今日の中国&朝鮮・韓国ニュース(2019年6月27日分)

【正論】文氏は「徴用工」の答え持参せよ 龍谷大学教授・李相哲 - 産経ニュース
 「お互いに対話して解決を目指そう」ではなく「解決案もってこい」とは何様のつもりなんでしょうか。呆れて二の句が継げませんね。


■パンダ誘致の行方

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201906/20190627_73028.html
 中国からのジャイアントパンダ誘致を巡り、2011年に名乗りを上げた仙台市が戦々恐々としている。神戸市と共に有力な受け入れ先とされるが、今年2月に茨城県日立市が誘致を表明し、秋田市も再び活動を活発化させ、ライバルが増えた。パンダ貸与に向けた協議は、27日の日中首脳会談で前進する見通し。仙台市は「中国との縁は深い」と実現を信じつつ、万一の事態にならないか気をもむ。
 仙台市東日本大震災で被災した子どもに夢や希望を届けたいとして、市八木山動物公園太白区)へのパンダ誘致に乗り出した。
 民主党政権だった11年12月の日中首脳会談で、仙台への2頭貸与がいったん決まったが、尖閣諸島沖縄県)の領有権問題で両国関係が悪化し、宙に浮いた。
 昨年10月、安倍晋三首相と中国の李克強首相は、パンダ貸与に向けた協議の推進で合意。実現した場合の受け入れ先として、市八木山動物公園と神戸市王子動物園が候補地に挙がった。
 東西の政令市による競争と思われたが、今年2月、茨城県日立市が誘致合戦に加わった。
 秋田市も穂積志市長が5月17日、中国・四川省のパンダ関連施設を視察。同25日に自民党二階俊博幹事長、今月16日には秋田県出身の菅義偉官房長官に要望書を提出するなど、政府与党に猛烈アピールする。
 仙台市の担当者は「誘致表明が4市となれば、さすがに脅威」と語る。
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の秋田市への配備計画を巡り、防衛省の失態が相次いだため、市幹部は「政権の意向が働くのだろうか」と警戒する。
 一方、仙台は近代中国の文豪、魯迅(1881~1936年)が留学で一時期を過ごすなど中国との縁は決して浅くない。別の市幹部は「中国側は長い交流の歴史を大切にしてくれると思う」と期待を膨らませる。

「パンダを茨城に」推進協議会設立 知事「実現させたい」 - 毎日新聞
 茨城県日立市かみね動物園(同市宮田町)へのジャイアントパンダ誘致を目指す「いばらきパンダ誘致推進協議会」(会長=大井川和彦知事)が26日、設立された。
 県庁で開かれた設立総会には、大井川知事や小川春樹*1日立市長をはじめ、県や同市の関係者ら13人が出席。大井川知事は「機運醸成や飼育環境整備など、さまざまな課題を克服し、パンダの誘致を実現させたい」とあいさつした。
 パンダ誘致の取り組みは11年8月、市民団体「秋田市大森山動物園応援会」から市に要望書が出されたことが始まりだった。
 中国への調査団派遣などを計画したが、同12月に仙台市八木山動物公園へのパンダ貸与がほぼ固まったとの情報が流れて諦めムードが広がり、いったんしぼんだ。
 18年10月に安倍晋三首相と中国の李克強*2首相がジャイアントパンダ貸与に向けた協議推進で合意したことが再始動の契機となった。秋田市は候補地として再び名乗りを上げた。
 穂積市長は5月17日、中国・四川省の「中国パンダ保護研究センター都江堰基地」を視察。現地の研究員からパンダの生態などについて説明を受けた。同25日には自民党二階俊博幹事長、今月16日には菅義偉官房長官にそれぞれ要望書を提出。政府与党の幹部に誘致の情熱をアピールした。
 経済効果に関する市の試算は、2頭を大森山動物園に誘致すると年間の入場者数が現在の約28万人から50万人増の約78万人になるなどと予測している。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201906/20190620_41005.html
 秋田市が運営する大森山動物園に中国からジャイアントパンダを誘致しようと、実現を目指す同市の取り組みが活発化している。2011年にも同様の動きがあったが実を結ばなかった経緯があり、8年ぶりに再始動した形だ。誘致の旗を振る穂積志*3市長を中心に積極姿勢を強めている。
 18日の市議会6月定例会一般質問の答弁で、穂積市長はパンダに言及。2頭を誘致した際の経済効果が約48億円に上るとの試算を示し、市の気候などが中国でパンダが生息している環境に近いと説明した。

