今日の産経ニュース(12/30分)(追記あり)

■安倍首相がラジオ出演「衆院解散は頭の片隅にもない」
https://www.sankei.com/politics/news/181230/plt1812300007-n1.html
 まあ、安倍翼賛マスコミによる「安倍独演会」だったんでしょうね。くだらない話です。
 なお、安倍は嘘をつくことを全く躊躇しないし、仮に「今は片隅にもなくても」、『解散した方が都合がいい』と思えば、すぐにでも解散するでしょうしねえ。「片隅にもない」といっても、「ああ、そうですか」程度の感想しかないですね。

 条約締結後の北方領土への米軍展開をめぐり、米側から基地を置かないことで了解を得ているかとの質問には「まだない」と述べるにとどめた。

 「まだない」てのが「悪い意味で」すごいですね。
 「まだ、てことは正式にプーチン*1提案(島に米軍を置かないことを確約してほしい)について日本政府としても島の返還を実現するため、受け入れたいと米国に申し入れたんですか?。」「米国から了解がとれなかったら島の返還は諦めるんですか?。それとも米国の了解がなくても、見切り発車でプーチンに確約するんですか?」などと問いただされたらどう答える気なんでしょうか?
 しかし、この記事にタイトルをつけるとしたら衆院解散云々より『プーチン提案、首相「まだ米国から了解ない」と発言』とでもつけるべきじゃないか。

 北朝鮮による日本人拉致問題では「(被害者家族らが)元気なうちに、その手でお子さんを抱きしめることができるよう全力を尽くす」と語った。
 また、日朝首脳会談の実現に向け「私自身が金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と直接向き合わなければならない。絶対にチャンスを逃さない決意で取り組んでいる」と強調した。

 まあ無責任に根拠レスで「絶対に帰国させる」「絶対に日朝首脳会談を実現する」といわれても困りますがあれだけ拉致を自己の宣伝に使ってきた安倍ですら「全力を尽くす」「絶対にチャンスを逃さない決意で取り組んでいる」だそうです。明らかに逃げ腰であり、「ああ、こりゃ首脳会談なんか本心ではやる気もねえし、当然、拉致被害者も帰国しねえな」と思いますね。

後継の「ポスト安倍」候補については「自民党は多士済々だ。スポットライトが当たっている人以外にも地道に一生懸命やっている人がいる」と指摘した。

 つまりは安倍にとって後継にしたい人間がいないと言うことなんでしょうね。まあ、「福田赳夫を派閥後継者とした祖父・岸信介とは違い」後継を育てる意思も能力もないでしょうからね。


■官僚不祥事を斬る 高橋洋一*2嘉悦大教授「官僚は合理性を武器に」
https://www.sankei.com/politics/news/181230/plt1812300009-n1.html
 安倍信者の高橋なので恥知らずにもためらいなく、モリカケを「安倍総理の関係ない官僚不祥事」といってのけます。
 そして「安倍、麻生らの関係ない官僚不祥事」とはいえ、「セクハラに対する認識がなってないこと」や「財務省に森友への不当な優遇を強要した後ろめたさ」からから当初、処分しないでごまかそうとした、福田財務次官(当時)セクハラ問題についても安倍や麻生を「なぜ福田をかばおうとしたのか」「セクハラに対する認識がなってない」などとは批判しません。
 また、「霞ヶ関障害者雇用水増し」にせよ「防衛省の日報隠し」にせよ他の何にせよ「役人が悪い」で終わらせるのだから恐れ入ります。いやいや管理監督責任があるでしょうよ。
 まあ、「1980年代から水増しがされてた(つまり30年以上水増しがされてた)」つう「障害者雇用水増し」については「中曽根*3、竹下*4など歴代自民党政権も同罪」なのでこれだけは安倍を「必要以上にたたく気はない」ですが。
 まあ、そもそも「著書『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』(2008年、文春新書)などで、霞ヶ関埋蔵金*5なんてデマを放言したあげく、そのデマが発覚しても何一つ謝罪しない。そして高橋のデマを鵜呑みにして醜態をさらした民主党政権に恥知らずにも悪口する」とか「銭湯での窃盗(これで高橋は東洋大学を懲戒解雇)について未だかつて公式にきちんとわびたことがないくせに、加計疑惑で安倍をかばいたいが故に、ためらいなく出会い系バー云々で前川*6元文科次官を中傷する」という時点で高橋はまともな人間ではないですが。
 人間として、高橋のようなくず野郎は軽蔑しますね。一方で俺は「もう何度も書いていますが」、次官を引責辞任した天下り問題を割り引いても、「加計告発」「朝鮮学校無償化除外反対」「夜間学校支援」の前川氏は尊敬しています。
 それにしても、もはやまともな人間は高橋など相手にはしてないでしょうが、それでも高橋はもはやいいのでしょう。


■安倍首相の来年の目標は…「皇位継承とG20をつつがなく。大変緊張する」
https://www.sankei.com/politics/news/181230/plt1812300006-n1.html
 「来年の目標は改憲です」とか「北方領土問題を一歩でも前に進める」とか言ってないことが俺的に興味深いですね。
 今そういうこというと「かえって反発を呼ぶ」とか思ってるんでしょうか?


