果をもとに1929年(昭和4年)10月10日に岩波書店から刊行した著作。
・矢内原は、本書の序文に以下の記述を寄せている。
「植民地問題に関する私の心情を披歴せしめれば、私は『虐げられるものの解放、沈めるものの向上、而して自主独立なるものの平和的統合』の実現をば衷心仰望するものである。」
 そのため日本の植民地体制の下で苦難の道を歩み、解放の念を胸に秘めた当時の台湾の人々、とりわけ中産・知識階級の人々には、自由の鐘を打ち鳴らす「バイブル」として歓迎されたという。しかし、それがため台湾ではたちまち移入販売禁止処分にされた。
■参考文献
・若林正丈*33矢内原忠雄帝国主義下の台湾」精読』(2001年、岩波現代文庫
・赤江達也*34矢内原忠雄:戦争と知識人の使命』(2017年、岩波新書)

 まあ、清水氏や矢内原などの批判を考えるとダム建設は手放しで褒め称えられるか、非常に疑問符がつきそうですね。
 つうか中国の青海チベット鉄道とかだと「鉄道ができてチベット人は生活が便利になりました、ダライ統治の封建社会チベットではあり得なかったことです(by中国)」つう物言いを認めずに非難して「開発の利益は全部中国人(漢民族)企業家がぶんどってるんだ!。チベット族チベット人)に利益なんかないんだ」「カネが全てか!。心の問題はどうでもいいのか!。中国がチベット伝統文化を破壊してるんだ!」(byペマ・ギャルポ&日本ウヨ)のくせに、「日本の台湾統治」だと「近代化万歳」と全面美化って何の冗談でしょうか?

http://www.asahi.com/international/history/0528/07.html
朝日新聞『台湾:台湾史を独立』
 台湾独立を志向する民進党政権の下、台湾でも歴史教育が大きく転換した。その推進役を果たしてきたのが、04年に教育部長(教育相)に就任した歴史学者の杜正勝氏。杜氏は「台湾の歴史教育は、政治闘争とナショナルアイデンティティーに連なるもので、教育改革全体のカギになる」と説明する。
 台湾での教育改革は李登輝・前政権(国民党)後半の90年代半ばから進み、小中高校の教科書の内容も大きく変わった。
 それまでは「一つの中国」の立場から、中国大陸の歴史や地理を学び、生徒たちが暮らす台湾の歴史はその一部とされ、ごくわずかしか教えられなかった。教科書も教育部(教育省)傘下の機関が編集する標準教科書しかなかった。
 台湾を主体とする教育改革の先駆けになったのが、97年に中学1年に導入された新科目「認識台湾」(台湾を知ろう)だった。この科目は歴史、地理、社会の3部門に分かれ、それまでの教科書にはなかった日本植民統治の台湾近代化への貢献や戦後の国民党による弾圧(二・二八事件)などにも詳しく触れた。杜氏はこの「認識台湾」(社会編)の編集主任も務めている。
 00年に民進党陳水扁政権が誕生。「認識台湾」は5年間使われた後、小中9年一貫教育の新課程の導入で、その内容は「社会領域」に取り込まれた。さらに、自由化と多様化を軸に教科書作りも民間出版社に開放され、教育部が審査する方式に変わった。今年9月の新学期にはさらに改定を加えた新教科書がお目見えする。
(中略)
 一方、野党・国民党の政治家らは「数千年の歴史を誇る中国史が圧縮された」「親日的だ」と反発しており、政治と歴史教育が密接にからみあっていることを示している。

 八田の評価にはこうした台湾の歴史教育における変化という背景があるわけです。

https://www.sankei.com/world/news/180308/wor1803080023-n1.html
■産経『「非難に値する」 日本人技師・八田與一像損壊の元台北市議に懲役5月 台南地裁』
 台湾南部・台南市烏山頭ダムで昨年4月、日本人技師、八田與一銅像が損壊された事件で、台南地方法院(地裁)は8日までに、器物損壊罪で元台北市議の男に懲役5月の有罪判決を下した。中央通信社が同日、報じた。
 判決は、八田像を「歴史的価値のある物品」とし、損壊の様子をネットで公開するなどした男らの行為は「非難に値する」とした。

