今日の産経ニュース他(2019年1月31日)

酒井信彦ブログ『日米経済戦争の戦死者』

 平成10(1998)年から日本の自殺者数は、一挙に急増した。それ以前はほとんど二万人台の前半で推移しており、9年には2万4391人だったが、10年には8472人(35%)増加し、3万2863人になったのである。以後、平成23年まで実に14年の間3万人を超過する状態が続き、ピークは15年の3万4427人であった。24年以後は3万人を下回り、減少をつづけて、現在は2万1000人ほどになっている。この期間において、女性の自殺者数はほとんど変動がなく、男性では中高年者が多くを占めているから、増加の原因が経済不況であることは明白である。

 酒井の文章を読む限りでは、「自殺増加の主原因が何か」は全然明白ではないですね。何で男性の自殺増が女性より多いと「不況が主要因」と思えるのかさっぱり分かりません。ましてや仮に自殺増加の主な原因が「不況」だとして何で「日米経済戦争」云々なんて話になるのか、さっぱりわかりません。

 敗北の根本的原因は、日本がアメリカの被保護国であるという、存在状況にあるのではないのか。
 日本をアメリカの被保護国にし続けているのは、日本国憲法であるから、結局、日本国憲法が、日米経済戦争の犠牲者を生み出したのである。

 意味不明ですね。仮に自殺者増加が不況が原因で、その不況の原因が「米国企業との経済戦争に日本企業が負けたからだ」としても、九条改憲すればなぜ日本企業が米国企業との経済戦争に勝てるのか、全く意味不明です。
 そもそも改憲すれば日本は「属国状況から脱せるのか」といったら無理でしょう。属国状況を招いてるのは「日米安保条約」だし、安倍が改憲したがる理由は「米国と共同軍事作戦したいから(つまりもっと属国にしたいから)」なのだから、むしろ「属国状態から脱したいなら」日米安保を廃棄すべきでしょう。
 日米安保を今のままで改憲しても属国化が進むだけです。それが分からないなら、酒井はバカだし、分かっていて「改憲すれば属国でなくなる」といっているなら嘘つきです。
 大体そんなに属国状態が我慢ならないなら、なぜ酒井は沖縄基地問題で翁長氏やデニー氏を支持しないのか。言ってることが全くでたらめです。


櫻井よしこ『原発輸出を助け、技術を継承せよ』

厚生労働省の勤労統計調査が15年間も不適切に集計*1されていた。
・誇り高かったはずの日本の中央省庁は中国並になりつつあるのか。

 中国の悪口を言う必然性がない場所でも「中国の悪口を言わずには居られない」。まさによしこは「ある種の心の病気」だと思います。

昨年9月、北海道地震で何が起きたか。全道が電力停止(ブラックアウト)に陥り、畜産農家の乳牛の3分の1が死ぬなど、損害を蒙った。当時の、泊原子力発電所が稼働していれば全道ブラックアウトなど起きなかっただろう。だが、泊原発を再稼働させよという声は出てこなかった。

 「泊原発を稼働しなかったことがブラックアウトの原因」だの「泊原発稼働以外に解決策はない」だの言う話ではない上、場合によっては「大規模地震が起こって泊原発が破壊され周辺地域が放射能汚染される」という最悪の事態すらありうるのに全くよしこもふざけています。

 再稼働は進まず、新設は計画さえされない。
 これでは、日本の原発技術者は働く場所を失う。

 おいおいですね。もちろん「失業しても自業自得」つうわけにはいかない。しかし経済合理性(原発事故時の損失補償の問題など)からある産業(この場合、原発)が衰退していくのは日本でも「炭鉱」「養蚕」など過去にいくらでもあります。「そういう場合の雇用の保証」とは「衰退産業を無理に維持すること」では必ずしももない。
 まあ、廃炉作業などを考えれば当面は「働く場所が減る」「もはや原発技術者を増やす必要はない」にしても「働く場所がなくなる」ことは当面はないでしょう。

・国内で原発技術を継承できなければ海外にプラント輸出して、輸出先で日本人技術者を温存すればよいとも、政府は説明する。しかし、その道もいま、閉ざされつつある。
・今月17日、日立製作所が、イギリスのアングルシー島で進めていた2基の原発新設計画を凍結する方針を発表した。
・日本の原発輸出はおよそ悉(ことごと)く挫折している。三菱重工ベトナム及びトルコへの原発輸出も厳しく、日立のアラブ首長国連邦(UAE)への輸出は韓国に奪われ、リトアニアへの輸出も凍結された。

 つまりは日本の原発企業(日立、三菱重工)の海外競争力は高くないと言うことです。そうした「競争力の高くない企業」をよしこが言う様に「税金で支援すべきか」は疑問でしょう。特に「事故の危険性」というネックがある原発ではなおさらです。

 総事業費は政府が債務保証しなくては輸出は進みません。UAEで日本が韓国に敗れたのは、韓国政府が債務保証をしてわが国政府はしなかったからです。

 事故ったときの債務保証を政府がしないと契約が出来ないなんて産業は果たしてまともなんでしょうか?
 事故らなければいいですが、福間事故の様に事故ればその分が国民負担(つまり税金で補填)になるわけです。そんなビジネスが原発ビジネス以外にどこにあるのか。
 しかし「太陽政策では大いに文政権を支持します」が原発政策(原発輸出)は残念ながら支持できませんね。まあ、「原発輸出を支持する世論に抵抗できない」のかもしれませんが。

 いまわが国は膨大なお金を太陽光発電に費やしている。

 将来性のない危険な原発に費やすのよりはましでしょう。まあ俺個人は別に太陽光でなければいけないというこだわりはなく「脱原発のためなら」、他のエコエネルギー(風力、潮力、地熱など)でもかまいませんが。

 日立の原発輸出に必要な(ボーガス注:政府の債務保証?)のはわずか9000億円だった。

 唖然ですね。「わずか9000億」て。「お前のカネかよ、よしこ!」「1億や2億ならまだしも9000億円がぽんとお前に出せるのかよ、よしこ!」ですね。大体「UAEだけ9000億、他はただ」ではないでしょうから、よしこ路線で債務負担をしたら総額では確実に「数兆円」になるでしょう。


【ここから産経です】
捕鯨考える 松山で「ビハインド・ザ・コーヴ」上映会
 産経のことだから、おそらくは「捕鯨を考える」のではなく「IWCは酷いんです、日本政府の脱退を支持しよう!」つう上映会でしょうね。

*1:「不適切」というより「故意の捏造」ではないのか。