今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年7月2日分)

「トランプ・金」会談は本当に異例ずくめなのか | 韓国・北朝鮮 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準(福田恵介:東洋経済 記者)

 会談直前の6月27日にアメリ国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が韓国入りしている。

 福田記者も指摘していますが普通に考えてビーガン氏の訪韓は「米朝首脳会談の最後の詰めの調整」でしょう。要するに「ツイッターで話が始まったなんて事はない」ということです。

 今回の会談では、韓国の文在寅大統領の存在感が高まった。

 まあそういうことですね。あの会談に韓国が全くノータッチということはないでしょう。一方、この件で安倍の存在感は全くなかったわけです。


「韓国側に大きな問題」輸出管理に理解、経済2団体 - 産経ニュース
 三村明夫*1日商会頭(日本製鉄名誉会長)や桜田謙悟・経済同友会代表幹事(SOMPOホールディングス*2社長)が「安倍政権に理解を示す」だの「韓国に適切な対応を求める」だの「正気なのか」ですね。
 「安倍に逆らったら後で俺たちまで報復される、財界の中にはJR東海・葛西みたいなガチの右翼、安倍信者もいるし、支持するしかないんだ」とびびってるのか。「とにかく安倍は企業減税とかしてくれるから。おだてておいた方が何かと都合がいい」と目先の利益しか考えてないのか。
 はたまたマジで安倍と同レベルの嫌韓国極右、つまり「日本会議会長だった」ワコール創業者の塚本幸一や、第一次安倍内閣教育再生会議議員で「産経正論大賞受賞者」JR東海葛西敬之*3みたいな人間で、本気で「徴用工判決が許せない」と思ってるのか。どっちにしろ情けない話です。ただでさえ「反省能力も客観的認識能力もない」安倍が調子に乗ることは目に見えてます。そしてただでさえ安倍を恐れ安倍批判を避けるマスコミが余計批判しなくなるでしょう。
 安倍をガンガン批判しろとはいいませんが、「隣国を敵視するのはいかがな物か」「経済への悪影響も危惧される*4」くらい言えないのか。せめて何も言わずに黙ってたらどうなのか。


【加藤達也の虎穴に入らずんば】正恩氏悩ます中露の軍事演習(1/2ページ) - 産経ニュース

 1本のツイートをきっかけに首脳会談までいってしまったが、投稿からわずか1日後の6月30日午後には会談成立である。外務省の幹部は「2人にはプロトコル(儀典)だとか、アドレフ(本国政府承認前提の暫定)合意だとか、外交の常識は一切無用なのだ」と驚く一方で、「逆に見れば2人は、非核化交渉が行き詰まる中で腹案もなく首脳会談に臨み、進展があると見込んではいなかったはず」と、不安定感を指摘する。

 本気でこんなことを言ってるのならただのバカです。まあ故意にデマを流してるのでも別の意味でバカですが。
 「別記事で既に指摘しましたが」、普通に考えて「水面下交渉していたが、トランプが話題造りのためツイッターが初提案であるかのようにアピールした」だけでしょう。
 会談時間も「50分に及んだ」といいます。「長ければいい会談、短ければダメ」とは限りませんがいくら何でも水面下交渉なしでは50分も話すことはないのではないか。
 もしかしたら「習主席訪朝」のときにすでに「近々、米朝会談をやる予定でトランプと話が進んでる、中国の意見を聞きたい」ということで、金正恩が習主席に相談したのかもしれない。
 あるいは「トランプと会談したいのでG20で習主席からトランプに働きかけてほしい(習主席訪朝時に金正恩が要望)」ということで、金正恩とトランプの仲介役を習主席がしたのかもしれない。もちろん何があったのかは分かりませんが、少なくとも小生のような見方(北朝鮮はむしろ米朝交渉において中国を頼りにしている)を否定できる材料は今のところないでしょう。

・実は、正恩氏が板門店会談を即決*5した背景に、北朝鮮がロシアと中国に軍事的に追い込まれているからではないかとの見方がある。
北朝鮮有事で中露は北の敵対勢力となり得る
・正恩氏がツイートの誘いに乗ったのは、中露という“背後の脅威”から逃れ米国に庇護(ひご)を求めようとする動きなのか。

 「アホか」ですね。誰が考えても北朝鮮にとっての最大の軍事的脅威は「米国」であり米国と対抗するための「ある種の共闘相手」が中露でしょうに何でこういう奇妙な理解になるのか。


「私はスパイではない」=北朝鮮で拘束・追放の豪州人留学生:時事ドットコム
 意外な発言ですね。もちろん「スパイと俺が思っていた」つう話ではない。
 俺だったら仮にマスコミに質問されたとしても「スパイ釈放という形で身柄解放された私の立場上、仮にスパイでないにしても、それが堂々と言える立場じゃないということくらいわかりませんか?」として「否定もしないが肯定もしない」かと思います。
 もちろん誰からも質問されないのに自分から「スパイじゃない」ということもしない。まあ「スパイでないなら北朝鮮の態度は不愉快」ですが、俺ならそこは「北朝鮮の言い分を鵜呑みにする奴も少ないだろ」「豪州政府は北朝鮮の言い分を一応認めた上で俺の身柄解放のための外交交渉したんだろうし」つうことで我慢する。


オーストラリア人学生を追放=「スパイ行為謝罪」と北朝鮮:時事ドットコム
 まあ実際何があったのかは分かりません。本当に「スパイ行為」などあったのかも分かりませんが、いずれにせよ早期解放を最優先に「北朝鮮のメンツを立てる措置」が豪州によってとられたことだけは間違いないでしょう。


北朝鮮で不明の豪留学生、解放され出国 拘束理由は不明:朝日新聞デジタル
北朝鮮で不明の豪男性、拘束解かれ出国 - 産経ニュース
 早急に解放されたことをひとまずは素直に喜びたい。


北朝鮮で豪男性拘束か 外務省が説明求める :日本経済新聞
豪男性が北朝鮮で不明 拘束か - 産経ニュース
 少なくとも豪州が救う会の主張するようなレンジャー部隊の投入などせず、外交で救出しようとすることだけは間違いないでしょう。

*1:新日鉄社長、会長などを経て日本製鉄名誉会長。経済財政諮問会議議員、中教審会長、経済同友会副代表幹事、日本経団連副会長など歴任

*2:損害保険ジャパン安田火災海上保険と日産火災海上保険が合併して発足)と日本興亜損害保険日本火災海上保険興亜火災海上保険が合併して発足)が経営統合して生まれた会社。東京海上ホールディングス東京海上火災保険日動火災海上保険、朝日生命保険経営統合して発足)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス三井住友海上あいおい損害保険ニッセイ同和損害保険の3社の経営統合により誕生)と並ぶ、いわゆる「三大メガ損保」の一つ。

*3:JR東海社長、会長を経て名誉会長

*4:産経記事を信じれば「少なくともすぐには悪影響は出ないのではないか(本心かこびへつらいかはともかく、どう見ても安倍に調子を合わせてる)」といったというのだから呆れて二の句が継げませんね。

*5:既に書いたように誰が考えても「トランプツイート以前に水面下交渉があった」とみるべきであり「即決ではない」わけです。