今日の中国ニュース(2021年2月17日分)

◆楊海英*1のツイート

楊海英
 拙著『中国人とモンゴル人』が、産経NF文庫として刊行されました。

 「産経から出さなくても良かろうに?」と思いますが今やそんな常識は楊には無いわけです。

楊海英
 日の丸が中国の赤旗に征服された月末にならないよう祈ります。
まもなく日本で正式発表…中国の最高級車「紅旗H9」の実力(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
 中国の自動車メーカー「第一汽車(だいいちきしゃ)」の高級車ブランド『紅旗(ホンチー)』が、まもなく日本に上陸する。2月中に正式発表されるという。これまで純中国メーカーの乗用車が日本で一般販売されたことはなく、カーマニアの間で大きな話題になっている。

 楊らしい反中国ツイートです。「中国の自動車」がどんな性能か、どれほど売れるかは分かりませんが、中国も着実に経済大国、技術大国化しているわけです。
 

香港弾圧、抗議の署名1万筆超 日本政府に働き掛け要求―有識者ら:時事ドットコム

 中国・香港両政府による香港民主派の弾圧に抗議する署名が約1万3000筆集まったことを受け、呼び掛け人の阿古智子*2東大教授らが18日、鷲尾英一郎*3外務副大臣に署名を手渡した。
 この後の記者会見で阿古氏は、「いい意味で(国際社会が)プレッシャーをかけていけば、そうひどい状況にならないかもしれない」と強調。同じく呼び掛け人の倉田明子*4東京外大准教授は「一国二制度も香港の自由もどんどん奪われている。根本的におかしいということを日本としても発信してもらいたい」と訴えた。

 ノーコメントですが記事紹介だけしておきます。なお、阿古氏、倉田氏以外の呼びかけ人は

香港弾圧に抗議の署名1万超 | NEXT MEDIA "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス]
伊藤和子*5(弁護士、ヒューマンライツ・ナウ事務局長)、五野井郁夫*6高千穂大学経営学部教授)、土井香苗*7(弁護士、ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)ら

だそうです。阿古、倉田氏(中国研究者)の名前が、時事通信記事で、特に紹介されたのは恐らく「中国研究者が、他の呼びかけ人にいないから(そして中国研究者である二人がこの署名活動の中心人物だから)」でしょう。もちろんこれは恐らく、単に「阿古氏、倉田氏が何故か他の中国研究者に呼びかけ人を依頼しなかった」などの話にすぎず、他の中国研究者がこうした中国批判を展開していないという話ではありませんが。


中国共産党の“スパイ養成機関”に潜入…「孔子学院」を6ヶ月どっぷり受講して見えた真実:時事ドットコム
 筆者は安田峰俊*8。安田曰く「俺が受講&取材した限りただのカルチャースクールだった(もちろん中国政府批判はないが、中国政府の政策を絶賛するようなことも無かった)」という「予想の範囲内」「ある意味当たり前の話」です。
 また安田を信じるならば「孔子学院」は「実は『中国文化を教える』『中国政府批判はしない』程度のゆるい枠しかないらしく、本部の定めた統一カリキュラムは特にない」「孔子学院という学校名でも実は孔子文献(論語など)を読ませなくてもいい」「たとえるなら、一応チェーン店であり、統一性が全くないわけではないが、店によってオリジナル料理が存在するという珍しいチェーン『餃子の王将』や『ラーメンショップ』並にゆるゆる」とのことです。もちろんさすがに「中国政府批判はない」でしょうがウヨ連中の言うような「スパイ機関」どころか「がっちりしたカリキュラムで統一性を図ること」すらしてないわけです。
 孔子学院が「そんなにゆるゆる」「カルチャースクール業界の『餃子の王将』『ラーメンショップ』」だとは意外です。
 人民日報記事や習主席の言行録など「読むことも時にはある」ものの、それは「現代中国の雰囲気を知るため」に「一応触れてみました」程度の物。特にそういう方面に強く傾斜することも無く「論語など孔子著作」「中国古典文学」「中国現代文学」など幅広く読んだとのことです。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年、ちくま新書)、『紅衛兵とモンゴル人大虐殺:草原の文化大革命(仮題)』(2021年3月刊行予定、筑摩選書)など

*2:著書『貧者を喰らう国:中国格差社会からの警告【増補新版】』(2014年、新潮選書)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(2020年、出版舎ジグ)

*3:衆院議員(民主党民進党自民党)。野田内閣農水大臣政務官などを経て菅内閣外務副大臣

*4:著書『中国近代開港場とキリスト教洪仁玕がみた「洋」社会』(2014年、東京大学出版会)など

*5:著書『誤判を生まない裁判員制度への課題:アメリカ刑事司法改革からの提言』(2006年、現代人文社)、『人権は国境を越えて』(2013年、岩波ジュニア新書)、『ファストファッションはなぜ安い?』(2016年、コモンズ)、『なぜ、それが無罪なのか!?:性被害を軽視する日本の司法』(2019年、ディスカヴァー携書)など

*6:著書『「デモ」とは何か:変貌する直接民主主義』(2012年、NHKブックス)など

*7:著書『「ようこそ」と言える日本へ:弁護士として外国人とともに歩む 』(2005年、岩波書店)、『巻き込む力:すべての人の尊厳が守られる世界に向けて』(2011年、小学館)など

*8:著書『和僑:農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(2016年、角川文庫)、『さいはての中国』(2018年、小学館新書)、『移民 棄民 遺民:国と国の境界線に立つ人々』(2019年、角川文庫)、『もっとさいはての中国』(2019年、小学館新書)、『性と欲望の中国』(2019年、文春新書)、『現代中国の秘密結社:マフィア、政党、カルトの興亡史』(2021年、中公新書ラクレ)など