【政治デスクノート】動く「ポスト菅」候補 総裁への道は官房長官が条件 - 産経ニュース
かつて田中角栄氏は総裁(首相)の条件として「党三役(幹事長、総務会長、政調会長)のうち幹事長を含む2つ、蔵相(現財務相)、通産相(現経済産業相)、外相のうち2つ」を挙げた*1。だが、これももはや昔日の感がある。今は田中氏が挙げなかった官房長官の経験者が総裁の新たなキャリアパスとなりつつある。
この条件を挙げた田中氏は政調会長*2、蔵相*3、幹事長*4、通産相*5を歴任し、首相に上り詰めた。田中政権後の三木武夫*6、福田赳夫*7、大平正芳*8の3氏もこの条件を満たし宰相の座を射止めた。ちなみにこの条件を満たす現職議員は、(ボーガス注:小泉、第一次安倍内閣外相、自民党政調会長(小泉総裁時代)、幹事長(福田総裁時代)だった)元首相の麻生太郎副総理兼財務相ぐらいしか見当たらない。
平成に入り就任した宇野宗佑氏*9から菅氏*10まで政権の座に就いた自民党総裁は12人(安倍晋三氏は2回)。このうち官房長官を務めたのは宮沢喜一氏*11、小渕恵三氏*12、福田康夫氏*13、安倍晋三氏*14、菅氏*15の5人に上る。蔵相・財務相は2人*16、通産相・経産相*17は4人、外相*18は4人となっており、官房長官経験者が最も多くなっている。
おいおいですね。田中が首相になった時代でも
です。
また、産経は何故か「宇野宗佑氏から」書きますが、それ以前も
なのだから「官房長官の経験者が総裁の新たなキャリアパス」どころか、官房長官は以前から重要ポストです。全く何を言ってるのか。
ちなみに、「田中の挙げた条件」を満たした人間としては
【田中の首相就任以前】
◆池田勇人
(自民党ではなく、その前身の)自由党政調会長、幹事長(吉田総裁時代)、吉田、石橋、岸内閣蔵相、吉田、岸内閣通産相
◆佐藤栄作
(自民党ではなく、その前身の)自由党政調会長、幹事長(吉田総裁時代)、自民党総務会長(岸総裁時代)、岸内閣蔵相、池田内閣通産相
【田中の首相就任以後(産経が名前を挙げた三木、福田、大平は除く)】
◆安倍晋太郎(但しライバルである竹下、宮沢の存在、リクルート事件による政治的謹慎(そして謹慎中の病死)などで自民党総裁、首相にはなれず)
自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党総務会長(中曽根総裁時代)、幹事長(竹下総裁時代)
◆橋本龍太郎
自民党幹事長(宇野総裁時代)、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相
がいます(つまりは、田中が首相になる前において、片山哲など、「非自民の首相」は除くとしても「大臣としては外相しか経験してない吉田茂」など、田中が挙げた条件を満たしてない首相もいる)。
それはともかく「重要閣僚としては官房長官ポストしか経験してない安倍や菅*19を持ち上げたい(安倍については可能ならば再々登板させたい、菅については総裁再選を実現したい)」のか、はたまた「田中理論(?)」ではポスト菅有力候補となる
【田中のあげた6ポストのうち、3つに就任】
◆二階幹事長
経産相(小泉、福田、麻生首相時代)、自民党総務会長、幹事長(第二次安倍総裁時代)
◆茂木外相
自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、経産相(第二次安倍内閣)、外相(第四次安倍、菅内閣)
【田中のあげた6ポストのうち、2つに就任】
◆石破元官房長官
自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)
◆石原元幹事長
自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)
◆岸田前政調会長
外相(第二次、第三次安倍内閣)、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)
よりも
の加藤官房長官を「ポスト菅」としてプッシュしたいということなのか。どっちにしろ無理なこじつけです。
「持たざる国」の総力戦支えた陸軍経理部 戦後76年で見えた光と影 - 産経ニュース
元防衛事務官として自衛隊の装備品調達を担当した異色の経歴を持つ会計学者、本間正人・秀明大准教授の話題作『経理から見た日本陸軍』(文春新書)は、従来ほとんど注目されてこなかった陸軍経理部に光を当て、その制度の詳細や総力戦で果たした役割、戦後への影響を考察する。