■【新聞に喝!】主張なき「議員外交」は必要か 作家・ジャーナリスト・門田隆将*7
https://www.sankei.com/column/news/181230/clm1812300003-n1.html
 まあ、本文の内容は「日韓議連が弱腰だ」とか言う嫌韓国・歴史修正主義ウヨの寝言ですが、それはともかく。

 かつてソウル地下鉄事件では、アメリカの銀行を迂回(うかい)させてまで利権を貪(むさぼ)った自民党の有力者がいたように、日韓の友好を謳(うた)う議員たちには、胡散(うさん)臭さがつきまとう。

 さてここで門田が言うソウル地下鉄事件(ソウル地下鉄問題)についてググってみましょう。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/a087040.htm
金大中事件及びソウル地下鉄問題に関する質問主意書
昭和五十四年六月十三日
提出者  正森成二
 金大中事件は韓国公権力によるわが国主権の明白な侵害事件であり、またソウル地下鉄問題は日本政府の対韓経済協力にからむ日韓ゆ着の典型であつて、ともにその真相解明は重要かつ緊急を要すると考える。
 従つて、次の事項について質問する。
一 (略)
二 ソウル地下鉄建設に関して三菱商事など日本連合四商社が米国に送金した二百五十万ドルの一部である百万ドルが、韓国外換銀行東京支店に還流されたうえ、スイス・バンク・コーポレーションの日本人の口座に送金された事実について、私は去る五月二十三日の法務委員会で質問し、政府に捜査・調査を求めたところ、法務省伊藤*8刑事局長は、「御指摘のような点は検察当局に連絡をしておきたい」、「検察は検察として独自でやるならやりたい」と答弁した。この点についての法務・検察当局、国税当局の捜査・調査の結果もしくは途中経過を明らかにされたい。
 さらに、日本に還流された百三十万ドルの一部である一億数千万円が、日本の首相経験者二名に支払われたという点について、法務・検察当局及び国税当局の捜査・調査結果もあわせて明らかにされたい。
 右質問する。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumona.nsf/html/shitsumon/b087040.htm
昭和五十四年七月六日
内閣総理大臣 大平正芳*9
 衆議院議員正森成二君提出「金大中事件及びソウル地下鉄問題に関する質問」に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員正森成二君提出「金大中事件及びソウル地下鉄問題に関する質問」に対する答弁書
一について
 (略)
二について
 関係当局は、必要に応じ関係資料を収集するなど調査を行つているが、日本に還流したといわれる資金については、その還流資金に関する韓国外換銀行の関係伝票が欠落している等の事情のため、その後の出金先をは握するのは極めて困難な状態にあり、現在までのところ指摘された二つの問題については、その事実関係を確認するに至つていない。
 右答弁する。

 つまりは自民党幹部議員(首相経験者)の癒着の訳ですが

アメリカの銀行を迂回(うかい)させてまで利権を貪(むさぼ)った自民党の有力者(門田)
・日本の首相経験者二名(正森氏)

とは誰なのか気になるところです。正森質問当時(1979年)は「大平内閣」で、裏金が支払われたとみられる、ソウル地下鉄が建設された当時(1973年)は

1959年死去:芦田均*10鳩山一郎*11元首相
1965年死去:池田勇人*12元首相
1967年死去:吉田茂*13元首相

ですので候補者(?)としては

片山哲*14元首相
石橋湛山*15元首相
岸信介*16元首相
佐藤栄作*17元首相
田中角栄*18元首相
三木武夫*19元首相
福田赳夫*20元首相

つうことになります。でこのうち二人が「疑惑の当事者」というとやはり「朴チョンヒとの関係が深い」といわれた「岸(現首相・安倍*21の祖父)と佐藤(岸の実弟)じゃないか」つう気がしますね。だからこそ門田も名前が出せないんじゃないか。
 まあいずれにせよ「韓国ロビーの過去の金銭疑惑」と「今の日韓議連」と必ずしも関係ないのでこんなことを門田が言い出す理由が意味不明ですが。


■次世代加速器誘致に逆風 巻き返し狙う推進側の秘策は(科学部 伊藤壽一郎)
https://special.sankei.com/f/life/article/20181230/0001.html

