今日の中国ニュース(2019年11月3日分)

第9回 アジアの民主化を促進する東京集会報告 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会

開会挨拶 西村幸祐(アジア自由民主連帯協議会副会長)
 現在、中国政府の抑圧と闘い続けている香港市民を支援するための香港人権法が、アメリカの国会では審議され、成立しつつある。しかし、アジアの民主化の最前線というべき香港市民の闘いに対し、わが日本政府が殆ど支援の姿勢*1を見せないばかりか、来年は、習近平主席を国賓待遇で招こうとしている。私(西村)を含め、このような日本の現状に怒りを覚えている日本国民は多いはず

 ということで安倍に悪口する西村ですが、だったら官邸前で「習主席国賓訪日反対!」とデモするとか、もっと目立つ形で安倍批判しろよって話です。
 どこぞの会議室を借りて、お仲間ウヨだけで「習主席国賓訪日反対!」「安倍政権は何を考えてるんだ!」と悪口しても大して意味もありません。

第一部 基調講演
渡辺利夫(前拓殖大学総長)「日本の国柄とは何か」
 渡辺氏はまず、一枚の写真のコピーを配ったのち、自分は山梨県甲府市の生まれなのだけれど、我が家からこの一枚の写真が見つかったという所から話を始めました。そこには、赤ちゃんを抱いた祖母、抱かれている母親(まだ2,3カ月)が映っていたこと、真ん中に軍服を着た祖父が映っていて、その祖父が、日露戦争に出征する日に、一族を集めて記念撮影した時のものだったことがわかったと述べました。
 そして、祖父の胸に、出征前というのに勲章がつけられているのを見て、調べてみると、その勲章は、祖父が日清戦争に従軍して受けた勲章だということがわかり、自分の家の歴史を知ることが出来た思いがしたと述べました。そして、このような写真を見ると、日清、日露の戦争という歴史が、わが家を通じて、今の自分にとっても大変身近なものに感じられると述べました。
 このような写真を通じて歴史を見ると、自分という人間はただ一人こうして生きているのではなく、家族を通じて歴史とつながっている、歴史に於ける一人の旅人なのだという意識を持つことが出来る。

 もうこの時点で「はあ?」ですね。「お前、それアジアの民主化とかけらも関係ねえだろ」て話です。まあこれ以降も延々「アジアの民主化と関係ない話」が続くわけですが。

 人間精神が時代とともに進歩していくという考えを仮に進歩史観と名付けるのならば、自分はその見解には立たない、むしろ人間というのは同じことをいつもくり返す、いわゆる循環史観の立場に自分は立つと述べました。
 そして、だからこそ、自分たちは歴史に学ばねばならない、時代とともに進歩していくのなら、過去の歴史を振り返る必要はないが、自分たちが過去の人たちと本質的に変わらないと考えれば、逆に、過去の先輩たちがどういうところで悩み、失敗したのか、あるいは成功したのかを真摯に学び、同じ過ちを繰り返さぬよう考え行動しなければならないと述べました。

 「同じ過ちを繰り返さぬよう考え行動しなければならない」ねえ。戦前日本の無謀な戦争を批判する人々(笠原十九司*2林博史*3、吉見義明氏*4など)を「反日」「自虐史観」と罵倒する輩がよくもこんなことが言えたもんです。渡辺や西村、三浦に「では具体的に反省すべき過去の日本の失敗とはあなたにとって何ですか?」と聞いたらどう答えるのか。

 いつの間にか、「個人」「個」が、社会よりも、家よりも、国家よりも高い価値であるかのように考えられるようになって行った。
 これが、現在の日本国憲法第13条、24条などに反映しており、個人の尊厳こそが社会や家庭を上に置かれている。しかし、この社会は実は個人ではなく、家族を最小単位として構成されている現実もあるのに、そのようなことは全く記されていない、わが国の現憲法には家族条項すらない。個人の尊厳だけが強調され社会や家庭が軽んじられる、そのような憲法は実はわが国にしかないと渡辺氏は指摘しました。
 渡辺氏は、ここから家族の崩壊は現実に起きている、それは日本の出生数を見ただけでも明らかで、現在の出生率の減少にそれは顕著な形で表れている。この事態を受け、渡辺氏は、憲法に家族条項を入れ、社会の最も基盤となる最小単位は個人ではなく家族である、家族はその意味で国家から保護されるべきであるという視点を憲法の中に位置づけていかなければならないと述べました。