天安門事件から30年!仙台に「安倍パンダ」が来る!? : 仙台にパンダはいらない!まとめブログ
佐藤正昭市議:
 本市がこれまで取り組んでいる、ジャイアントパンダの導入は大きな起爆剤になると思います。
 大震災後、当時の奥山市長は、パンダの導入は、子どもたちに夢と希望をあたえ、復興のシンボルになると言っておりました。ジャイアントパンダ八木山動物公園に来ることとなれば、初年度は100万人を超えるような来場者が見込まれるのではないでしょうか。
 現在、パンダ導入の話はいかがなっているのでしょうか。伺います。
 私は、東北の人たち、特に子どもたちの笑顔のためにも、是非、パンダが仙台に来ればよいと願うものであります。
 6月のG20の折に、安倍総理と中国の習近平主席との会談がもたれ、電撃的に決定するのではないかと囁かれております。
 国内的に見れば、仙台と神戸が候補に挙がっているようでありますが、日本側のキーマンは言わずと知れた安倍総理。何度も経済交流団とともに中国と交流のある二階*4幹事長。仙台市、そして日中友好協会*5の林*6会長の3人くらいかなと考えます。
 仙台市はどのようなアプローチをしているのでしょうか。ただ指をくわえて見ているだけなのでしょうか。お伺いをいたします。

 コメントなしでひとまず記事だけ紹介しておきます。なお、誘致自治体のウチ、仙台市の郡*7市長は旧民主党系ですが、茨城県知事、秋田市長は自民系です。


■日中首脳会談、ひとまず終了

首相「香港は自由な繁栄が重要」 習主席に伝える :日本経済新聞
 安倍晋三首相は27日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で、香港政府の「逃亡犯条例」改正案を巡る問題について「一国二制度」の下で自由で開かれた香港の繁栄が重要だとの認識を伝えた。新疆ウイグル自治区での人権問題も念頭に、人権の尊重や法の支配など普遍的価値の重要性を指摘した。西村康稔官房副長官が明らかにした。

 桜井よしこ島田洋一などはこの記事を元に「安倍さんは習近平に人権問題についてガツンと言った」と強弁するのでしょうが、重要なことは「発言者は安倍本人ではなく、この種の発表をすることが多い菅官房長官や河野外相でもなく、格落ちの西村官房副長官だ」ということでしょう。つまりは西村発言が事実だとしても安倍はこれを「あまり宣伝したくない」のでしょう。その時点で「言ったか怪しい」し、言ったとしても「おざなりだった(とにかく言えばいい)」疑い濃厚でしょう。
 そもそも西村発言が事実だとしても「自由で開かれた香港の繁栄が重要」というのは「人権重視でないと香港から外資が逃げる危険性がある」としか読めず「いや、人権問題って少なくとも建前ではそういう金儲けの話と違うでしょ?」ですよね。

「永遠の隣国」歩み寄り強調…課題も 日中両首脳の思惑 [G20大阪サミット]:朝日新聞デジタル
 西村康稔官房副長官は会談終了後、記者団に対し、「永遠の隣国」という表現について、「お互いに引っ越すことのできない隣国である」とした上で、「恒常的かつ緊密な意思疎通を行う必要性があるということを述べたものだ」と説明した。さらに、「様々な課題はあるが、両首脳の往来や信頼関係を醸成していく中で、問題をマネージしながら関係発展につなげていくということだろう」と語った。