【楫取道明ら、いわゆる六士先生(六氏先生)】

■六士先生(ウィキペディア参照)
 日本統治時代の台湾に設立された小学校、芝山巌学堂(しざんがんがくどう)で抗日事件(いわゆる芝山巌事件)により殺害された日本人教師6人のことである。彼らの台湾の教育に賭ける犠牲精神は、台湾総督府によって「芝山巌精神」と呼ばれ顕彰された。
 1930年(昭和5年)には「芝山巌神社」が創建され、六士先生をはじめ、台湾教育に殉じた人々が、1933年(昭和8年)までに330人祀られた(そのうち台湾人教育者は24人)。境内には六士先生を合葬する墓があり、また社殿の前には六士先生を追悼して、伊藤博文*35揮毫による「学務官僚遭難之碑」(1896年7月1日建立)が建てられた。
■戦後
 第二次大戦終戦後、蒋介石をはじめとする中国国民党要人が中国本土から台湾に逃げて来て、日本色一掃を目的として芝山巌神社は破壊され、本殿跡には国民党軍事委員会調査統計局(軍統局)副局長だった戴笠を記念する「雨農閲覧室」が建てられた。雨農閲覧室では、抗日運動の成果のひとつとして芝山巌事件を紹介する展示などが行われてきた。しかし、李登輝総統(当時)の下で脱蒋介石色の動きが進むと、芝山巌学堂が開かれて100年経った1995年(平成7年)1月1日に芝山巌学堂の後身である台北市立士林国民小学の卒業生により、教育に命をかけた「六士先生の墓」が再建され、2000年(平成12年)には「学務官僚遭難之碑」も復元された。

http://www.ritouki.jp/index.php/info/20160628/
日本李登輝友の会『それぞれの祖先に尊敬と敬意を抱くご遺族を迎え「六士先生・慰霊顕彰の集い」を開催』
・芝山巌事件から120年を迎え、六士先生のご遺族9名をはじめ、遠く福岡、山口、大阪、愛知などからも駆けつけ、約70名が参列して本会主催による「六士先生・慰霊顕彰の集い」が6月26日に靖國神社で執り行われた。
・六士先生のお一人の楫取道明命の令孫でもある小田村四郎・本会名誉会長による講演では、祖父楫取道明の事績とともに、明治28年6月に船で台湾に渡る折に作った歌なども披露され「台湾の教育に一生を捧げようとした気持ちがよく現れている」と述べるとともに、六士先生の遭難が台湾の人々に感銘を与え、台湾教育の礎をつくり、台湾の人々の強い親日感情の源になっているのではないかと指摘された。

【その他、台湾についていろいろ】
日本李登輝友の会『台南で今も敬愛される「末代市長」羽鳥又男翁、胸像除幕式 世に知られざる徳人・羽鳥又男』
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20070425/
 「また、李登輝友の会か!」感がしますね。
 まあ別に顕彰はいいんですが李登輝友の会だと「もれなく、台湾植民地統治の全面美化&台湾独立論(その結果としての中国国民党中国共産党非難)&日本・台湾国交樹立論(中国との断交?)」がセットでついてきますからね。

https://www.sankei.com/region/news/180121/rgn1801210037-n1.html
■産経『「明治維新、日台で評価を」 戎・台北駐福岡弁事処長が講演』
台北駐福岡弁事処(福岡市中央区)の戎義俊処長は20日、「明治維新150年と台湾」をテーマに、福岡市内で講演し、「明治維新を抜きにして台湾の近代化は語れない。日本人も台湾人も今こそ明治維新を評価すべきだ」と語った。
・戎氏はまず、明治維新とその後の日本の近代化が、台湾にもたらした恩恵を評価した。その上で日本をおとしめ続けるのは中国と韓国だけだ。明治以降の日本を称賛する声の方が圧倒的に大きい」と力説した。
 明治維新が台湾にもたらした恩恵の具体的中身として、金融や財政、治安や衛生といった各制度を確立し、道路や鉄道、上下水道やダムなどのインフラ建設を進めたことを挙げた。
 その結果、伝染病や風土病の地ともいわれた台湾の人口を日本の統治時代に2倍にしたと語った。
 台湾南西部の烏山頭(うざんとう)ダムを建設し、不毛の地を穀倉地帯に変えた水利技術者、八田與一(はったよいち)のほか、農業者で、亜熱帯気候の台湾向けに米の改良に成功した「蓬莱米(ほうらいまい)の父」と言われた磯永吉(いそえいきち)、「蓬莱米の母」と賞された末永仁(すえながめぐむ)の名前も紹介し、「台湾の食糧事情を劇的に改善した」と賛辞を贈った。
 西南戦争で最期を迎えた西郷隆盛*36の長男で、台湾総督府に赴任した西郷菊次郎*37にも触れた。
 菊次郎は父、隆盛の残した名言「敬天愛人」を座右の銘とし、台湾人とも平等に接し、台湾北東部の宜蘭(ぎらん)の初代庁長(県知事に相当)として信頼を寄せられていた史実を紹介した。
 戎氏は今夏、離任し、外交官生活にピリオドを打つ。講演の最後に「戦後日本人が抱いた(さきの大戦への)罪悪感は消えずに、誇りも自信も回復していない。憲法改正といった『安倍維新』により、衰退から完全に立ち直ってほしい」と結び、日本と日本人に対し熱いエールを送った。