 おいおいですね。「今の日本国憲法24条は家族を軽視してる、改正すべきだ!」て主張の是非はひとまずおく*5としても、そんなんアジアの民主化とどう関係するのか。たとえば憲法24条を改正すれば、渡辺が悪口する「中国の共産党一党独裁」が終了するのか。
 あるいは「独裁色を強めるカンボジア(フンセン首相)やトルコ(エルドアン大統領)」の問題が解決するのか。呆れて二の句が継げませんね。
 「誰が手前に右翼演説しろ、改憲演説しろ、て頼んだんだよ!」「アジアの民主化と関係ない話すんな!」と聴衆が激怒してもおかしくないですが、ウヨしかいない集会なのでもちろんそうはなりません。
 なお、「出世数の減少=いわゆる少子化」自体はほとんどの経済先進国に見られる現象で日本限定ではありません。まあ、フランスなどは割と回復してる*6そうですが、そこから得られる結論はもちろん「フランスなどを参考に少子化対策を進める」つうことでしょう。良く言われるのは例えば「子育て支援(子育て世代への経済支援や保育所の充実など)」ですが。
 少なくとも「憲法が家族を軽視してるから少子化になるんだ、家族条項を憲法に設けよう」なんて話ではありません。

 渡辺氏は、令和の時代になり、万世一系天皇こそが、日本の歴史が内乱や侵略で深刻な危機に陥ることなく、連綿と続いてきたことを明かしている。現在の日本国憲法では、天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴だと書かれているが、本当は「天皇は日本という国家と民族の連綿と続く連続性の象徴だ」という意味の言葉が本当はあるべきではないかと個人的には考えていると渡辺氏は述べ、新たな令和の時代、日本国民の意識と叡智が、より良き時代を作り出してほしいと講演を結びました。

 主張の是非はひとまずおくとしても、「天皇制万歳」なんてもんがどうアジアの民主化と関係するのか。全くもってばかばかしい講演です。
 まあ、侵略について言えば天皇制は全く関係ないですね。
 「日本は島国だから侵略しづらい」つう要素が大きいわけです。大体「数が少ない」とはいえ「元寇」「沖縄戦(米軍侵攻)」「旧ソ連北方領土侵攻」など外国軍の侵攻は日本の過去に例がありますし。
 「内乱」についていえば「壬申の乱」「源平合戦」「南北朝時代」「戦国時代」「戊辰戦争」は「内乱」以外何物でもないわけです。
 しかも「壬申の乱皇位を巡る大友皇子大海人皇子(後の天武天皇)の戦い)」「南北朝時代南朝北朝(というか北朝を担いだ足利氏)の対立」「戊辰戦争=『明治天皇を担いだ薩長』と幕府の戦い」なのだから天皇の存在は「内乱の防止」どころか助長になってますし。

(1)王明理(台湾、台湾独立建国聯盟日本本部委員長)
 今台湾は、一見、民主的で、国民は親切で常識を持ち、インフラは整っている、何ら問題はない民主主義国に見えるけれど、実はそれは砂上の楼閣、全く危うい状態に常にあると述べました。
 なぜなら、中華人民共和国という巨大な侵略国家が、常にこの台湾の息の根を止めようとしてきたからであり、台湾は、そのものすごい圧力に耐えながら、ひたすら孤軍奮闘してきたのが現実だと述べました。

 おいおいですね。今の台湾が「蒋介石独裁」のような状況に戻ることはないでしょう。大体「李登輝(国民党)→陳水扁民進党)→馬英九(国民党)→蔡英文民進党)」と政権交代を繰り返してるのに何を馬鹿なことを言っているのか。
 中台関係が複雑な状況にあることは事実ですが、「台湾が独立宣言しない限り」中国の侵攻はあり得ない。そういう意味では「台湾の民主主義」とやらは何の危機にもないでしょう。