 ここで西村が言ってることは全て日韓関係にも該当するんですけどね。改めて日韓会談しなかった安倍に呆れます。

官房長官「日中新時代切り開く」 日中首脳会談受け - 産経ニュース
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は28日午前の記者会見で、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が27日に大阪市で行った首脳会談で、習氏の来春の再来日で合意したことについて「日中関係を新たな段階に押し上げ、日中新時代を切り開いていきたい」と述べた。
 菅氏は首脳会談に関し「海洋や安全保障、経済、北朝鮮などさまざまな分野で具体的な協力を確認できたのは大きな成果だった」と評価した。

日中首脳会談 習近平氏、来春の国賓招請を受諾(1/2ページ) - 産経ニュース
 安倍晋三首相は27日夜、大阪市内のホテルで、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため来日した中国の習近平*8国家主席と会談した。安倍首相は「習主席と手を携えて日中新時代を切り開いていきたい」と述べ、来春に国賓として再来日するよう要請した。習氏は「温かいご招待に感謝する」と応じる考えを示した。
 安倍首相は会談で、昨年10月に訪中した際に確認した「国際スタンダードの上に競争から協調へ」などの3つの原則に言及し、「3原則の上に日中関係が新たな発展を得つつあることを歓迎する」と述べた。

日中は「永遠の隣国」確認へ 習主席と合意内容明らかに:朝日新聞デジタル
 安倍晋三首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席による27日の会談で合意する内容が明らかになった。日中関係を「永遠の隣国」と位置づけ、両国の協力が重要との考えを強調。改善しつつある日中関係を確実にするねらいがある。首脳などハイレベルの往来を続けることも確認し、来春の習氏の来日を盛り込む。

 少なくとも安倍が産経が期待するような反中国路線を放棄したことは改めて明白です。


Chosun Online | 朝鮮日報

 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため、大阪を訪問した韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は27日午後、大阪市内のホテルで中国の習近平国家主席と首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化問題などについて議論した。
 会談で両首脳は、朝鮮半島の完全な非核化や恒久的な平和定着に向け、対話プロセスをさらに進展させることで一致。今月20~21日の習主席の訪朝結果を共有するなど、朝鮮半島問題を巡り戦略的な意思疎通を行った。
 文大統領は習主席の訪朝が朝鮮半島の完全な非核化や平和定着プロセスに寄与すると評価し、今後の中国の建設的な役割に期待を示した。
 習主席は朝鮮半島の平和定着に向けた韓国の努力や南北関係の発展に対し支持を表明。朝鮮半島情勢の進展を加速させるため、積極的な役割を続ける考えを表明した。
 両首脳は昨年の両国の貿易・投資が過去最高を記録するなど、交流・協力が拡大していることを評価し、首脳レベルを含む高官級の交流活性化についても議論した。その上で、経済や環境、文化、人的交流などさまざまな分野で実質的な協力を強化していくことにした。
 また、習主席の早期訪韓の必要性で一致した。

 とりあえず、中韓首脳会談報道についてコメント抜きで紹介しておきます。


前のめり、首相に危うさ トランプ氏も落ちた北朝鮮の穴:朝日新聞デジタル
 産経レベルの反北朝鮮タイトルに呆れた上で、記者名「牧野愛博*9」を見て「何だ、牧野か」「牧野なら仕方がない(棒読み)」「産経に移籍すればいいのに」ですね。対北朝鮮制裁を解除したわけでもない安倍のどこが前のめりなのか。牧野のような「頭のおかしいバカウヨ」がでかい面するとは朝日も本当に落ちぶれたもんです。
 一方、「昔の朝日」に該当するのは今や「望月*10記者を擁する東京新聞」でしょう。


「 香港で想定外の大デモ、習近平の窮地 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 安倍政権は、いま、最低限、香港の人々のデモに明確な支持を表明すべきだ。さらにウイグル人への弾圧にも、台湾に対する圧力にも、日本ははっきりと反対の姿勢を打ち出し、中国に物申すのがよい。

