「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年12/26分:荒木和博の巻)

国賓【調査会NEWS3147】(R01.12.26): 荒木和博BLOG

 習近平*1中国主席を国賓で呼ぶことについての批判が(ボーガス注:右翼の世界で)高まっています。出たばかりの「月刊Hanada」「正論」2月号には安倍総理のインタビューが載っており、どちらも聞き手は批判的に聞いているのですが、肝心の総理は断固とした口調で国賓で受け入れると答えています。正直開いた口が塞がりません。
 香港のことがあり、ウイグルでの収容所のことがあり、日本人抑留問題があり、もちろん尖閣の問題があり、というこんなときに国賓で呼ぶこと自体常軌を逸しています。

 習主席の国賓訪問(予定)は拉致問題に何一つ関係ないので「はあ?」ですね。
 荒木が習主席の国賓訪問に反対しようとそれは「荒木の勝手」「言論の自由」ですが、拉致と関係ない話を「特定失踪者調査会メルマガ」でするのだから心底呆れます(荒木の自ブログ記事の大半は「特定失踪者調査会メルマガ記事の転載」であり、この記事もそうです)。荒木をまねれば「荒木のこの記事は常軌を逸している」「正直開いた口が塞がりません」。

 野党は桜を見る会やホテルがどうこうより前にこっちのことで政府を追及した方が良いのでは。間違いなくその方が支持率が上がると思います。

 もちろん「そうすることの是非はともかく*2」、「間違いなく」そんなことは野党の支持率上昇も「安倍政権や自民党の支持率低下」ももたらさないでしょう。世論調査でも明らかに「桜を見る会」追及は、「安倍政権や自民党の支持率低下*3」をもたらしています。
 だからこそ安倍も「桜を見る会の中止」を表明せざるを得なくなった。「安倍への批判が甘いマスコミ番記者相手」の「安倍のワンマンショー」であり釈明の名に全く値しないとは言え、また野党の「国会で釈明せよ」要求から逃げ続けたとは言え、「マスコミ番記者相手に釈明会見」もやった。
 一方「習氏・国賓訪日」はそんな影響は何一つもたらしていない。マスコミも「一部ウヨマスコミを除き」、「国賓訪日反対」などの批判報道などしない。だからこそウヨ以外、「必ずしも賛成ではないかもしれない」が大して反対もしない。少なくとも「絶対反対」なんてのは荒木のような反中国ウヨだけです。
 だからこそ安倍もためらいなく「国賓訪問」を公言する。
 この点、わかりやすいのは

【かなり以前】
・安倍靖国参拝中止(米国の批判がきっかけ)
・国立競技場建設について当初案(ザハ・ハディド案)の撤回
南スーダンからの自衛隊撤退(南スーダンの治安が極度に悪化し、自衛官から死亡者が出る恐れがでた*4ため)
【ごく最近】
桜を見る会の中止(共産党・田村議員の追及がきっかけ)
・英語民間試験活用、記述式国語試験など「大学入試新制度」実施の延期(萩生田文科相の「身の丈」暴言への批判がきっかけ)

など「安倍が政権維持のために方針を変更した事例*5」ですね(他にもあると思いますが)。
 本当に安倍が「このまま強行したら政権維持が危ない」と思ったら「習氏国賓訪問」も「世論の批判を恐れて」これら同様、「訪日自体なし」か「国賓扱いしない訪日」かはともかく、「国賓訪問」をやめてるでしょう。しかし安倍はそうは思ってないわけです。国賓訪問を撤回しないことの「是非はともかく*6」、そうした安倍の認識「国賓訪問は桜を見る会、英語民間試験活用などと違い、将来はともかく現時点では政権支持率に影響しない」「むしろ今から撤回すれば『訪日自体なし』はもちろん『訪日はあるが国賓扱いではない』であっても中国の批判を招き、むしろ『経済への悪影響のおそれ』から政権支持率が落ちる恐れがある」は正しいでしょう。そしてそんなことは荒木もよく分かってるだろうに良くもデタラメが抜かせたもんです。

・どうせ習近平国賓で呼ぶなら、「毒を食らえば皿まで」で、この際金正恩国賓で呼んだらどうでしょう。
・大阪の鶴橋で母親高容姫の足跡を辿るとか、祖父高ギョンテクが朝鮮人女工を管理していたとかいう帝国陸軍の協力工場*7の跡でも歩く(ボーガス注:「ブラタモリ」ならぬ)「ブラジョンウン」なんてテレビでやったら視聴率は結構上がるのでは。