 (ボーガス注:キリバスソロモン諸島、といった)台湾と国交のあった太平洋の国々*7が、中国のお金の力によって切り崩され、台湾の孤立化はますます進んでおり、ユネスコや、WTO、国連などに入ることはできず、オリンピックに出る時も、「チャイニーズタイペイ」という恥ずかしい名前でしか出場できない。しかもそのことを、日本をはじめ、民主主義国家が、きちんと中国に抗議してくれないのが現実だと述べました。

 それ少なくとも「台湾の民主主義」云々とは関係ない話ですが。

・台湾にとって最も重要なのは、1月に予定されている大統領*8選挙であり、これは、台湾の自由民主主義を守る闘いか、中国独裁体制との統一を選ぶかの、運命の闘いである
・次の選挙で民進党を勝たせねば、「今日の香港、明日の台湾」の事態を迎えたくないからこそ、自分たちは民進党を勝たせて自由民主主義を守らねばならないという意志が高まったと語りました。

 「ウソも大概にしろ」ですね。国民党候補が当選しようと民主主義の危機なんて話にはなりません。まあ、国民党候補が当選すれば、今の蔡英文の中国敵視路線はおそらくやめ融和路線に動くでしょう。そしてそれは反中国の人間にとっては不愉快でしょうが、それは少なくとも「台湾の民主主義の危機」と言う話ではない。

(2)民主中国陣線 王戴氏
 王戴氏は、香港で今起きている自由民主主義を求める運動は、1989年の天安門事件と、同じ面もあるけれども、根本的に違う点もある、1989年の段階では、若者たちは、共産党の改革を求めてはいたけれど、共産党そのものを否定するものではなかった。王戴氏は、ここを突破できなかったこと、共産党の嘘を根本的に否定できなかったことが、あの時代に成果を挙げられなかった原因ではないかと述べました。

 アホか、ですね。天安門事件当時の運動が「共産党を否定しなかった」のは「当時の運動の力不足(運動が都市部の学生に限定されていた)で現実問題そんなことは無理」だから、そしてそんなことを言えば「弾圧の口実になりかねないから」です。そして香港デモにしても少なくとも建前上は「中国共産党の政治」を否定してはいない。少なくとも建前では「一国二制度を守れ」と言っているに過ぎません。
 マジレスすれば天安門事件当時の運動が失敗した大きな理由は
1)都市部の学生限定の運動だったから(運動に広がりがない)
2)にもかかわらず落としどころを考えずに政府との対立をいたずらに深めたからでしょう。
 「農村部や労働者にも広がりがあれば」あるいは「落としどころを考えて政府との対立を回避したら」状況は変わっていたでしょうね。

 中華人民共和国建国以来、ノーベル賞を受賞した人はほとんどおらず、その一人は劉暁波*9であり、ノーベル平和賞を受賞したにもかかわらず、事実上、獄中で毒殺されてしまった。

 突っ込みどころの多い文です。
1)ノーベル賞文学賞、平和賞、経済学賞を除けばもっぱら「理系学問の賞(化学賞、物理学賞、生理学・医学賞)」であり「民主主義云々」は全く関係ありません。また平和賞はともかく、「学問の賞」経済学賞はもちろん「芸術の賞」文学賞にしても「川端康成の受賞」でわかるように「政府批判など政治的な作品」が率先して選ばれてるわけでもなく、これまた「民主主義云々」は全く関係ありません。
2)中国国籍のノーベル賞受賞者としては劉暁波(2010年受賞)以外には莫言*10(2012年受賞、文学賞)、屠ユウユウ(2015年受賞、生理学・医学賞)があります。
 また天安門事件後、亡命し、フランス国籍を取得したとは言え、高行健*11が2000年に文学賞を受賞しています(ウィキペディア「中国人・華人ノーベル賞受賞者」参照)。
3)「獄中で毒殺」つうのは何が根拠でしょうか。彼の死はガンですが。
 中国政府が「故意に医療ネグレクトをして」、あるいは「故意ではないがずさんな医療体制で病気を悪化させて」ガンによる死を早めたのではないかと言う批判はありますが、現時点では「疑惑」にとどまります。そして仮に「医療ネグレクトなどで死期が早まった」としてもそれを普通「毒殺」とは表現しないでしょう。それともまさかとは思いますが、ガンの発病自体が「発がん性物質のある毒物」を中国政府が故意に投与したことに寄る物だとでも言う気でしょうか?

