今日の産経ニュース(2019年2月16日分)

「無念晴らしたい」遺族ら情報提供呼びかけ 東京府中信金課長刺殺14年 - 産経ニュース
 残念ながらこういう事件が解決することはよほどの僥倖がない限りあり得ないわけです。警察とて内心諦めてるでしょう。逮捕するだけの材料が現在なく、今後も出る可能性が低いからです。
 今「殺人の時効は廃止されています」が時効があったのは「時効がないといつまでも解決の見込みがない事件を建前上捜査しなければならず不合理だから」です。正直、犯行から「15年*1(当初の殺人の時効)」「20年*2(延長された殺人の時効。その後廃止)」もたった事件で解決することなんかまずありません。「時効延長ならまだしも」、「廃止は愚行だったのではないか」感が改めてします。


米大統領選 共和党からトランプ氏の対抗馬が出馬表明 元マサチューセッツ州知事のウェルド氏 - 産経ニュース
 この御仁について知らないので評価できませんが「共和党は今度こそトランプではないまともな人間立ててくれ(反トランプの候補がもっと出てくれ)」とは思います。
 「現職大統領が再選目指しても共和党候補になることができずに挫折する(民主党候補と戦う以前の問題)」なんてことは前例がないでしょうが、「その前例がないこと」をすべき人間がトランプでしょう。


【主張】伊藤忠社員の拘束 中国の暴挙に沈黙するな - 産経ニュース

 大手商社、伊藤忠商事の40代の男性社員が、中国広州市*3で1年前から身柄を拘束されていることが分かった。すでに起訴されているという。
 国家の安全に危害を与えた疑いとされるが、中国は具体的な容疑事実を明らかにしていない。そのような状況での長期拘束は司法に名を借りた人権抑圧であり、断じて許すことができない。中国は速やかに商社員を釈放すべきである。
 スパイ行為に関与したなどとして中国で拘束されている日本人はこれで9人となった。日本政府には、全員の即時釈放を強く迫ってもらいたい。
 心もとないのは、1年間も拘束を公にしてこなかった日本の対応である。中国による最近のカナダ人拘束に、同国政府が迅速に解放を求めた流れとは対照的だ。
 菅義偉官房長官は「邦人保護の観点から、できる限りの支援をしている」と述べたが、邦人保護は最低限の責務だ。それすら果たせていない現状では、どこまで強く(ボーガス注:チベット問題、ウイグル問題などの?)中国の人権抑圧に対峙(たいじ)してきたのか首をかしげざる*4を得ない。
 政府はこの1年、対中関係の改善に奔走し、安倍晋三首相は日中関係が「完全に正常な軌道」に戻ったとしている。だが、不当に拘束された日本人の救出を抜きにした関係改善などあり得ない*5。首相には習近平*6国家主席の来日実現に前のめりとなるのではなく、中国の人権抑圧を決して座視しない姿勢をはっきりと示してほしい。

 「安倍政権打倒」などとはもちろん言わないものの、珍しく安倍に悪口の産経です。とはいえ「報道が事実ならば、どう見ても責任逃れのために事実を隠蔽していた」としか思えない
拉致被害者の田中実さんに妻子 北朝鮮、日本に14年伝達と違いこの件は「水面下交渉していた」という可能性があるので俺は現時点では安倍を批判する気はあまりないですが。

 同じことは、伊藤忠にもいえるだろう。社員拘束から1年もたつのに「事実関係を確認中」とはどういうことか。
 伊藤忠は中国事業に傾注してきた。人脈や経験を買われ、社長などを歴任した丹羽宇一郎*7が民間初の駐中国大使を務めたこともあった。だからこそ不当な動きに毅然(きぜん)と対応する役割が期待されていると自覚してもらいたい。

 いやいや伊藤忠としては「穏便に話を片付けたい」でしょう。全然不可解ではない。そもそも日本政府からも「当面公表しないでほしい」という要請もあったとみるべきでしょう。

 伊藤忠社員の拘束は、あらゆる日本人が中国当局に拘束され得ることを改めて想起させた。そのリスクの高さを日本の企業や国民は真剣に受け止めるべきである。

 「あらゆる」というのは明らかなデマですね。中国で活動する日本人ビジネスマンや日本人留学生、中国を観光する日本人のほとんどは身柄拘束なんかされません。たとえ「どんなに身勝手で不当な理由」でも「拘束する理由がなければ拘束しない」「中国は『日本人なら誰でもいい』として身柄拘束しているわけではない」でしょう。


【産経抄】2月16日 - 産経ニュース

 立憲民主党枝野幸男*8代表は14日、自身が小学6年生の男児を子育て中だと語った上で、安倍晋三*9首相をくさした。
「首相が小学6年生並みだ。下手をすると、うちの息子の方がまだましでないか」。
 安倍政権は子供じみているというのである。

でそんな枝野氏に対するくだらない産経の悪口。

 民主党政権には在任時、無責任で甘えた言動から「63歳児*10」と揶揄(やゆ)された首相もいた。彼に閣僚として仕えた枝野氏も、たまには振り返り自省したらどうか。

 「はあ?」ですね。産経とその同類以外に誰が「63歳児総理」なんて言っていたのか。ちなみに今の安倍は「64歳児」、もとい「64歳」です。
 なお、俺個人は安倍より鳩山氏の方が何倍もまともだと思っています。

*1:江戸川乱歩明智小五郎シリーズ)」「横溝正史金田一耕助シリーズ)」「松本清張」など、昔のミステリー小説だと当然「15年時効設定」です。そこでミステリーで多用されるのが「海外旅行すると時効が停止する(それに犯人が気づかず逮捕される)」という奴です。あとレアな設定では「共犯者が起訴されると時効が停止する(それに犯人が気づかず逮捕される:共犯がいる場合だけですが)」つう奴もたまにミステリで使われてました。なお「よど号グループ」で時効が停止しないのも国外にいるからです。

*2:横山秀夫の小説で「時効が15年から20年にのびる前にやってしまえ(20年も我慢したくないので)」と時効延長がかえって殺人を助長する設定の小説があった記憶があります。

*3:広東省省都

*4:しげるまでもなく「対峙などしてない」わけです。

*5:「それとこれとは別問題」ですね。カナダにしたって国民が身柄拘束されても必要以上の中国非難はしないわけです。

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:著書『中国の大問題』(2014年、PHP新書)、『習近平はいったい何を考えているのか』(2016年、PHP新書)、『中国で考えた2050年の日本と中国:北京烈日』(2016年、文春文庫)、『日本をどのような国にするか:地球と世界の大問題』(2019年、岩波新書)など

*8:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*9:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*10:ググったところ鳩山総理のようです。とはいえほとんど記事なんかヒットしませんでしたが(しかもヒットしたのがネトウヨの記事)。