 石破*8元幹事長の「拉致解決のために平壌に常駐事務所を置いてはどうか」に悪口していたくせによくもこんなことがいえたもんです。

 家族会と救う会が「拉致被害者を返せば国交正常化に反対しない、帰国した人から秘密を聞かない」とまで言って*9、総理は条件を付けずに金正恩と会うと表明したのに何も変わりませんでした。

 そりゃ何も変わらないでしょう。家族会や救う会の発言も、安倍の発言も到底本心とは思えないからです。
 家族会や救う会はさんざん「経済制裁」「日本サッカー代表の平壌での試合反対」など「国交正常化を妨害してる」としか思えない行為をしてきたくせに今更「国交正常化に反対しない」などといっても「ならば、まず制裁を解除しろ。その発言が本心だと信じられる行動をしろ(北朝鮮)」つう反応しかでないのは当然です。
 大体「拉致被害者を全員帰せば」といったところで、救う会、家族会の場合「その拉致被害者」は「特定失踪者」などという「国内で所在が発見された」明らかなインチキを含んでいます。話になりません。
 そもそも「拉致被害者を全員返せば国交正常化」ではなく「一人でも帰せば国交正常化→返す数が増えれば経済交流の進展」のほうが現実的でしょう。「全員返さなければ国交正常化しない」、しかもその全員には「特定失踪者なんてインチキが入る」のでは繰り返しますが、お話になりません。
 安倍にしても「無条件で会いたい」つうなら当然「ならば安倍・金正恩会談直後に政府認定拉致被害者が一人も帰らなくても、今後の問題解決に期待して会うのですか?」つう話ですが、そうした疑問に安倍がまともに答えたことは一度もありません。オウムのように「無条件で会いたい」を繰り返すだけです。

 頼みのトランプ大統領は選挙で頭が一杯です。
 おそらく頭の中の8割くらいは選挙のことで、残りの2割のうちのさらに8割くらいが内政で、その残りの外政の2割位がアジアのこと(ほとんどは中国)でしょう。朝鮮半島問題など米中関係の「従属変数」程度でしかないはずです。少なくとも「国政の最優先課題」ではありません。

 こうした主張は救う会、家族会の主張「トランプは我々を支持してる」に明らかに反するのですが、救う会メンバーの荒木は一体何を考えてるのか?

 同じことをしていてもだめなのだから来年はあまりこれまでの前例とか、法律とか気にしないでやった方が良いのではないかと思います。

 「同じ事(経済制裁)をしていてもだめなのだから、前例(?)にとらわれず、来年はむしろ経済制裁を解除してはどうか?」「法律(安保理制裁決議など)など気にしないで、日朝経済交流を進めよう」などといったら激怒するであろうに、よくもこんなことがいえたもんです。

「まず行動せよ。理屈は後から貨車に乗ってやって来る」、春日一幸・元民社党委員長がよく言っていました。

 春日一幸と荒木、そして彼らが関わった旧民社党がいかにくだらない政党かよく分かります。
 当たり前の話ですが、デタラメな思いつきで動いても「理屈は後からついてきません」。行動するには「ある程度の理論武装」は当然必要です。
 旧民社党がなぜ消滅したかよく分かる話です。 

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*2:俺は「国賓訪問に賛成」なのでそんな追及を是とは思いませんが

*3:ただしそれが必ずしも野党支持の上昇につながっているとは思えないところがつらいですが

*4:安倍のような極右は「自衛官から犠牲が出てもいい。改憲の口実にすればいい」と思ってるのではないかと危惧してましたが、違ったわけです。

*5:もちろん、これらの事例を過大評価することはできません。これらの事例があるからといって「安倍政権が長期政権でも問題ない」などとはいえない。しかしこれらの事例で分かるように安倍は「長期政権」とはいえ絶大な支持など受けてませんし、野党などの安倍批判が全く無力なわけでもありません。

*6:俺は「国賓訪問に賛成」なので「安倍が国賓訪問を撤回しないこと」を非とは思いませんが

*7:こうした主張は荒木らウヨの主張に過ぎず、北朝鮮が認めたわけでもなく、争いのない定説ではないことを指摘しておきます。

*8:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*9:こんなことは「拉致解決が最優先(救う会、家族会)」が本当なら「言わずもがなのこと」であり「北朝鮮側への譲歩」であるかのように自画自賛する話では全くありません。