 中国の民主運動家の中にも、今回の香港の問題に対し、「もう目標は達成したのだから解決に向かうべきだ」と語っている。しかし、香港では、いまだに市民・学生の要求する民主化は実現していない。それなのに、「人権」「非暴力」「平和的解決」を唱えている一部民主運動家が、香港当局や中国政府の立場に立っている。今、私たちは、中国共産党の悪の支配を打倒しよう、というメッセージをはっきり出して、戦っていかなければならないと述べました。

 当初の目的であった「条例案撤回」は実現していますからね。「行政長官の直接選挙」など実現するとは思えないし、いい加減落としどころを考えた方がいいのではないか。そうした主張は「是非はともかく」別に「香港当局や中国政府の立場」ではありません。
 少なくとも日本という安全地帯にいる王戴が「安易に妥協するな」とデモをけしかけるなど無責任極まりない話です。さてこれ以降「ずっと中国批判」です。中国批判しかしないのなら「アジアの民主化」なんて看板は下ろして「中国の民主化」に掛け替えるべきでしょう。「アジアの国は中国以外は皆民主国家です」なんて事実はないわけですから。

(3)レテプ・アフメット (日本ウイグル協会理事)
 中国は教育施設というけれど、(中略)教育施設ならば世界に開放すればいいのに、その中で何が行われているのかを見ることは、基本的に誰にも許されていない。そのこと自体が不自然だとアフメット氏は指摘しました。

 「秘密主義はおかしい」と言う部分については全くその通りです。

 タシポラット・ティップ教授は(中略)2018年9月に2年間の執行猶予付きの「死刑」判決が言い渡された。
 ティップ氏は、(中略)1996年から新疆大学の副学長、2010年から2017年まで同大学学長、党副書記と務めていた。研究プロジェクトの成果から中国教育省に賞を与えられたことも多数あり、新疆では著名な学者だった。このような人までが「地位を利用して反政府活動を行い、分裂主義を実現しようとした」として処刑判決を受けている

 この辺りどう理解すべきなんですかね?。普通に考えて「新疆大学学長」が死刑判決(執行猶予付き)の重罰を受けるようなこと(反政府活動)をやるとも思えません。一方で「何もしてないのにこんな挑発的行為を中国政府がやるだろうか」という疑問もあるわけです。なんとも不可解です。

(4)ジリガラ(南モンゴルクリルタイ副会長メッセージ代読)
 南モンゴルでは環境破壊が進み、モンゴル民族の伝統であった遊牧生活は全く不可能な状態となっている。

 そもそも環境破壊に関係なく今時遊牧なんて現実的じゃないでしょう。外モンゴルでももはや遊牧は廃れてると言います。

 中国は本来モンゴル人が必要としている地下資源を、すべて搾取するために、環境に負荷をかける露天掘りを行い、さらには公害企業を誘致して現地の砂漠化を進めている。

 別に中国を擁護する気もないのですが、外モンゴルでも「鉱山開発による環境破壊」が報告されています(例えば地下資源に群がる精霊たち――モンゴルにおける鉱山開発とシャーマニズム / 島村一平 / 文化人類学・モンゴル研究 | SYNODOS -シノドス-参照)。この問題は「中国の環境破壊」というよりは「モンゴル地域の環境破壊」として「中国政府だけでなく」外モンゴル政府に対しても批判を加える形が適切でしょう。まあ、協議会はただの反中国ウヨ集団ですので外モンゴル批判などしませんが。

(5)チュイデンブン氏(チベット、アジア自由民主連帯協議会理事)
 中国の奴隷的で封建的で植民地的な政策は、今国境を超えてカンボジア、ネパール、アフリカ、更には日本や欧米など自由民主主義の国々の報道機関、教育機関、航空会社、ホテル、スーパー、スポーツ界などにも影響を及ぼし始めています。

 この部分はそもそも言ってる意味がよく分かりませんね。「影響を及ぼしてる」とは具体的に一体何のことなのか。「中国企業の海外進出のこと」なら「それが何か問題なの?」で終わる話でしょう。