 勿論安倍はそんなことをしないでしょうし、それについてよしこが安倍批判することもないでしょう。


中国共産党総書記が朝鮮労働党委員長を訪ねたことについて;「社会主義」が強調された習近平氏訪朝: 白頭の革命精神な日記

 朝鮮中央テレビの記録映画が例によって公開されていたので確認しました(https://www.youtube.com/watch?v=bMtumr3O6ho)。「中国の国家主席が共和国を訪問した」というより「中国共産党総書記が朝鮮労働党委員長を訪ねた」といったほうが正確だというのが感想です(というわけで本稿では以下、党の肩書で呼称します)。「社会主義」がとにかく頻出する点によります。
 とくに象徴的だったのは、歓迎のマスゲームのタイトルが「不敗の社会主義」だったこと、そしてまた、朝中友誼塔(祖国解放戦争:朝鮮戦争で戦死した中国人民志願軍の軍人たちを顕彰する塔)をキム・ジョンウン委員長と習近平総書記が訪問した時のBGMが「インターナショナル」だったこと(53:54~)。
(中略)
 キム・ジョンウン委員長・共和国側の思惑は、わざわざ言うまでもなく明白ですが、触れておきましょう。対米交渉の後ろ盾にしたいという対外政策課題と最高指導者としてのリーダーシップを発揮し、また経済建設の支援を中国から取り付けたいという対内政策課題を意識していることでしょう。
 そうした思惑は、前掲:朝鮮中央テレビ記録映画のラストシーンに強く表れているといえるでしょう。アナウンスによると、習総書記を空港で見送るシーンにおいてキム・ジョンウン委員長は「我々も闘争も社会主義のためのもので、朝中親善も社会主義を守るためのものだと言われながら、新時代の中国特色の社会主義建設と中華民族の偉大な復興の夢を実現させるための習近平同志の責任的な事業で大きな成果があることを宿願」されたとのこと。
 キム・ジョンウン委員長が、習体制をもっともよく特徴づける「中国特色の社会主義」にわざわざ言及し支持を表明したことは、中国を自国側陣営に引き込もうとする意図がよく表れているといえるでしょう。習総書記が社会主義政党間の友好関係を強化・顕示して社会主義思想・中国共産党政権の正当性・正統性を自国民に示したがっている姿を機敏に察知し、相手が一番喜ぶであろうキーワードを取り上げて賞賛することで機嫌を取り、中国側を味方につけようとしているわけです。

 勿論こうした訪問は「相互に利益がある」わけで「中国が一方的に恩恵を与えてるわけではない」。
 そしてその場合の中国の利益の一つが「社会主義の強調」、つまりは「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想 」の対外的アピールだったわけです。


https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190626-OYT1T50147/

 防衛省は25日、海上自衛隊の観艦式を10月14日に相模湾で行うと発表した。政府関係者によると、韓国海軍による海自機への火器管制レーダー照射問題を受け、韓国軍は招待しない方針だ。
 米国やオーストラリア、インド各国軍のほか、中国軍は参加する方向で調整している。海自は今年4月、中国の山東省青島で行われた国際観艦式に護衛艦を派遣し、相互訪問に向けた機運が高まっている。

 タイトルだけで唖然ですね。「これでどこが中国封じ込めなのか」であり「安倍にとって韓国は敵国なのか」ですね。そもそもレーダー照射問題なんてのは仮に韓国に非があるとして*11ここまで大事にする話なのか。

*1:日立市総務部長、副市長を経て市長

*2:共青団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*3:秋田市議、秋田県議を経て秋田市

*4:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*5:正しくは日中友好議連。

*6:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相を歴任

*7:野田内閣で復興大臣政務官

*8:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*9:著書『北朝鮮秘録』(2013年、文春新書)、『金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日』(2017年、講談社プラスアルファ新書)、『ルポ 絶望の韓国』(2017年、文春新書)、『北朝鮮核危機!全内幕』 (2018年、朝日新書)、『ルポ「断絶」の日韓:なぜここまで分かり合えないのか』(2019年、朝日新書)など

*10:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(共著、2018年、光文社新書)、『安倍政治 100のファクトチェック』、『権力と新聞の大問題』(以上、共著、2018年、集英社新書)、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)など

*11:実際どうか分かりませんが。