今日の北朝鮮・韓国ニュース(2019年1月31日分)

浅井基文ブログ『安倍政権の対韓政策(韓国側見方)』

 安倍首相は、いわゆる「従軍慰安婦」問題及び徴用工問題で、尊厳に立脚して毅然とした態度をとる文在寅大統領の存在が我慢ならない感情を抑えることができず、日本国内世論も「韓国叩き」に加担する雰囲気を背景に、施政方針演説では日韓関係を正面から取り上げることすらやめるという子供じみた行動にすら訴えています。
 安倍首相の以上の行動に対して、韓国の保守的な新聞である中央日報朝鮮日報も早速報道しました(ともに28日付日本語WS)。内容的には同工異曲なので、中央日報の記事を紹介します。
中央日報安倍氏、施政演説から韓国関連の部分はまるごと抜いた」
 「首相に期待する政策について」で外交・安全保障を選択した者が8%ポイント上昇したが、これは「韓国海軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などが影響したとみられる」(日経)という分析がある。

 浅井先生も呆れていますが、中央日報の指摘が事実なら「安倍支持者の馬鹿さ」に呆れて二の句が継げませんね。「経済的にも重要な隣国」韓国を敵視して、日韓関係を悪化させることを「毅然とした態度」などと見なすのは馬鹿げています。
 そもそも安倍が北方領土問題でロシアに毅然とした態度をとれないことを、この種の安倍支持者はどう考えてるのか?。単に安倍や支持者が「アジア差別&白人コンプレクス」ではないのか。
 そして浅井先生も指摘していますが「ロシアに物が言えない鬱憤」も安倍の嫌韓国の背景にはあるでしょう。

ハンギョレ「安倍首相の弱点」
 日本の"戦後"が、軍国主義右翼勢力、朝鮮半島を侵略し日本の利益を守らなければならないという征韓論勢力を正しく克服できなかったという兆候がますます明確になっている

 非常識極右・安倍が首相ではこのように言われても仕方ないでしょう。

・米国でトランプ大統領が登場し、北朝鮮との対話に乗り出し、北朝鮮脅威論が力を失った。
尖閣(釣魚島)の軋轢以降初めて昨年10月に北京を訪問し、習近平主席と首脳会談をした。
・新たな敵が必要だった。

 ハンギョレ記事に賛同し、「だからこそ北朝鮮、中国叩きがしづらくなり、そのためもあって、嫌韓国に安倍が走ってる」とみる浅井先生です。

・それでは安倍首相の"弱点"は何か?。
・安倍首相が韓日間の民族主義的憎悪を煽り立てようとしていることに対抗し、日本国内にも安倍首相の政策と改憲に反対する多くの市民がいることを記憶し、反日感情に巻きこまれず平和体制と非核地帯に向けた連帯の空間を作ることも重要だ。

 ハンギョレが批判しているのはあくまでも安倍や「安倍に同調する嫌韓国右翼分子(残念ながらそうした日本人は少なくないわけですが)」であり日本人全体ではないこと、安倍を批判する日本人との連帯、共闘を主張していることを強く指摘したい。


産経『米議会、在韓米軍の縮小を禁止する法案を提出 トランプ大統領に「警告」』
 まあ「一部の右派議員が法案提出した」だけですのでこの法案が一体どうなるのかつうところですね。俺個人は「全面撤退」ならまだしも縮小はすべきだと思っていますが。いや「北朝鮮の韓国侵攻などあり得ない今」全面撤退してもいいと個人的には思いますけど、米韓両国に撤退に反対する「反北朝鮮の右派政治勢力」がいる以上、まずは縮小が現実的でしょう。まあ、俺もその程度には現実主義です。


産経【識者談話】国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネル元委員、古川勝久氏
 正直「バーター取引」を目指すべきであって「制裁で屈服させる」なんてのは現実的じゃないと思いますね。


朝日『スルメイカ、北朝鮮が漁獲増 「格上」ヤリイカより高く』

 水産庁は31日、2019年度のスルメイカの漁獲可能量(TAC)を過去最低の6万7千トンとする方針を示した。海水温の変化や中国、北朝鮮の漁獲増などで資源量が減っているためだ。