 日本は、アジアで唯一の世界的な自由民主主義の先進国です。

 「国際社会に国扱いされてない台湾」はひとまず置くとしても「『唯一』っておいおい?。韓国は違うってのかよ?」ですね。日本ウヨに対するこびへつらいも大概にしたらどうなのか。

提言Ⅰ ヨーロッパ連合をモデルに現代中国の再構築を考えること

 まあ現実的じゃないですね。中国は「旧ソ連、旧ユーゴのような連邦国家制度*12は考えてない。あくまでも自治区ウイグル内モンゴルチベットなど)は自治区だ」「連邦国家を主張する人間はウクライナなどが分離独立した旧ソ連や、クロアチアなどが分離独立した旧ユーゴのようにチベットなどの独立を狙ってるのか?。そのような独立を認める気はない」としているのだから、話は「自治権の拡充」と言う方向ですべきです。
 ダライ亡命政府だって「自治権拡充」としか言ってないわけでこうした主張はダライ亡命政府にとってもありがた迷惑でしょう。

(6)洪ヒョン氏(韓国、統一日報主幹)
 続いて、韓国から、統一日報主幹の洪ヒョン氏が登壇。洪氏は、現在韓国で起きている事態は、20世紀初頭、イタリアの共産主義者グラムシの理論に基づいているとまず指摘しました。グラムシは、高度に発達した資本主義社会では、労働者の蜂起などの直接的な暴力革命は難しい。法曹界、教育界、文化界などに、プロフェッショナルな革命家を潜入させ、そこから共産主義体制を作り上げていくことを提言した、韓国では正にここ数十年をかけて、従北派が、ソ連、中国など外部の力を借りて韓国社会にそのような革命組織を作り上げており、それが現在の韓国の混乱を来していると述べました。

 ばかばかしいですね。まあ「グラムシ云々」が単に「暴力革命など現実的ではない。選挙による変革が重要だ。その場合、教育や報道の役割は大きい」レベルならそれは間違いではありません(ただそうした運動は何も左派だけがやってるわけではありませんが)。
 「文政権は隠れ共産党だ」なんてただの与太でしかありません。文政権は単に「北朝鮮に対し融和外交」「支持層の要望に応えて脱原発最低賃金引き上げなど内政の一部についてもリベラル的施策を実施」にすぎない。こうした文政権を「アンチ北朝鮮」「原発推進」の右派が共産党呼ばわりしているに過ぎません(なお、俺は文政権はリベラル保守政権ではあっても共産主義どころか社民主義でもなく、左派ではないと思います)。
 つうかこんな与太の何が「アジアの民主化」なのか。そもそも選挙で誕生した民主政権が文政権ですし、文政権をどう評価するにせよ今のところ「我が国日本で安倍がNHKを恫喝して国谷キャスターを追放」などのような言論抑圧の事実なんか認められてないでしょうに。むしろ洪ヒョンが褒め称えてきた朴クネがそうした言論抑圧を朴批判メディアに大して行ってきたことが「朴の失脚と、刑事訴追」によって明らかになったわけです。

(7)グエン・ハー・キエン・グオック(ベトナム革新党)
 ベトナム国民は、中国の侵略に対しては絶対にそれを許さないという国民感情があり、これが自分たちの運動としては大きな救いであると述べました。

 「?」ですね。別にそうした領土ナショナリズムは「民主化」とは関係ないでしょう。
 いずれにせよ中国はベトナム侵略など考えてないでしょうに。

 グオック氏は、中国がアジアに対する覇権を握ろうとしている先には確実に、ここ日本にも向けられている、日本の皆さんは、今こうして各民族に対し中国が行っていることは、日本の問題でもあることを認識していただきたいと述べました。

 ばかばかしい。「ウイグル内モンゴルチベット」といった少数民族統治の是非はともかく、それと「中国の対日外交」と何の関係があるのか。


【動画】第9回アジアの民主化を促進する東京集会 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 ひとまず適当に視聴してみます。事務局長・三浦小太郎が祝電とやらを紹介します。
 まず最初が「LGBT差別暴言」で新潮45を廃刊に追い込んだ杉田水脈衆院議員(自民)。さすがに国会議員でこんな右翼集会に祝電を送ったのは杉田だけのようです。
 次が「連帯協議会名誉会長の加瀬英明*13」。
 加瀬曰く、協議会のこの集会と同じ「10/19」にあった昭和天皇ゆかりの桜、台湾から「里帰り」 即位の礼祝い贈呈式 - 産経ニュースに出席したため、「欠席せざるを得ません、サーセン」だそうです。まあ、チンピラ右翼しかいない会より加瀬的には「黄石城元行政院政務委員(元閣僚)」「謝長廷台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)」「安倍洋子氏(安倍晋三首相の母親)」の出席する会の方が大事だったと言うことですね。