 太字強調は俺がしました。産経記事が事実なら「中韓誹謗だの、改憲万歳だの、日本ウヨの『自虐史観批判に賛同』だの、お前は、それでも台湾政府職員なのか!。日本人皆がウヨだとでも思ってるのか!。官僚が、国の代表が何考えてるんだ!。恥を知れよ!」「手前ふざけんな!」と怒りが収まりません。
 日本と台湾の友好とはこの種の日本ウヨへのこびへつらいではないでしょうに。まあ、「パナマブルキナファソなどが中国と国交樹立(台湾と国交断絶)」「AIIBや一帯一路の大成功」でそんだけ台湾が中国に政治的に追い込まれてるんでしょうけど、そんなことはこの種の愚劣な野合行為の正当化にはなりません。

http://barbare.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-91c5.html
胎中千鶴『葬儀の植民地社会史:帝国日本と台湾の〈近代〉』
 抗日民族運動指導者たちの直面した葛藤に私は関心を持った。彼らは高度な近代的教育を受けた知識人として、伝統的な“陋習”は台湾の近代化を阻む要因となっているという認識を持っていた。たとえば蒋渭水*38が亡くなったとき(1931年)、迷信打破という考え方から伝統色・宗教色を排して簡素な“大衆葬”が行なわれたが、これは当時の台湾社会の中でも先鋭的で、結局は根付かなかった。彼ら知識人にとって、近代化という軸において“陋習”は否定されねばならない。他方、民間信仰や伝統的習俗は民衆生活レベルでは大きな精神的支柱となっており、台湾人アイデンティティーの皮膚感覚的根拠になっていたとも言える。民族運動指導者としてそれを否定することができるのか。近代化が、統治者である “日本経由の近代”を意味してしまう植民地社会にあって、近代化志向の知識人たちは、近代をとるのか、民族的アイデンティティーの根拠としての伝統をとるのか、というアポリアにぶつからざるを得なかった。
 話を広げると、朝鮮近代文学の祖とされる李光洙にしても、“日本経由の近代”を軸として朝鮮社会の後進性を批判するというロジックをとっており、統治者への阿諛追従としての“親日派”とは言えない。
 彼らは、抗日/親日という単純な図式では捉えきれないもっと複雑なアイデンティティーの葛藤を抱えていた。そうしたあたりを汲み取ろうとする研究動向が近年ようやく進んでいることに私は関心がそそられている。

 まあ、こういうのがわかりやすいのはむしろ台湾よりチベットの「転生霊童」「ダライ・ラマパンチェン・ラマ崇拝」でしょうねえ。
 パロディとして書き換えてみましょう。

 チベット民族運動指導者たちの直面した葛藤に私は関心を持った。彼らは伝統的な“陋習”はチベットの近代化を阻む要因となっているという認識を持っていた。彼らにとって、近代化という軸において“陋習”は否定されねばならない。他方、「転成霊童」「ダライ・ラマパンチェン・ラマ崇拝」のような民間信仰や伝統的習俗は民衆生活レベルでは大きな精神的支柱となっており、チベット人アイデンティティーの皮膚感覚的根拠になっていたとも言える。民族運動指導者としてそれを否定することができるのか。近代化が、統治者である “中華人民共和国中国共産党)経由の近代”を意味してしまう植民地(?)社会にあって、近代化志向のチベット人たちは、近代をとるのか、民族的アイデンティティーの根拠としての伝統をとるのか、というアポリア(難問)にぶつからざるを得なかった。
 話を広げると、チベット人中国共産党員の祖とされるプンツォク・ワンギャル(プンワン)にしても、“中華人民共和国経由の近代”を軸としてチベット封建社会の後進性を批判するというロジックをとっており、統治者への阿諛追従としての“チベット人中国共産党員”とは言えない。
 彼らは、反中国共産党/親中国共産党という単純な図式では捉えきれないもっと複雑なアイデンティティーの葛藤を抱えていた。


