今日の中国ニュース(2019年11月10日分)

福島香織のツイート

福島香織
 いまから昭和12年学会に行ってくる。
 江崎道朗*1先生がトーマス・ビッソンがソ連軍情報部の工作員になる前に、中国共産党秘密党員として、盧溝橋事件や米国内の反日援支運動に関わっているという話。中国共産党の対米世論工作を研究せずに昭和12年史は解明できない、という話

 福島も本気ではなくウヨ業界に媚びてるだけでしょうが、呆れて二の句が継げませんね。トーマス・ビッソンなる人間について小生は知りません。
 ウィキペディア「トーマス・アーサー・ビッソン」によれば

・1900年生まれ~1979年死去。
・1929年外交政策協会(EPA)の極東研究員。
・1937年、雑誌『アメラジア』の創刊に参加。1941年まで『アメラジア』の編集委員兼執筆者を務めた。
・1943年から1945年まで太平洋問題調査会(IPR)に研究員として籍を置き、IPRの機関誌『パシフィック・アフェアーズ』の副編集長も務めた。
・1945年10月から1947年4月までGHQ民政局のメンバーとして財閥解体などの改革に従事し、『ビッソン日本占領回想記』(邦訳、1983年、三省堂)、『敗戦と民主化GHQ経済分析官の見た日本』(邦訳、2005年、慶應義塾大学出版会)などの著書がある

そうですが。
 おそらくソ連工作員云々、中国共産党秘密党員云々は「張作霖暗殺・コミンテルン陰謀論」などのようなデマでしょうが、「デマだと言えるだけの知識が小生にはない(そもそもビッソンについて知らない)」。
 しかし、それでもこの福島ツイートがおかしいことは分かります。まず第一に盧溝橋事件(昭和12年)は「中国国民党軍と日本軍の武力衝突」であり、中国共産党は何一つ関係ありません。福島や江崎は「盧溝橋事件・中国共産党陰謀論」と言う与太を飛ばす気なのか?(おそらくそうなのでしょう)
 第二に「米国内の反日援支運動」とやらを「米国に働きかけた中国側の主力」はもちろん「当時の正統政府・蒋介石政権」です。当たり前でしょう。その意味では「米国の対日世論」に大きく影響したのは「中国共産党の対米世論工作」などではなく「中国国民党の対米世論工作」です。


地下鉄駅や商業施設破壊 香港各地で衝突、多数拘束 - 産経ニュース

 抗議活動が続く香港の九竜地区や新界地区で10日、一部デモ隊が地下鉄駅の改札口や親中派とみなす飲食店を破壊した。

 あくまでも「一部」であって「全部」ではありませんがもはや一部のデモ隊については「犯罪者集団」として刑事処罰を受けて当然の連中だと思います。
 もはや「警察も暴力を振るってる」て正当化できるレベルではないでしょう。


【産経抄】11月10日 - 産経ニュース

 社会主義の敗北と冷戦終結につながる「ベルリンの壁」崩壊から30年がたった。自由と民主主義の勝利を告げる笛はしかし、まだ鳴っていない。

 そりゃ当然でしょう。独裁は共産党一党独裁旧ソ連、東欧など)の専売特許じゃないからです。昔なら「ナチスドイツ」「ムソリーニイタリア」「朴チョンヒ韓国」「ピノチェトチリ」など、最近でも「プーチン・ロシア」「フンセン・カンボジア」「エルドアン・トルコ」「エジプト・シシ」など「共産主義でない独裁(共産主義どころか反共独裁)」はいろいろあります。
 と思ったのですが、産経の言いたいことはそういうことではなかったようです。「中国ガー」だそうです(苦笑)。


【主張】南シナ海問題 中国の「日米排除」許すな - 産経ニュース
 南シナ海の領土紛争の当事者は「中国」「台湾」「フィリピン」「ベトナム」であって日米は関係ありません。関係各国で話がつくならそれでいいわけで、「フィリピン」「ベトナム」に依頼、要請でもされたのならともかくそうでないなら、部外者の日米が勝手に口出しすべき話では全くない。
 結局、事情はともかく「フィリピンやベトナム」が産経が希望するような「反中国姿勢」ではなく、その結果「日米の政治介入を求めず、中国と個別に話を付けようとしていること」、その結果「産経が希望するような反中国的結末にならないこと」が気にくわないのでしょうが余計なお世話です。
 フィリピンやベトナムは産経の反中国にお付き合いする義務はどこにもない。


■I濱Y子ブログ『空き巣被害にあって』
 リンクを張ると発狂する御仁がI濱女史なのでリンクは張りません。興味のある方は記事タイトル名でググって下さい。

・実は7月に空き巣に入られた。
・警察の方曰く「ここらあたりは中国人やコロンビア人の窃盗グループがよく荒らすんですよ。一時パソコンばかり盗んでいくやつらがいました」と云われてはっと気づく。
 パソコンがない。
・このマック、去年買ったもので、メモリ増設していたから軽く20万は超えていて、なおかつこないだ修理したばっかりで、9月しめきりの論文のための、読書メモやpdf論文があそこにしか入っていない。パソコンは買い換えられるけどデータは取り替えがきかない。
 シリアル番号を警察の書類にかき、泥棒の指紋と区別するため私の十本の指の指紋をとられる。
・帰り際の警察の方の話では、実行犯はすぐ捕まるだろうとのこと。組織の場合、末端を捕まえても、盗品は戻って来ないと、暗にとられたものはかえってきませんよ、的なことを云われる。
 ここでみなさんに質問。
 私がパソコンを盗られたといった時、そこのあなた、やったのは某国*2のスパイだと思いませんでしたか? 正直に言いましょう。 私も一瞬そう疑いました。
 しかしすぐ、冷製パスタになって犯人像をプロファイリングした結果、日本人のドロボーだろうと結論。
・しかし、私が空き巣にあったことを知った人はみな、「某国のスパイではないか」と延髄反応した。というわけで、私に何かあると真っ先に某国が疑われることがわかった(笑)。
・それから一ヶ月半たった、9月6日、(中略)空き巣は案の定、日本人で27才、警察の見立てでは組織のバックのないフリーの空き巣だという。

 吹き出しました。スパイ云々って冗談でも笑えませんが本気なんですかねえ。
 普通に考えて「犯人が逮捕される前から」普通の人間はただの空き巣と思うでしょうよ(組織的犯行かどうかはともかく)。空き巣に入ったとき、「転売したりして金になりそうなもん」としてパソコンを泥棒したと言うことでしょう。
 それにしても警察から「パソコンが盗まれてませんか」と言われるまで盗まれたことに気づかないとは女史も浮世離れしてるというか何というか。

*1:著書『コミンテルンルーズヴェルトの時限爆弾:迫り来る反日包囲網の正体を暴く』(2012年、展転社)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(2017年、PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか:コミンテルンの秘密工作を追求するアメリカ』 (2017年、ワニブックスPLUS新書)、『日本占領と「敗戦革命」の危機』(2018年、PHP新書)、『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(2019年、PHP新書)など

*2:まあ中国のことなんでしょうね。