参考

昭和天皇ゆかりの桜、台湾から「里帰り」 即位の礼祝い贈呈式 - 産経ニュース
 昭和天皇が皇太子時代に行った台湾行啓(ぎょうけい)の際に植えられた桜や竹、ガジュマルの苗木を日本に寄贈するとした目録の贈呈式が19日、東京都港区の明治記念館で行われ、日本と台湾の政財界関係者ら約50人が出席した。
 寄贈を推進する「桜里帰りの会」の台湾側会長、黄石城元行政院政務委員(元閣僚)は「台湾で大事に育てられた桜の里帰りを通じて、22日に行われる即位の礼を祝う私たちの気持ちを表したい」と述べた。
 台湾側から苗木の目録を受け取った日本側の名誉会長、安倍洋子氏(安倍晋三首相の母親)は「この桜が見事に成長し、日本と台湾の関係がますます発展することを祈念します」と応じた。謝長廷*14台北駐日経済文化代表処代表(駐日大使に相当)も会場に駆けつけ「台湾と日本は心で結ばれているパートナーだ」とあいさつした。

 で次に協議会副会長だという西村幸祐*15の挨拶です。いろいろアホなことを言っていますが「韓国の文政権が戒厳令を発動するかもしれない」とか抜かしてて大笑いしました。西村が挨拶した10/19現在、文政権は「法相疑惑」などで支持率が落ちたとは言え、「政権が崩壊するような危機」に直面していません。そして政権が崩壊する危機に直面し、実際崩壊した朴クネ政権はもちろん戒厳令なんか発動していません。そもそも独裁国家だってそうそう戒厳令なんか発動できませんが、ましてや民主国家でそんなことができるわけがないでしょう。
 なお、「習近平*16国賓で呼ぶなんて安倍政権はとんでもないことだ!」だそうです。まあ予想通りなんですが、お仲間ウヨしかいないところで「安倍政権は何を考えてるんだ!」と叫んでも仕方ないでしょう。そんなに安倍が気にくわないなら、それこそ官邸前で「習近平国賓で呼ぶな!」と「抗議デモ」でもやったらどうなのか。
 さて次に渡辺利夫*17の講演ですが、講演タイトルに吹き出しました。
 「日本の国柄をどう考えるか」
 まあ、俺は「国柄云々」なんてウヨ的な考えには否定ですがそれはさておき。
 何で「第9回アジアの民主化を促進する東京集会」と言う集会で「日本の国柄」なんて講演テーマになるのか?
 渡辺曰く「10月に即位式もあるし、国柄はタイムリーなテーマだと思う」。
 ふざけてるのか、て話です。そんなことが「アジアの民主化」と何の関係があるのか。
 さて、渡辺曰く「最近、実家を取り壊す予定なので、家の中を整理したら、昔の家族写真が出てきた」。のっけから「はあ?」ですね。
 「そんなんがアジアの民主化や、日本の国柄と何の関係がある」のか。げんなりしてきたのでここ(30分程度)で視聴を辞めます。


第9回アジアの民主化を促進する東京集会 決議文および当日プログラム | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 「アジアの民主化」云々と言いながら中国にしか触れないというアホ記事です。

・中国以外のアジアの国は全て民主国家だとでも言う気か?
・「例えば反体制派を政権中枢の命令で暗殺した疑惑のあるサウジ」「未だ軍部の力が強いミャンマー」「先日カシミール自治権を剥奪し、批判を受けているインド」「エルドアン大統領やフンセン首相が独裁色を強めるカンボジア」などは民主主義の面で問題がないと言うのか?