■加計疑惑 安倍首相の責任は逃れられない:証言と記録で浮かび上がる全体像(宮本岳志
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。前回6月号の出版以降に表面化した「愛媛県文書」が主として取り上げられています。
赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-02/2018060202_05_1.html
■加計・渡辺氏の証人喚問が必要、笠井政策委員長
 日本共産党笠井亮政策委員長は1日の記者会見で、「加計学園」の渡辺良人事務局長が5月31日、愛媛県庁を訪れ、同学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会したとの説明は“ウソだった”と謝罪したことについて問われ、(中略)加計理事長とともに「証人喚問が必要だ」と主張しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-01/2018060102_03_1.html
加計学園「首相と面談なかった」は真実性ない、「首相を守るためのウソ」 志位氏が指摘
 志位氏は、学園側の話が事実なら、首相の名前をかたって獣医学部新設という利益を得ようとしたことになり、首相は学園に「撤回しなさい」と怒るはずだと指摘。「怒りもしない首相の態度が、学園の話をウソだと二重に裏付けている」と指摘しました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-10/2018061001_01_1.html
■加計氏と首相 面会時の同名資料が存在、文科省が認める、愛媛県文書 信ぴょう性さらに
 獣医学部新設をめぐり学校法人「加計学園」との協議内容をまとめた愛媛県の文書に、文部科学省が『新しい教育戦略』という資料を使い獣医学の専門家に「意見照会を実施している」と記されていたことについて9日までに、同省は日本共産党小池晃書記局長と辰巳孝太郎、吉良よし子両参院議員に同名の資料を活用して意見照会したことを認め、参院予算委員会に提出しました。県文書では、加計孝太郎理事長が安倍晋三首相に面会した際に、『新しい教育戦略』を提供したと記述しています。首相、学園側は面会を否定していますが、県文書の信ぴょう性を高めた形です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-20/2018062001_04_1.html
■加計理事長 疑惑答えず、1年3カ月たち初会見
 学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長は19日、獣医学部新設をめぐる疑惑発覚から約1年3カ月たって、初めて記者会見をしました。3年前に安倍首相と会ったとされる問題について、加計氏は「記憶にもない、記録もない」と証拠も示さずに否定。疑惑にまともに答えぬまま、30分足らずで会見を終了しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-20/2018062002_03_1.html
■加計理事長証人喚問を、野党国対委員長が一致
 日本共産党立憲民主党、国民民主党無所属の会自由党社民党の野党5党1会派は19日の国対委員長会談で、学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長が同日、突如記者会見し、獣医学部新設をめぐる安倍晋三首相との面会について「記憶にもないし、記録もなかった」と否定したことに対して、同理事長の証人喚問を改めて要求することで合意しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-22/2018062201_05_1.html
■主張『加計理事長発言:延長国会での証人喚問不可欠』
 安倍晋三首相の「腹心の友*39」の加計孝太郎・加計学園理事長が突然記者会見し、獣医学部の開設に絡み愛媛県文書が明らかにした、2015年2月の安倍首相との面談を否定したことに批判が広がっています。加計理事長の会見は昨年5月、「総理のご意向」などと書かれた開設をめぐる文書が明らかになってから1年以上もたって初めてで、県の文書で首相との面談が判明してからだけでも1カ月過ぎています。面談は首相も否定しており、根拠も示さない否定は意図的な口裏合わせの疑惑が濃厚です。不当に延長した国会での加計氏らの証人喚問が不可欠です。
 愛媛県が先月発表した文書は、15年3月に県の職員が学園関係者と打ち合わせた際、同年2月25日に理事長が首相と面談、理事長が学園の計画している獣医学部では国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明したのにたいし、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と答えたことを生々しく記録しています。
 加計学園が、首相の推進した「国家戦略特区」の愛媛県今治市に開設を計画した獣医学部の問題は、昨年5月、内閣府文部科学省に「総理のご意向」などと伝えていた文書の存在が報道されて発覚しました。半世紀にわたって認められなかった学部新設をめぐり、時の最高権力者が関わって行政をゆがめた疑惑として、1年余り国会などで大問題になってきました。一方の当事者の理事長がこの間一回も記者会見せず、大阪北部の地震発生の翌日、多くの記者が参加しにくい状況で突然会見し、わずか30分足らずで打ち切ったこと自体、不当です。
 理事長は「3年も前のことなので記憶にも記録にもない」と言いますが、否定する何の根拠も示せません。首相が首相官邸への入館記録が廃棄されていることなどを理由に面談を否定したのと同様説得力はありません。面談を前提にすれば、面談直後、柳瀬唯夫首相秘書官が県や今治市、学園関係者などと面会し「本件は、首相案件」と発言したことや、官邸からそれを伝えられた「国家戦略特区」担当の内閣府が、認可する文科省に「総理のご意向」などと伝えたこともすべてつじつまが合います。
 県文書に面談の際に学園が提出したと書かれていた「新しい教育戦略」などとみられる資料が、日本共産党の吉良よし子参院議員が追及して最近文科省で見つかりました。首相に先立って面談したと県の文書に書かれている加藤勝信官房副長官(現厚生労働相)は面談を認めています。県文書の記述の信ぴょう性は明らかです。
 面談が真実なら、設置が認可される17年1月まで学園の計画を知らなかったという首相の説明は崩壊します。理事長が言うように学園の県への説明が事務局長の「作り話」だったとすれば、怒っていいはずの首相は傍観しています。本当に「作り話」だったとすれば、学園が県や市をだまして、計約93億円余りの補助金を手に入れたことになり、その責任が問われます。ことは「謝罪」ではすみません。
 真相解明は国会の役割です。理事長は国会の判断を「お待ちしている」と発言しており、証人として国会へ喚問し、「森友」などとともに疑惑を全面解明すべきです。