 本文に「海水温の変化や中国、北朝鮮の漁獲増などで資源量が減っている」と書きながら、タイトルで北朝鮮にしか触れないというのは「北朝鮮のせいだけでスルメイカ漁獲可能量が減ってるかの様に誤読されかねない」北朝鮮に対する不当なネガキャンでしょう。大体この記事で一番大事なことは「北朝鮮云々」ではなく「資源量減少で水産庁スルメイカ漁獲制限」でしょう。この朝日の記事は奇妙にもそうしたポイントを完全に外しています。そこまでして北朝鮮を誹謗したかったのか*1
 俺ならタイトルは

 水産庁スルメイカ漁獲可能量を過去最低に、海水温変化や中朝の漁獲増で資源量減少のため

とでも書きますね。まあこれでは長すぎるなら

 水産庁スルメイカ漁獲可能量を過去最低に

でもいいですが。北朝鮮云々なんてのはこの記事のポイントじゃない。
 朝日新聞の「北朝鮮を誹謗する下劣さ」には心底呆れます。なぜ北朝鮮がらみだと、朝日は産経と同レベルのゲスになるのか。


朝日『韓国、石油精製品を無届けで北朝鮮に運ぶ「南北事業で」』
 仮に安保理決議違反行為だとしても故意ではなくミスでしょう。正直「南北友好を阻害していること」を考えれば早急に制裁は「大幅に解除されるべき」ではないかと思いますね。朝日新聞はそうは思ってないようですが。

【追記】
南北共同事務所の発電機の燃料や暖房用としての石油持ち込みが『制裁違反』ねぇ・・・ - 誰かの妄想・はてなブログ版
 なるほど確かにこれは「果たして安保理決議違反扱いしていいのか疑問」だし、仮に違反だとしても「ミス(過失)」にすぎない様に思います。
【主張】韓国が「石油」供給 対北制裁破りに大義なし - 産経ニュース
などという産経の主張は言いがかりも甚だしいと言うべきでしょう。「連絡事務所の運営」に石油を輸出する程度のことが「重大な決議違反」のわけもないでしょう。


朝日『「北朝鮮は核開発を継続」国連専門家パネルが報告提出へ』
 こういう報告をアンチ北朝鮮のウヨは「トランプ外交は、文在寅外交は失敗してる」「北朝鮮は核廃棄する気がない」と言いつのるのでしょうが俺個人はそういう立場に立ちません。
 そもそも「島を返すか、返さないか曖昧にごまかすプーチン*2」と違い、北朝鮮ははっきりと「米国が体制保障するなら廃棄する」「体制保障の確約*3もなしに廃棄なんか出来ない。終戦協定は米国以外(中国、韓国)も当事者なのですぐには無理だとしても、まずは米国の一存で出来る朝鮮戦争終戦宣言をしろ」としています。
 なら米国がまずは終戦宣言すればいい。実質、終戦してるのだから大してハードルも高くない。ところがそれをやらないのだから、むしろ問題は米国にある。
 でそういう状況で北朝鮮が「核開発を自粛しても全面的に中止したりはしない」のは予想の範囲内ですね。別にそれで北朝鮮を批判する気もない。

*1:追記:つうかよく考えたらこの朝日タイトルだと「水産庁の漁獲可能量減少」がどこにも出てこないので「(最近は)「格上」のはずのヤリイカより高いので、スルメイカ北朝鮮が漁獲増(へえ、そうなんだ)」としか読まれない可能性がありますね。ネガキャンになってない可能性もありますがどっちにしろ記事本文とタイトルが奇妙にずれています。

*2:「米軍を置くな」発言は「仮に島を返すなら」という仮定の条件に基づいた「最低限の条件」という話に過ぎず、「米軍を置かなければ返す」つう話では全くありません。

*3:実はこのあたり「体制保障の確約」が北朝鮮にとって「終戦宣言」「終戦協定(「在韓米軍=国連軍」というフィクションの終了)」「米朝国交正常化」「在韓米軍撤退」など何を意味するのかは必ずしも明確ではないですが、「明確にすることによってかえって立場が悪くなること(『そんな低いハードルでいいのか!』と米国になめられたり、逆に『そんな高いハードルが越えられるわけねえだろ!』と反発を買うことなど)」を恐れて、北朝鮮が明確にしないだけだろうと俺は思っています。