と呆れざるを得ません。

 中国共産党政府は国内植民地というべきウイグル東トルキスタン)、南モンゴル*18チベットなどで、文化大革命時代にも匹敵する民族絶滅政策を強行している。

 どの辺りが民族絶滅で、文革に匹敵するのか教えてほしいもんです。はっきり言ってデマでしょう。

 対外的には一帯一路という名のもとに、各国への経済侵略や資源略奪を行い、東シナ海南シナ海では国際法を踏みにじる覇権主義の姿勢を露骨に示している。

 おいおいですね。一帯一路を「経済侵略」「資源略奪」呼ばわりするのはデマも甚だしいでしょう。東シナ海尖閣)、南シナ海(南沙)にしても中国は「日本(尖閣)」「フィリピン、ベトナム(南沙)」との間にそれなりの友好関係があるわけです。対立一辺倒ではない。
 なお「中国の名誉(?)」のために断っておけば「尖閣や南沙の領土主張」は台湾も行っています。 

*1:アメリカを見習って日本版香港人権法を成立させろ」つうことでしょう。

*2:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)など

*3:関東学院大学教授。著書『沖縄戦と民衆』(2002年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*4:中央大学名誉教授。著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など

*5:後述するように俺はそういう主張に否定的ですが

*6:とはいえ昔ほどの出生数ではありませんが

*7:太平洋の国々だけでなく、「アフリカのサントメプリンシペ、ブルキナファソ」「南米のパナマエルサルバドル」も近年台湾と国交断絶し中国と国交樹立しています。

*8:原文のまま。一般には総統という。

*9:著書『現代中国知識人批判』(1992年、徳間書店)、『天安門事件から「08憲章」へ』(2009年、藤原書店)、『「私には敵はいない」の思想』(2011年、藤原書店)、『最後の審判を生き延びて』(2011年、岩波書店

*10:著書『赤い高粱』(2003年、岩波現代文庫)、『白檀の刑(上)(下)』(2010年、中公文庫)、『牛 築路』(2011年、岩波現代文庫)、『続 赤い高粱』(2013年、岩波現代文庫) 、『豊乳肥臀(上)(下)』(2014年、平凡社ライブラリー)など

*11:著書『ある男の聖書』(2001年、集英社)、『霊山』(2003年、集英社)、『母』(2005年、集英社

*12:ここでチュイデンブンがいう「ヨーロッパ連邦モデル」とはそういうことです。

*13:著書『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』(2011年、祥伝社新書)、『日本と台湾』(2013年、祥伝社新書)、『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(2014年、祥伝社新書)、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(2015年、ベスト新書)、『いま誇るべき日本人の精神』(2016年、ベスト新書)、『中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか』(2018年、ワニ文庫)など

*14:高雄市長、行政院長(首相)を経て台北駐日経済文化代表処代表

*15:著書『「反日」の構造:中国、韓国、北朝鮮を煽っているのは誰か』、『「反日」の正体:中国、韓国、北朝鮮とどう対峙するか』(2012年、文芸社文庫)、『21世紀の「脱亜論」:中国・韓国との訣別』(2015年、祥伝社新書)、『日本人に「憲法」は要らない』(2016年、ベスト新書)、『韓国のトリセツ:やたら面倒な隣人と上手に別れる方法』(2019年、ワニブックスPLUS新書)など

*16:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*17:拓殖大学学事顧問(前総長、元学長)、東京工業大学名誉教授。著書『韓国:ヴェンチャーキャピタリズム』(1986年、講談社現代新書)、『アジア新潮流』(1990年、中公新書)、『社会主義市場経済の中国』(1994年、講談社現代新書)、『新世紀アジアの構想』(1995年、ちくま新書)、『韓国経済入門』(1996年、ちくま学芸文庫)、『中国経済は成功するか』(1998年、ちくま新書)、『種田山頭火の死生』(1998年、文春新書)、『現代アジアを読む』(1999年、PHP新書)、『成長のアジア・停滞のアジア』(2002年、講談社学術文庫)、『新脱亜論』(2008年、文春新書)、『アジアを救った近代日本史講義』(2013年、PHP新書)、『放哉と山頭火』(2015年、ちくま文庫)、『神経症の時代:わが内なる森田正馬』(2016年、文春学藝ライブラリー)など

*18:内モンゴルのこと