【追記:森友疑惑】
赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-13/2018061304_01_1.html
■8億円値引きの国有地で10億円まで借り入れ承認、森友問題 宮本岳志氏が新文書示す
 学校法人「森友学園」が、1億3400万円で購入した国有地を元に金融機関から10億円を限度に借り入れすることを、国土交通省が2016年10月に承認していたことが分かりました。12日の衆院国交委員会で、日本共産党宮本岳志議員が国交省提出の文書を元に明らかにしました。
 同省は「将来地下埋設物(ゴミ)が出てくるリスク」を口実に、撤去費用相当の約8億円を値引きする「瑕疵(かし)担保免責」特約を付して、約1億3400万円で売却(16年6月)。宮本氏は、そのわずか4カ月後に、銀行は同地に10億円の価値を認め、国交省も追認していたと批判。値引きの根拠に疑問を呈しました。
(中略)
 宮本氏が示したのは、学園理事長だった籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が国交省に提出した「質権設定承認申請書」と、同被告が金融機関と結んだ「質権設定契約証書」(いずれも16年10月14日付)。申請書には、国交省の干山善大阪航空局長(当時)の承認印が押されています。
 宮本氏は、「でたらめな土地取引だ」と批判。石井啓一*40国交相は「事実関係をよく承知していない」と述べるにとどまりました。
 宮本氏は、異例の取引の背景に安倍晋三首相夫妻の関与がある疑いが強いとして、「首相の妻の昭恵氏の証人喚問が不可欠だ」と主張しました。

 こうしたことをもっとマスコミも報じるべきでしょう。正直、マスコミのへたれぶりにはうんざりします。


■CV-22オスプレイ横田基地に配備するな!:首都東京の横田基地が特殊作戦の出撃拠点に(高橋美枝子)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
■政府の説明は発表当日、オスプレイ配備 安全より米軍
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-05/2018040514_01_1.html
■主張『CV22首都・東京に:国民の安全脅かす配備やめよ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-07/2018040701_05_1.html


■建設アスベスト訴訟の到達点と今後の課題(西村隆雄)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
赤旗
■主張『石綿訴訟高裁勝訴:国は早期全面解決を決断せよ』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-10-28/2017102801_05_1.html


■雇用構造激変後のメガバンクリストラ(田中均
(内容紹介)
 メガバンクのリストラについて企業の責任として雇用維持に努めるべきと批判。政府にそうしたリストラへの規制を求めるとともに、労組にリストラ阻止の運動を求めている。


■異次元緩和の現実と負の遺産河村健吉*41
(内容紹介)
 いわゆる異次元緩和が期待された効果(景気回復)を上げられずに、むしろ弊害(国債大量購入による財政悪化など)が大きいことを指摘。
 急激な株価安、円高など「中止により発生が予想される反動(副作用)」に注意した上で早急な緩和政策からの撤退が求められるとしている。