本間准教授によると、旧陸軍と現在の自衛隊の経理面での最大の違いは、「委任経理」の有無だという。旧陸軍は糧食や被服などについて、年度初めに各連隊に対し定額定量を交付して運用を委任し、あとは各部隊長がその範囲内でやりくりする経理方式を採用していた。途中で不足が生じても一切補填(ほてん)されないので、連隊の経理部将校はいかに倹約して余剰を捻出するかに腐心した。
破れた軍服も経理部が運営する部隊内の工場で修理して、できる限り長く使う。戦争が長期化するとだんだん回らなくなってくる。太平洋戦線で対戦した米軍は、戦場にわざわざ被服や装備品の修理場を設け、自軍ならすぐ交換するような破損品でも信じられないほどの補修を繰り返して使う日本兵の様子を奇異に思ったという。
つまりは「日本軍にはカネがなかった」ということでもあるし、「満州事変(1931年)から14年に及んだ日中戦争」「真珠湾攻撃(1941年)から4年に及んだ太平洋戦争」以前は「短期間の戦争」だったので「それでも十分戦えた」わけです。
南北朝時代の武将・楠木正成の嫡男(ちゃくなん)、正行の生涯を描き、東京で公演中の宝塚歌劇団「桜嵐記(おうらんき)」(8月15日まで)が話題だ
右翼の産経らしいですが、まあ、「宝塚歌劇」ですからね。これをネタに「愛国主義の勃興」というのは馬鹿げています。
40度でも「軽症」、中等症は「おぼれる苦しさも」 静岡の専門家指摘 - 産経ニュース
当初はかぜ程度の感覚でも、中等症以上へ容態が急変する場合のスピードが速いという、新型コロナの特徴もある。浜松市の50代男性は、7日時点ではのどの違和感程度だったが5日後の12日現在、中等症で酸素吸入が必要な肺炎となっている。
静岡県病院協会会長の毛利博医師は、「若い人は症状が軽いなどとあなどってはならない」と強調する。後遺症の重さも指摘されている。
医療関係者は「感染自体しない、拡散させないよう心がけてほしい」と強く求めている。
記事タイトルだけで「げんなり」ですが産経には珍しく「良い記事」だと思います。
「40度の高熱でも軽症扱い」「中等症と言っても、呼吸困難で死を覚悟する(酸素吸入が必要)」という「空恐ろしい世界」がコロナ感染と言うことです。
【主張】入管調査報告書 意識改革行い法改正急げ - 産経ニュース
まずすべきことは「真相の解明(勿論、そのためにはビデオ公開は不可欠でしょう)」と「責任者の処罰」、そして「再発防止策」です。しかし産経は「再発防止策=入管法改正」とした上でどう見ても「廃案となった案と似たり寄ったりの案」での改正を画策しているから心底呆れます。
どれほど恥知らずな火事場泥棒、焼け太りなのか。
【正論モーニング】戦後76年の「終戦の日」 激減する元軍人たち その思いの継承は - 産経ニュース
何も「元軍人=産経と同レベルの極右」ではないのでデマも甚だしい記事です。
*1:これらを経験した自分には首相の資格があるという宣伝ではないか
*2:池田総裁時代
*3:池田内閣
*4:佐藤総裁時代
*5:佐藤内閣
*6:自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相
*7:自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣蔵相
*8:池田内閣外相、自民党政調会長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)
*9:田中内閣防衛庁長官、自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相
*10:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相
*16:中曽根、竹下内閣蔵相の宮沢氏と海部内閣蔵相の橋本氏。なお、非自民の首相も入れれば「菅直人氏(鳩山内閣財務相)、野田氏(菅直人内閣財務相)」の2人がいます。また「政権の座に就かなかった自民党総裁」を入れれば小泉内閣財務相だった谷垣氏がいます。
*17:佐藤内閣通産相の宮沢氏、中曽根内閣通産相の宇野氏、宮沢内閣通産相の森氏、村山内閣通産相の橋本氏。
*18:三木内閣外相の宮沢氏、竹下内閣外相の宇野氏、橋本内閣外相の小渕氏、小泉、第一次安倍内閣外相の麻生。なお、非自民の首相も入れれば「羽田氏(細川内閣外相)」がいます。また「政権の座に就かなかった自民党総裁」を入れれば村山、小渕、森内閣外相だった河野氏がいます。