・宇宙の成り立ちを探る次世代加速器国際リニアコライダー(ILC)」を日本に誘致する構想に、逆風が強まった。文部科学省の依頼で是非を審議していた日本学術会議が「現時点で誘致を支持するには至らない」と回答したからだ。
 学術会議は19日に公表した文科省への回答で、実験で期待される成果には一定の科学的意義を認めた。だが、主に日米欧で分担する総建設費が約8000億円と見込まれることなど、巨額の費用を問題視。「成果が経費負担に見合うとは認識できない」「国際的な経費分担の見通しが明らかでない」と懸念を示した。
・最大の難題は費用の巨額さだ。日本の限られた科学技術予算から捻出すれば、他分野の研究予算への圧迫は必至。検討委の議論でも「科学は物理学だけではない」と、不安視する声が上がっていた。
 他分野への影響を避けるため、推進側は科学技術予算とは別枠で費用を調達すべきだと主張している。だが、その具体的な見通しは示しておらず、学術会議も回答で懸念を表明した。

 まあ、俺も学術会議と同様の理由(多額の建設費が他の科学予算を犠牲にし、ILC以外の研究を困難にしかねない)で「ええがな、そんなもん誘致せんで」「巻き返しとか余計なことせんでええから」つう考えですね。

 これについて計画を推進する国際組織の駒宮幸男・早稲田大研究院教授は「丁寧な審議で現時点の課題を指摘してくれたことに感謝する」とした上で、「費用に見合うかどうかは研究成果だけでなく、2兆6000億円に及ぶ経済波及効果や地域復興への貢献も含めて総合的に判断してほしい」と話す。

 まあ、この種の「自称・経済波及効果」は大抵「推進派によって水増しされてる」ので眉唾ですね。「建設費8000億だからこじつけでも、8000億を大幅に超える波及効果があるつうんだろうなあ」感しかない。

 国際的な経費分担については「日本が総建設費の半分強、残りを米欧が等分するという科学者レベルの『たたき台的な合意』があり、既に公表もしているが、正式に決まるのは日本政府が誘致の姿勢を表明し国際協議が始まった後になる」と理解を求めた。

 つまりは「分担割合が固まってないから反対」つう学術会議の懸念は正しいわけです。
 「一応大雑把な合意はあるから」「詳細はどこに誘致するかが決まらないとわからない。とにかく誘致に賛成してほしい」てそれ無茶苦茶じゃないですかね。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*2:著書『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』(2008年、文春新書)、『さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別』(2010年、講談社プラスアルファ文庫)、『日本経済のウソ』(2010年、ちくま新書)、『この金融政策が日本経済を救う』(2011年、光文社新書)、『この経済政策が日本を殺す:日銀と財務省の罠』(2011年、扶桑社新書)、『「借金1000兆円」に騙されるな!』(2012年、小学館101新書)、『こうすれば日本はもの凄い経済大国になる:安倍内閣と黒田日銀への期待と不安』(2013年、小学館101新書)、『儲かる五輪:訪れる巨大なビジネスチャンス』(2016年、角川新書)、『朝鮮半島終焉の舞台裏』(2017年、扶桑社新書)、『「官僚とマスコミ」は噓ばかり』(2018年、PHP新書)、『財務省を解体せよ!』(2018年、宝島社新書)など

*3:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*4:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相

*5:特別会計の剰余金や積立金の活用で増税(消費税増税)しなくても予算策定できるという主張。しかし実際にはそううまくいかず、民主党政権は消費税増税の方向に乗り出すことになる。なお、小生の支持する共産党は「霞ヶ関埋蔵金など存在しない(剰余金や積立金は使用しないで積み立てたりする正当な理由があるのであり、他に流用すべきでない)」「一定の増税は避けられないと思うが、その場合、貧困者の負担が重い消費税ではなく法人税増税所得税累進課税強化」としていた。

*6:著書『これからの日本、これからの教育』(共著、2017年、ちくま新書)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『前川喜平「官」を語る』(共著、2018年、宝島社)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(共著、2018年、明石書店)、『前川喜平が語る、考える。:学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(共著、2018年、本の泉社)、『ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』(共著、2019年刊行予定、集英社

*7:著書『裁判官が日本を滅ぼす』(2005年、新潮文庫)、『甲子園への遺言:伝説の打撃コーチ 高畠導宏の生涯』(2008年、講談社文庫)、『なぜ君は絶望と闘えたのか:本村洋の3300日』(2010年、新潮文庫)、『尾根のかなたに:父と息子の日航機墜落事故』(2012年、小学館文庫)、『この命、義に捧ぐ:台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(2013年、角川文庫)、『蒼海に消ゆ:祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯』(2015年、角川文庫)、『死の淵を見た男 吉田昌郎福島第一原発』(2016年、角川文庫)、『記者たちは海に向かった 津波放射能福島民友新聞』(2017年、角川文庫)など

*8:後に検事総長

*9:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*10:幣原内閣厚生相、片山内閣副総理・外相などを経て首相

*11:田中義一内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を経て首相

*12:元大蔵次官。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*13:戦前、天津総領事、奉天総領事、外務次官、駐イタリア大使、駐英国大使など歴任。戦後、政界入り。東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*14:日本社会党書記長、委員長、首相、民社党常任顧問を歴任

*15:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相などを経て首相

*16:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*17:元運輸次官。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*18:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*19:片山内閣逓信相、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*20:元大蔵省主計局長。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*21:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相