参考
赤旗
■異次元緩和を続行、黒田日銀総裁が再任案で所信、衆院議運委 塩川議員ただす
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-03/2018030302_03_1.html
■主張『「黒田日銀」2期目:破綻した政策続けるのは有害』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-03-22/2018032201_05_1.html


■論点『東京都迷惑防止条例の問題点と今後の課題』(舩尾遼)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

https://www.asahi.com/articles/ASL5Z41N9L5ZUTIL01B.html
朝日新聞『改正迷惑防止条例、留意事項を通達 7月施行に向け』(荒ちひろ
 規制対象を拡大した東京都の改正迷惑防止条例が7月に施行されるのを前に、警視庁は適正な運用のための留意事項をまとめた指針を作り、各警察署などに通達を出した。改正条例をめぐっては「市民活動まで制限されるのでは」と意見が出たこともあり、懸念を払拭(ふっしょく)したい狙いだ。通達は30日、同庁のウェブサイトで公開された。
 改正条例では、規制対象とした7類型のうちの「つきまとい」の定義に、住宅周辺での待ち伏せや見張りに加えて「みだりにうろつくこと」を新たに盛り込むなどした。改正の議論の過程では、デモや取材活動なども「みだりなうろつき」とみなされるのではないか、などの懸念が一部から示されていた。審議した都議会でも「運用のガイドラインを作成してほしい」との要望が出ていた。
 通達では、表現の自由として保護されるような活動は規制対象とならないことを明記。つきまとい行為などの相談を警察署が受けた場合、警視庁本部に速やかに報告し、本部の助言を受けて対処することなどを規定した。担当者は「現場で恣意(しい)的に運用される心配はない」と説明している。

 まあ、船尾氏も書いていますが、最終的には再改正が最善ですが、当面は「今まで通りのデモ活動等を行い、不当な規制がかかれば戦う」つう方策しかないでしょうねえ。
 船尾氏が言うように「不当な規制をする気はない」と小池都知事ら都側は言ってるのですから、萎縮せずに今まで通りの活動をしていくことがまずは大事でしょう。


■暮らしの焦点『性暴力被害者支援の抜本的強化を』(本村伸子)
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。
赤旗
■性暴力被害者支援を、5党が法案を提出
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-13/2016051302_04_1.html
■「支援センター」に交付金創設、性犯罪・性暴力被害で内閣府共産党国会議員団が要求
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-16/2017021614_01_1.html
消滅時効の解釈問う、仁比氏 性暴力被害者保護充実を
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-06/2017050604_05_1.html
■性暴力被害への支援、梅村氏 国の責任で拡充を
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-14/2017051405_04_1.html
■2017とくほう・特報『性暴力被害 どう向き合う、政治と社会の支援ぜひ、法改正へ関係者参画必要』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-19/2017121903_01_0.html
■養護施設 児童間の性暴力、母親ら調査求める、本村・梅村氏同席
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2018-01-24/2018012402_02_1.html
■性暴力被害支援拡充を、本村氏 支援センター増設求める
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-10/2018041004_06_1.html
朝日新聞『児童施設の性暴力「同じ被害繰り返さないで」』
https://www.asahi.com/articles/ASL4J1VWHL4JUBQU002.html
毎日新聞『子ども間性暴力、報告制度なし 施設内の実態把握へ 厚労省が初の調査 三重県データ「7%が経験」』
https://mainichi.jp/articles/20180523/ddm/016/040/022000c
■産経『野党7党派が性暴力被害者支援法案を共同提出』
https://www.sankei.com/politics/news/180611/plt1806110023-n1.html


メディア時評
■テレビ『メディアとセクハラ』(沢木啓三)
(内容紹介)
 福田前財務次官のテレ朝女性記者へのセクハラ問題を契機に
朝日新聞『セクハラ「取材先や上司から」 メディア業界有志ら調査』
https://www.asahi.com/articles/ASL5P3VXJL5PUTIL01F.html
■ハフィントンポスト日本版『メディアで働く女性記者たちがネットワーク結成。前財務次官のセクハラ問題をきっかけに』
https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/15/femalejournalistnetwork_a_23434797/
などメディアの中で状況改善の動きが少しずつ生まれていることを評価している。


■スポーツ最前線『ボクシング 世界タイトル戦の計量失敗』(小林秀一)
(内容紹介)
 計量失敗にたいし、一定のペナルティが科されるのは仕方ないとした上で、そもそも計量失敗が起きないような適切な体調管理についてボクシング界全体で考えていく必要があるとしている。


文化の話題
■演劇『文化座 三好十郎作「夢たち」を見る』(鈴木太郎)
(内容紹介)
 文化座の三好十郎作「夢たち」の紹介。

参考
劇団文化座公演『夢たち』:演出家・松本祐子、俳優・藤原章寛、制作・中山博実に聞く
https://spice.eplus.jp/articles/187808


■今月のグラビア・ワイド版『クルド 独立への切望、戦時下の日常』(佐藤慧)
(内容紹介)
 イラン、イラク、トルコ、シリアといった国々が独立に反対しているため、独立を主張しながら、実現に至っていないクルド族(クルド人)が取り上げられています。

参考
イラククルド族】
■独立目指すクルド人自治区と阻むイラク政府 クルド人の声を直接聞いた(志葉玲
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20171027-00077280/
NHK『混迷深まるイラククルド人自治区
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2018/01/0111.html

【トルコ&シリアのクルド族】

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3141783005062018000000/
■日経『クルド勢力、撤退表明 シリア、米トルコ合意受け』
 シリアの少数民族クルド人民兵組織、人民防衛隊(YPG)は5日、北部マンビジュから撤退するとの声明を出した。マンビジュにはYPGを支援する米軍が駐留し、YPGを敵視するトルコと米国の衝突が懸念されていたが、両国外相は4日、YPGの撤退計画で合意していた。
 声明によると、YPGはマンビジュから軍事顧問団を引き揚げる。戦闘部隊は、マンビジュでの過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘終結後、撤収済みという。米国とトルコの合意には触れていない。
 トルコはYPGを、自国で独立闘争を続けてきたクルド労働者党(PKK)と同一のテロ組織だとしている。

*1:著書『日米密約 裁かれない米兵犯罪』(2010年、岩波書店)、『ルポ イチエフ:福島第一原発レベル7の現場』(2012年、岩波書店)、『経済的徴兵制』(2015年、集英社新書)、『日報隠蔽:南スーダン自衛隊は何を見たのか』(共著、2018年、集英社)など

*2:著書『戦間期中国「自立への模索」:関税通貨政策と経済発展』(1999年、東京大学出版会)、『戦間期中国の綿業と企業経営』(2005年、汲古書院)、『社会主義への挑戦 1945-1971〈シリーズ 中国近現代史 4〉』(2011年、岩波新書)、『国家と秘密:隠される公文書』(共著、2014年、集英社新書)、『歴史学が問う 公文書の管理と情報公開:特定秘密保護法下の課題』(共著、2015年、大月書店)など

*3:著書『総力戦体制と教育科学:戦前教育科学研究会における「教育改革」論の研究』(1997年、大月書店)、『教育勅語を読んだことのないあなたへ:なぜ何度も話題になるのか』(共著、2017年、新日本出版社)など

*4:著書『原爆孤児』(2015年、新日本出版社)、『沖縄の戦場孤児』(編著、2015年、汐文社)、『教育勅語と道徳教育』(2017年、日本機関紙出版センター)、『「慰安婦問題」を子どもにどう教えるか』(2017年、高文研)、『サンフランシスコの少女像』(2018年、日本機関紙出版センター)など

*5:著書『いじめ・レイシズムを乗り越える「道徳」教育』(2014年、高文研)、『「道徳教育」のベクトルを変える』(2018年、高文研)など

*6:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相などを経て首相

*7:これは「教科書会社名」と記事タイトルだけでは解らなかった小生も全く同感です。

*8:もちろん「バントしろ」つうのは「反則タックルしろ(明らかに犯罪行為)」つうのとは意味が違いますが。

*9:山中恒の子ども向け小説。1979年〜1985年にはテレビ朝日系列で毎週土曜日にテレビドラマとして放送された。

*10:台北市長、台湾省主席、副総統などを経て総統

*11:台北市長などを経て総統

*12:連戦内閣法相、台北市長などを経て首相

*13:まあそれだけではなく彼の出身派閥・清和会が初代会長「岸信介」時代から台湾ロビーの集まりだった、つうのもあるでしょう。

*14:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮澤内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*15:著書『伊藤博文を撃った男:革命義士・安重根の原像』(1999年、中公文庫)、『脱獄王:白鳥由栄の証言』(1999年、幻冬舎アウトロー文庫)、『謀略戦:陸軍登戸研究所』(2001年、学研M文庫)、『昭和史発掘・幻の特務機関「ヤマ」』(2003年、新潮新書)、『昭和史発掘:開戦通告はなぜ遅れたか』(2004年、新潮新書)、『陸軍中野学校:情報戦士たちの肖像』(2006年、平凡社新書)、『陸軍中野学校の真実:諜報員たちの戦後』(2008年、角川文庫)、『日本のスパイ王:陸軍中野学校の創設者・秋草俊少将の真実』(2016年、学研プラス)など

*16:著書『食べ物が語る香港史』(1998年、新潮社)、『中国茶・アジアの誘惑:台湾銘茶紀行』(1999年、ネスコ)、『アジアン・ティーの世界』(2001年、河出書房新社)、『中国茶・風雅の裏側:スーパーブランドのからくり』(2003年、文春新書)など

*17:著書『葬儀の植民地社会史:帝国日本と台湾の〈近代〉』(2008年、風響社)など

*18:日本では中国書店から翻訳が出ている。

*19:まあ一般論としてはそうでしょうが、平野本は連載が小学館サピオで、連載をまとめた単行本が産経新聞出版ですからねえ。目的が「台湾植民地統治美化」であることは見え透いています。とても手放しで評価できないですね。

*20:えー、そうか?。それが事実だったら安倍みたいな戦前美化ウヨが首相にならへんやろ?

*21:「時折」どころか産経や週刊新潮、ウィルだのウヨメディアを読めばうんざりする程目撃できますが。

*22:台湾企業・奇美実業オーナー。李登輝と親しく、1996年から約4年間総統府国策顧問を務めた他、2000年から2006年まで総統府資政を務めた。

*23:台湾総督、第4次伊藤、第1次桂内閣陸軍大臣参謀総長など歴任。

*24:台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁、第2次、第3次桂内閣逓信大臣、寺内内閣内務大臣、外務大臣東京市長、第2次山本内閣内務大臣など歴任

*25:まあ、全員、いわゆる台湾ロビーでしょう。そういう人間が招待されて出席したと言うことでしょうね。

*26:2017年9月8日から蔡英文政権首相

*27:高雄市長、陳水扁政権首相などを歴任。

*28:南投県長、高雄市長、馬英九政権首相、副総統などを歴任。2017年8月20日から、国民党主席。

*29:1927年に日本統治時代の台湾で結成された政治結社。1931年に台湾総督府によって解散させられる。

*30:著書『日本帝国主義下の台湾』(1996年、東京大学出版会

*31:著書『日本帝国主義と旧植民地地主制:台湾・朝鮮・「満州」における日本人大土地所有の史的分析(増補版)』(1989年、龍溪書舎)、『日本植民地研究史論』(1990年、未来社)など

*32:著書『帝国日本の「開発」と植民地台湾:台湾の嘉南大圳と日月潭発電所』(2015年、有志舎)

*33:著書『蒋経国李登輝』(1997年、岩波書店)、『台湾抗日運動史研究(増補版)』(2001年、研文出版)、『台湾』(2001年、ちくま新書)、『台湾の政治』(2008年、東京大学出版会)など

*34:著書『「紙上の教会」と日本近代:無教会キリスト教の歴史社会学』(2013年、岩波書店

*35:元老の一人。首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監など要職を歴任

*36:参議、陸軍大将、近衛都督

*37:台湾総督府基隆支庁長、宜蘭庁長、日本の京都市長など歴任

*38:戦前台湾に結成された民族政党・台湾民衆党の指導者

*39:言いたいことは解りますが、「腹心」とは部下に使う言葉なので日本語として少し変です(まあ、安倍が加計を部下扱いしてるからこういう物言いになるのでしょうが)。まあ、ロッキード事件小佐野賢治が言った言葉「首相は刎頸の友」が安倍や加計の言いたいことでしょうね。まあ、本当に「加計が刎頸(処罰)」されそうになったら、安倍は加計を見捨てるでしょうけど。

*40:公明党政調会長などを経て第四次安倍内閣国交相

*41:著書『企業年金危機』(1999年、中公新書)、『娘に語る年金の話』(2001年、中公新書)、『影の銀行:もう一つの戦後日本金融史』(2010年、中公新書)、『年金格差とアベノミクス』(2015年、かもがわ出版)など